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9話 ダンテの再婚約 ③

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「教会でのダンテ様の婚約発表は3日後ですね」


 真面目になったソシエは、淡々とした口調で話し出した。「ダンテ」という言葉は特に機械的に発音しているように聞こえる……相当、恨んでいるのかしら……。


「3日後……当然だけれど、私は呼ばれていないし……」


 エドガー家にはそのような内容の通達は一切届いていない……当然だけど、来られると不味いと考えているのかもしれないわね。それとも、婚約破棄をした相手のことなんて眼中にないのかしら?


「ダンテ・シュール様とアイミー・ケリス様との婚約発表……お二人は、向かってもらってよろしいですか?」

「えっ、普通に向かうの? 大丈夫かしら……?」


 どうみても門前払いを食らいそうなんだけれど。教会の入り口でのチェックはされるだろうし、招待状などで呼んでいる人以外は入れないだろうから。


「それについては問題ありませんわ。ライドウ皇帝陛下の計らいで、ハロルド様は出席が可能になりましたので。姉さまはその付き添いで向かっていただきます」

「なるほど、そういうことね」

「はい」


 流石は皇帝陛下……間近に迫っているパーティの出席者の操作も可能だなんて……。


「それで、ライドウ皇帝陛下も出席することになりましたので、後程、教会に出向くことになっております」

「こ、皇帝陛下も……?」

「はい、そうですね。それで、私もその付き添いで付いて行きます」


「ソシエが皇帝陛下に付いて来ると……そうなんだ」


「は、そういうことです。うふふふふふ……」


 ソシエはそれ以上はなにも言わなかったけれど、なんだかとても怪しい笑みをこぼしていた。多分、私に隠して何かをするつもりね……。


 まあ、侯爵令息であるハロルドと、皇帝陛下であられるライドウ様が居るわけだから大丈夫だとは思うけど……。う~ん、ちょっとだけ心配だわ……むしろ、ダンテ様の方が心配かもしれない。


「皇帝陛下は今日は流石にお越しにはなられないか……」

「はい、そうですね。流石にお忙しい身ですので」

「さて、なかなか、楽しみな事態になってきた」

「そうですよね、うふふふふふ……」


「あの……二人とも……?」


 妹のソシエだけじゃなくて、ハロルドまで怪しい笑みを浮かべだした。ソシエとある意味で意気投合しているというか……。3日後の教会での婚約発表……一体、どのようなイベントになるのか、私は不安が出て来ていた。


 ダンテ様に同情するつもりはないけど、命までは取られないわよね……?

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