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「そういうわけですから、ニック殿。壺の鑑定と証人の事情聴取をお願いします。もちろん、小細工などできないように、私が付いて行きますので」
「エルグ殿……あなたは……やってくれるな」
「それは犯行の自供と受け取っていいのですか? 自作自演を認めるのですね?」
ニック様は相変わらず動揺している。最早、彼の自作自演は決定的なはずなのに。私やエルグ以外の人物がこの現場を見たとしても、彼が自作自演をしていると判断するだろう。それはつまり、裁判でも同じだということになる。
「ニック様、私は家宝の壺など壊していません。触れたこともない壺を壊す方法なんてあるわけないんです。私が壊していないのだから、証人を用意できるはずはありません。全て、ニック様の自演なんですよね?」
「エリザまで……何を言っているんだ。どうして私が嘘など吐かないといけない? 家宝の壺を壊したのはエリザで間違いないのだよ……」
「言葉に力がありませんよ、ニック様。自分でもこのまま押し通すのは無理だと分かっているのでしょう?」
「くっ……!」
ニック様の完全敗北の構図が完成した瞬間だった。
---------------------------
「なぜ、こんな計画を練ったのですか? エリザを陥れようなどと……」
ニック様は自作自演であることを認めた。家宝の壺は自分で壊したのだと……私を陥れるために計画を練ったことも自供したのだ。私はそれがとても悲しかった。
「私は元々、この婚約に満足していなかったのだ。私はもっと自由でいたかった……そのためにはエリザ、お前が邪魔だったのだよ」
「そんな自分勝手なことで私を牢獄に放り込もうとしていたのですか?」
「自分勝手だとはなんだ! 私にとっては非常に重大なことなんだ! エリザ、お前さえいなければ!」
完璧に自分勝手な発言だった……信じられない。これが私の婚約者だなんて。エルグが目の前にいるけれど、とても恥ずかしかった。幼馴染にこの婚約者は紹介したくないわ。当たり前だけれど、ニック様への愛情などとっくに消え去っている。
まさか、ここまで一瞬で愛情が消えるなんてね。すさまじい事件だったわ。
「どのみち、あんたはタダでは済まない。私の大切な幼馴染を犯罪者にしようとした罪は重いぞ」
「な、何をいっているエルグ殿……私は別に……ちょっとした出来心で」
「ふざけるな! 家宝の壺を破壊でっちあげ事件として、公に公表するからな! お前を裁判所に送り込んでやる! 覚悟しておけ!」
「ぬ、ぬう……!」
「エルグ……」
こうして事件は解決したのだけれど、エルグの怒りは収まらなかった。私のためにここまで怒ってくれるなんて。とても嬉しかった。
「エルグ殿……あなたは……やってくれるな」
「それは犯行の自供と受け取っていいのですか? 自作自演を認めるのですね?」
ニック様は相変わらず動揺している。最早、彼の自作自演は決定的なはずなのに。私やエルグ以外の人物がこの現場を見たとしても、彼が自作自演をしていると判断するだろう。それはつまり、裁判でも同じだということになる。
「ニック様、私は家宝の壺など壊していません。触れたこともない壺を壊す方法なんてあるわけないんです。私が壊していないのだから、証人を用意できるはずはありません。全て、ニック様の自演なんですよね?」
「エリザまで……何を言っているんだ。どうして私が嘘など吐かないといけない? 家宝の壺を壊したのはエリザで間違いないのだよ……」
「言葉に力がありませんよ、ニック様。自分でもこのまま押し通すのは無理だと分かっているのでしょう?」
「くっ……!」
ニック様の完全敗北の構図が完成した瞬間だった。
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「なぜ、こんな計画を練ったのですか? エリザを陥れようなどと……」
ニック様は自作自演であることを認めた。家宝の壺は自分で壊したのだと……私を陥れるために計画を練ったことも自供したのだ。私はそれがとても悲しかった。
「私は元々、この婚約に満足していなかったのだ。私はもっと自由でいたかった……そのためにはエリザ、お前が邪魔だったのだよ」
「そんな自分勝手なことで私を牢獄に放り込もうとしていたのですか?」
「自分勝手だとはなんだ! 私にとっては非常に重大なことなんだ! エリザ、お前さえいなければ!」
完璧に自分勝手な発言だった……信じられない。これが私の婚約者だなんて。エルグが目の前にいるけれど、とても恥ずかしかった。幼馴染にこの婚約者は紹介したくないわ。当たり前だけれど、ニック様への愛情などとっくに消え去っている。
まさか、ここまで一瞬で愛情が消えるなんてね。すさまじい事件だったわ。
「どのみち、あんたはタダでは済まない。私の大切な幼馴染を犯罪者にしようとした罪は重いぞ」
「な、何をいっているエルグ殿……私は別に……ちょっとした出来心で」
「ふざけるな! 家宝の壺を破壊でっちあげ事件として、公に公表するからな! お前を裁判所に送り込んでやる! 覚悟しておけ!」
「ぬ、ぬう……!」
「エルグ……」
こうして事件は解決したのだけれど、エルグの怒りは収まらなかった。私のためにここまで怒ってくれるなんて。とても嬉しかった。
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