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国王陛下も遊びたい!

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「あら、リリが居るわ」
「お!リリが居る!」
 ユラ達がのんびりとエイダンを待っていると、フェアリーリングから2人の妖精が現れ飛んでくる。

「ルル!ポポ!どうしたの!?」
 リリは2人を見て声を掛ける。

「いつもの配達だよー!チョコレートの粉!」
「俺もだ!」
「あら、今チハルはお出かけ中よ?」
「お出かけの時は侍女さんに渡すように・・・あれ?その子はだぁれ?」
 ルルはシュシュを見て首を傾げる。

「私はシュシュ、ブルーワグ国の妖精よ。」
「あら、氏族は無いのね?」
「えぇ、ずっと昔、幼い頃に連れていかれたから覚えてないの。」
「そっかぁ、それはしょうがないよなー。」
 ルルとポポはうんうんと頷きながら話を聞く。

「で?ブルーワグって所にフェアリーリング作ったの?」
「そうよ、シュシュがジブラロールに来れる様に連れて来たの。」
「へー・・・私達もブルーワグに行きたい!」
「俺も!」
「えぇ~、別に良いけど里から離れてたら怒られないの?」
「怒られないわ!私達はドライアド様から里を離れる事を許可貰ってるもの♪」
「そうなの?それなら大丈夫ね。」
 リリ、ルル、ポポ、そしてシュシュが話をしていると、ルペタはポカンと口を開け妖精達を見ていた。

「どうしたの?ルペタさま。」
「よ・・・ようせいがいっぱい。」
「うん、ルルとポポだよ。」
「ここはようせいの森があるの?」
「ううん、チハルおねえちゃんがようせいさんのえらい人となかが良いんだよ?」
「すごい、せいじょさますごい。」
 ビックリしながら呟いていると、シュシュはルペタの頭の上に、ルルはユラの頭に、ポポはイーレンの頭の上にポンと座る。

「わぁ、みんないっしょだー。」
「いっしょだね。」
「ポポさんよろしくね。」
 3人が楽しそうに話をしていると、扉が開きエイダンと宰相のルーカスが入って来る。

「陛下本当に行かれるのですか?!」
「良いじゃろ、儂も偶には羽を伸ばさせい。」
「いつも伸ばしてるじゃないですか。」
「急ぎの仕事も無いじゃろ、明日には帰って来る。」
「一泊するつもりですか!?」
「向こうには竜騎士団、騎士団長、副師団長もおるんじゃ、問題は無い!」
「問題有りすぎです。」
 エイダンとルーカスが喧嘩腰で話をする姿を幼女3人と妖精3人はポカンと見ていた。

「まぁまぁ宰相様、あちらには神様二柱がいらっしゃいますから安全ですよー。」
 モリアンはさりげなく助け船を出す、宰相も神と言われ、うーーーんと唸る。

「儂も元冒険者じゃ、何か有っても対処くらい出来るわ。」
「それチハル王女殿下がフラグと言うやつでは?」
「む・・・大丈夫じゃっ!」
「分かりました、護衛に関しては過剰な程付いていますから、しかし!陛下!羽目を外さないでくださいよ!」
「向こうにはメグもおる、外せるわけなかろう、何かやらかそう物なら・・・。」
「そ、そうですね、それでは・・・お気をつけて。」
 なんとかルーカスを説得すると、エイダンはユラ達を見る、ユラ達はポカンとしている。

「んっほん!ユラ、イーレン、ルペタ嬢、行くとしようか。」
 にっこり微笑むとエイダンは手荷物を自分で担ぎ庭に出る。

「それじゃシュシュ、やってみて。」
「うん、皆入ってー。」
 シュシュは皆がフェアリーリングに入るのを確認し、精霊魔法を唱える、すると先ほどまで居たガゼボの見える庭に出た。

「おぉー、ココがブルーワグ国か。」
 嬉しそうにエイダンは声を出すと、庭に待機していた執事や侍女が驚いた顔で見ていた。

「ん?どうしたんじゃ?」
「えっと・・・ようせいさんの事はないしょにしてたの。」
 ルペタは申し訳なさそうにエイダンに言う。

「ふむ、ルプ殿から聞いたが、王女の内緒の友達じゃったか、どれ、儂が説明をしておくから3人はのんびり遊んでおれ。」
 3人の頭を軽く撫でると、執事の1人に説明をする、執事は精霊の事もそうだが、ジブラロール王が来た事をさらに驚き、城内へ招く。

「ユラ、どうする?」
 ルプは苦笑いしながらユラに問いかける。

「んー・・・トランプする?」
「する!」
「とらんぷ?」
 イーレンはすぐに返事をし、ルペタはコテンと首を傾げる。

「しんけーすいじゃくならルペタさまもできるよ!」
「私も出来るかしら?」
「俺もするー!」
「私もやりたいですわー!」
 精霊3人も手を上げる、そして幼女3人と精霊3人でトランプを始めた。


----------------


「ジブラロール国王陛下、此方でお待ち頂けますでしょうか。」
「ふむ、すまんな急の訪問で迷惑を掛ける。」
 エイダンが礼を言うと執事は深々とお辞儀をし部屋を出て行った。

「ふむ、城も趣が違うと面白いのう。」
 ソファーに座りのんびりと待つエイダンは視線をゆっくり動かし部屋を見ているとノックが鳴る。

「どうぞ。」
「失礼する、ようこそ御出で下さいました、私はファーグス・ジル・ブルーワグ、この国を治めております。」
「儂はエイダン・アル・ジブラロール、メグ・・マルグリット達が世話になっておると聞いた、礼を言う。」
「いえいえ、神モート様の客人で御座います、礼など要りませぬ。」
 丁重に話すファーグス。

「ファーグス殿、同じ国王同士じゃ、固くならず話そうではないか、そうじゃそうじゃ土産も持って来たんじゃよ。」
 ニッコニコで袋から焼酎とウイスキーを取り出す、千春からもらったとっておきだ。

「酒ですか?」
「んむ!儂のとっておきを持ってきた、どうじゃ一杯。」
「まだ早いのでは?」
 まだ昼前と言う事もありファーグスは眉をへの字にしながら答えるが、エイダンはニコニコ顔だ、そして瓶の蓋を取ろうとした時扉が開く。

「エイダン!」
「な!?メグ!?」
「なにしてるの・・・・。」
「・・・国王同士の会談をな?」
「酒瓶持って?」
「あー、友好の印に・・な?」
「ふぅん、朝から?」
「・・・早かったかの?」
「・・・はぁ、ファーグス王ごめんなさいね。」
「いえいえ!マルグリット王妃は謝らないでくだされ!」
「そうね、エイダンあなたが謝りなさい。」
「・・・申し訳ない。」
 しょぼんとエイダンは謝る。

「フフッ、それで?報告貰ってビックリしたわ、イショナ王妃とお話してたのに走って来ちゃったわよ。」
「それはすまんかった、ユラ達が妖精と戻って来てのぉ、教国に行っておると思ったら元帝国に、そのままブルーワグ国と聞いたもんでなぁ、羨ましくてなぁ。」
「まぁ気持ちは分かるわ、それで、ルーカスは?」
「うむ、説得した!」
「はぁ・・・ファーグス王、申し訳ないけれどお付き合いして頂けます?」
「勿論です、王国の話は一度聞いてみたいと思ってた所です。」
「それじゃ私は戻るわ、エイダンあなたいつ戻るつもり?」
「明日戻ると伝えておる。」
「そう、呑む時は私達も呼びなさいね、私もチハルから貰ってる分があるから。」
「分かった、ファーグス殿、話す事は色々有るのじゃ、まずは妖精の件からじゃが・・・。」
 マルグリットはフフッと笑い部屋の扉を閉め、智美達が待つイショナ王妃の所へ戻る、エイダンはルプから聞いた話と合わせ、妖精の件等をかいつまんで話していった。
 



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