78 / 732
魔物討伐!
しおりを挟む
「おはよールプ。」
「おはよう千春。」
千春が起き、ルプも目を覚ます。
「ロイロは?」
「ベッドの下見てみろ。」
千春が覗き込むと床で寝ていた。
「ベッドが柔らかすぎたか。」
笑いながらベッドから降りるとユラも目を覚ます。
「ありゃ起きちゃったか。」
「おはようございます~。」
「おはようユラちゃん。」
「おはようユラ。」
「ルプおはよー。」
千春は隣の部屋に行くとサフィーナが片付けをしていた。
「おはようサフィー。」
「おはようございますチハル。」
「あの2人は?」
「こちらの部屋で寝てますよ。」
そう言って寝室の反対にある扉を指す。
「昨日結構呑んだ?」
「えぇ、4人で全部呑みましたね。」
「マジか、大丈夫かなあの2人。」
千春はそーっと2人の寝室を開けるとユーリンはベッドに座って起きていた。
「ユーリンおはよう。」
「チハルちゃんおはよーございまふわぁぁぁす。」
「大丈夫?」
「だーいじょうぶですよあれくらい。」
「シャルルは?」
「シャルルー起きなー。」
「あとごふん~。」
ユーリンと千春は笑いながら応接間に戻る。
「サフィーちゃんおはようございます。」
「おはようございますユーリン、シャルルは?」
「まだ寝てるよ。」
「それじゃお茶でも淹れますのでゆっくりしましょう。」
サフィーナは手際良く準備をする。
「ユーリンあれからアイテムボックス使った?」
「うん、何度か出し入れしたよ、なんか少しづつ入る量が増えてる感じがするね。」
「あー分かる、私も最初クローゼットくらいかなーから一部屋くらいの間隔になったもん。」
「私もそんな感じですね、ただ今は安定してこの部屋位の空間から増えなくなりました。」
「んじゃサフィーと私同じくらいだね、私も増えなくなったもん。」
千春とサフィーナはそう言いながら空間の話をする。
「へぇ、私はそのテーブルが入るかなー?くらいの感じだね、昨日は椅子も入らないくらいだったけど。」
「使ってたら使う魔力も減るしもう少し広がると思うよ。」
「正直今の入る量でも十分凄いんだけどねー、馬車1台分入るなら、もう大店の良い所にお嫁に行けるわー。」
3人が話をして居るとシャルルも起き、ユラを乗せたルプも出てくる。
「ルプーロイロは?」
「起こしといたぞ。」
「ありがとう。」
「ルプよ、アレは起こしたとは言わんぞ、踏んづけただけじゃろ。」
「起きただろ?」
ロイロは出て来ると文句を言い、ルプは笑いながら床に寝そべる。
コンコンコン
「はーい、どうぞ。」
「おはよう御座います。」
執事がノックをして入ってくる。
「朝食までもう少しお時間が有りますので飲み物でもと思いましたのですが。」
執事はサフィーナを見ていい詰まる。
「有難う御座います、こちらは私がやりますので大丈夫ですよ。」
「有難う御座います、それではお食事が出来ましたらお持ち致しますので。」
そう言って執事は部屋を出る。
しばらくして朝食が運ばれて来る、パンも美味しくベーコンやソーセージも美味しかった。
「それじゃお出かけしましょっか。」
「パトリス達呼んできますね。」
シャルルが部屋を出て走っていく、千春達が外に出ると馬の繋がれてない馬車があった。
「この馬車かな?」
「そうじゃろうな、コレなら全員乗れるじゃろ。」
「王族の馬車より小さいかな?」
「そうじゃな、運びやすそうじゃ。」
シャルルがパトリス達を連れて来る。
「おはようございます王女殿下。」
「おはよーパトリスさん。」
「昨日のお酒ありがとうございました!すっごい美味しかったです!」
ガーランが食い気味に声をかけて来る。
「いいえ~、今日はよろしくお願いしますね。」
「了解です!」
「とりあえず冒険者ギルドに行こう、依頼受けないとね。」
千春は馬車をアイテムボックスに入れると狼の牙の歓声が上がる。
「ユーリンこれ覚えたって言ってたよな?」
トリスがユーリンに聞く。
「うん、まだこんなのは入らないけど、チハルちゃんとサフィーちゃんの話じゃもう少し入る様になるみたいだから、もしかしたらこれくらい出来るようになるかもね。」
「すげぇな、討伐依頼受けて持って帰る手間が無くなるじゃ無いか。」
「そうだな、収入が激増するぞ。」
トリスとガーランもニコニコしながら喜んでいる。
そして冒険者ギルドに向かい、狼の牙に依頼を受けて貰うとギルマスに呼ばれた。
「おはようございます王女殿下、昨日の買取り分の金貨4枚と小金貨6枚です。」
「思ったより多いね。」
「どれも傷や損傷が少なく査定が上がっています、本日分もお渡しお願いしますね。」
「はーい、それじゃ狼の牙さんの依頼金渡しますね。」
千春はアイテムボックスから巾着袋を出し金貨1枚出し5枚にして渡す。
「はい、確かに、依頼達成後お渡ししますね。」
そして受け取りカウンターで手続きをし、残りのオークを出す。
「よし!ギルドは終わり!出かけるぞー!」
一同は少し離れた広場に行くと千春が馬車を出す。
「はーい乗ってねー。」
ロイロがドラゴン形態になり馬車の上に乗る。
『パトリスよ方向はどっちじゃ?』
「湖がこっちだから、あの1番高い山の右を沿う様に飛んでくれ。」
『わかった。』
皆が乗り込みロイロが羽ばたく。
「うわぁぁ!」
「すげぇ!」
「きゃぁ!」
「・・・」
狼の牙は悲鳴をあげる。
「パトリスさん場所の確認お願いね。」
「任せろ!」
数分で目的地の上らしき所に到着する。
「ロイロどう?居る?」
『あぁ、ツガイと言ってたが2匹だけでは無さそうじゃな。』
「何匹も居るの?」
「フォレストタイガーは2匹だろ、他の気配は別の魔物だな。」
『降りるぞー。』
ロイロは少し開けた所へ馬車を降ろす。
「ロイロお疲れ様。」
『なんて事ないわい。』
「それで、フォレストタイガーの他に何が居るの?」
『見てみんとわからんがの、フォレストタイガーより厄介そうなのが1匹、後はウルフか?』
「そうだな、ウルフは俺が威嚇すれば散るだろ。」
『それじゃ儂はタイガー2匹に行くぞ。』
そう言うと馬車の周りに結界を張り飛んで行く。
「俺はその厄介そうな奴に行って来る。」
「ルプ大丈夫?」
「厄介と言っても誤差だ、タイガー2匹の方がめんどくせぇだろ。」
ルプはそう言い吠える。
ウォォーーーン!!
「ウルフが来たらパトリス達が蹴散らしとけ。」
そしてルプは森の中へ駆けていく。
「ルプの方は何が居るのかなぁ。」
「ここいらで出る魔物って言えばゴブリンかウルフくらいだからな、フォレストタイガーももっと奥に居てここまで来るのは稀の筈だ。」
パトリスと話して居ると3匹のウルフが逃げるように飛び出してきた。
「お、ウルフ来た。」
「よーし俺の出番だな!」
剣を抜き気合いを入れるガーラン。
「アイスアロー!」
シャルルが魔法を打ち一撃でウルフを仕留める。
残り2匹もトリスの弓とユーリンの投げたダガーが頭に刺さり絶命する。
「・・・おい、俺の出番ねぇじゃん。」
恨めしそうに3人を見つめるガーラン。
「あとにひきくるよー。」
ユラが耳をピクピク動かし森を見つめる。
「本当か?よっしゃぁ!」
すると同じように2匹ルプから逃げてきたのか走って来る、そして千春達を見て立ち止まり唸る。
ストン
「え?ウルフが消えたんだが。」
ポカンとウルフがいた所を見つめるガーラン。
「サフィーもいい所に開けたねぇ。」
「ユラが見てたから何処から来るかわかりましたもの。」
2人は空を見上げながら手を翳し、かなり高い所からウルフを出す。
ギャン!!
着地出来ずに落ちるウルフはピクピクと痙攣して居る、そこにユーリンがナイフを投擲し動かなくなった。
「あんな使い方も出来るのね。」
「ユーリンも慣れたら出来るよ。」
「練習しよーっと。」
パトリスが生暖かい目でガーランを見ながら肩を叩く。
「ユラちゃん!まだウルフ来るかい?!」
「んーん、もういなーい。」
ガックリとしながら剣を鞘に戻すガーラン。
しばらくしてロイロが足に2体のフォレストタイガーを掴んできた。
『帰ったぞー。』
ドスンと地面に置き人型に戻るロイロ。
「お疲れ様ー、ルプと同じくらいデカいね。」
「デカいだけじゃ、ルプとやり合ってもかすり傷も与えれんじゃろ。」
サフィーナはフォレストタイガーをアイテムボックスに入れて居るとルプも戻ってきた。
「フン!」
咥えて戻ってきた魔物を千春達の前に放る。
「おーデカい熊!」
「ワイルドベアですね、珍しい。」
「コイツはまた大物だなぁ。」
サフィーナが珍しいと言い、パトリスも大物だと感心していた。
「あれ?この熊手が4本ある。」
「ワイルドベアは4本ですよ。」
「何で?」
「何でと言われても。」
「あーチハルの世界じゃ6足の生き物はおらんじゃったか。」
「こっち居るの?」
「そりゃ居るわ、儂もそうじゃぞ。」
「え?ドラゴンになっても手二本じゃん。」
「翼があるじゃろ、アレは一対の手が進化したんじゃ。」
「へぇぇ!」
感心しながらチハルはワイルドベアをアイテムボックスに入れる。
「よーし、邪魔な魔物は討伐出来たので、こっからが本番です!」
「チハルさん何するんです?」
不思議そうにシャルルが問いかける。
「え、ここに来る当初の目的はコレでしょ。」
そう言って松茸っぽい香味茸を見せる。
「あーそうだった!」
「忘れるなよ。」
「俺は覚えてた。」
「俺も~。」
「私も覚えてたー。」
裏切るシャルル以外の狼の牙メンバー。
「で、何処にあるの?」
「さぁ?」
「儂も流石にわからんなぁ、魔物なら魔力で分かるが。」
「はーいチハルおねえちゃんユラわかる~!」
「本当に?!」
「うん、あっちからそのきのこのにおいするよ?」
最初にウルフが飛び出してきた方を指差すユラ。
「ルプわかる?」
「あぁ、風が左前から流れてるからもう少し左の方だろうがな。」
「さっすが狼と狐!それじゃ松茸狩りしゅっぱーつ!」
皆は千春に促され森に足を踏み入れた。
「おはよう千春。」
千春が起き、ルプも目を覚ます。
「ロイロは?」
「ベッドの下見てみろ。」
千春が覗き込むと床で寝ていた。
「ベッドが柔らかすぎたか。」
笑いながらベッドから降りるとユラも目を覚ます。
「ありゃ起きちゃったか。」
「おはようございます~。」
「おはようユラちゃん。」
「おはようユラ。」
「ルプおはよー。」
千春は隣の部屋に行くとサフィーナが片付けをしていた。
「おはようサフィー。」
「おはようございますチハル。」
「あの2人は?」
「こちらの部屋で寝てますよ。」
そう言って寝室の反対にある扉を指す。
「昨日結構呑んだ?」
「えぇ、4人で全部呑みましたね。」
「マジか、大丈夫かなあの2人。」
千春はそーっと2人の寝室を開けるとユーリンはベッドに座って起きていた。
「ユーリンおはよう。」
「チハルちゃんおはよーございまふわぁぁぁす。」
「大丈夫?」
「だーいじょうぶですよあれくらい。」
「シャルルは?」
「シャルルー起きなー。」
「あとごふん~。」
ユーリンと千春は笑いながら応接間に戻る。
「サフィーちゃんおはようございます。」
「おはようございますユーリン、シャルルは?」
「まだ寝てるよ。」
「それじゃお茶でも淹れますのでゆっくりしましょう。」
サフィーナは手際良く準備をする。
「ユーリンあれからアイテムボックス使った?」
「うん、何度か出し入れしたよ、なんか少しづつ入る量が増えてる感じがするね。」
「あー分かる、私も最初クローゼットくらいかなーから一部屋くらいの間隔になったもん。」
「私もそんな感じですね、ただ今は安定してこの部屋位の空間から増えなくなりました。」
「んじゃサフィーと私同じくらいだね、私も増えなくなったもん。」
千春とサフィーナはそう言いながら空間の話をする。
「へぇ、私はそのテーブルが入るかなー?くらいの感じだね、昨日は椅子も入らないくらいだったけど。」
「使ってたら使う魔力も減るしもう少し広がると思うよ。」
「正直今の入る量でも十分凄いんだけどねー、馬車1台分入るなら、もう大店の良い所にお嫁に行けるわー。」
3人が話をして居るとシャルルも起き、ユラを乗せたルプも出てくる。
「ルプーロイロは?」
「起こしといたぞ。」
「ありがとう。」
「ルプよ、アレは起こしたとは言わんぞ、踏んづけただけじゃろ。」
「起きただろ?」
ロイロは出て来ると文句を言い、ルプは笑いながら床に寝そべる。
コンコンコン
「はーい、どうぞ。」
「おはよう御座います。」
執事がノックをして入ってくる。
「朝食までもう少しお時間が有りますので飲み物でもと思いましたのですが。」
執事はサフィーナを見ていい詰まる。
「有難う御座います、こちらは私がやりますので大丈夫ですよ。」
「有難う御座います、それではお食事が出来ましたらお持ち致しますので。」
そう言って執事は部屋を出る。
しばらくして朝食が運ばれて来る、パンも美味しくベーコンやソーセージも美味しかった。
「それじゃお出かけしましょっか。」
「パトリス達呼んできますね。」
シャルルが部屋を出て走っていく、千春達が外に出ると馬の繋がれてない馬車があった。
「この馬車かな?」
「そうじゃろうな、コレなら全員乗れるじゃろ。」
「王族の馬車より小さいかな?」
「そうじゃな、運びやすそうじゃ。」
シャルルがパトリス達を連れて来る。
「おはようございます王女殿下。」
「おはよーパトリスさん。」
「昨日のお酒ありがとうございました!すっごい美味しかったです!」
ガーランが食い気味に声をかけて来る。
「いいえ~、今日はよろしくお願いしますね。」
「了解です!」
「とりあえず冒険者ギルドに行こう、依頼受けないとね。」
千春は馬車をアイテムボックスに入れると狼の牙の歓声が上がる。
「ユーリンこれ覚えたって言ってたよな?」
トリスがユーリンに聞く。
「うん、まだこんなのは入らないけど、チハルちゃんとサフィーちゃんの話じゃもう少し入る様になるみたいだから、もしかしたらこれくらい出来るようになるかもね。」
「すげぇな、討伐依頼受けて持って帰る手間が無くなるじゃ無いか。」
「そうだな、収入が激増するぞ。」
トリスとガーランもニコニコしながら喜んでいる。
そして冒険者ギルドに向かい、狼の牙に依頼を受けて貰うとギルマスに呼ばれた。
「おはようございます王女殿下、昨日の買取り分の金貨4枚と小金貨6枚です。」
「思ったより多いね。」
「どれも傷や損傷が少なく査定が上がっています、本日分もお渡しお願いしますね。」
「はーい、それじゃ狼の牙さんの依頼金渡しますね。」
千春はアイテムボックスから巾着袋を出し金貨1枚出し5枚にして渡す。
「はい、確かに、依頼達成後お渡ししますね。」
そして受け取りカウンターで手続きをし、残りのオークを出す。
「よし!ギルドは終わり!出かけるぞー!」
一同は少し離れた広場に行くと千春が馬車を出す。
「はーい乗ってねー。」
ロイロがドラゴン形態になり馬車の上に乗る。
『パトリスよ方向はどっちじゃ?』
「湖がこっちだから、あの1番高い山の右を沿う様に飛んでくれ。」
『わかった。』
皆が乗り込みロイロが羽ばたく。
「うわぁぁ!」
「すげぇ!」
「きゃぁ!」
「・・・」
狼の牙は悲鳴をあげる。
「パトリスさん場所の確認お願いね。」
「任せろ!」
数分で目的地の上らしき所に到着する。
「ロイロどう?居る?」
『あぁ、ツガイと言ってたが2匹だけでは無さそうじゃな。』
「何匹も居るの?」
「フォレストタイガーは2匹だろ、他の気配は別の魔物だな。」
『降りるぞー。』
ロイロは少し開けた所へ馬車を降ろす。
「ロイロお疲れ様。」
『なんて事ないわい。』
「それで、フォレストタイガーの他に何が居るの?」
『見てみんとわからんがの、フォレストタイガーより厄介そうなのが1匹、後はウルフか?』
「そうだな、ウルフは俺が威嚇すれば散るだろ。」
『それじゃ儂はタイガー2匹に行くぞ。』
そう言うと馬車の周りに結界を張り飛んで行く。
「俺はその厄介そうな奴に行って来る。」
「ルプ大丈夫?」
「厄介と言っても誤差だ、タイガー2匹の方がめんどくせぇだろ。」
ルプはそう言い吠える。
ウォォーーーン!!
「ウルフが来たらパトリス達が蹴散らしとけ。」
そしてルプは森の中へ駆けていく。
「ルプの方は何が居るのかなぁ。」
「ここいらで出る魔物って言えばゴブリンかウルフくらいだからな、フォレストタイガーももっと奥に居てここまで来るのは稀の筈だ。」
パトリスと話して居ると3匹のウルフが逃げるように飛び出してきた。
「お、ウルフ来た。」
「よーし俺の出番だな!」
剣を抜き気合いを入れるガーラン。
「アイスアロー!」
シャルルが魔法を打ち一撃でウルフを仕留める。
残り2匹もトリスの弓とユーリンの投げたダガーが頭に刺さり絶命する。
「・・・おい、俺の出番ねぇじゃん。」
恨めしそうに3人を見つめるガーラン。
「あとにひきくるよー。」
ユラが耳をピクピク動かし森を見つめる。
「本当か?よっしゃぁ!」
すると同じように2匹ルプから逃げてきたのか走って来る、そして千春達を見て立ち止まり唸る。
ストン
「え?ウルフが消えたんだが。」
ポカンとウルフがいた所を見つめるガーラン。
「サフィーもいい所に開けたねぇ。」
「ユラが見てたから何処から来るかわかりましたもの。」
2人は空を見上げながら手を翳し、かなり高い所からウルフを出す。
ギャン!!
着地出来ずに落ちるウルフはピクピクと痙攣して居る、そこにユーリンがナイフを投擲し動かなくなった。
「あんな使い方も出来るのね。」
「ユーリンも慣れたら出来るよ。」
「練習しよーっと。」
パトリスが生暖かい目でガーランを見ながら肩を叩く。
「ユラちゃん!まだウルフ来るかい?!」
「んーん、もういなーい。」
ガックリとしながら剣を鞘に戻すガーラン。
しばらくしてロイロが足に2体のフォレストタイガーを掴んできた。
『帰ったぞー。』
ドスンと地面に置き人型に戻るロイロ。
「お疲れ様ー、ルプと同じくらいデカいね。」
「デカいだけじゃ、ルプとやり合ってもかすり傷も与えれんじゃろ。」
サフィーナはフォレストタイガーをアイテムボックスに入れて居るとルプも戻ってきた。
「フン!」
咥えて戻ってきた魔物を千春達の前に放る。
「おーデカい熊!」
「ワイルドベアですね、珍しい。」
「コイツはまた大物だなぁ。」
サフィーナが珍しいと言い、パトリスも大物だと感心していた。
「あれ?この熊手が4本ある。」
「ワイルドベアは4本ですよ。」
「何で?」
「何でと言われても。」
「あーチハルの世界じゃ6足の生き物はおらんじゃったか。」
「こっち居るの?」
「そりゃ居るわ、儂もそうじゃぞ。」
「え?ドラゴンになっても手二本じゃん。」
「翼があるじゃろ、アレは一対の手が進化したんじゃ。」
「へぇぇ!」
感心しながらチハルはワイルドベアをアイテムボックスに入れる。
「よーし、邪魔な魔物は討伐出来たので、こっからが本番です!」
「チハルさん何するんです?」
不思議そうにシャルルが問いかける。
「え、ここに来る当初の目的はコレでしょ。」
そう言って松茸っぽい香味茸を見せる。
「あーそうだった!」
「忘れるなよ。」
「俺は覚えてた。」
「俺も~。」
「私も覚えてたー。」
裏切るシャルル以外の狼の牙メンバー。
「で、何処にあるの?」
「さぁ?」
「儂も流石にわからんなぁ、魔物なら魔力で分かるが。」
「はーいチハルおねえちゃんユラわかる~!」
「本当に?!」
「うん、あっちからそのきのこのにおいするよ?」
最初にウルフが飛び出してきた方を指差すユラ。
「ルプわかる?」
「あぁ、風が左前から流れてるからもう少し左の方だろうがな。」
「さっすが狼と狐!それじゃ松茸狩りしゅっぱーつ!」
皆は千春に促され森に足を踏み入れた。
410
お気に入りに追加
2,578
あなたにおすすめの小説
転生王女は現代知識で無双する
紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。
突然異世界に転生してしまった。
定番になった異世界転生のお話。
仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。
見た目は子供、頭脳は大人。
現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。
魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。
伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。
読んでくれる皆さまに心から感謝です。
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
死に戻り公爵令嬢が嫁ぎ先の辺境で思い残したこと
Yapa
ファンタジー
ルーネ・ゼファニヤは公爵家の三女だが体が弱く、貧乏くじを押し付けられるように元戦奴で英雄の新米辺境伯ムソン・ペリシテに嫁ぐことに。 寒い地域であることが弱い体にたたり早逝してしまうが、ルーネは初夜に死に戻る。 もしもやり直せるなら、ルーネはしたいことがあったのだった。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
〈とりあえずまた〆〉婚約破棄? ちょうどいいですわ、断罪の場には。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
辺境伯令嬢バルバラ・ザクセットは、第一王子セインの誕生パーティの場で婚約破棄を言い渡された。
だがその途端周囲がざわめき、空気が変わる。
父王も王妃も絶望にへたりこみ、セインの母第三側妃は彼の頬を打ち叱責した後、毒をもって自害する。
そしてバルバラは皇帝の代理人として、パーティ自体をチェイルト王家自体に対する裁判の場に変えるのだった。
番外編1……裁判となった事件の裏側を、その首謀者三人のうちの一人カイシャル・セルーメ視点であちこち移動しながら30年くらいのスパンで描いています。シリアス。
番外編2……マリウラ視点のその後。もう絶対に関わりにならないと思っていたはずの人々が何故か自分のところに相談しにやってくるという。お気楽話。
番外編3……辺境伯令嬢バルバラの動きを、彼女の本当の婚約者で護衛騎士のシェイデンの視点から見た話。番外1の少し後の部分も入ってます。
*カテゴリが恋愛にしてありますが本編においては恋愛要素は薄いです。
*むしろ恋愛は番外編の方に集中しました。
3/31
番外の番外「円盤太陽杯優勝者の供述」短期連載です。
恋愛大賞にひっかからなかったこともあり、カテゴリを変更しました。
妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?
木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。
彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。
公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。
しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。
だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。
二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。
彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。
※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。
浮気相手の面倒見ろとか寝惚けてるんですか? 撃ちますよ? 雷魔法。
隣のカキ
恋愛
私の婚約者は足りていないと貴族界隈で噂される程の人物。そんな彼が真実の愛を見つけたのだそうです。貴族にそんな言い訳は通用しません。第二夫人? 寝惚けているようなので目を覚まして差し上げます。雷魔法で。
転生したら死にそうな孤児だった
佐々木鴻
ファンタジー
過去に四度生まれ変わり、そして五度目の人生に目覚めた少女はある日、生まれたばかりで捨てられたの赤子と出会う。
保護しますか? の選択肢に【はい】と【YES】しかない少女はその子を引き取り妹として育て始める。
やがて美しく育ったその子は、少女と強い因縁があった。
悲劇はありません。難しい人間関係や柵はめんどく(ゲフンゲフン)ありません。
世界は、意外と優しいのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる