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魔物討伐!

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「おはよールプ。」
「おはよう千春。」
 千春が起き、ルプも目を覚ます。

「ロイロは?」
「ベッドの下見てみろ。」
 千春が覗き込むと床で寝ていた。

「ベッドが柔らかすぎたか。」
 笑いながらベッドから降りるとユラも目を覚ます。

「ありゃ起きちゃったか。」
「おはようございます~。」
「おはようユラちゃん。」
「おはようユラ。」
「ルプおはよー。」
 千春は隣の部屋に行くとサフィーナが片付けをしていた。

「おはようサフィー。」
「おはようございますチハル。」
「あの2人は?」
「こちらの部屋で寝てますよ。」
 そう言って寝室の反対にある扉を指す。

「昨日結構呑んだ?」
「えぇ、4人で全部呑みましたね。」
「マジか、大丈夫かなあの2人。」
 千春はそーっと2人の寝室を開けるとユーリンはベッドに座って起きていた。

「ユーリンおはよう。」
「チハルちゃんおはよーございまふわぁぁぁす。」
「大丈夫?」
「だーいじょうぶですよあれくらい。」
「シャルルは?」
「シャルルー起きなー。」
「あとごふん~。」
 ユーリンと千春は笑いながら応接間に戻る。

「サフィーちゃんおはようございます。」
「おはようございますユーリン、シャルルは?」
「まだ寝てるよ。」
「それじゃお茶でも淹れますのでゆっくりしましょう。」
 サフィーナは手際良く準備をする。

「ユーリンあれからアイテムボックス使った?」
「うん、何度か出し入れしたよ、なんか少しづつ入る量が増えてる感じがするね。」
「あー分かる、私も最初クローゼットくらいかなーから一部屋くらいの間隔になったもん。」
「私もそんな感じですね、ただ今は安定してこの部屋位の空間から増えなくなりました。」
「んじゃサフィーと私同じくらいだね、私も増えなくなったもん。」
 千春とサフィーナはそう言いながら空間の話をする。

「へぇ、私はそのテーブルが入るかなー?くらいの感じだね、昨日は椅子も入らないくらいだったけど。」
「使ってたら使う魔力も減るしもう少し広がると思うよ。」
「正直今の入る量でも十分凄いんだけどねー、馬車1台分入るなら、もう大店の良い所にお嫁に行けるわー。」
 3人が話をして居るとシャルルも起き、ユラを乗せたルプも出てくる。

「ルプーロイロは?」
「起こしといたぞ。」
「ありがとう。」
「ルプよ、アレは起こしたとは言わんぞ、踏んづけただけじゃろ。」
「起きただろ?」
 ロイロは出て来ると文句を言い、ルプは笑いながら床に寝そべる。

コンコンコン

「はーい、どうぞ。」
「おはよう御座います。」
 執事がノックをして入ってくる。

「朝食までもう少しお時間が有りますので飲み物でもと思いましたのですが。」
 執事はサフィーナを見ていい詰まる。

「有難う御座います、こちらは私がやりますので大丈夫ですよ。」
「有難う御座います、それではお食事が出来ましたらお持ち致しますので。」
 そう言って執事は部屋を出る。
 しばらくして朝食が運ばれて来る、パンも美味しくベーコンやソーセージも美味しかった。

「それじゃお出かけしましょっか。」
「パトリス達呼んできますね。」
 シャルルが部屋を出て走っていく、千春達が外に出ると馬の繋がれてない馬車があった。

「この馬車かな?」
「そうじゃろうな、コレなら全員乗れるじゃろ。」
「王族の馬車より小さいかな?」
「そうじゃな、運びやすそうじゃ。」
 シャルルがパトリス達を連れて来る。

「おはようございます王女殿下。」
「おはよーパトリスさん。」
「昨日のお酒ありがとうございました!すっごい美味しかったです!」
 ガーランが食い気味に声をかけて来る。

「いいえ~、今日はよろしくお願いしますね。」
「了解です!」
「とりあえず冒険者ギルドに行こう、依頼受けないとね。」
 千春は馬車をアイテムボックスに入れると狼の牙の歓声が上がる。

「ユーリンこれ覚えたって言ってたよな?」
 トリスがユーリンに聞く。

「うん、まだこんなのは入らないけど、チハルちゃんとサフィーちゃんの話じゃもう少し入る様になるみたいだから、もしかしたらこれくらい出来るようになるかもね。」
「すげぇな、討伐依頼受けて持って帰る手間が無くなるじゃ無いか。」
「そうだな、収入が激増するぞ。」
 トリスとガーランもニコニコしながら喜んでいる。
 そして冒険者ギルドに向かい、狼の牙に依頼を受けて貰うとギルマスに呼ばれた。

「おはようございます王女殿下、昨日の買取り分の金貨4枚と小金貨6枚です。」
「思ったより多いね。」
「どれも傷や損傷が少なく査定が上がっています、本日分もお渡しお願いしますね。」
「はーい、それじゃ狼の牙さんの依頼金渡しますね。」
 千春はアイテムボックスから巾着袋を出し金貨1枚出し5枚にして渡す。

「はい、確かに、依頼達成後お渡ししますね。」
 そして受け取りカウンターで手続きをし、残りのオークを出す。

「よし!ギルドは終わり!出かけるぞー!」
 一同は少し離れた広場に行くと千春が馬車を出す。

「はーい乗ってねー。」
 ロイロがドラゴン形態になり馬車の上に乗る。

『パトリスよ方向はどっちじゃ?』
「湖がこっちだから、あの1番高い山の右を沿う様に飛んでくれ。」
『わかった。』
 皆が乗り込みロイロが羽ばたく。

「うわぁぁ!」
「すげぇ!」
「きゃぁ!」
「・・・」
 狼の牙は悲鳴をあげる。

「パトリスさん場所の確認お願いね。」
「任せろ!」
 数分で目的地の上らしき所に到着する。

「ロイロどう?居る?」
『あぁ、ツガイと言ってたが2匹だけでは無さそうじゃな。』
「何匹も居るの?」
「フォレストタイガーは2匹だろ、他の気配は別の魔物だな。」
『降りるぞー。』
 ロイロは少し開けた所へ馬車を降ろす。

「ロイロお疲れ様。」
『なんて事ないわい。』
「それで、フォレストタイガーの他に何が居るの?」
『見てみんとわからんがの、フォレストタイガーより厄介そうなのが1匹、後はウルフか?』
「そうだな、ウルフは俺が威嚇すれば散るだろ。」
『それじゃ儂はタイガー2匹に行くぞ。』
 そう言うと馬車の周りに結界を張り飛んで行く。

「俺はその厄介そうな奴に行って来る。」
「ルプ大丈夫?」
「厄介と言っても誤差だ、タイガー2匹の方がめんどくせぇだろ。」
 ルプはそう言い吠える。

ウォォーーーン!!

「ウルフが来たらパトリス達が蹴散らしとけ。」
 そしてルプは森の中へ駆けていく。

「ルプの方は何が居るのかなぁ。」
「ここいらで出る魔物って言えばゴブリンかウルフくらいだからな、フォレストタイガーももっと奥に居てここまで来るのは稀の筈だ。」
 パトリスと話して居ると3匹のウルフが逃げるように飛び出してきた。

「お、ウルフ来た。」
「よーし俺の出番だな!」
 剣を抜き気合いを入れるガーラン。

「アイスアロー!」
 シャルルが魔法を打ち一撃でウルフを仕留める。
 残り2匹もトリスの弓とユーリンの投げたダガーが頭に刺さり絶命する。

「・・・おい、俺の出番ねぇじゃん。」
 恨めしそうに3人を見つめるガーラン。

「あとにひきくるよー。」
 ユラが耳をピクピク動かし森を見つめる。

「本当か?よっしゃぁ!」
 すると同じように2匹ルプから逃げてきたのか走って来る、そして千春達を見て立ち止まり唸る。

ストン

「え?ウルフが消えたんだが。」
 ポカンとウルフがいた所を見つめるガーラン。

「サフィーもいい所に開けたねぇ。」
「ユラが見てたから何処から来るかわかりましたもの。」
 2人は空を見上げながら手を翳し、かなり高い所からウルフを出す。

ギャン!!

着地出来ずに落ちるウルフはピクピクと痙攣して居る、そこにユーリンがナイフを投擲し動かなくなった。

「あんな使い方も出来るのね。」
「ユーリンも慣れたら出来るよ。」
「練習しよーっと。」
 パトリスが生暖かい目でガーランを見ながら肩を叩く。

「ユラちゃん!まだウルフ来るかい?!」
「んーん、もういなーい。」
 ガックリとしながら剣を鞘に戻すガーラン。

 しばらくしてロイロが足に2体のフォレストタイガーを掴んできた。

『帰ったぞー。』
 ドスンと地面に置き人型に戻るロイロ。

「お疲れ様ー、ルプと同じくらいデカいね。」
「デカいだけじゃ、ルプとやり合ってもかすり傷も与えれんじゃろ。」
 サフィーナはフォレストタイガーをアイテムボックスに入れて居るとルプも戻ってきた。

「フン!」
 咥えて戻ってきた魔物を千春達の前に放る。

「おーデカい熊!」
「ワイルドベアですね、珍しい。」
「コイツはまた大物だなぁ。」
 サフィーナが珍しいと言い、パトリスも大物だと感心していた。

「あれ?この熊手が4本ある。」
「ワイルドベアは4本ですよ。」
「何で?」
「何でと言われても。」
「あーチハルの世界じゃ6足の生き物はおらんじゃったか。」
「こっち居るの?」
「そりゃ居るわ、儂もそうじゃぞ。」
「え?ドラゴンになっても手二本じゃん。」
「翼があるじゃろ、アレは一対の手が進化したんじゃ。」
「へぇぇ!」
 感心しながらチハルはワイルドベアをアイテムボックスに入れる。

「よーし、邪魔な魔物は討伐出来たので、こっからが本番です!」
「チハルさん何するんです?」
 不思議そうにシャルルが問いかける。

「え、ここに来る当初の目的はコレでしょ。」
 そう言って松茸っぽい香味茸を見せる。

「あーそうだった!」
「忘れるなよ。」
「俺は覚えてた。」
「俺も~。」
「私も覚えてたー。」
 裏切るシャルル以外の狼の牙メンバー。

「で、何処にあるの?」
「さぁ?」
「儂も流石にわからんなぁ、魔物なら魔力で分かるが。」
「はーいチハルおねえちゃんユラわかる~!」
「本当に?!」
「うん、あっちからそのきのこのにおいするよ?」
 最初にウルフが飛び出してきた方を指差すユラ。

「ルプわかる?」
「あぁ、風が左前から流れてるからもう少し左の方だろうがな。」
「さっすが狼と狐!それじゃ松茸狩りしゅっぱーつ!」
 皆は千春に促され森に足を踏み入れた。




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