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G.F. - 再始動編 -
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池田さんが会議室の扉を開けてくれると…。
『山本さん、この子達のプロフィールを人数分コピーして』
『はい』
山本さん…?
『こんにちは』
『えっ!』
そこに鈴ちゃんのマネージャーの、山本静恵さんがいた。
山本さんが手を差し出す。
僕と詩織は記入を済ませたプロフィールの用紙を、山本さんに手渡した。
『お久しぶりですね。お二人とも』
『山本さん…!なんでここに居るんですか?』
詩織が山本さんにそう訊くと、山本さんはニコリと笑って…。
『その答えは、またあとのお楽しみで』
そう言うと、山本さんは会議室の一番隅に配置されているコピー機へ向かって歩いていった。
『じゃあ君たちは、こちらの椅子に座って』
『はい』
『あ、はい』
会議室の中央部…より少し手前に、2脚のパイプ椅子が置いてある。池田さんがそこまで歩き、案内してくれた。
コピー機の作動する機械音が響くなか、詩織は左のパイプ椅子に、僕は右のに座る。
座った僕らの位置から3mほど離れた目の前に、真白い長机が横向きに配置されていて、そこには冴嶋社長を中心に、社長の左隣には白髪混じりの男の人、更にその左隣に綺麗な女の人。
社長の右隣にはちょっと若い男の人、その更に右隣の席は空いていた。
山本さんが僕らの元へと戻ってきた。
『ありがとう』
僕と詩織に、自分たちが記入したプロフィールの用紙の原本が返された。
山本さんは社長や他のお偉そう方達に、コピーした僕らのプロフィールの用紙を配り終えると、空いていた一番右の席へと向かい座った。
『では…準備が整いましたので、これより初見面談を始めます』
池田さんは詩織の左に立った。
『まずは弊社《冴嶋プロダクション》の役員幹部を、お二人にご紹介します』
僕らにニコリと、優しい笑顔を見せてくれた池田さん。
『代表取締役、冴嶋美智子社長。48歳』
冴嶋社長が立ち上がって、僕らに向かって軽く会釈。冴嶋社長のことは、僕らもよく知ってる。
こんな感じで、僕らの目の前に座るお偉いさん達の紹介は続いた。
冴嶋社長の左隣に座る、白髪混じりの方は《渡部俊彦さん。取締役副社長》61歳。
とても表情が優しく見える。
そして冴嶋社長の右隣に座る、ちょっと若く見える男の人は《大槻和将さん。専務取締役》32歳。
専務さんなのに…32歳!?若っ!見た目は、いかにも《仕事ができる男》《年収だって凄いぜ》ってふうに見える。
渡部副社長の左隣の綺麗な女の人は《高須賀あずささん。人事部部長》37歳。
つまり、池田さんの直属の上司…ん?詩織…?
『あの!失礼ですが、あなたが…高須賀あずささん…ですか?』
『あなた、私のことを…知ってるの?』
詩織は大きく頷いた。
『何年も前から、あずささんの話は聞いていました。中澤雄二さんから…』
『えっ!な、中澤…雄二さん!?』
…高須賀あずささん…って…?
雄二さんがよく知ってる人?
詩織は詳細についてよく知ってるみたいだけど…。
誰だったっけ…?僕もその話、聞いたことあったかなぁ…??
『高須賀部長。あと詩織ちゃん。その話はまた今度にして』
『はい。申し訳ありません』
高須賀あずささんが、社長にそう言って謝った。
『続きまして…こちらの方は、マネージャーの山本静恵さんです』
『山本静恵42歳です。改めまして宜しくお願いします』
『山本さんは現在、伊藤鈴ちゃんのマネージャーを勤めていますが、今後しばらくはお二人のマネージャーも担当することになります』
会釈する山本さん…そういうことだったんだぁ!
山本さんが僕らのマネージャー…何だか凄い安心感。
『池田くん。では…お二人のご紹介を…』
そう言い掛けた冴嶋社長の言葉を遮って、池田さんが《待った!》を掛けた。
『社長。申し訳ありませんが、少々お待ちください…』
池田さんが僕の前に立った。
『岩塚くん。あれの準備してきてもらっていい?』
『あ、えぇと…分かりました』
『それで、荷物は?』
『持ってきたバッグは2階の控え室に置いてあります』
『よし。じゃあ頼んだよ。岩塚くん』
池田さんが『彼は準備のため一旦退室します』と説明。
僕は、詩織を一人残して、会議室から退室した…。
『山本さん、この子達のプロフィールを人数分コピーして』
『はい』
山本さん…?
『こんにちは』
『えっ!』
そこに鈴ちゃんのマネージャーの、山本静恵さんがいた。
山本さんが手を差し出す。
僕と詩織は記入を済ませたプロフィールの用紙を、山本さんに手渡した。
『お久しぶりですね。お二人とも』
『山本さん…!なんでここに居るんですか?』
詩織が山本さんにそう訊くと、山本さんはニコリと笑って…。
『その答えは、またあとのお楽しみで』
そう言うと、山本さんは会議室の一番隅に配置されているコピー機へ向かって歩いていった。
『じゃあ君たちは、こちらの椅子に座って』
『はい』
『あ、はい』
会議室の中央部…より少し手前に、2脚のパイプ椅子が置いてある。池田さんがそこまで歩き、案内してくれた。
コピー機の作動する機械音が響くなか、詩織は左のパイプ椅子に、僕は右のに座る。
座った僕らの位置から3mほど離れた目の前に、真白い長机が横向きに配置されていて、そこには冴嶋社長を中心に、社長の左隣には白髪混じりの男の人、更にその左隣に綺麗な女の人。
社長の右隣にはちょっと若い男の人、その更に右隣の席は空いていた。
山本さんが僕らの元へと戻ってきた。
『ありがとう』
僕と詩織に、自分たちが記入したプロフィールの用紙の原本が返された。
山本さんは社長や他のお偉そう方達に、コピーした僕らのプロフィールの用紙を配り終えると、空いていた一番右の席へと向かい座った。
『では…準備が整いましたので、これより初見面談を始めます』
池田さんは詩織の左に立った。
『まずは弊社《冴嶋プロダクション》の役員幹部を、お二人にご紹介します』
僕らにニコリと、優しい笑顔を見せてくれた池田さん。
『代表取締役、冴嶋美智子社長。48歳』
冴嶋社長が立ち上がって、僕らに向かって軽く会釈。冴嶋社長のことは、僕らもよく知ってる。
こんな感じで、僕らの目の前に座るお偉いさん達の紹介は続いた。
冴嶋社長の左隣に座る、白髪混じりの方は《渡部俊彦さん。取締役副社長》61歳。
とても表情が優しく見える。
そして冴嶋社長の右隣に座る、ちょっと若く見える男の人は《大槻和将さん。専務取締役》32歳。
専務さんなのに…32歳!?若っ!見た目は、いかにも《仕事ができる男》《年収だって凄いぜ》ってふうに見える。
渡部副社長の左隣の綺麗な女の人は《高須賀あずささん。人事部部長》37歳。
つまり、池田さんの直属の上司…ん?詩織…?
『あの!失礼ですが、あなたが…高須賀あずささん…ですか?』
『あなた、私のことを…知ってるの?』
詩織は大きく頷いた。
『何年も前から、あずささんの話は聞いていました。中澤雄二さんから…』
『えっ!な、中澤…雄二さん!?』
…高須賀あずささん…って…?
雄二さんがよく知ってる人?
詩織は詳細についてよく知ってるみたいだけど…。
誰だったっけ…?僕もその話、聞いたことあったかなぁ…??
『高須賀部長。あと詩織ちゃん。その話はまた今度にして』
『はい。申し訳ありません』
高須賀あずささんが、社長にそう言って謝った。
『続きまして…こちらの方は、マネージャーの山本静恵さんです』
『山本静恵42歳です。改めまして宜しくお願いします』
『山本さんは現在、伊藤鈴ちゃんのマネージャーを勤めていますが、今後しばらくはお二人のマネージャーも担当することになります』
会釈する山本さん…そういうことだったんだぁ!
山本さんが僕らのマネージャー…何だか凄い安心感。
『池田くん。では…お二人のご紹介を…』
そう言い掛けた冴嶋社長の言葉を遮って、池田さんが《待った!》を掛けた。
『社長。申し訳ありませんが、少々お待ちください…』
池田さんが僕の前に立った。
『岩塚くん。あれの準備してきてもらっていい?』
『あ、えぇと…分かりました』
『それで、荷物は?』
『持ってきたバッグは2階の控え室に置いてあります』
『よし。じゃあ頼んだよ。岩塚くん』
池田さんが『彼は準備のため一旦退室します』と説明。
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