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ママさんズ襲来!

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「それではそろそろお暇いたしますわ。」
「うん、フランちゃんまたお茶会しようね。」
「是非宜しくお願い致します。」
 千春が言うとフランシスは微笑みながら答える。

「それじゃ私達も部屋戻ろ。」
「あいよー。」
 サフィーナがあっという間にテーブルや椅子を片付ける。

「あれ?モリー居ないじゃん。」
「あそこに居ますよ。」
 サフィーナの視線の先にモリアンが居た。

「めっちゃ人居るじゃん。」
「エーデルさん達を見て自分達もと駆けつけた人達でしょう。」
「仕事しなくて良いの?」
「さぁ?忙しなく毎日過ごしている人は王宮に居ませんし大丈夫なんじゃ無いですか?」
 横目で見ながら千春はそんなもんかと部屋に戻った。

「千春何すんの?」
「はい!お泊まりする口実は何でしたか!」
「・・・勉強会。」
「今週末何が有りますか!」
「・・・実力テスト。」
「はーい正解でーす、何をするでしょうか!」
「・・・勉強ぉぉぉぉいやだぁぁ!」
 頼子、麗奈、美桜はソファーに座り込み抗議する。

「実力テストで良い点取ったら遊びに来やすくなるよー。」
「くっ!それを言うか!」
「ほら、ミオもエーデルさんに会いたいでしょ。」
「うっ・・・。」
 3人は千春に促されテーブルに移動すると持って来た教科書や参考書を開く。

「サフィーさん頭の良くなるお茶ください。」
「無いでしょそんなの。」
「有りますよ。」
「えっ!?」
「リラックス出来て集中力が高まるお茶が有りますから入れますね。」
「チハルー頭が良くなる魔法かけてー。」
「・・・よかろう!」
「えっ?!あんの?!」
 千春は美桜の前に手をかざし呪文を唱える。

「アタマヨクナール!はぁぁ!!」
「・・・・さ、勉強しよ。」
「ミオつっこんでよ、せっかくやったのに。」
「ワーアタマヨクナッター。」
 こうしてワイワイ言いながら4人は勉強を始めた。


------------------


 お茶会から数日、実力テストが返ってくる日になる。

「じゃっじゃーん!」
 テストを広げる美桜。

「どうしたのさミオ。」
「見てよ!点数。」
「76点だね、可もなく不可もなくじゃん。」
「いやいやレナさん、今までのウチの点からすると凄い事なんよ。」
「まぁそうだね。」
「レナ何点だったのよ。」
「・・・ん。」
 すでにカバンに入れていた答案用紙をミオに見せる。

「・・・95。」
「ヨリー!何点だったー!?」
「あーん?85。」
「くっ・・・チハルさま、何点でしたでしょうか。」
「聞きたい?」
「・・・うん。」
「95、レナと一緒。」
「うがぁ!何だよー!お前ら天才かー!」
「んな訳ないじゃん。」
「そうそう、頑張らないとあっちで遊べないじゃん。」
「ミオも勉強の成果出てるからいんじゃね?」
 次々に返ってくる答案用紙を見せ合いじゃれる4人だったが美桜が勝てた科目は無かった。

「で、もうすぐバルェンタァインなんですけどもー。」
「ミオ、それ発音英語っぽく言ってるつもり?」
「ヴァルェンタィンですにゃぁ。」
「千春に移ったわ。」
「まぁ良いや、チハルはハルト君に作るっしょ?」
「んー、あげるつもりだけど既製品で良くない?」
「いやいやいや、ここは手作りっしょ!ヨリもアリン君にあげるっしょ?」
「まぁ、既製品でよくね?」
「えー!作ろうよー!」
 美桜はエーデルに手作りチョコを渡したいのか手作りにこだわる。

「私には聞かないのかい?ん?」
「レナ誰かにあげるの?」
「・・・配りまくろうかなぁ。」
 遠くを見つめながら麗奈が呟く。

「エーデルさんって猫科じゃん、チョコ大丈夫なん?」
「猫にチョコはアウトだね。」
「はい残念!」
「虎じゃん!獣人じゃん!」
「取り敢えず聞いてみなー、ダメかも知んないよー。」
「チハルってユラちゃんにチョコ食べさせてたよね。」
「あっ・・・。」
「大丈夫だったでしょ。」
「あーうん。」
「ほらぁ!」
 勝ち誇った様に言う美桜。

「しゃーない、帰りに材料買って帰るか、皆んな一回帰って来るでしょ?」
「うん、親にテスト見せてから行く。」
「私もー。」
「ウチもー。」
「それじゃ集まってから買い出し行こう。」
「了解ー。」
 皆はそれぞれ家路に就く、そして千春が家に帰り着く頃美桜からLIMEが来る。

「ん?・・・ママにバレた・・・あちゃー。」
 千春はすぐに頼子へLIMEお送る。

「・・・任せて・・・大丈夫かなぁ、ん?レナからも来てんじゃん・・・ヤバい、尋問される・・・ゔぉい!」
 頼子に麗奈もヤバいとLIMEを送ると同じく任せろと返事が来る。

「大丈夫かなぁ。」
 そして返事が来ないまま1時間程経ち3人から家に着いたと連絡が入った。

「ヨリ達来たから迎えに行ってくるね。」
「行ってらっしゃい。」
 サフィーナにそう言って日本に戻りドアを開ける。

「いらっしゃい!大丈夫だっ・・・あー、いらっしゃいませ。」
 千春がドアを開けるとニコニコした頼子とヨリママ、苦笑いしている美桜と麗奈、そして眉間に皺を寄せつつ笑顔にしているミオママと少しオロオロしているレナママが立っていた。

「あー・・・、どうぞー・・・。」
「お邪魔しますね。」
 ヨリママが先陣切って家に入ると皆がゾロゾロと入ってくる。

「えーっとどこまで説明的な物は・・・。」
「見た方が早いと思って呼んじゃった♪」
 ヨリママはそう言うとミオレナママ2人に扉の説明をする。

「サフィー!翻訳魔道具もらってきて!3個!」
「大丈夫です、私が持ってますから。」
 そう言うとサフィーナはアイテムボックスから翻訳魔道具を千春に渡す。

「準備良いね。」
「はい、そろそろ親御さんにバレて連れてくると思いましたので。」
「えぇぇ、分かってたなら言ってよぉ~。」
「毎週友達の家にお泊まりなんてこちらでやっても疑いますから。」
「・・・そりゃそうだ。」
 千春は魔道具を持って日本に戻るとヨリママに魔道具を渡す、するとヨリママが魔道具の説明を2人にして手に付ける。

「チハルちゃんこれ、本当なの?」
 ミオママが目を点にしてクローゼットを見ながら千春に問いかける。

「はい、ドレか分かんないですけど本当です。」
「・・・そう。」
 千春はママ達を異世界に招き入れ、応接間に案内する、そしてサフィーナに聞く。

「サフィー、今の現状で1番の最善策は!」
「・・・マルグリット王妃殿下をお呼びして、ハルト殿下、アリンさん、エーデルさんを招集、って所ですか。」
「モリー!アリンとエーデルさん!サリナ!お母様を!ついでにハルト捕まえてきて!」
「了解です!」
 2人は一目散に部屋を出て走り抜ける。

「・・・胃が痛いぃぃ。」
 千春はお腹を抑えながらママさんズをチラッと見てため息を吐いた。

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