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買い食い!
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「この大通りから進むと中央広場がある、そこから幾つかの通りが分かれて色んな専門の店が並んでいるんだ。」
「ほうほう、この通りは?」
「貴族のエリアからも近いからな、貴金属や服、美容品が多い、女性向けな通りだから少し見ていくか?」
「服は見てみたいな、サフィー、モリーあそこ見に行こう!」
「はーい!」
「走らないで下さい!」
3人は最初に見えた少し高級そうな衣料店に向かった。
「さて、俺はどうするかな、離れる訳にもいかんし、アリンでも連れて来ればよかったか・・・いやあいつ今日は魔導士団の訓練って言ってたからどのみち無理か。」
「サフィー、このワンピース可愛いよね、もうちょっと薄い色の無いかな。」
「チハルさん!コレなんてどうです?!」
「モリーそれは流石に派手でしょう、もう少しおとなしい色はないですか?」
3人はキャッキャと服を物色する、その後も貴金属店に入りブレスレットや髪留めなどを見て回り中央にある広場に着いた。
「あれ?ハルトなんか疲れてない?」
「・・・この通りだけで2時間だぞ、普通に歩いて20分くらいだろうココは。」
「そんなに時間経ってた?気のせいじゃない?」
「気のせいです!」
「気にしたら負けですよ?」
「あー俺の気のせいだ、好きなように見て回ってくれ。」
「言われなくても回るけどねー!」
「ねー!」
「さぁ次はどの通りに行きましょうか?」
「こっちは何があるの?」
「そっちは冒険者通りといって武器とか防具、あと魔法の道具とかもありますよー。」
「あとコチラは野菜やお肉等の食材が多く取り扱ってますね。」
「それじゃ食材は後で、先に冒険者通りにいこー!」
「いこー!」
「はいはい、それじゃ行きましょうか。」
エンハルトは黙って付いていく、周りをそれとなく見れば6人程の護衛の知っている顔が見えた、皆私服で男女のペアで動く者や1人で居る者と周りに溶け込むように護衛をしていた。
「魔法道具屋さんが面白かった。」
「でもありふれた物しか無かったです。」
「そうですね、でもチハルは初めて見る物ばかりでしょうから面白かったでしょうね。」
「ココは同じ道を戻るの?」
「いえ、こっちを通れば食品通りに通じてますし反対側を通れば飲食店や酒場が多い通りになりますよ。」
「今何時頃かな。」
千春はスマホの時計を見る、もう少ししたらお昼だ。
「あー、そろそろお昼みたいだから飲食店の方通って何か食べようか?」
「それならオススメのお店が有るんですよ!」
「モリー、この前言ってた所?」
「そうでーす!」
「何屋さんなの?」
「着いてからのお楽しみで!」
3人と黙って付いてくる1人は飲食店通りに向かう。
「はい!ココです!」
「ココに入るのか、俺もだよな?」
「そうじゃないの?ハルトはこの店知ってるの?」
「いや初めてだが看板を見れば分かる。」
「遠慮なさらずご一緒しましょう。」
モリアンが連れてきたお店は高級な佇まいのお店だった。
「それじゃ入りましょう~。」
「何が食べれるのかなー。」
「チハルは好きだと思いますよ?」
「・・・・・。」
「いらっしゃーい!奥が開いてますからどうぞー!」
入ると店員が奥を勧めてきた、そして4人はテーブルに座りメニューを見る。
「私は読めないから読んでくれる?」
「えーっとフルーツの生クリーム掛けがオススメで、後は果物盛り合わせ、フルーツシャーベットが色んな種類があります。」
「生クリームあるんだ、ホイップしてあるの?」
「いえ?甘くて濃いミルクが掛けてあるんですよ、砂糖を結構使ってるので良い値段するんですけど美味しいんですよ!」
「私も初めてなんですけど、モリーが一緒に行こうとしつこく言ってたんですよね。」
「それじゃ私はフルーツの生クリーム掛けで。」
「私はこの苺のシャーベットにします!」
「それじゃぁ私は盛り合わせにしましょうか。」
「シェアしよう!」
「「シェア?」」
「みんなでわけっこしながら食べるの。」
「いいですね!3種類食べれます!」
「飲み物はどうしますか?」
「私はオレンジティ!」
「あ、私もそれでいいや。」
「んー、ミルクティにしましょう。」
「「「ハルトは?」」」
「・・・・あぁ、俺はオレンジシャーベットと紅茶にしておく、しかしお前たちそれじゃ腹に溜まらないだろう?」
「お腹いっぱいにしたら露店で食べれなくなるじゃないですか!」
「おー!露店で買い食いかーイイねー楽しみ!」
「お前たちがそれで良いなら構わないけどな。」
注文も終わり3人は買った物を見せながら荷物になる物は千春とサフィーナがアイテムボックスに入れる。
「その魔法便利すぎです!私は発動出来ませんでしたけど・・・・」
「難しいですからね、私も発動まで苦戦しました、チハルの魔法を直接見たのでイメージが出来たのかも知れませんね。」
「私も見てたのにぃ・・・・。」
そして注文した物が来て皆で食べだした。
「ほんとに生クリームだねぇちょっと甘すぎるけど、こっちって生クリーム作れるの?」
「コレは乳に魔法を掛けて濃くした物で結構出回っていますね、水魔法で簡単に作れるんですよ。」
「へぇぇ、サフィーも作れるの?」
「はい、紅茶に入れる事はありますので。」
「あーロイヤルミルクティってやつかー。」
「ええ、ココのミルクティもそうですね、まろやかで美味しいです。」
そして軽く食べ終わり店を出る、そしてそのまま進むと露店が出ているエリアになる。
「串焼きにスープ、饅頭とか色々ありますよ、チハルさん何食べます?」
「あの饅頭みたいなのは何?」
「あれはそば粉に具を入れた饅頭ですね。」
「オヤキみたいな物かな?食べてみたいかも。」
モリアンはすたすたとオヤキを売っている店にいく。
「おいちゃん饅頭4つ!」
「あいよ!ほれ焼きたてだ、大1枚と銅貨2枚な。」
店のおじさんは大きな葉っぱの様な物に包みモリアンに渡していた。
「はい!1個づつどうぞー。」
「ありがと!」
皆が受け取り千春も齧り付く。
「あ、美味しい。」
「でしょー?でもチハルのご飯食べてたら物足りなく感じちゃうね。」
「贅沢言わないの、この味と量で銅貨3枚なんですから。」
「銅貨3枚・・・30円!?」
「価値がどれくらいなのか分かりませんがこちらでも安いですからね。」
そして何の肉か分からない串焼きなど色々とつまんでみる。
「・・・「鑑定」」
「チハル、何鑑定してるのよ。」
「いや、何の肉かなーって、レイクリザードって何?」
「池にいるトカゲだ、結構狩りやすいからな、冒険者や狩人がギルドに卸しているんだ。」
「トカゲ美味しいな!」
「そうですね、淡泊な身ですが肉に味が有って美味しいですね。」
「んーコレなら醤油と砂糖で漬け込んで片栗粉まぶしてゴマ油で焼いたら中々イケるかもしれない。」
千春は鶏の胸肉をしっとりさせたようなトカゲ肉の料理を考えていた。
「なんですか?チハルさんが言うと食べた事無いのに涎がでそうになるんですけど!」
「汚いなぁ。」
苦笑しながら千春はモリアンを見る。
「さて、腹ごしらえもした事だ、次は食品通りか?」
「うん、次はどっち?」
「ほぼ反対側なのでこの道を戻りましょうか。」
「「はーい!」」
千春とモリアンは良い返事で答えた。
「あ!ケモミミがいる!」
「ん?あぁ、あの耳と尾は猫系だな。」
「かわいいなぁ。」
千春が見たのは猫族系の少女だった、露店のお手伝いをしているようだ。
「獣人は冒険者に多いがこう言った露店で小遣いを稼ぐ子供も居る。」
「冒険者に多いの?」
「あぁ、獣人は人間よりも身体能力が高いからな、その代わり魔力が少ない、良く使えてもちょっとした生活魔法くらいだ。」
「へぇ~。」
獣人に目が行くようになり千春はキョロキョロと見ていると建物の隙間に泣いている人間の女の子を見つけた。
「あの子・・・どうしたんだろう。」
「チハルどうした?」
「・・・・」
千春はエンハルトの声をスルーして女の子に近づく。
「お嬢ちゃんどうしたの?」
千春の声を聴きビクッとし足を引きずりながら後ろへ下がる。
「ケガしてるじゃない!動かないでね。」
そう言うと近寄りヒールを掛ける。
「どう?痛くない?」
「・・・うん、おねえちゃんありがとう。」
「チハルどうしたんだ?」
「あ、ごめん女の子が泣いてたから見たらケガしててね、ちょっと回復かけてた。」
そして女の子を見るとまた悲しげに泣き出す。
「どうしたの?まだ痛い所があるの?」
「ううんちがう、おにいちゃんが・・・」
女の子は違うと横に頭を振りおにいちゃんがと何度も言う。
「おにいちゃんは何処にいるの?」
「つれてかれた、たぶんこじいんの、おにいちゃんがにげろっていって・・おにいちゃんだけつかまったの。」
「孤児院?なんで孤児院の人から逃げてるのかしら?」
「捕まったと言うのは聞き捨てならんな。」
サフィーナとエンハルトは2人で何かを考えながら話をしていた。
「お嬢ちゃんなんでお兄ちゃんは逃げろって言ったかわかる?」
「うん、きぞくにうられるまえににげろって、つかまったらちかにとじこめられるって。」
「・・・ちょっと、ハルトどういう事か分かる?」
「調べれば分かるだろう、お嬢ちゃん何処の孤児院か名前分かるかい?」
「ほーじゃさすこじいん。」
「・・・この付近ですと孤児院は2つ、一つは教会の、もう一つはホーザサス男爵が出資している孤児院ですね。」
サフィーナがそう言うとエンハルトは軽く左手を上げる、するとすぐ横に女性が立っていた。
「直ぐに調べろ、男爵の方は後で良い孤児院の方に数人廻せ、捕まった子が安全のようなら様子を見ろ、危険と思ったら助け出せ、判断は任せる。」
「はい、直ぐに。」
そして女性は表通りに消えていった。
「チハル、その子を保護しておこうか。」
「今の人は?」
「あぁ護衛とは別の俺の手駒だ、王子なんてやってると色々と調べる事があるんでな、便利なんだよ。」
「そう、それじゃぁこの子を取りあえず安全な所に連れて行こう。」
「わかった、護衛を呼ぶからちょっと待ってろ。」
そう言ってエンハルトは路地に出る、護衛も近寄っていたので見える所で話をしていた。
「おい居たぞ!」
路地と反対側、裏路地の奥からチンピラ風の男が2人出てきた。
「おい、その娘を渡してもらおうか。」
「は?嫌に決まってるでしょ?」
「あぁぁ?黙って渡せばケガしなくて済むぞ。」
「うわぁ下っ端のセリフってこっちでも同じようなもんなのね、い・や・よ!」
「てめぇ。」
下っ端が威嚇しながら近寄ってくる、モリアンは通りに向かって叫ぶ。
「きゃー!!!!!!」
「どうした!」
すぐにエンハルトと護衛2人が走って来た。
「な!?やべえ逃げるぞ!」
そういって踵を返し逃げようとした男2人はふっと地面に落ちた。
「「「「え?」」」」
「チハル・・・それって。」
「うんアイテムボックス、足元に開けた。」
見たらすでにアイテムボックスは閉じられている。
「えぇ、アイテムボックスに人間入れたらどうなるのよ?」
「多分何も?この前調べたら時間止まってるっぽいんだよねあの中。」
「そうなの?どうやって調べたのよ。」
「最初は時計、そんでその後火が付いたマッチ、火が付いたまま出てきたし間違いないよ、生き物入れた事は無いけどね。」
千春はエンハルトと護衛に剣を抜かせ囲みを作らせる。
「それじゃそこに一人ずつ出すよー。」
そう言ってわざと高い位置、ちょうど二階の窓くらいをめがけてアイテムボックスを開き1人出す。
「・・・うわああああ!」
男は叫びながら落ちる、落ちた瞬間ボキっという音を立て動けなくなった。
「はーい二人目落とすよー。」
1人目が引きずられ横で縛られている間にもう一人落とす。
「・・・おぁああああ!」
ゴキッ
「あーこれ剣抜く必要無いじゃねえか、取りあえず縛っとけ、衛兵は?」
「はっ!既に呼びに行かせてますので直ぐに!」
言う間もなく直ぐに衛兵が駆け付ける。
「こいつ等は王女殿下に危害を加えようとした賊だ、こってり搾り上げてこい。」
「はっ!」
そういって衛兵は2人を運んで行った。
「サフィーこの子が言ってた孤児院の場所分かる?」
「ええ、分かるけど教えないわよ?」
「なんでー・・」
「行くつもりでしょう、それは出来ません。」
「だってこの子のお兄ちゃんが・・」
「ダメです、それに今殿下・・・ハルトの影が調べています、それからでも遅くは有りませんでしょう。」
「おい、影ってバラすなよ。」
「むー、だって!許せないじゃん!」
「まぁ待て、取りあえずその子を連れてここから離れるぞ。」
そして女の子を連れその場を離れる、向かった先は表通りを少し歩いて路地裏に一回曲がってすぐにある扉だった。
「ココはお忍びの飲み屋だ、今は開店前だが居るだろう。」
そう言ってノックもせず扉を開ける、カギは開いていた。
「おう、まだ開けてねぇぞ坊ちゃん。」
「知ってる、ちょっと座る所がほしかったから寄ったんだ椅子を貸してくれ。」
「おう、なんか飲むか?酒しかねえけどな!ガッハッハッハ!」
店主の男は殿下と知っているようだが傍若無人な態度で接していた。
「飲み物はよろしいですわ、チハルは紅茶でいい?」
「うん。」
サフィーナは皆が座ったテーブルの横にアイテムボックスから紅茶を入れるセットを出し魔法で水を沸かし紅茶を入れる、もう一つのグラスにはミルクをいれて女の子の前へ置く。
そしてエンハルトの影が帰ってくるまで然程時間はかからなかった。
「ほうほう、この通りは?」
「貴族のエリアからも近いからな、貴金属や服、美容品が多い、女性向けな通りだから少し見ていくか?」
「服は見てみたいな、サフィー、モリーあそこ見に行こう!」
「はーい!」
「走らないで下さい!」
3人は最初に見えた少し高級そうな衣料店に向かった。
「さて、俺はどうするかな、離れる訳にもいかんし、アリンでも連れて来ればよかったか・・・いやあいつ今日は魔導士団の訓練って言ってたからどのみち無理か。」
「サフィー、このワンピース可愛いよね、もうちょっと薄い色の無いかな。」
「チハルさん!コレなんてどうです?!」
「モリーそれは流石に派手でしょう、もう少しおとなしい色はないですか?」
3人はキャッキャと服を物色する、その後も貴金属店に入りブレスレットや髪留めなどを見て回り中央にある広場に着いた。
「あれ?ハルトなんか疲れてない?」
「・・・この通りだけで2時間だぞ、普通に歩いて20分くらいだろうココは。」
「そんなに時間経ってた?気のせいじゃない?」
「気のせいです!」
「気にしたら負けですよ?」
「あー俺の気のせいだ、好きなように見て回ってくれ。」
「言われなくても回るけどねー!」
「ねー!」
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「あとコチラは野菜やお肉等の食材が多く取り扱ってますね。」
「それじゃ食材は後で、先に冒険者通りにいこー!」
「いこー!」
「はいはい、それじゃ行きましょうか。」
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「魔法道具屋さんが面白かった。」
「でもありふれた物しか無かったです。」
「そうですね、でもチハルは初めて見る物ばかりでしょうから面白かったでしょうね。」
「ココは同じ道を戻るの?」
「いえ、こっちを通れば食品通りに通じてますし反対側を通れば飲食店や酒場が多い通りになりますよ。」
「今何時頃かな。」
千春はスマホの時計を見る、もう少ししたらお昼だ。
「あー、そろそろお昼みたいだから飲食店の方通って何か食べようか?」
「それならオススメのお店が有るんですよ!」
「モリー、この前言ってた所?」
「そうでーす!」
「何屋さんなの?」
「着いてからのお楽しみで!」
3人と黙って付いてくる1人は飲食店通りに向かう。
「はい!ココです!」
「ココに入るのか、俺もだよな?」
「そうじゃないの?ハルトはこの店知ってるの?」
「いや初めてだが看板を見れば分かる。」
「遠慮なさらずご一緒しましょう。」
モリアンが連れてきたお店は高級な佇まいのお店だった。
「それじゃ入りましょう~。」
「何が食べれるのかなー。」
「チハルは好きだと思いますよ?」
「・・・・・。」
「いらっしゃーい!奥が開いてますからどうぞー!」
入ると店員が奥を勧めてきた、そして4人はテーブルに座りメニューを見る。
「私は読めないから読んでくれる?」
「えーっとフルーツの生クリーム掛けがオススメで、後は果物盛り合わせ、フルーツシャーベットが色んな種類があります。」
「生クリームあるんだ、ホイップしてあるの?」
「いえ?甘くて濃いミルクが掛けてあるんですよ、砂糖を結構使ってるので良い値段するんですけど美味しいんですよ!」
「私も初めてなんですけど、モリーが一緒に行こうとしつこく言ってたんですよね。」
「それじゃ私はフルーツの生クリーム掛けで。」
「私はこの苺のシャーベットにします!」
「それじゃぁ私は盛り合わせにしましょうか。」
「シェアしよう!」
「「シェア?」」
「みんなでわけっこしながら食べるの。」
「いいですね!3種類食べれます!」
「飲み物はどうしますか?」
「私はオレンジティ!」
「あ、私もそれでいいや。」
「んー、ミルクティにしましょう。」
「「「ハルトは?」」」
「・・・・あぁ、俺はオレンジシャーベットと紅茶にしておく、しかしお前たちそれじゃ腹に溜まらないだろう?」
「お腹いっぱいにしたら露店で食べれなくなるじゃないですか!」
「おー!露店で買い食いかーイイねー楽しみ!」
「お前たちがそれで良いなら構わないけどな。」
注文も終わり3人は買った物を見せながら荷物になる物は千春とサフィーナがアイテムボックスに入れる。
「その魔法便利すぎです!私は発動出来ませんでしたけど・・・・」
「難しいですからね、私も発動まで苦戦しました、チハルの魔法を直接見たのでイメージが出来たのかも知れませんね。」
「私も見てたのにぃ・・・・。」
そして注文した物が来て皆で食べだした。
「ほんとに生クリームだねぇちょっと甘すぎるけど、こっちって生クリーム作れるの?」
「コレは乳に魔法を掛けて濃くした物で結構出回っていますね、水魔法で簡単に作れるんですよ。」
「へぇぇ、サフィーも作れるの?」
「はい、紅茶に入れる事はありますので。」
「あーロイヤルミルクティってやつかー。」
「ええ、ココのミルクティもそうですね、まろやかで美味しいです。」
そして軽く食べ終わり店を出る、そしてそのまま進むと露店が出ているエリアになる。
「串焼きにスープ、饅頭とか色々ありますよ、チハルさん何食べます?」
「あの饅頭みたいなのは何?」
「あれはそば粉に具を入れた饅頭ですね。」
「オヤキみたいな物かな?食べてみたいかも。」
モリアンはすたすたとオヤキを売っている店にいく。
「おいちゃん饅頭4つ!」
「あいよ!ほれ焼きたてだ、大1枚と銅貨2枚な。」
店のおじさんは大きな葉っぱの様な物に包みモリアンに渡していた。
「はい!1個づつどうぞー。」
「ありがと!」
皆が受け取り千春も齧り付く。
「あ、美味しい。」
「でしょー?でもチハルのご飯食べてたら物足りなく感じちゃうね。」
「贅沢言わないの、この味と量で銅貨3枚なんですから。」
「銅貨3枚・・・30円!?」
「価値がどれくらいなのか分かりませんがこちらでも安いですからね。」
そして何の肉か分からない串焼きなど色々とつまんでみる。
「・・・「鑑定」」
「チハル、何鑑定してるのよ。」
「いや、何の肉かなーって、レイクリザードって何?」
「池にいるトカゲだ、結構狩りやすいからな、冒険者や狩人がギルドに卸しているんだ。」
「トカゲ美味しいな!」
「そうですね、淡泊な身ですが肉に味が有って美味しいですね。」
「んーコレなら醤油と砂糖で漬け込んで片栗粉まぶしてゴマ油で焼いたら中々イケるかもしれない。」
千春は鶏の胸肉をしっとりさせたようなトカゲ肉の料理を考えていた。
「なんですか?チハルさんが言うと食べた事無いのに涎がでそうになるんですけど!」
「汚いなぁ。」
苦笑しながら千春はモリアンを見る。
「さて、腹ごしらえもした事だ、次は食品通りか?」
「うん、次はどっち?」
「ほぼ反対側なのでこの道を戻りましょうか。」
「「はーい!」」
千春とモリアンは良い返事で答えた。
「あ!ケモミミがいる!」
「ん?あぁ、あの耳と尾は猫系だな。」
「かわいいなぁ。」
千春が見たのは猫族系の少女だった、露店のお手伝いをしているようだ。
「獣人は冒険者に多いがこう言った露店で小遣いを稼ぐ子供も居る。」
「冒険者に多いの?」
「あぁ、獣人は人間よりも身体能力が高いからな、その代わり魔力が少ない、良く使えてもちょっとした生活魔法くらいだ。」
「へぇ~。」
獣人に目が行くようになり千春はキョロキョロと見ていると建物の隙間に泣いている人間の女の子を見つけた。
「あの子・・・どうしたんだろう。」
「チハルどうした?」
「・・・・」
千春はエンハルトの声をスルーして女の子に近づく。
「お嬢ちゃんどうしたの?」
千春の声を聴きビクッとし足を引きずりながら後ろへ下がる。
「ケガしてるじゃない!動かないでね。」
そう言うと近寄りヒールを掛ける。
「どう?痛くない?」
「・・・うん、おねえちゃんありがとう。」
「チハルどうしたんだ?」
「あ、ごめん女の子が泣いてたから見たらケガしててね、ちょっと回復かけてた。」
そして女の子を見るとまた悲しげに泣き出す。
「どうしたの?まだ痛い所があるの?」
「ううんちがう、おにいちゃんが・・・」
女の子は違うと横に頭を振りおにいちゃんがと何度も言う。
「おにいちゃんは何処にいるの?」
「つれてかれた、たぶんこじいんの、おにいちゃんがにげろっていって・・おにいちゃんだけつかまったの。」
「孤児院?なんで孤児院の人から逃げてるのかしら?」
「捕まったと言うのは聞き捨てならんな。」
サフィーナとエンハルトは2人で何かを考えながら話をしていた。
「お嬢ちゃんなんでお兄ちゃんは逃げろって言ったかわかる?」
「うん、きぞくにうられるまえににげろって、つかまったらちかにとじこめられるって。」
「・・・ちょっと、ハルトどういう事か分かる?」
「調べれば分かるだろう、お嬢ちゃん何処の孤児院か名前分かるかい?」
「ほーじゃさすこじいん。」
「・・・この付近ですと孤児院は2つ、一つは教会の、もう一つはホーザサス男爵が出資している孤児院ですね。」
サフィーナがそう言うとエンハルトは軽く左手を上げる、するとすぐ横に女性が立っていた。
「直ぐに調べろ、男爵の方は後で良い孤児院の方に数人廻せ、捕まった子が安全のようなら様子を見ろ、危険と思ったら助け出せ、判断は任せる。」
「はい、直ぐに。」
そして女性は表通りに消えていった。
「チハル、その子を保護しておこうか。」
「今の人は?」
「あぁ護衛とは別の俺の手駒だ、王子なんてやってると色々と調べる事があるんでな、便利なんだよ。」
「そう、それじゃぁこの子を取りあえず安全な所に連れて行こう。」
「わかった、護衛を呼ぶからちょっと待ってろ。」
そう言ってエンハルトは路地に出る、護衛も近寄っていたので見える所で話をしていた。
「おい居たぞ!」
路地と反対側、裏路地の奥からチンピラ風の男が2人出てきた。
「おい、その娘を渡してもらおうか。」
「は?嫌に決まってるでしょ?」
「あぁぁ?黙って渡せばケガしなくて済むぞ。」
「うわぁ下っ端のセリフってこっちでも同じようなもんなのね、い・や・よ!」
「てめぇ。」
下っ端が威嚇しながら近寄ってくる、モリアンは通りに向かって叫ぶ。
「きゃー!!!!!!」
「どうした!」
すぐにエンハルトと護衛2人が走って来た。
「な!?やべえ逃げるぞ!」
そういって踵を返し逃げようとした男2人はふっと地面に落ちた。
「「「「え?」」」」
「チハル・・・それって。」
「うんアイテムボックス、足元に開けた。」
見たらすでにアイテムボックスは閉じられている。
「えぇ、アイテムボックスに人間入れたらどうなるのよ?」
「多分何も?この前調べたら時間止まってるっぽいんだよねあの中。」
「そうなの?どうやって調べたのよ。」
「最初は時計、そんでその後火が付いたマッチ、火が付いたまま出てきたし間違いないよ、生き物入れた事は無いけどね。」
千春はエンハルトと護衛に剣を抜かせ囲みを作らせる。
「それじゃそこに一人ずつ出すよー。」
そう言ってわざと高い位置、ちょうど二階の窓くらいをめがけてアイテムボックスを開き1人出す。
「・・・うわああああ!」
男は叫びながら落ちる、落ちた瞬間ボキっという音を立て動けなくなった。
「はーい二人目落とすよー。」
1人目が引きずられ横で縛られている間にもう一人落とす。
「・・・おぁああああ!」
ゴキッ
「あーこれ剣抜く必要無いじゃねえか、取りあえず縛っとけ、衛兵は?」
「はっ!既に呼びに行かせてますので直ぐに!」
言う間もなく直ぐに衛兵が駆け付ける。
「こいつ等は王女殿下に危害を加えようとした賊だ、こってり搾り上げてこい。」
「はっ!」
そういって衛兵は2人を運んで行った。
「サフィーこの子が言ってた孤児院の場所分かる?」
「ええ、分かるけど教えないわよ?」
「なんでー・・」
「行くつもりでしょう、それは出来ません。」
「だってこの子のお兄ちゃんが・・」
「ダメです、それに今殿下・・・ハルトの影が調べています、それからでも遅くは有りませんでしょう。」
「おい、影ってバラすなよ。」
「むー、だって!許せないじゃん!」
「まぁ待て、取りあえずその子を連れてここから離れるぞ。」
そして女の子を連れその場を離れる、向かった先は表通りを少し歩いて路地裏に一回曲がってすぐにある扉だった。
「ココはお忍びの飲み屋だ、今は開店前だが居るだろう。」
そう言ってノックもせず扉を開ける、カギは開いていた。
「おう、まだ開けてねぇぞ坊ちゃん。」
「知ってる、ちょっと座る所がほしかったから寄ったんだ椅子を貸してくれ。」
「おう、なんか飲むか?酒しかねえけどな!ガッハッハッハ!」
店主の男は殿下と知っているようだが傍若無人な態度で接していた。
「飲み物はよろしいですわ、チハルは紅茶でいい?」
「うん。」
サフィーナは皆が座ったテーブルの横にアイテムボックスから紅茶を入れるセットを出し魔法で水を沸かし紅茶を入れる、もう一つのグラスにはミルクをいれて女の子の前へ置く。
そしてエンハルトの影が帰ってくるまで然程時間はかからなかった。
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