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13話
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「シーザー様、レイナをどこに監禁しているんですか?」
「監禁? これはまた、人聞きの悪いことを言うなお前も」
レイナに酷いことをしていたら許さない……私はそんな感情をシーザー様の持っていた。いえ、元々は自由を手に入れたい為に私が仕組んだ婚約ではあるのだけれど。レイナの我が儘な性格がシーザー様に矯正されれば良いと考えてはいたけど……。
それでも、レイナが不当な扱いを受けて良い理由にはならないわ。レイナに不当な扱いをしていたらその時は……ジェームズも居るのだし、相応の覚悟をしてもらう。私はそのように誓っていた。
「しかし……レイナはこの姿を、姉であるアリスには見られたくないかもしれないな……」
「な、なんですって……!? シーザー様、レイナにとんでもないことを……!?」
「ふふふ……」
なんてことを……想像するだけで、吐き気を催しそうな仕打ちをされている可能性すらあった。シーザー様は私と婚約していた時も、プライベートでは高圧的な態度を取っていた。そして、私に過激な衣装を着させて踊りを強要する性癖も披露していたのだ。
バニーガールのコスチュームとかが好きだったような……もちろん、私は断ったけれど。そんな特殊な趣味を持っている……私のちょっとした過ちでレイナをシーザー様とくっつけたのは間違いだったのかもしれない。
隣に立っているジェームズも顔をしかめながら、シーザー様を睨んでいた。
「うらやま……非常にけしからんな、シーザー殿。レイナに一体、何をしているのだ?」
「それは彼女の部屋を見ていただければ、おわかりいただけるかと……」
「貴様……もしや、レイナの首や手足にロープの跡を付けたりしているのではあるましな!?」
「ジェームズ……」
シーザー様ほどではないにしろ、ジェームズも想像力豊かなような気がする。それに、この想像の仕方は……私は19歳で男性経験はないけれど、ジェームズも女性経験はないのかしら? ま、まあ、ない方が助かると言えばそうなんだけれど。
レイナは男性経験が豊富だから、そういう意味ではかなり先輩になるわね。
「ジェームズ様、なかなか面白い想像をしなさいますね」
「ぬ、ぬう……! しかし、貴様がレイナに対していやらしいことをしているのは明白ではないか!」
「ふふふふふっ、確かに……それは否めませんな」
なんだかシーザー様のペースになっているような雰囲気だ。もしかして、私達はとんでもない勘違いをしているんじゃ……?
そんな考えを持ち始めた時、シーザー様はレイナが居ると思われる部屋の扉を勢いよく開けた。そこには……。
「きゃはははははっ! も、もう駄目~~~~!!」
「れ、レイナ……?」
「こ、これは……!?」
うん、ある意味ではとても酷い光景だった。目を覆いたくなるほどに……。
レイナはシーザー様の屋敷のメイド達にくすぐられていたのだ。手足を縛られた状態で……ああ、うん。別の意味合いでロープの跡は残るかもしれないわね……あ、でも布製のロープだから、跡は残らないのかな?
「監禁? これはまた、人聞きの悪いことを言うなお前も」
レイナに酷いことをしていたら許さない……私はそんな感情をシーザー様の持っていた。いえ、元々は自由を手に入れたい為に私が仕組んだ婚約ではあるのだけれど。レイナの我が儘な性格がシーザー様に矯正されれば良いと考えてはいたけど……。
それでも、レイナが不当な扱いを受けて良い理由にはならないわ。レイナに不当な扱いをしていたらその時は……ジェームズも居るのだし、相応の覚悟をしてもらう。私はそのように誓っていた。
「しかし……レイナはこの姿を、姉であるアリスには見られたくないかもしれないな……」
「な、なんですって……!? シーザー様、レイナにとんでもないことを……!?」
「ふふふ……」
なんてことを……想像するだけで、吐き気を催しそうな仕打ちをされている可能性すらあった。シーザー様は私と婚約していた時も、プライベートでは高圧的な態度を取っていた。そして、私に過激な衣装を着させて踊りを強要する性癖も披露していたのだ。
バニーガールのコスチュームとかが好きだったような……もちろん、私は断ったけれど。そんな特殊な趣味を持っている……私のちょっとした過ちでレイナをシーザー様とくっつけたのは間違いだったのかもしれない。
隣に立っているジェームズも顔をしかめながら、シーザー様を睨んでいた。
「うらやま……非常にけしからんな、シーザー殿。レイナに一体、何をしているのだ?」
「それは彼女の部屋を見ていただければ、おわかりいただけるかと……」
「貴様……もしや、レイナの首や手足にロープの跡を付けたりしているのではあるましな!?」
「ジェームズ……」
シーザー様ほどではないにしろ、ジェームズも想像力豊かなような気がする。それに、この想像の仕方は……私は19歳で男性経験はないけれど、ジェームズも女性経験はないのかしら? ま、まあ、ない方が助かると言えばそうなんだけれど。
レイナは男性経験が豊富だから、そういう意味ではかなり先輩になるわね。
「ジェームズ様、なかなか面白い想像をしなさいますね」
「ぬ、ぬう……! しかし、貴様がレイナに対していやらしいことをしているのは明白ではないか!」
「ふふふふふっ、確かに……それは否めませんな」
なんだかシーザー様のペースになっているような雰囲気だ。もしかして、私達はとんでもない勘違いをしているんじゃ……?
そんな考えを持ち始めた時、シーザー様はレイナが居ると思われる部屋の扉を勢いよく開けた。そこには……。
「きゃはははははっ! も、もう駄目~~~~!!」
「れ、レイナ……?」
「こ、これは……!?」
うん、ある意味ではとても酷い光景だった。目を覆いたくなるほどに……。
レイナはシーザー様の屋敷のメイド達にくすぐられていたのだ。手足を縛られた状態で……ああ、うん。別の意味合いでロープの跡は残るかもしれないわね……あ、でも布製のロープだから、跡は残らないのかな?
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