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29:体がぽかぽかしている

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 魔法陣……でかっ!
 え、ちょっと待って。この修練の間って、そんなに狭い部屋じゃないんですよ?
 なのに魔法陣の外周が、完全に壁を貫通しているんですけどどういうこと?

 これ、直径五十メートル超えてるわよね。

「ぁわ……お、下りて来てる。魔法陣下りて──って、エリーシャさん聞こえてない!?」

 一心不乱に祈るエリーシャには、周りの声も届いていないようで。

 黄金色の魔法陣がすぅーっと下りてきて、まるで体をスキャンされているかのように光った。
 で、足元に着地すると、魔法陣の中にいた人たちの体が光に包まれた。

 眩しい。凄く眩しい。
 室内には神官さん司祭様、そして私たちと、総勢十五人。
 その全員が光っているのだから、お互い眩しくて仕方ない。

 でもこの光……

「温かい」
「えぇ、これこそが祝福の魔法なのですよ」
「でも司祭様、これ眩しくて何も出来ないんじゃないですか?」
「そ、それは……本来ここまで光るものではないのですが……エリーシャ様はもしや……」

 司祭様がそう口にした時、眩しいのがすぅっと消えた。

「エリーシャさんっ」

 もしかして魔力切れ!?

「はい? あの、どうでしたか?」

 ん? んん? 魔力切れじゃない。それにさっきの魔法陣のこと、気づいてない?

「す、すっっっごく大きな魔法陣が出ましたよ!」
「本当ですか! わぁ、嬉しい。ルシアナ様に見て頂けて、とっても嬉しいです」

 ん、そこ、喜ぶところちょっとズレてる。
 私に見て貰えて嬉しいの? え、ちょっとこの子可愛いんだけど。

「エリーシャさん、本当に気づいていないの?」
「え、なにがですか? な、なにかおかしなとろこありましたでしょうか?」
「まぁ、ある意味おかしいと言えばおかしい?」

 と周りに同意を得ようと振り返ると、全員が頷いていた。
 それを見てエリーシャさんが、手で顔を覆って不安そうな顔になる。

「エリーシャさん、よく聞いてね」
「は、い……」
「さっきあなたが出した魔法陣ね」
「は、ぃ」
「この部屋に入りきらない大きさだったの」
「そう、なんです……へ?」

 ま、そういう反応になるわよね。
 じゃあ次、目を開いたままお祈りいってみよー!





「わ、わわわ、わ、わ、わた、私、ここ、こ、こんな巨大な!?」

 今再び、巨大魔法陣降臨!
 だけどさっきのような、ピッカピカではない。

「司祭様、さっきと色が」
「はい、先ほどはエリーシャ様の完全覚醒による最初のものだったのでしょう」
「最初って、眩しいんですか?」
「えぇ。最初は誰でもキラッキラなんです。まぁ規模が大きかったので、一般的なキラキラよりも凄かったですが」

 五十前後の司祭様の口から、キラッキラなんて言葉が出て来るなんて。
 おちゃめな司祭様だわ。

 自分が出した巨大魔法陣を見つめたまま、エリーシャは茫然と立ち尽くしている。
 うん、ビックリよね。
 原作しってる私もビックリだもん。

 それにしても、

「さっきからずっと体がぽかぽかしているのだけど、私だけ?」

 そう尋ねると、室内にいる全員が同じ状態だった。



**********************************
ワクチン副反応で不調中です。1回目も2回目も何事もなかったので
侮っていましたorz
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