上 下
310 / 732

ブルーワグでのんびりと!

しおりを挟む
「チハル、街はどうだった?」
 モートはスイーツを食べ終わりお茶を飲みながら千春に問いかける。

「うん、面白い物もあったし、ジブラロールで見ない食材も色々ありましたよー。」
「そうか、妖精がフェアリーリングを設置したからいつでも来れそうだな。」
「うん、リリが居たらいつでも来れますね。」
「俺も連れてこれるぜ!」
「私もですわ~♪」
 ルルとポポもフヨフヨと飛びながら手を上げる。

「ルルとポポは里に帰るでしょ?」
「いいえ?別に戻らなくても大丈夫なの~。」
「俺も大丈夫だ!」
「え?そうなの?リリ。」
「えぇ、ドライアド様が里を出る許可を出してるから大丈夫よ~♪」
「そっか、チョコのお届け便は?」
「たまに戻れば大丈夫でしょ。」
「って事だからよろしくね、ユラ。」
「俺もよろしくな!レン!」
「・・・え!?ユラとレン!?」
 ユラとイーレンの肩に乗るルルとポポに千春は驚く。

「うん!お友達になったの!」
 ルルは嬉しそうに言う、ポポもウンウンと頷く。

「えぇぇ、お母様大丈夫なんですか?」
「・・・今更なのよね、リリなんて街で良く姿出してるでしょ?王宮まで報告来てるわよ。」
「そうなんです?でも、妖精って・・・悪い人に捕まったりしません?」
「他の国なら捕まえようとするバカも居るでしょうね。」
「ジブラロールは違うんですか?」
「違うわね、リリは誰と一緒に居ると思ってるの?」
 呆れた様に千春へ言うマルグリット。

「レナと一緒に居るけれど、レナはチハルのお友達よ?手を出したらどうなると思ってるの?」
「どうなるのかな?」
 ん?っと首を傾げる千春、それを聞いたルプは笑いながら言う。

「そりゃぁ俺達がボコボコにしてアイトネが出て来るだろうなぁ。」
「そうじゃな、タダじゃ済まんな、質が悪奴ならモートも出て来るぞ?」
 ロイロもルプと同じく笑いながら言う、モートは口元を上げ笑っているので本当のようだ。

「ユラ、レン、妖精ついちゃうけど大丈夫?」
「だいじょうぶ!」
「だいじょうぶです!」
 嬉しそうに言う二人に千春も思わず笑顔になる。

「シュシュはどうするの?」
 千春はシュシュとルペタを見ると、マルグリットとイショナ王妃が答える。

「問題無いでしょ。」
「えぇ、城の中でしたら私が通達しておきますから、シュシュちゃん、ルペタと仲良くしてあげてね。」
「勿論よ~♪この国のお姫様はみんな私のお友達ですもの♪」
「シュシュよろしくね!」
 マルグリットとイショナ王妃が言うと、嬉しそうに返事を返すシュシュとルペタ、妖精問題は解決したようだ。

「そうそう、チハル、この国とモート国に鉄道を通すわ、順次他の国も通す予定だけれど。」
「あ、本当にやっちゃうんですね。」
「えぇ、王国の領と同時進行で進める事にしたわ、問題の資材も有る程度の見積もりは出来たわ、その都度集める事にはなるでしょうけれど。」
「凄い量になりますよね。」
「えぇ、でもまだ魔導列車を動かせないからまだ先の話、のんびり進めて行くわ。」
「流通が安定したら色々手に入りますね。」
「物だけではないわ、人も知識も広がるわ、特にジブラロールで開発している物は国を発展させるもの。」
「・・・大丈夫かな?」
「えぇ、危険な事に使う事も出来るでしょう、そこは国同士が考える事、チハルは気にしなくて良いわ。」
 マルグリットは千春に寄り添い優しく話す。

「なぁに、儂らが抑止力として動けば良いんじゃ、チハルは楽しめば良い。」
「その通りだ、ふざけた国が有れば俺達が止めればいい。」
「ルプの言う止めるっちゃぁその国が終わるっちゅー事やん?」
「制裁とはそう言う事ではないですか?」
 ペット達は大げさに言う、それはチハルに対しての優しさであり、何か有れば自分達も責任を取ると言う遠まわしな言い方であった。

「そう言う事、そこは大人に任せなさい。」
「・・・はい。」
 少し空気が緩んだ所で部屋に来客がある。

コンコンコン。

「はーい!」
 千春が返事をすると、モリアンが扉を開け確認する、するとエイダン陛下とファーグス国王が現れた。

「おっと、皆ココに揃っておったか。」
「失礼します、聖女様。」
「いらっしゃいませ、えっと何か有りましたか?」
「いや、一通り話が終わっての、儂もチハルの顔を見たかったのと、ファーグス殿が聖女と話がしたいらしくてな。」
「まぁ仕事の話?ゆっくりしてたのに。」
 揶揄う様にマルグリットが言うと、イショナ王妃もクスクス笑う。

「イショナ、体調は大丈夫か?顔色は・・・凄く良いな。」
「はい、聖女様から頂いたスイーツを食べて良くなりました。」
「それは良かった、無理をしないようにな、また臥せては大変だ。」
「それはもう大丈夫です、治りましたから。」
 イショナはそう言うとマルグリットと目が合いクスクス笑う、エイダンはその様子を見て気付く。

「・・・メグ、治ったと言うのは・・・アレか?」
「えぇアレね。」
「チハル、アレを無暗に振る舞うでないぞ。」
「てへっ♪」
 反省すら見えない千春を見て、エイダンは苦笑いをするが、また笑顔に戻る。

「神モート様、女神アイトネ様ご挨拶が遅れました、ご機嫌麗しく。」
「気にするな、チハルのお菓子を食べていただけだ。」
『そうそう、気にしなくて良いわ、このメンバーで集まっている時はお友達が来ているくらいで考えて頂戴。』
「はっ、有難うございます。」
 頭を下げ挨拶をするファーグスに満足げに答え笑顔を見せる二柱。

「お父様もお菓子食べますか?」
「また作ったのか?」
「はい!栗モンブランです!まだいっぱいありますよー。」
 ユラ、イーレン、ルペタがソファーを離れ、エイダンとファーグスが変わりに座る、ユラ達はそのままフェンリルの姿で寝転がっているルプに抱き着く。

「ほぉ、これは美味そうじゃな。」
「栗ですか、これは街で買われたので?」
「はい、この街の材料で作れますよ、レシピは~・・・。」
「はい、記入しております。」
 オクナとサビアが千春達のレシピを記入していたようで、紙を渡す。

「これがレシピです、料理人の方なら分かると思いますので。」
「有難うございます、モート様、アイトネ様へ奉納がせて頂きますので。」
『よろしくね~♪』
「たのしみだな。」
 二柱はまんざらでもない顔で頷く、その顔を見てファーグスも笑みを返す、大人たちはその後、国の話と言う事で席を外す、千春達やおこちゃま達はのんびりと応接間で過ごした。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

幸子ばあさんの異世界ご飯

雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」 伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。 食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。

死に戻り公爵令嬢が嫁ぎ先の辺境で思い残したこと

Yapa
ファンタジー
ルーネ・ゼファニヤは公爵家の三女だが体が弱く、貧乏くじを押し付けられるように元戦奴で英雄の新米辺境伯ムソン・ペリシテに嫁ぐことに。 寒い地域であることが弱い体にたたり早逝してしまうが、ルーネは初夜に死に戻る。 もしもやり直せるなら、ルーネはしたいことがあったのだった。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

浮気相手の面倒見ろとか寝惚けてるんですか? 撃ちますよ? 雷魔法。

隣のカキ
恋愛
私の婚約者は足りていないと貴族界隈で噂される程の人物。そんな彼が真実の愛を見つけたのだそうです。貴族にそんな言い訳は通用しません。第二夫人? 寝惚けているようなので目を覚まして差し上げます。雷魔法で。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

転生したら死にそうな孤児だった

佐々木鴻
ファンタジー
過去に四度生まれ変わり、そして五度目の人生に目覚めた少女はある日、生まれたばかりで捨てられたの赤子と出会う。 保護しますか? の選択肢に【はい】と【YES】しかない少女はその子を引き取り妹として育て始める。 やがて美しく育ったその子は、少女と強い因縁があった。 悲劇はありません。難しい人間関係や柵はめんどく(ゲフンゲフン)ありません。 世界は、意外と優しいのです。

処理中です...