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すいーとるーむ!

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「ここだな?」
「はい・・・。」
 エーデルはサルグル男爵の息子、ボルダリを領主邸まで連れて来た。

「領主を呼びますか?」
 ホーキンはエーデルに言うと、エーデルはそのまま領主邸に向かい歩く。

「どのみち入るんだ、このまま行くぞ。」
 エーデルが門を通ると警備らしき物が近寄る。

「ボルダリ様!お前たち!何をしている!」
「ジブラロール王国第一騎士団団長!エーデル・キアヌと申す!この者は、チハル・アル・ジブラロール第一王女殿下へ不敬を行った、領主を呼べ!」
 エーデルは門番に威圧を掛けながら言うと、門番の一人が走って領主邸に入っていく、そして程なくして、領主が玄関から出てくる。

「私はバールド・サルグル男爵です、この者が言った事は本当ですか。」
「本当の事だ、王女殿下への不敬を行った、この者が謝罪をする事で、王女殿下は不問にされたが、男爵殿の耳に入れるべきであろうと連れて来た。」
「・・・・・ボルダリ、真実か?」
「・・・はい。」
「キアヌ殿、この度は申し訳ございません。」
「その謝罪は王女殿下に伝えておこう、それから、この者と約束をしている事がある、それを破れば王女殿下に仕えるドラゴンが領主邸を焼き払う。」
「ドラゴン!?あの噂は本当でしたか!」
「国が違うが、ジブラロール王女殿下の食事がこの国まで伝わっている、王女殿下の事も耳に入っているだろう。」
「はい、ドラゴンを使役し魔獣を狩る聖女と、噂は本当で?」
「すべて真実だ。」
 サルグル男爵は目を見開き、息子のボルダリを見る。

「申し訳ありません、愚息にはしっかりと教育をし、今後こう言う事が無い様にさせますので・・・この件ジャシール王国の方への報告は・・・。」
「必要無い、王女殿下が不問にした時点で話しは終わっている。」
「有難うございます、もし宜しければチハル王女殿下を屋敷へご招待させていただきたく。」
「その必要も無い、王女殿下はお忍びで旅行中だ、ジャシール国に用が有るわけではないのでな。」
「・・・わかりました、何か御座いましたら言いつけ下さい。」
 男爵がそう言うと、話は終わったと言わんばかりにエーデルは領主邸を後にする。

「エーデル団長、もう少し言って良かったのでは?」
 穏便すぎる対応に、ホーキンが声を掛ける。

「構わんだろ、チハル様が荒事を嫌うからな、それに言っただろ、チハル様が不問にした時点で話しは終わっている、来たのは男爵に次は無いぞと言う事を伝える為だ。」
「そうですね、チハル様の料理がここまで広まっているのでしたら、チハル様の従者の噂も耳に入るでしょうから。」
「そうだな、もう隠す必要も無いなら、朝出る時はわざわざ森まで行かなくても良いだろう。」
 笑いながらエーデルはホーキンに話すと、ホーキンも、そうですねぇと苦笑いしながら答える。


---------------------


「エーデルさんとホーキンさん大丈夫かな?」
「問題は有りませんよ、騎士団長と副団長ですから、男爵領程度の兵士が束になっても敵いません。」
「そっか、2人ともすっごい優しいから、そっかーそりゃ強いよねぇ。」
「サフィーちゃんとエーデルさんってどっちが強いの?」
 チハルとサフィーナの話しを聞いていた美桜が聞いてくる。

「それ私も前聞いたなぁ。」
「聞かれましたね、試合でしたら勝てません。」
「試合じゃなければ?」
「何でも有りなら負けないと思いますよ。」
「マジか!」
「ホーキンさんは?」
 それを聞いた麗奈がホーキンの事を聞く。

「お?ホーキンさんの事が気になるの?レナ。」
「違うし!ちょっとだけ!ちょ~~~っと気になっただけだし!?」
「そうですね、あの方も試合でしたら勝てませんね。」
「おー。」
 それを聞いた麗奈は嬉しそうに微笑む。

「ふぅーん、脈ありかー?」
「ありっぽいかなー?」
 美桜が言うと、頼子もウンウンと呟く。

「チハル、宿で飲んでも良いのか?」
「うん、レストランでよく我慢したね。」
「あんな場所で呑んでもなぁ、ビェリーとコンも呑みたいじゃろ?」
「もちろんやーん!」
「飲みたいです!」
「俺も落ち着いて飲みたいな。」
 ロイロやルプ、ビェリー、コンは嬉しそうに答える。

「はいはい、今日はみんなお疲れ様だもんね、私達もお風呂入ってのんびりしよう。」
「賛成ー!」
 千春達はサフィーナを先頭に宿に向かう、宿に着き中に入ると、支配人らしき男性が現れる。

「お帰りなさいませ、お部屋へご案内させて頂きます。」
 頭を下げ、男性は部屋に皆を促し先頭を歩く。

「お部屋は最上階貸し切りになっております、出入りは2か所の階段が有り、護衛が朝まで居ますので、通られる際はお声かけ下さい。」
「まだ2人来てないので、戻ったら通して下さい。」
「はい、了解致しました。」
 説明を聞き、サフィーナが男性に言うと、男性は微笑み返事を返す。

「こちらに御座います。」
 階段を上がりきると、護衛が2人立っている、そしてその後ろに両開きの扉がある。

「有難う、さぁチハル。」
「ほーい。」
「豪華だなぁ・・・。」
「高そうだね。」
「こういうのってなんて言うんだっけ、スイートルーム?」
「あー、高級ホテルのやつねー。」
 千春達は話しながら中に入ると、王宮の部屋かと思う程の広さと豪華な部屋が目に入る。

「すごっ!」
「マ!?」
「これはヤバい、写真撮っていいかな。」
「私も撮る!」
「サフィー・・・マジ?コレ。」
「安全を考えるとココが一番ですよ。」
「高いでしょ。」
「まぁ、それなりに?」
「・・・だよねぇ。」
 呆れる千春と頼子、スマホを持ち、写真を撮りまくる美桜と麗奈。

「えっとお風呂はー?」
「浴室はこちらです。」
 扉を抜けると浴室がある、王宮程ではないが、浴室も豪華だ。

「寝室は3部屋に分かれております、あとはこのベルを鳴らすか、外の者に伝えて頂ければすぐにお伺い致しますので。」
 そう言うと男性は頭を下げ部屋を出ていく。

「このベルって聞こえるの?」
「魔道具ですね、鳴らすと別の部屋のベルも鳴ります。」
「すごっ!」
「それでは湯あみしますか?」
「うん、そうだね、ロイロはー?」
「儂は適当に行くから大丈夫だ、それよりも・・。」
「はいはい、これねー。」
 千春はアイテムボックスからウイスキーと日本酒、ビールを出す。

「これじゃこれじゃ!」
「うん、ロイロお疲れ様、でも程々にねー。」
「わーっとるわい。」
 千春達はそのまま浴室に向かい、ロイロ達は酒盛りを始め、一日を労った。




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