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G.F. - 再始動編 -
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『…って、詩織もその《女性刑事役》やったの?』
詩織は恥ずかしそうに、ちょっと俯いた。
『だって、男女に別れて全員やるんだっていうんだもん。やるしかないじゃない…』
『あぁ…ね。なるほど』
『でも、凄く恥ずかしかった…』
生徒全員が見ているなか、詩織の演技が終わったあと…俳優さんの講師からは『人前で演じることを恥ずかしがっては駄目』『もう少し声も大きく、動きも大胆に』『私はプロの女優なんだ!…ってつもりで』って、ご指導されたらしい…。
『…ってか、飲まないの?ホットココア。冷めないうちに飲んで…ほら』
『えっ…あ!』
そうだね、って僕は少し冷めはじめたココアをひと口ゴクっと飲もう…と、待てよ。
んん…?
詩織が…何かを期待してるかのように僕を見てる?
…てことは…まっ、まさか!?また僕を揶揄おうとしてる…??
これ…ホットココアのふりして、実はただの《ミルク多めのコーヒー》だったり!?
いや待てよ…なんて疑わせてて飲んでみたら…やっぱり本当にホットココアだったり…??
あぁぁーっ!!
詩織の表情からは…何も読み取れない!!本当はどっち!?
『…ねぇ?本当にホットココアなのか…と見せかけて、実はミルクコーヒーだったり…なんて信吾、疑ってたりしない?ふふっ…♪』
…!
心を読まれてる…たぶん、僕の表情から…か?
『飲むよ!これは…本当にホットコ…ん…いや!やっぱり、ミルク多めのコーヒーだ…!!』
僕はゴクゴクと一気に飲み干……あ。
や、やっぱり…ほ、本当にホットココアだった…。
『ホットココアでしたー。はずれー。きゃはははは♪』
詩織は見ていて心地よいくらい豪快に、お腹を抱えて笑ってた。そしてしばらく笑い続けて、疲れたのか…詩織の笑いはようやく止んだ。
『あはは…。ねえ、信吾も覚えておいて。これは大事なことだから』
『…?』
『《心理戦》とか《駆け引き》とか、《ポーカーフェイス》も《嘘をつくとき》も…大事なのは昂然とした態度と《演技力》よ』
…演技力。さすがだ…詩織。
僕はまんまと、詩織の優れたそれを見せ付けられ負けた…ってことか。
『それも、養成スクールで教わったの?』
…って僕が訊くと、詩織は…。
『うぅん。今のは私が高校生のときに見付けた、私だけの私なりの解釈よ』
そう言って、詩織は僕に可愛くニコッ♪とピースをして見せて…。
『信吾、ゲームやろう。実はね…私、Nintendo Switch買ったの。今さらだけど。ゲーム機買うの、私初めてー』
…んまぁ、そんなこんなで…。
僕は《詩織のタレント養成スクール5日目》の話を思い出して、纏めよう。
詩織は、5日目も《俳優デビュー養成コース》へと呼ばれた。
午前も前日と同じように現役女優さんの講義で、午後もまた実演講習。
けど昨日と違うのは、午後の半分…午後3時になって、詩織はあの《年老いた女性の先生?》に呼ばれたこと。
詩織は一人、別室へと呼ばれた。
詩織と先生?はテーブルを挟んで、向き合うように座った。
『こんにちは。岡本詩織さん』
『こ、こんにちは』
その女性の先生らしき人は、ニコリともしなかった。表情は少し硬いまま。
『…私はこのタレント養成スクールの、校長兼理事長の皐月千代香と言います』
『りっ、理事長さんですか…!?』
『いいのよ。そんなに緊張しないで。力を抜いて』
そこでようやく、皐月理事長は初めて詩織に微笑んでくれた。
『私は…これに目を通させてもらいました』
スッとテーブルの上に出された…見たことのある白い用紙。
『気になって、あなたの所属する冴嶋プロダクションさんから、FAXで送信してもらったの』
『これ…私のプロフィール記入用紙…!』
詩織は皐月理事長から『あなたの目指す芸能活動は、アイドルで間違いないかしら?』と訊かれて…少し戸惑いながらも『…はい』と答えた。
そして『じゃあ、詩織さんの憧れのアイドルは?』と訊かれたけど…そもそもアイドルというものに、そんなに興味のなかった詩織は…『…あっ!伊藤鈴ちゃんは前から好きです!それと、木橋みかなちゃんとかかな…。けど他のアイドルの子たちのことは…分かりません』と正直に答えた。
詩織は恥ずかしそうに、ちょっと俯いた。
『だって、男女に別れて全員やるんだっていうんだもん。やるしかないじゃない…』
『あぁ…ね。なるほど』
『でも、凄く恥ずかしかった…』
生徒全員が見ているなか、詩織の演技が終わったあと…俳優さんの講師からは『人前で演じることを恥ずかしがっては駄目』『もう少し声も大きく、動きも大胆に』『私はプロの女優なんだ!…ってつもりで』って、ご指導されたらしい…。
『…ってか、飲まないの?ホットココア。冷めないうちに飲んで…ほら』
『えっ…あ!』
そうだね、って僕は少し冷めはじめたココアをひと口ゴクっと飲もう…と、待てよ。
んん…?
詩織が…何かを期待してるかのように僕を見てる?
…てことは…まっ、まさか!?また僕を揶揄おうとしてる…??
これ…ホットココアのふりして、実はただの《ミルク多めのコーヒー》だったり!?
いや待てよ…なんて疑わせてて飲んでみたら…やっぱり本当にホットココアだったり…??
あぁぁーっ!!
詩織の表情からは…何も読み取れない!!本当はどっち!?
『…ねぇ?本当にホットココアなのか…と見せかけて、実はミルクコーヒーだったり…なんて信吾、疑ってたりしない?ふふっ…♪』
…!
心を読まれてる…たぶん、僕の表情から…か?
『飲むよ!これは…本当にホットコ…ん…いや!やっぱり、ミルク多めのコーヒーだ…!!』
僕はゴクゴクと一気に飲み干……あ。
や、やっぱり…ほ、本当にホットココアだった…。
『ホットココアでしたー。はずれー。きゃはははは♪』
詩織は見ていて心地よいくらい豪快に、お腹を抱えて笑ってた。そしてしばらく笑い続けて、疲れたのか…詩織の笑いはようやく止んだ。
『あはは…。ねえ、信吾も覚えておいて。これは大事なことだから』
『…?』
『《心理戦》とか《駆け引き》とか、《ポーカーフェイス》も《嘘をつくとき》も…大事なのは昂然とした態度と《演技力》よ』
…演技力。さすがだ…詩織。
僕はまんまと、詩織の優れたそれを見せ付けられ負けた…ってことか。
『それも、養成スクールで教わったの?』
…って僕が訊くと、詩織は…。
『うぅん。今のは私が高校生のときに見付けた、私だけの私なりの解釈よ』
そう言って、詩織は僕に可愛くニコッ♪とピースをして見せて…。
『信吾、ゲームやろう。実はね…私、Nintendo Switch買ったの。今さらだけど。ゲーム機買うの、私初めてー』
…んまぁ、そんなこんなで…。
僕は《詩織のタレント養成スクール5日目》の話を思い出して、纏めよう。
詩織は、5日目も《俳優デビュー養成コース》へと呼ばれた。
午前も前日と同じように現役女優さんの講義で、午後もまた実演講習。
けど昨日と違うのは、午後の半分…午後3時になって、詩織はあの《年老いた女性の先生?》に呼ばれたこと。
詩織は一人、別室へと呼ばれた。
詩織と先生?はテーブルを挟んで、向き合うように座った。
『こんにちは。岡本詩織さん』
『こ、こんにちは』
その女性の先生らしき人は、ニコリともしなかった。表情は少し硬いまま。
『…私はこのタレント養成スクールの、校長兼理事長の皐月千代香と言います』
『りっ、理事長さんですか…!?』
『いいのよ。そんなに緊張しないで。力を抜いて』
そこでようやく、皐月理事長は初めて詩織に微笑んでくれた。
『私は…これに目を通させてもらいました』
スッとテーブルの上に出された…見たことのある白い用紙。
『気になって、あなたの所属する冴嶋プロダクションさんから、FAXで送信してもらったの』
『これ…私のプロフィール記入用紙…!』
詩織は皐月理事長から『あなたの目指す芸能活動は、アイドルで間違いないかしら?』と訊かれて…少し戸惑いながらも『…はい』と答えた。
そして『じゃあ、詩織さんの憧れのアイドルは?』と訊かれたけど…そもそもアイドルというものに、そんなに興味のなかった詩織は…『…あっ!伊藤鈴ちゃんは前から好きです!それと、木橋みかなちゃんとかかな…。けど他のアイドルの子たちのことは…分かりません』と正直に答えた。
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