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27話
しおりを挟む「ルシエド……リュークさんとは知り合いなの?」
「ああ、いや……知り合い、というわけではないよ」
「でも、なんだか親しそうな……」
二人の先ほどの会話は単なる知り合い同士のそれには見えなかった。まさかとは思うけれど……。
「ルシエド……」
「……別にミリーを騙そうとしたわけじゃないよ。君に黙っていたことは謝るけどさ」
「やっぱり、事前にリュークさんに連絡を取っていたのね?」
「ま、まあ……そうなるかな?」
「も、申し訳ございません……」
「別にリュークさんが謝る必要はないと思うけど」
ルシエドはおそらく、私に内緒でリュークと会ったのだ。そこでの会話はおそらく……。
「ルシエドはリュークさんにコンタクトを取って真実を話すように迫ったのよね?」
「真実を話すように、とまでは言っていないよ。君の良心を信じるとは言ったけどさ」
「……なるほど」
ルシエドクラスの貴族から言われれば、リュークからしたら迫られたも同然だろう。ある種の脅しに感じたのかもしれない。
「私達も余裕がなかっただろう? 手段を選んでいるわけにもいかなかったんだ」
「ええ……確かにそうかもしれないわね。でも、元々は私達の不手際が原因でもあったし」
「ああ……良い作戦だとは思ったんだが」
シエナ様に直接、話し合いに行った結果、ボイド様をより怒らせてしまったわけで。今回の事態を引き起こしてしまったのだ。リュークへの話し合いはある意味では賭けだっただろう。
「まあ、リューク以外にも言質は取ってあったんだよ。私の部下が他の使用人達にも話は聞いているんだ。その結果もすぐに出るだろう」
「なるほど……他の手段も使っていたのね」
「まあね。さて、シエナから真相を聞くことができた。あとはボイド、シエナ、リュークの罪がどのようになるかだな」
「私は覚悟は出来ております。この首が刎ねられることになっても……」
「おいおい、物騒な話だな」
それぞれの罪……それによって課せられる罰か。確かに非常に気になるところではあった。
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