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9話
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さて、グレンデル様は侯爵としての立場だとか地位だとか品格だとか、色々言ってくれたけれど……この機会に突っ込んでみようかしら。
「グレンデル様、国王陛下にはなんておっしゃったのですか? 婚約破棄について」
「ぬ……それは……」
「私の予想通り、アレッサ様と付き合っているようですし、単なる浮気だったことは明白ですよね」
挑発めいた私の言葉にグレンデル様は眉を潜めた。
「何を言っているんだ、アリス! 失礼な!」
「まったく、失礼な奴ね! 侯爵様であるグレンデルになんてことを!」
予想通り怒り出したけれど、この二人にだけは言われたくないわ……無理矢理な婚約破棄をして、さらにグリアさんも追い詰めているんだから。どの口が言っているの? という感じだ。
「そんなことより、そちらの護衛に関しての話をだな……」
「グリアさんのことはもういいです。それよりも、婚約破棄の慰謝料はいつ支払ってくれるんですか?」
私はグリアさんの話題から強制的に方向転換をさせた。グレンデル様は焦っている様子だ。
「慰謝料だと? 陛下には順風満帆の婚約破棄だと伝えてある。私が支払う義務などは……」
「何を言っているんですか?」
想像通り、国王陛下には良い格好をしたみたいだ。はっきり言って許せない……。私はさらに突っ込むことにした。
「国王陛下への進言はあなたが行いましたよね。でも、順風満帆の婚約破棄だなんてよく言えましたね? 信じられないです」
「ふん……なんとでも言えば良いさ。どのみち受理はされたんだ。伯爵令嬢であるお前が何を言ったところで、今さらどうしようもない。したがって私が慰謝料を支払う必要もないのさ」
「そういうことよ、残念だったわね」
勝ち誇ったようにグレンデル様とアレッサ様は笑っていた。なるほど、完全に慰謝料を支払う気がないみたいね。それが命取りになるとも知らずに……めでたいことだわ。
「今の話は本当か? どういうことなのか説明してもらおうか」
「えっ……?」
そんな時、マルクスが帰って来た。私はもちろんそれを知っていた。彼の姿が見えたから、二人を追い詰めてみたのだ。
「話は聞かせてもらっていたよ。グレンデル殿……どういうつもりだ?」
「あ、あなた様は……そんな、大公殿下……!」
いままでに見たことがない程の驚きに流石の私も面食らってしまった。グレンデル様とアレッサ様……メチャクチャな暴論がここに来て裏目に出たわね。
「グレンデル様、国王陛下にはなんておっしゃったのですか? 婚約破棄について」
「ぬ……それは……」
「私の予想通り、アレッサ様と付き合っているようですし、単なる浮気だったことは明白ですよね」
挑発めいた私の言葉にグレンデル様は眉を潜めた。
「何を言っているんだ、アリス! 失礼な!」
「まったく、失礼な奴ね! 侯爵様であるグレンデルになんてことを!」
予想通り怒り出したけれど、この二人にだけは言われたくないわ……無理矢理な婚約破棄をして、さらにグリアさんも追い詰めているんだから。どの口が言っているの? という感じだ。
「そんなことより、そちらの護衛に関しての話をだな……」
「グリアさんのことはもういいです。それよりも、婚約破棄の慰謝料はいつ支払ってくれるんですか?」
私はグリアさんの話題から強制的に方向転換をさせた。グレンデル様は焦っている様子だ。
「慰謝料だと? 陛下には順風満帆の婚約破棄だと伝えてある。私が支払う義務などは……」
「何を言っているんですか?」
想像通り、国王陛下には良い格好をしたみたいだ。はっきり言って許せない……。私はさらに突っ込むことにした。
「国王陛下への進言はあなたが行いましたよね。でも、順風満帆の婚約破棄だなんてよく言えましたね? 信じられないです」
「ふん……なんとでも言えば良いさ。どのみち受理はされたんだ。伯爵令嬢であるお前が何を言ったところで、今さらどうしようもない。したがって私が慰謝料を支払う必要もないのさ」
「そういうことよ、残念だったわね」
勝ち誇ったようにグレンデル様とアレッサ様は笑っていた。なるほど、完全に慰謝料を支払う気がないみたいね。それが命取りになるとも知らずに……めでたいことだわ。
「今の話は本当か? どういうことなのか説明してもらおうか」
「えっ……?」
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「話は聞かせてもらっていたよ。グレンデル殿……どういうつもりだ?」
「あ、あなた様は……そんな、大公殿下……!」
いままでに見たことがない程の驚きに流石の私も面食らってしまった。グレンデル様とアレッサ様……メチャクチャな暴論がここに来て裏目に出たわね。
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