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8話
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デネブの件が一段落ついた時、私とシュルトは国王陛下に呼び出された。
その内容は……。
「えっ……婚約でございますか!?」
「ああ、そのとおりだ。君が嫌ではなければ……だが」
「そ、それは……大丈夫ですが……」
私はシュルト本人に婚約を切り出されてしまった。まあ、デネブとの件は完了しているし、私が再婚約することになっても問題はないんだろうけど……なんていうか、とても緊張してしまう。
「でも……私は子爵令嬢でしかない存在で。とても次代を担う王子殿下に嫁ぐことは……」
「それなら心配ないぞ、アリーナ。私の権限を行使して貴族の階級を上げることができるからな」
「そんなことが……」
通常は王家や国家に対して多大な恩恵をもたらした場合に、貴族階級は上がるものだ。それなら今回は……特別待遇? いいのかしら。
「アリーナ。そういうことだから……私と一緒になってはくれないか? 私はデネブのように君を悲しませることはしない、と誓うから」
「シュルト……わかりました、幸せにしてくださいね」
「ああ、もちろんだよ! アリーナ!」
私達はその後あつい抱擁を交わした。それ以上のことはしないのか、と国王陛下に突っ込まれたのは内緒。私にも幸せが舞い降りて来たようだ。これをどのくらい膨らませられるのかは、私の努力次第ね。
おしまい
その内容は……。
「えっ……婚約でございますか!?」
「ああ、そのとおりだ。君が嫌ではなければ……だが」
「そ、それは……大丈夫ですが……」
私はシュルト本人に婚約を切り出されてしまった。まあ、デネブとの件は完了しているし、私が再婚約することになっても問題はないんだろうけど……なんていうか、とても緊張してしまう。
「でも……私は子爵令嬢でしかない存在で。とても次代を担う王子殿下に嫁ぐことは……」
「それなら心配ないぞ、アリーナ。私の権限を行使して貴族の階級を上げることができるからな」
「そんなことが……」
通常は王家や国家に対して多大な恩恵をもたらした場合に、貴族階級は上がるものだ。それなら今回は……特別待遇? いいのかしら。
「アリーナ。そういうことだから……私と一緒になってはくれないか? 私はデネブのように君を悲しませることはしない、と誓うから」
「シュルト……わかりました、幸せにしてくださいね」
「ああ、もちろんだよ! アリーナ!」
私達はその後あつい抱擁を交わした。それ以上のことはしないのか、と国王陛下に突っ込まれたのは内緒。私にも幸せが舞い降りて来たようだ。これをどのくらい膨らませられるのかは、私の努力次第ね。
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