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23話 疑惑 その1
しおりを挟む「え、エメリ様……! 申し訳ございません!」
「あ、先ほどの……如何なさいましたか?」
さっき、ラグディ様やルドルフ様が宮殿前に来ていることを伝えに来た使用人……名前はメイラースさんという。
休憩が終わり、再び祈りの仕事を開始しようと思った時に、私の元へとやって来たのだ。
「ラグディ・コーブル公爵なのですが……申し訳ございません、まだ、正門のところにいらっしゃいまして……!」
「えっ、まだ居るんですか? 私は会わない、と言いましたよね?」
「は、はい……それは、確かに伝えたのですが……」
「……?」
あれ、おかしいぞ? なんでこんなことになっているの? 私はラグディ様やルドルフ様に会ってしまうのはマズイと考えて、会わない、とメイラースさんに伝えたはずだ。彼女もそれを伝えたと言っている。それでも、ラグディ様は帰られない?
宮殿前に居座っていると言うの? それはもう、私が介入することではないし、そもそも私に言うことではないはずだけれど……。
「失礼ですが……メイラースさんは、直接、ラグディ様に言いましたか?」
「いえ……私は別の用もありましたので、別の使用人に伝えました。その者がラグディ様に伝えたと思います」
「……」
なんだか不自然な感じがしてしまう……普通は、私がメイラースさんに言ったのだから、そのまま正門まで行って、私の言葉を伝えれば良いだけでは? なんで、わざわざ別の使用人を介したのだろうか……。
「あ、フラック王子殿下にも相談してきますね……それでは、私はこれで……」
訝し気な私の顔色を察したのか、メイラースさんはその場から足早に去って行った。なんだか、とても怪しいのだけれど……。
「メイラースさんとおっしゃいましたか? あのお方……怪しいですわね」
「あ、リシア様もそう思いますか?」
「ええ……それに……」
それに? 彼女の言葉はさらに続くようだった。一体、なんだろうか?
「あの女性……どこかで見た気がしますわ……」
「えっ?」
ええと……それってつまり……どういうことだろう?
「おかしいですわね。私が宮殿内に入ることなんて、滅多にございませんのに……基本的に使用人の顔なんて覚えていませんわよ……」
とても真剣な表情になっているリシア様。ええとつまり……リシア様はメイラースさんの顔を覚えているということ? 確かにそれは少しおかしなことだった……。
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