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14話

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 ビルデ様は現在、完全に思考が停止している状態だろうか。グリアム国王陛下に娘発言が出たので、当然ということになるけれど……。


「ええと、グリアム陛下。今、なんとおっしゃいましたか?」

「聞こえなかったのか? エンリは私の娘だと言ったのだ。そうだな、エンリよ?」

「は、はい。そのようにおっしゃいましたね」

「うむ」


 私に確認を取る国王陛下だった。私はまだ、グリアム様が本当のお父様だという認識は薄いのだけれど。どういう理由で離されていたのかも分からないし……。


「え、エンリが……グリアム国王陛下の娘? いえ、御令嬢なのですか……?」

「ああ、まあ、このことは本人も含めてほとんどの者が知らなかったがな。色々と理由があってな……まあ、その辺りは察して欲しい」

「そ、そんなことが……!」


 ビルデ様はいきなり汗が吹き出し始めていた。誰に無礼な態度を取ったのかという焦りが出ているのだと思うわ。私にその気はないけれど、私はどうやら王女という肩書きが本来らしいからね。


「まあ、お前が知らなかったことを責めるつもりはない。だが、私としては大切な娘が酷い目に遭わせられたのだ。これを放っておくのは父親の風上にも置けんことだろう? そうは思わないか?」

「お、おっしゃる通りかと存じます……陛下……」


 最早、ビルデ様に勝ち目はなかった。グリアム国王陛下の言葉に逆らうなんて、例え侯爵家であってもまず出来ない。しかも今回は、完全にビルデ様が悪いのだから。私と国王陛下との関係を知らなかったとしても、それは関係のない話だ。


「どうするのだ、ビルデよ? お前はどのように償おうとしている? それを聞かせてほしい。私も出来れば事を荒立てたくはないのだ」

「は、はい……ありがとうございます、国王陛下」


 グリアム国王陛下の慈悲というやつだろうか……本来であれば、国王陛下の権限を使って彼を失脚させることは容易なのだろう。裁判所なども確実に国王陛下の味方になるだろうからね。でも、ビルデ様は私と陛下の関係を知らなかった。その部分を考慮に入れているように感じられる。

 どのみち、ビルデ様がただで済むことはないのだけれど……。


「陛下、大変申し訳ございませんでした。エンリ様も……申し訳ございません。私の償いに関しては、今、いきなり申し上げることが難しいです。今後、書面で通達させていただけませんでしょうか?」

「なるほど、その方が都合が良いか。わかった。お前のことを信頼しているからな、ビルデよ」

「はっ、ありがとうございます! 陛下!」


 ビルデ様はこれ以上ない程の角度で頭を下げていた。償いについてはこれから必死に考えるのだろうか。失敗は許されない……ビルデ様は今、そんな気持ちでしょうね。
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みんなの感想(10件)

太真
2022.09.04 太真

大貴族としての資質を試されてるかもね(  ̄ー ̄)ニヤニヤ償いの内容二よつは高学年もありだ( ・∀・)b。

マルローネ
2022.09.07 マルローネ

回答次第では……ヤバいかも

解除
太真
2022.08.29 太真

やっと肝心の情報が❗どんな反論が出るかな~(  ̄ー ̄)ニヤニヤ。

マルローネ
2022.09.07 マルローネ

正体を知らないのは仕方ないかもしれないですね

解除
太真
2022.08.26 太真

いくらストレスが有っても他人を利用して発散するのは違うよね‼️(-д- 三 -д-)チャウチャウそれにきちんと治世餌来てたか怪しい😞。

マルローネ
2022.08.28 マルローネ

ストレス発散のやり方が間違い過ぎですね……同情できず

解除

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