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13話 訪問 その2
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(ジルト・ハグリット侯爵令息視点)
「ジルト様。突然の訪問、大変失礼したします」
「あ、ああ……それについては大丈夫だ……」
本来であれば責めるべき事態なのだが……キスク様とヤンシャ様を前にしては何も言うことは出来ない。アーニーも隣に立っていることだしな。くそ……エネラ自身、私がこのように発言すると分かっているようだ。忌々しい……!
「ジルト殿。突然の訪問、許していただきたい。申し訳ないことだった」
「いえ……王子殿下達がお越しになるとは予想外でしたが。歓迎致しますよ」
「うむ、ありがとう」
王子殿下二人も私の反応は予想通りといった感じだった。まあ、王子殿下二人に失礼な言葉を掛けるわけにはいかないからな……くそ、エネラめ! 何を考えているのか……! アーニーも同じだ……くそう! 一体、私に何の恨みがあると言うのだ!?
「ジルト様、大丈夫でございますか? 何かとても焦っているように見受けられますが?」
「ああ、いや……大丈夫だよエネラ嬢。アーニー嬢もよく来てくれた。歓迎させてもらおう」
「はい、ありがとうございます。ジルト様」
くそ……どうしてこんなことを言わないといけないのだ。本来であれば門前払いをしても良い状況なのに。
それからもう一人、知らない人物がいた。護衛の連中は知らない奴らばかりだが……。
「初めまして、ジルト・ハグリット侯爵令息。私はアンダルテ・ノイムと申します。ノイム伯爵家の長男に当たります」
「これはご丁寧に。アンダルテ殿とお呼びしても良いかな?」
「もちろんでございます。自由にお呼びください」
アンダルテ・ノイム伯爵令息か……本来なら物の数には入らないレベルだが。やはり、キスク様とヤンシャ様の二人は危険過ぎる。どうやって穏便に帰ってもらおうか……。
「分かっているとは思うがジルト殿。今回の用件はアーニー嬢との婚約破棄についてだ」
「あ、左様でございましたか。それでは詳しい話は中で……」
このまま応接室に連れて行くしかあるまい。王子達がいる以上、話しを聞かないわけにはいかないからな。
「ジルト様。突然の訪問、大変失礼したします」
「あ、ああ……それについては大丈夫だ……」
本来であれば責めるべき事態なのだが……キスク様とヤンシャ様を前にしては何も言うことは出来ない。アーニーも隣に立っていることだしな。くそ……エネラ自身、私がこのように発言すると分かっているようだ。忌々しい……!
「ジルト殿。突然の訪問、許していただきたい。申し訳ないことだった」
「いえ……王子殿下達がお越しになるとは予想外でしたが。歓迎致しますよ」
「うむ、ありがとう」
王子殿下二人も私の反応は予想通りといった感じだった。まあ、王子殿下二人に失礼な言葉を掛けるわけにはいかないからな……くそ、エネラめ! 何を考えているのか……! アーニーも同じだ……くそう! 一体、私に何の恨みがあると言うのだ!?
「ジルト様、大丈夫でございますか? 何かとても焦っているように見受けられますが?」
「ああ、いや……大丈夫だよエネラ嬢。アーニー嬢もよく来てくれた。歓迎させてもらおう」
「はい、ありがとうございます。ジルト様」
くそ……どうしてこんなことを言わないといけないのだ。本来であれば門前払いをしても良い状況なのに。
それからもう一人、知らない人物がいた。護衛の連中は知らない奴らばかりだが……。
「初めまして、ジルト・ハグリット侯爵令息。私はアンダルテ・ノイムと申します。ノイム伯爵家の長男に当たります」
「これはご丁寧に。アンダルテ殿とお呼びしても良いかな?」
「もちろんでございます。自由にお呼びください」
アンダルテ・ノイム伯爵令息か……本来なら物の数には入らないレベルだが。やはり、キスク様とヤンシャ様の二人は危険過ぎる。どうやって穏便に帰ってもらおうか……。
「分かっているとは思うがジルト殿。今回の用件はアーニー嬢との婚約破棄についてだ」
「あ、左様でございましたか。それでは詳しい話は中で……」
このまま応接室に連れて行くしかあるまい。王子達がいる以上、話しを聞かないわけにはいかないからな。
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