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目指すは海の街ハース領!

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「お?ヨリちゃん来たね。」
 朝食も終わり門の部屋でマッタリと過ごしていると頼子からLIMEが来る。

「ヨリおねえちゃんきたの?」
「うん、玄関まで来てるって、迎え行こうか。」
「うん!」
 ユラと扉をくぐり玄関に向かう。

「はーい、いらっしゃーい。」
「おはよー!ヨリおねえちゃん!」
「おはよー、ユラちゃんおはよー。」
 ユラと頼子は手を合わせタッチする。

「ヨリ、LIMEで軽く言ってたけど、お母さんにバレたってマジ?」
「マジ、昨日帰って速攻バレてたみたい。」
「ビェリー姿消してたんでしょ?」
「わっちは消えてたけどバレたなぁ。」
「霊感有るって昔から言ってたのは聞いてたけどすごいねぇヨリママ。」
「ほんとビックリだよ、しかも悪い憑き物じゃないって最初スルーされたからね。」
「へぇ、そう言うのも分かるんだね。」
「わっちもその手のは見たら分かるから似たような感じなんやろね。」
 千春は玄関の鍵を閉めると4人で扉を抜け応接間に行く。

「で、千春お出かけの許可も取って来たけど。」
「うん、アレ持ってきた?」
「引っぱり出してきたよー!季節外れも良い所じゃん。」
「まぁ私も引っぱり出したけどね。」
 そう言うと千春は水着を取り出す。

「おー可愛いの持ってんね、てっきりスク水かと思ったわ。」
「ひどっ!一応もってるよ。」
「こっちのメンバーは水着とか有るの?」
「一応有るらしいけどちょっと・・・結構・・・・かなりダサい。」
「いんじゃん?別に誰に見せる訳でもないっしょ、男ってルプとビェリーで人じゃないし。」
「そりゃそうだ。」
「それで?2泊3日なんだよね?」
「そ、片道5時間の予定だけどのんびり途中で街に寄ったりするかもだから夕方までに到着すればいいかなーって感じ。」
「ふむふむ、準備は?」
「食材も入れたしテーブルとかはサフィーが全部用意してくれてる、バーべーキューコンロも借りて来たから何処でも料理出来るよ。」
「さっすが、私は着替えと遊び道具しか持ってきてないよ。」
「おっけおっけ、問題ないよ。」
 一応確認とビェリーが出した頼子の荷物を確認し頼子も自分の魔法で入れて行く。

「ほんと便利だわ、私も向こうで使えたら最高なんだけど。」
「ヨリはわっちの呪術覚えれば使えるかもしれんが、無理はせんほうが良いんやないかな、必要ならわっちが入れるし。」
「そだね、MP回復し辛いって言ってたしビェリーに任せるよ。」
 頼子とビェリーはそう言いながら荷物を分担して入れて行く。

「おっけ、私の方も準備出来たしヨリは朝食食べた?」
「軽く食べたよ。」
「わっちも貰って食べたぞー。」
「そっか、それじゃ出かけますかぁ!」
「何人行くの?」
「私、ヨリ、ユラ、サフィー、モリー、ルプ、ロイロ、ビェリー。」
「8人?」
「ロイロは運ぶ係だしビェリーは人数に入らないくらい小さいから5人とソファーが1人だね。」
「何ソファーって。」
「まぁ行けば分かるよ。」
 揃ってゾロゾロと馬車置き場へ向かう。

「ロイロまだロイロ用馬車出来て無いけど大丈夫?」
「あぁ、朝聞いたら広めの馬車に持ちやすい所を付けたそうじゃ。」
 馬車置き場に着くと大樹やエンハルトが居た。

「お、来たね、この馬車で行くんだね。」
 大樹が見ている馬車は王族の馬車にしてはシンプルだが広目の箱馬車だ。

「おー!立派だー、これなら皆乗っても余裕だね。」
「一応横座りだが椅子は外して敷物を敷いているらしい、あと馬車を引く所は外して上に持ち手を付けたそうだ。」
「仕事はやっ!昨日言ったばっかりじゃん。」
「あぁ昨日大工と魔法使いに説明したらその場で加工したらしいぞ。」
「魔法で加工?」
「あぁ、エルフの精霊魔法で木を加工出来る技術があってな、大工の所に1人いるんだよ。」
「「エルフ!?」」
 千春と頼子が反応する。

「エルフが珍しいのか?王国に結構居るぞ、今度紹介してやるよ。」
「あ、ありがとう・・・ございますハルト兄様。」
 近くに来られニッコリと笑いかけられ昨日の話を思い出した千春は顔を真っ赤にして俯く。

「初めまして、千春と同じ世界の同級生、向井頼子と申します。」
 ペコリと頭を下げエンハルトに挨拶をする頼子。

「初めまして、ジブラロール王国第一王子のエンハルトだ、チハルの友達なら気軽にハルトと呼んでくれ、敬語もいらんからな。」
「良いんですか?」
「本人が良いって言ってるんだ、問題ない、仲良くしてくれ。」
「はい!」
「行く人数は・・・5人とルプか?」
「あ、私の頭の上に居るビェリーも行きます。」
「お、この子が契約した白蛇か、よろしくな。」
「よろしくしてくれ王子。」
「お前もハルトで良いぞ。」
 頼子の頭に居るビェリーに手を出し頭を撫でながらエンハルトは言う。

「さて、サフィー俺の荷物も入れてくれるか。」
「はい・・・・ハルト殿下も行くのですか?」
「あぁ、楽しそうだからな、あと変な虫が付かない様にと母上から言伝されてる。」
「あー、お母様が何か考えてたもん、海に行くって話してた時。」
「そりゃそうだろう、ロイロやルプが居るとは言え女ばかりの旅行だからな、心配もするさ。」
「それじゃ6人?」
「いや、執事2人連れて行くから8人だ、ロイロ大丈夫か?」
「馬車に乗れるなら大丈夫じゃ、ルプが風を押さえてくれるから儂も馬車を軽くする魔法を掛けるだけで済むからの。」
「わかった、それじゃサフィー荷物を頼む。」
「はい、終わっております。」
「早いな。」
 荷物がすべて無くなり皆が乗り込む。

「それじゃお父さん行ってくるね!」
「何か有ったらすぐ連絡するんだよ?」
「うん!それじゃ二泊三日の旅行にしゅっぱーつ!」
 そう言うとロイロはドラゴンになり馬車を掴む。

『それじゃ行くぞー!』
「はーいよろしくー!」
「うっわドラゴンすっご!マジでドラゴンなんだ!」
 頼子は初めて見るドラゴンに驚いていた、ふわっと浮き上がりぐんぐんと高度を上げるとルプが魔法を掛ける。

「風魔法?」
「あぁ、前はロイロが掛けて居たんだが、俺もロイロも風魔法が強化されているからな、俺が風の抵抗を無くしてロイロは運ぶ方だけにしてもらった。」
「ありがとルプ。」
 そう言うと千春はルプのお腹に飛び込む、ユラも定位置になったルプのお腹に抱き付いている。

「あー・・・ソファね。」
「そ、ルプソファー。」
「私も良い?」
「構わんぞ。」
「さんきゅールプ君。」
 頼子はユラの横に行きルプに寄りかかる。

「うっはふわっふわじゃん。」
「ルプふわふわー!」
「だよねー。」
 エンハルトと執事2人は微笑ましいそれを見ながら笑っていた、そして馬車が軽く揺れる。

「うぉっ!」
「うぁわあ!」
「きゃぁ!」
 執事2人とモリアンが叫ぶ。

「大丈夫だよー、速度出す時数回揺れるだけだから。」
「まぁ慣れるぞ、俺も初めて乗った時は声が出たからな。」
 千春とエンハルトが執事達に声をかける。

「それで、だいたい計算だと5時間くらいなんだけど、途中寄れそうな街とかある?」
「まぁ有るが直線には無いな、小さな村くらいなら有るだろうが。」
「そっか、地図とか有れば良いんだけど。」
「そうだな、だがおおよその地図しか無い、街道を見ながら行くしかないな。」
「そっか、正確な地図は無いか。」
「無い事もないが、軍事用の地図だから持ち出しが面倒なんだよ。」
「あー、そう言う事ねー、それじゃロイロに広い場所でもあったら休憩入れて貰おう。」
 そう言うとロイロに声をかける、『了解じゃー!』と返事があった。

「それじゃのんびり空の旅を楽しみましょぅかね。」
 そう言いながら出したのはトランプだ。

「トランプしてたら空みれなくね?」
 頼子が突っ込む。

「それはそれ~これはこれ~♪トランプするひとー!」
「「「「はーい!!」」」」
「全員するんじゃーんwww」



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