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空飛ぶ練習!

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「わーい飛べたー!」
 日葵は箒に跨りフワフワと浮いている。

「おぉー、すげぇー、魔女だー!」
 大愛も浮き上がると、上機嫌で叫ぶ。

「ソラ、慣れるまで低空飛行しなよー。」
 麗奈が2階の高さまで浮いた青空に声を掛ける。

「うん、待って、降りれない!」
「ゆっくり下に重さ感じるように魔石に魔力込めて。」
 横で並んで浮いている麗奈が言うと青空はゆっくり降りていく、そして30分後。

「うひょー!」
「まてぇ!ダイア!」
「こっちだよーん!」
「うぉー!」
 3人は難なく魔石を使いこなし追いかけっこをしていた。

「順応はえぇー。」
「まぁウチらも似たようなもんだったじゃん?」
「まぁねー。」
 美桜と麗奈は地上から空を見上げ呟く。

「チハル、箒で飛んでお出かけとか出来る?」
「明日学校だから無理じゃん?今日帰るっしょ。」
「あー・・・そうだったわ。」
 残念そうに青空は呟く。

「ヨリ達は平日来ないの?」
「うん、週末だけだよ。」
 美桜は大愛に言われ答える。

「でもねー、毎週お泊りするとバレるよ。」
「そりゃそうだ、レナはどうしてんの?」
「そりゃママもこっち来てるし?」
「ずるい!」
「ずるくないわ!」
 日葵はぶーぶーと文句を言うが、麗奈は言い返す。

「バレたらウチのお母さんに相談かな。」
「そうそう、ウチもヨリママに助けてもらった。」
「私もー。」
「マ?」
「うん、おかげでママ達もこっちで楽しんでるけどね。」
「お父さんは大丈夫なん?」
「なんかねー、日本の神様に誤魔化せるアイテム貰ったらしいよ、全員。」
「何それ!?うちも欲しいわ!」
「取りあえず今日は諦めて帰りなよ?」
「そりゃ帰るけどさ。」
 残念そうに青空達は箒から降り、テラスの椅子に座る。

「魔力はどう?倦怠感ない?」
「ちょっと疲れたかなー。」
「私は大丈夫。」
「うちも疲れた。」
「それじゃ今日はもう魔法終わりね、使い過ぎてMP無くなると数日寝ちゃうらしいから。」
「それは困るなぁ。」
「でも魔力循環はMP減らさず上限増やせるらしいから、あと日本でも出来るよ。」
「メグ様が言ってたね、うん、日本に帰ったらそれはやる!」
 千春達は部屋に戻り、千春がコンビニスイーツを取り出す。

「はーい三時のおやつですよー。」
「わーい!」
 千春は食いしん坊女神を呼ぶ。

「アイトネー。」
『はーい♪』
「・・・見てたでしょ。」
『そろそろおやつの時間かなーって思って・・ね?』
「そうだけどね~。」
 アイトネはいつも座っているソファーに座り、シュークリームを手に取る。

「あ!」
『どうしたの?』
「ソラ達もスマホ使える様に出来る?」
『もうしてるわよ?』
「え?」
『昨日メグちゃんに魔法教えてもらってたでしょ、その時にちょちょいっと。』
「助かる~。」
 千春はアイトネにグッジョブ!とサムズアップする。

「チハル、スマホが何?」
 青空が千春とアイトネの会話が気になり聞いてくる。

「こっちってこの部屋ならスマホの電波届くんだけど、離れると切れるんだよ。」
「・・・そういや普通に使ってたね。」
 青空はスマホを見ながら呟く。

「ソラ、スマホ充電されてんだけど。」
「あれ?昨日から充電してないよね、100%なんだけど。」
 大愛と日葵はスマホを見ながら言う。

「それね、アイトネがこっちでも使える様にしてくれてるんだよ。」
「マジで!?」
「うん、だからお出かけしてもスマホ使えるよ。」
「すご!!!アイトネ様ありがとうございます!!」
 アイトネはシュークリームを頬張りながら笑顔で答える、そしてまったりとした午後を過ごし、青空達は帰る準備をする。

「あー!チハルの家に泊まりたい!!!」
「うちも!」
「私も!」
「大人しく帰れww」
「ヨリ達はどうすんの?」
「ママ達戻って来ないなー。」
「ほんとだね、お母さん何してんだろ。」
 麗奈と頼子が言っていると、智美達が帰って来た。

「おかえりお母さん。」
「あら、ヨリちゃん、待ってた?」
「ううん、そろそろ帰ろうかって話しはしてたけど。」
「そう、青空ちゃん達はどうやって帰るの?」
「私はバスで駅まで行って帰ります。」
「私もです。」
「うちもー。」
「それじゃ駅まで送るわよ。」
「美咲と麗子の車で送ってもらいましょうか。」
「良いわよー。」
 皆は荷物を持ち、頼子はビェリーが荷物を影に収納する。

「それじゃ明日学校で!」
「チハルまたねー!」
「また明日ー!」
 千春は皆を日本に送り届け、玄関で別れ手を振る。

「・・・ふぅ。」
 玄関の鍵を閉め、クローゼットを抜ける、そして応接間に戻るとマルグリットとユラが待っていた。

「お母様、ユラ・・・。」
「お疲れ様チハル。」
「チハルおねえちゃん~♪」
 ユラはいつもの様に千春に抱き着き頬擦りしながら名前を呼ぶ。

「さ、チハル、親子の時間を楽しみましょうか。」
 優しく微笑みながら千春に言うマルグリット、頼子達が帰ると寂しそうにする千春を連れて行く為に、千春の部屋に来たマルグリットは千春の手を取る。

「行きましょうか。」
「はい、お母様。」
 微笑むマルグリットに微笑み返す千春、そしてロイロが声を掛ける。

「チハル・・・酒置いて行ってくれんかの?」
「・・・空気読めー!!!!」
 千春は怒りながらも笑いテーブルにウイスキーと日本酒を置くと、ロイロとルプは嬉しそうに千春へ手を振る。

「まったく・・・。」
「フフッ。」
「いこー!チハルおねえちゃん。」
「いこいこー!」
 3人は手を取り王宮の長い廊下を歩いて行った。





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