夢中になる

ライ子

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瑠羽華は、目を覚ますと、京介の顔を見て安心したように少し笑ってくれた。視線を側に飾ってある花瓶の花に移した。
「頑張ったね。お疲れ様。ゆっくり休んで。」
京介が、そう言い終わる前に、瑠羽華はまた目を閉じた。
「早く…元気になろう…。」
京介は、瑠羽華の髪をそっと撫でた。

瑠羽華は、退院して1ヵ月ほどは、実家で過ごしていた。順調に回復しているようで、日常生活であまり困ることもないようだった。その間、放射線治療が必要ということで、1週間入院することになった。
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