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顔合わせ!

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「お待たせしましたかしら。」
 マルグリットが千春の部屋に到着し声を掛ける。

「お母様すみません。」
「良いのよ、何処まで説明したのかしら。」
 和やかにマルグリットは千春へ答えるとママ達に微笑み掛ける、ママ達は逆に緊張した面持ちで頭を下げている。

「この世界の事と今の私達の地位とか立場は説明してます。」
「そう、分かったわ。」
 そう言うとママ達の所まで歩き話しかける。

「皆様お座りになって、楽にされて下さいな。」
 皆をソファーに座らせマルグリットも優雅に腰を下ろす。

「ご挨拶が遅れました、ジブラロール王国王妃、マルグリットです、よろしくお願いします。」
 王妃と名乗るものの丁重に自己紹介をするマルグリット、そしてママ達も自己紹介をする、そして王国で千春達を預かっている事等を説明する。

「それで、彼氏と言うか婚約者と言うのは・・・」
 ミオママが本題と言わんばかりに聞いてくる。

「今呼びに行かせております、ミオの婚約者は王国第一騎士団団長で凄く真面目な人何ですのよ。」
 マルグリットが話しをしていると扉が開きアリンハンドが入ってくる。

「お待たせして申し訳ありません!」
「アリンさんいらっしゃい。」
「この方はうちの頼子のフィアンセよ。」
 アリンハンドが謝りつつ部屋に入るとヨリママが他のママ達に紹介する。

「美男子!」
「イケメンね!」
「でっしょー!」
 ママさん達は緊張が解けたのか盛り上がる、そしてエンハルトがサリナと共に入ってくる。

「私の息子でチハルの婚約者、エンハルトです。」
 マルグリットが紹介するとエンハルトも名乗る。

「エンハルト・アル・ジブラロールです。」
 地位等気にせず普通に頭を下げて挨拶するエンハルト。

「はぁ・・・」
「これはまた・・・」
「カッコいいわよねぇ。」
 ママさんズはエンハルトを見てため息をつく。

「美桜!あなたの彼氏もカッコいいの?!」
「もち!」
 ミオとミオママが話す。

「麗奈ちゃんはこっちに彼氏いないのよね?」
「うん、残念ながら。」
「こんな息子が欲しいわ、出来たら言いなさい。」
「いいの?」
「いいわ!」
 まだ見ぬ彼氏を想像しながら麗奈親子も盛り上がっている、そしてモリアンが入ってくると、続いてエーデルが入ってくる。

「お待たせしましたー!」
「失礼致します。」
 沈黙、そしてエーデルが自己紹介をする。

「王国第一騎士団長!エーデルと申します!」
 騎士団らしくビシっと直立し挨拶をするエーデル。

「え?」
「彼が私のフィアンセ!エーデルさんだよ!」
「猫?」
「虎の獣人だよ!」
「えぇぇ!聞いてない!」
「言っても信じないじゃん!」
「だって!猫なんて!」
「虎だって!」
 美桜親子は違う所で言い合いエーデルそっちのけで話しをしている。

「あ、あの、もしかして獣人は苦手でしたでしょうか。」
 エーデルが心配そうに問いかける。

「あ、そう言う訳じゃないのよ!」
「うん!私の所は獣人居ないからビックリしてるだけだよ!」
 しょんぼりしている様に見えるエーデルに美桜親子がフォローする。

「タイガーマスクみたいね、すっごいリアルだけど。」
「何それ?」
「虎のマスク被ったプロレスラー、流行ったのよ一時期。」
「そうなんだ、どう?カッコいいでしょエーデルさん!」
「カッコいいのベクトルが違うのよねぇ、でもお母さんは良いけどお父さんがなぁ。」
「え?お父さんダメなの?」
「うーん・・・猫アレルギーなのよ、猫大好きなのに。」
「マジで?初耳なんだけとー!」
 またもやエーデルを放ったらかしにしたまま盛り上がる美桜親子。

「大丈夫ですか?」
 アリンハンドがエンハルトに問いかける。

「何がだ?」
「虎の獣人に猫というのは凄く侮辱した言葉だったと思うのですが。」
「大丈夫じゃないか?見ろ。」
 アリンハンドとエンハルトがエーデルを見ると怒ったそぶりなど見せず、オロオロと美桜親子を見ている。

「それでは揃った所で改めて自己紹介させて貰うわね、私は頼子の母、智美です。」
「美桜の母親の美咲です。」
「麗奈の母の麗子です。」
 それぞれが挨拶をする、そしてマルグリットが仕切り話しをした。

「はぁー、まだ信じられ無いわ。」
「本当、彼氏とか婚約者の事なんて吹っ飛んじゃったわ。」
「私も最初そうだったわー、しばらく時間止まっちゃったもの。」
 ママさん達は各々異世界の事で盛り上がって居た。

「ミサキ様今日はお泊まりされますか?」
 マルグリットがミオママに聞いてくる。

「様はやめて下さい!マルグリット様!」
「あら、それでは私はメグと呼んで頂けるかしら?ミサキさん。」
「はい、ありがとうございますメグさん。」
「メグさん、急に来たのでお泊まり用品とか何も持ってきてないんですよ。」
 ヨリママがマルグリットに答える。

「あら、衣服と全て準備させますわ、問題ありませんわよ?」
「んー、お言葉に甘えようかしら。」
 ヨリママは泊まる方で答えた。

「美咲さん、麗子さんどうします?」
「・・・泊まっちゃおうかな、麗子さんも泊まりましょうよ、こんな機会無いですよ。」
「そうねぇ。」
「えー!お父さんどうすんの?!」
「今日飲み会って言ってたし大丈夫でしょ。」
「私はママ友とお泊まりって言っちゃお。」
 美咲はそう言うと、麗子はレナパパにLIMEを送る。

「お母さんウチは大丈夫なの?」
「いんじゃない?飲んできて良いって言えば喜んでOKって言うわよ。」
 頼子が智美に言うとあっけらかんと答える。

「あ、あなた達、もう戻って良いわよ。」
「あ、はい、ごゆっくりして下さい。」
 マルグリットが立っている男3人に言い放つとエンハルトが答え、挨拶をして部屋を出て行った。

「さぁ!それでは私の部屋でお話ししましょうか!」
 マルグリットは立ち上がり満面の笑みで言う。

「お邪魔しますか。」
「そうですね。」
「よろしくお願いします。」
「あ、ヨリママ。」
「なに?チハルちゃん。」
「えっと・・お酒いります?」
「「「「いるわ!」」」」
 ママさんズに加えマルグリットも反応する。

「どうぞお納めください。」
 千春はアイテムボックスからお酒を出すとマルグリットの侍女が持つ。

「チハルちゃんそれ魔法?」
「そうです、みんなも何かしらの魔法使えます。」
「凄いわね!私も使えるかしら!」
「あー、お母様が魔法に詳しいので・・・。」
 そこまで言うとママさんズはマルグリットに促され部屋を出て行った。

「ヤバい、お母様のテンションがヤバかった。」
「うちのお母さんもだね。」
「マジそれ!」
「いんじゃね?こっちはこっちで楽しめば。」
「それなー!」
 そして異世界の日は暮れていった。




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