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3話
しおりを挟む(デネブ伯爵視点)
「デネブ様、本日は来客がございまして……如何いたしましょうか?」
「なんだと? そんな予定はなかったはずだが。相手は誰なんだ?」
この私にアポイントも取らずに訪ねて来たと言うのか? まったく、なんと無礼な。
「それが……シュルト王子殿下です。それと、アリーナ様の姿もございました」
「シュルト王子とアリーナ……あの二人は確か」
幼馴染かなにかだったかそういえば。ふん、おおかた、アリーナがシュルト王子に泣きついたと言ったところか。
まったく情けない奴だ。それに、シュルト王子に泣きついたところで状況は変わらないというのに……。
「まあ、いいだろう。お通ししろ」
「よろしいのでしょうか?」
「ああ、私の権力の高さを見せつける良い場になりそうだしな」
シュルト王子には悪いが恥をかいてもらおうとするか。
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