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13話 そういう問題ではない その2

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「流石にカエサル殿……問題があるのではないか? その回答には」

「ファング王子殿下……?」


 カエサル様は突然のファング様の発言に驚いているようだった。まあ、今まで居ないものとして会話を進めていただろうから、分からなくはないけれど。ただ、ファング様がまったく口を挟まないと本気で思っていたのかしら?

 だとすると、相当にお気楽な性格をしていると思う。その厳格な見た目とは裏腹に……。


「問題があると……?」

「当たり前だろう、カエサル殿。今の貴殿の発言は誰が聞いてもおかしいと感じるはずだが? 逆におかしいと感じなければ、その者の人格を疑うレベルだ」

「……」


 カエサル様は無言になっていたけれど、ファング様の発言は的を射ていた。どう考えても、カエサル様の言葉はメチャクチャだったからだ。いくら、可愛い息子の為を思う言葉にしても限度というものがある。

「ファング王子殿下。失礼ながら、これはベイル家とテンパート家の問題でして……」

「カエサル殿……最早、そういう次元ではないことは分かっているのだろう?」

「ぬう……と、言いますと?」


 今回はファング様は譲ることはしなかった。まあ、当然だとは思うけれど。

「カエサル殿……話は既に両家の問題だけでは終わらない、ということだ。カエサル殿は公爵家という立場を利用して、無理やりにでも婚約解消を認めないという風に持って行くとしか考えられない」

「……」

 カエサル様は何も言い返せない。図星だからだろう。

「ですが、トーマスはもう浮気はしないと言っておりますが……」

「カエサル殿、親バカも大概にしておかないと、公爵家とはいえどもただでは済まないかもしれないぞ?」

「ど、どういうことですか……?」


 カエサル様は明らかに怒っているようだった。でも、その言葉は弱々しくもある。本音では、ファング様の言葉が正論だろ分かっているのだろう。

 ここからは、ずっとファング様のターンという様相を呈していた。

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