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3話 大変な事態 その1
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「はあ……なんでこんなことに……」
「思ったよりも大事になったな」
「同情してよね……レヴィン」
「気の毒だとは思っているさ。普段ならもっと穏便に終わるものだが……」
レヴィンの言う通りであった。本来ならもう少し穏便に終わるものだからだ。オルスタが暴走したことは今回が初めてではないからだ。色々と難癖を付けて暴走したことは何度かある。それだけに今回の暴走は予想外だと言えた。
「まさか婚約破棄にまでなるなんて……しかも慰謝料を支払わないとか」
「さらに共同経営の事業の利益まで奪おうというんだからな。ただごとではないだろう」
私達は学院から一緒に帰っていた。この光景自体はいつものことなのでどうということはない。でも、今のオルスタに見られたら大変かもしれないわね。この光景も利用されそうだわ。
「どうするつもりなんだ、メアリ?」
「お父さんに相談してみるわ。流石に今回のことは私だけの事態で済ませられそうにないし」
「なるほど……まあ、それが賢明かもしれないな。俺も手伝うよ」
「いいの?」
「まあ、大切な幼馴染のピンチだからね。出来るだけ協力するさ。俺の意見も参考になるかもしれないだろ?」
「まあ、それは確かに」
あの場に居てくれたのは間違いないし、レヴィンの意見も重要だと言えた。それに協力してくれるならかなり頼りになる。オルスタよりも信頼している人物だしね。
「じゃあレヴィン。このまま屋敷に帰るけれど同行してくれるの?」
「もちろんだよ。カレス様に訴えようじゃないか」
カレスというのは私のお父さんの名前になる。カレス・クロスフィルド伯爵。まあ、伯爵家の中ではそれなりに有名な方だ。ガーランド家とクロスフィルド家を繋いだ張本人でもある。それを恨んでいるわけではないけれどね。お父さんは繋がりを持つ責務があるのだし。
「お父さんがどのような反応をするのか不安だわ。もしかしたら怒られるかもしれないし」
「カレス様に限ってそんなことはないと思うけどな。メアリのことを大切に想っているはずだし」
「まあ、それはそうなんだけど……なんだか申し訳なくて」
お父さんには昔からお世話になっていた。怒られる時もあったけれど、基本的には優しいお父さんだったから。それだけにガーランド家との婚約はお父さんとしては賭けだったのかもしれない。伯爵家としてより上位いくための算段だったのだろうか。
「まあ、そんなに緊張しても仕方ないよ。真実を伝えるしかないからね」
「それはその通りね」
どのみち婚約破棄をされたことは伝えなければならない。それを聞いてお父さんがどのような反応を示すかは未知数だ。なるようにしかならないわけで。
「思ったよりも大事になったな」
「同情してよね……レヴィン」
「気の毒だとは思っているさ。普段ならもっと穏便に終わるものだが……」
レヴィンの言う通りであった。本来ならもう少し穏便に終わるものだからだ。オルスタが暴走したことは今回が初めてではないからだ。色々と難癖を付けて暴走したことは何度かある。それだけに今回の暴走は予想外だと言えた。
「まさか婚約破棄にまでなるなんて……しかも慰謝料を支払わないとか」
「さらに共同経営の事業の利益まで奪おうというんだからな。ただごとではないだろう」
私達は学院から一緒に帰っていた。この光景自体はいつものことなのでどうということはない。でも、今のオルスタに見られたら大変かもしれないわね。この光景も利用されそうだわ。
「どうするつもりなんだ、メアリ?」
「お父さんに相談してみるわ。流石に今回のことは私だけの事態で済ませられそうにないし」
「なるほど……まあ、それが賢明かもしれないな。俺も手伝うよ」
「いいの?」
「まあ、大切な幼馴染のピンチだからね。出来るだけ協力するさ。俺の意見も参考になるかもしれないだろ?」
「まあ、それは確かに」
あの場に居てくれたのは間違いないし、レヴィンの意見も重要だと言えた。それに協力してくれるならかなり頼りになる。オルスタよりも信頼している人物だしね。
「じゃあレヴィン。このまま屋敷に帰るけれど同行してくれるの?」
「もちろんだよ。カレス様に訴えようじゃないか」
カレスというのは私のお父さんの名前になる。カレス・クロスフィルド伯爵。まあ、伯爵家の中ではそれなりに有名な方だ。ガーランド家とクロスフィルド家を繋いだ張本人でもある。それを恨んでいるわけではないけれどね。お父さんは繋がりを持つ責務があるのだし。
「お父さんがどのような反応をするのか不安だわ。もしかしたら怒られるかもしれないし」
「カレス様に限ってそんなことはないと思うけどな。メアリのことを大切に想っているはずだし」
「まあ、それはそうなんだけど……なんだか申し訳なくて」
お父さんには昔からお世話になっていた。怒られる時もあったけれど、基本的には優しいお父さんだったから。それだけにガーランド家との婚約はお父さんとしては賭けだったのかもしれない。伯爵家としてより上位いくための算段だったのだろうか。
「まあ、そんなに緊張しても仕方ないよ。真実を伝えるしかないからね」
「それはその通りね」
どのみち婚約破棄をされたことは伝えなければならない。それを聞いてお父さんがどのような反応を示すかは未知数だ。なるようにしかならないわけで。
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