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夜の王宮探索!魔導士団研究所だ!

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「はー!もう入らない!」
「ミオ食べ過ぎじゃん?」
「レナだって食べたじゃん。」
 美桜と麗奈はお腹をさすりながらソファーにもたれかかる。

「アイトネ様も結構食べたけど変わらないね。」
 頼子がアイトネを見ながら言う。

『だって神様だもの。』
「アイトネ意味わかんない。」
 千春は笑いながら皿を片付ける。

「チハルさん私がやります!」
 ケーキを食べ終わったモリアンが皿を受け取り片付ける。

「さて、まだ寝るには早いかな?」
「そうだねー。」
 美桜はスマホを見ながら答える。

「チハル、王宮って歩き回って良いの?」
「さぁ?いんじゃないかなぁ、サフィーどうなのかな。」
「問題有りませんよ、私も付いて行きますし。」
「それじゃ王宮探索と言う散歩にでも行く?」
「「「いくー!」」」
『それじゃ私は帰るわね。』
「はいよー、また何か作ったら呼ぶね。」
『ありがとう、今日も美味しかったわ~♪』
 アイトネは手を振ると消えた。

「それではご案内します、どちらに行きたいとか有りますか?」
「この時間って人あまり居ない?」
 スマホを見ると20時を回る所だ。

「そうですね、魔導士団の研究所には常に人が居ますし、兵舎にも兵士が常駐してます・・・・面白くもなんともないですよ?」
「サフィーそれ身もふたもないよ。」
「いいよ、散歩だし探索しよう。」
 サフィーナは諦めた様に先を進み後ろを千春、頼子、その後ろに麗奈と美桜が、最後にモリアンがついて来る。

「まずは一番近い魔導士団の研究所に行きましょうか。」
「「「「はーい。」」」」
「面白い所無いですよ?あそこ。」
「モリーそれは言わないでー!」
 てくてくとサフィーナの後ろを付いて行くと幾つかの部屋が並んだ扉がある。

「ココから先が魔導士団の研究所になります。」
「結構新しいのかな、扉が綺麗。」
「はい、本来魔導士団の研究所はチハルが居る場所だったんです、あそこ一帯をチハルの宮にしましたから、全部移動しました。」
「それは申し訳無い事をしちゃったなぁ。」
「チハルさん大丈夫ですよ!部屋が新しくなったし数も増えて喜んでましたから!」
「それなら良いけどさ。」
 扉を素通りし一番奥の扉に着くとサフィーナがノックする。

『はい。』
「サフィーナです、チハル王女殿下とお友達がお伺いに来ました。」
 そう言うと声がかかり、扉が開く。

「チハルさん、どうされました?」
 扉から出て来たのはアリンハンドだ。

「王宮探索してるだけー、ココまで来るの初めてだから案内してもらってるの。」
「そうですか、って言っても面白い物は無いと思いますよ?」
「アリンもそれ言っちゃうのか。」
「まぁ立ち話も何なのでどうぞお部屋へ。」
 アリンハンドに促され部屋に入る一同。

「それで、何を?」
「ほんとに探索で何してんのかなーくらいで見て回ってるだけだよ。」
「・・・暇なんですね。」
「ズバリそうです!」
「はぁ、まぁ良いですけど、魔法関連でしたらお話出来ますよ。」
「はーい!アリンさんしつもーん!」
「はい、ヨリさん何ですか?」
「チハルパパが土の上位魔法で金属加工してたんだけど私も出来る?」
「ヨリさんは出来ますよ、試しにやってみましょうか。」
 アリンハンドは机から金貨を取り出し皆が座るソファーに持ってくる。

「この器の上に金貨を置きます、この金貨を柔らかくするイメージだそうです。」
「だそうです?」
「はい、やり方は伝わっていますが出来る人は居ませんでした、タイキ様だけが出来ます。」
「凄いな千春パパ!」
「お父さん何かいってたっけかなぁ。」
 頼子と千春は腕を組み会話を思い出しているが出てこない。

「あれじゃん?化学式とか元素結合とかそんなんじゃない?」
「レナ分かるの?」
「いや、分かんないけどチハルパパだけ出来るって事はそう言う事かなって。」
「ちょっとやってみっかな。」
 頼子は金貨の上に手をやり魔力を放出する。

「金の元素記号ってAuだったよね。」
「わすれたー。」
 麗奈がそう言うと美桜は頼子を見ながら答える。

「お?形変わった?」
「あ!金が溶けてる!」
「うっそ!すごっ!」
 頼子は何も言わず金の上に手をやり見ているが、3人は興奮する。

「ふぅ、出来たねー。」
 頼子は金を指で軽くつつくと粘土の様につぶれる。

「熱くないの?」
「うん、熱で溶かしてる訳じゃないのに粘土みたい、不思議な感じがするね。」
 軽く棒状にし指輪の様に輪っかにしたり丸くしたりする頼子。

「あ、固まって来た。」
「魔力が抜けて来てるんですね、固まりだすと早いそうです。」
「ほんとだ、もう固くなった。」
 いびつな指輪の形になった金を指で摘まんだままクルクル回す頼子。

「凄いなぁ私も出来ないかな。」
 そう言うのは全属性使える麗奈だ。

「金でやってみますか?」
「んー、ちょっとやってみたい事有るんだけど。」
 アリンハンドが提案するとスマホを見ながら麗奈が言う。

「チハルちょっとアルミ缶持ってない?」
「あるよー、サフィーの飲んだドライな空き缶が。」
 千春はアイテムボックスからアルミ缶をコロコロと出していく。

「あとメッキしてある物って無い?」
「メッキ?んーっと・・・あ、このイヤリングは?」
「どうしたのコレ。」
「ユラちゃんに付けたら可愛いかなって買った。」
 イヤリングを麗奈に渡すと麗奈は受け取る。

「何するの?」
「宝石作ってみようかなってね。」
「え?アルミ缶で?」
「そ、出来るか分かんないけどね。」
 そう言うとお皿の上に置いたアルミ缶に手をかざし頼子と同じように魔力を込める。

「・・・・・んー。」
「変化無いね。」
「私がやってみる?」
「ちょっとまってーもうちょい、出来そうな気がするんだよねぇ。」
 するとアルミ缶がくにゃりとへこむ。

「やった!出来てるじゃんレナ!」
「こっからだよー。」
 そのまま粘土の様に一塊になったアルミ粘土にイヤリングをポトリと落とす。

「そんで・・・。」
 ちらりとスマホを見る麗奈。

「酸化クロム・・・出せるかな。」
 ぼそりと呟き同じように手をかざして魔力を注ぐ、するとアルミ粘土に混じる。

「こっちはイラナイっと。」
「この分離した方はゴミ?」
「取りあえず今はいらないね、こっちがいる奴だから。」
 分けたアルミとクロムをコネコネし小さな団子を作ってまた皿に置く。

「圧力と結晶化・・・か。」
 そう言って団子に魔力を注ぐと変化は直ぐに出た。

「うっわ!なにこれ!」
「おおおお!!!すっごい!!!」
「綺麗!!!」
「やったね!大成功!!!」
 真っ赤な透明の石をつまみ麗奈は満面の笑みで石を掲げる。

「レナこれ何!?」
「ふっふっふ、ルビーだよ!」
「「えーーー!!!!」」
「え?ルビーってアルミなの?」
「うん、前科学実験の動画で見たんだよ、電子レンジでルビー作る動画。」
「・・・あれ?アリンどうしたの?」
 千春はアリンハンドが目を見開き麗奈を見ている、よく見るとサフィーナとモリアンも口を開けたまま見ていた。

「そ・・・それ本物のルビーですか?」
「うーん、材質的には本物と同じだけど人工だから本物ではない?」
 アリンハンドが恐る恐る聞くが作った麗奈は頭を傾げる。

「レナ、多分人工だろうが天然だろうが本物だよソレ。」
「なのかなー。」
「私も作れるかなぁ?」
「ヨリもやってみる?」
「なんとなくだけど結晶化ってのがいまいち分かんないんだよねー。」
 頼子は、ん~・・と腕を組み頭を傾げる。

「レナさん、それはもっと大きなサイズも作れるんですか?」
 小指の爪程のサイズなルビーを見ながらアリンハンドが言う。

「今は多分無理かな、さっきのでも結構魔力使った感があるから。」
「そうですか、レナさんとミオさんは来たばかりですからね、今から魔力量も増えると思いますので、これから色々と試せそうですね。」
 魔法バカな面が出て来たアリンハンドはニヤリと笑う。

「アリンさん、残念な所でてるよ?」
「え?ヨリさん!?残念ってなんです!?」
「自覚ないんかーい、まぁそう言う所も可愛いけど。」
 頼子とアリンハンドは2人で話をしている、そしてそれを見ていた千春、美桜、麗奈、そしてモリーは、うぇーと砂糖を吐くような顔をして見ていた。











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