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「ご、ごめんねティト君」
「いえ、クーさんにサーベル貰ったあと、銅の剣を売らずにおいて良かったです」
自分の防具。そして杖と盾の作成で頭がいっぱいだったせいもあり、武器を用意しておくのを忘れた俺。
素手でモンスターをボコボコ殴りつけていたのを見て、ティト君が銅の剣をくれた。
ただ問題は松明だ。
右手に銅の剣、左手に木の盾。
第三の手が無いので松明は――。
『ワオオォォンッ』
松明を左手に、右手でモグラモンスターを瞬殺していくワオールが居る。
松明の火に照らされ、ワオールの赤茶色の毛並みが、余計に赤々として見えた。
更にその赤がモンスターの返り血のようにも見え……。
「なんかすっごいシュールな光景ね……」
「は、迫力あり過ぎですね」
ワオール……やっぱカッコいいぜ!
よぉし、俺もこの銅の剣で――。
「でも一度装備した物なのに、なんで俺も装備できるんだろう?」
おかげで攻撃力が17から27に急増。ダメージも17から20だったのが、27から32に増えた。
「あぁ、それはにゃんごが売っている物だからですよ」
「NPCが売ってる物はね、アイテムロックが掛からないの。だから使いまわせるのよ」
「へぇ~」
でもドロップ品や製造品は違うらしい。
事実、俺が作った木の盾には「クー専用」と書いてある。作って貰った防具にもだ。
使いまわし出来なくすることで、製造装備の需要を維持するためなんだろうな。
使いまわせたら、ある程度の数が市場に出たらもう必要なくなる。
作り手としてそれは悲しいものがあるからなぁ。
「でもクーさんって、元々の筋力が高いからか、銅の剣でも僕とダメージがそう変わりませんね」
「そうか? ティト君は一発30から35出てるじゃな……あぁ、うん。変わらないね」
自分で言ってみてわかった。
3ぐらいしか変わってない。
ふぅーん。これも物作りの賜物かぁ。
けど俺には攻撃スキルが無い。
二人は――特にリリーチェさんはスキルを多用して攻撃を繰り出している。
炎、氷、風。これらを使い分け、臨機応変な戦いをしていた。
「魔法……カッコいい」
「でっしょー♪ でも魔法スキルって、ゲーム内で取ろうとしたら必要SP多くて大変なの」
「クーさんは攻撃スキル取ってないそうですが、生産系がほとんどなんですか?」
頷く俺。
物作りがしたいから、ほとんどそっちで固めてある。
逃走スキルが役に立っているのか、サッパリわからないぐらいだ。
「でもお兄さんはさ、ワオールちゃん居るじゃない」
「うん。戦闘面で言えばワオールが居れば、全然平気そう」
「俺もそれは思う」
武器を持ってみてわかった。
ワオールの強さは尋常じゃない。
攻撃力は、筋力+武器の攻撃力の合計値だ。
武器を装備した俺の攻撃力は27になった。
武器を装備していないワオールの攻撃力は108ある。
四倍だよ……。
「今はワオールちゃん、すっごく強いけど」
「武器を装備できないとなると、いつかはプレイヤーが追い付くかな~」
「え、そうなのか?」
『クゥーン』
武器の攻撃力が三桁とかになれば、さすがに素手であるワオールも負けるだろうと二人は言う。
その話をワオールは悲しそうに聞いていた。
「でも確か……にゃんごは極一部の武器や防具は装備できるって――あ、実際装備出来ているじゃないか」
『ウォ……ウォウウォウウォウ!』
ワオールも思い出して首からぶら下げた兎の足を指差す。
そうだよ。装備しているじゃないか!
「あれ、それって召喚時にデフォで持ってる物じゃなかったの?」
「え、クーさんが作ったんですか? なんか物凄く一体感あったんで、そういう外見なのかと思ってました」
「心配するなワオール。お前が装備できる武器を、俺が絶対見つけてやるからな」
『ワフゥ』
「私も情報探してあげる」
「うん、僕も」
もしかしたらこのダンジョンで見つけられるかも?
そんな期待を胸に、俺たちはダンジョンの奥へと進んでいった。
暫くモンスターとの戦闘を繰り返しながら、下へと続く坂道を発見。
「これって、地下二階行きかなぁ」
「そもそもここが地下一階なの?」
双子が俺を見る。
いや、俺も知らないから。たまたま穴掘ってここに繋がっただけだし。
「二人とも時間大丈夫? 先に進むとなると帰り道のことも考えないといけないし」
十四歳。ピチピチの中学生を遅くまで連れまわすわけにもいかない。
確か十二時までだってご両親と約束していたはずだし。
二人はスマホを取り出し時間を確認した。
拠点から穴までは駆け足でも二十分は掛かる。それも考えて――。
「お兄さん、まだあっちじゃあ七時ぐらいよ」
「ダンジョンに入って、まだ三十分程ですし大丈夫です」
「ここ、思ったほど広くないのかもね」
「うん。まぁ奥がまだあるから、実は広いのかもしれないけど」
下り坂はあるものの、通路はまだ先へと伸びている。
ここが地下一階と想定しても、まだその地下一階は続いているのだ。
だけど進むとしたら――。
「そか。じゃあ下りてみる?」
「「行く~」」
進むなら下に向かってでしょう!
まずはリリーチェさんがホーリーライトを坂道の向こうに投げ飛ばす。
ワオールの反応も無いし、坂道にモンスターの姿は無かった。
リリーチェさんが再びホーリーライトを使い、その光を俺の剣先にくっつける。
俺とティト君が並んで下りて行って、その後ろにリリーチェさん。
松明を持ったワオールが最後尾だ。
これは後ろからの攻撃を警戒してだけど、ワオールを先頭にするとあっという間にモンスターを駆逐してしまうからでもある。
「パーティーを組んでいると、スキルポイントは順番に分配される方式になっていますけど――」
「スキルレベルなんかは行動しなきゃレベルあがらないし」
「1レベル上げるのに何回って決まっているのかな?」
俺の素朴な疑問に双子は「たぶん」と答える。
その辺りの情報は公式でも出ていないし、このゲームはクローズドベータもオープンベータも無い、稀なVRMMOだったから情報も少ない――と話す。
クローズドとかオープンとか、俺にはよくわからない。
でも確かに情報少ないよな。
そういうこともあり、スキルレベルを上げたい二人にとって、一撃で敵を葬り去るワオールが先頭では困るのだ。
ワオールもそれを理解しているようで、敵の数が少ない時には灯り役に徹してくれている。
「ワオール……お前、ほんっとうに賢くってカッコよくって可愛いやつだな。もふっていいか?」
『ワオォンッ』
尻尾を振りながら顔も左右に振るワオール。
いつか……いつかもふってやるからな!
「いえ、クーさんにサーベル貰ったあと、銅の剣を売らずにおいて良かったです」
自分の防具。そして杖と盾の作成で頭がいっぱいだったせいもあり、武器を用意しておくのを忘れた俺。
素手でモンスターをボコボコ殴りつけていたのを見て、ティト君が銅の剣をくれた。
ただ問題は松明だ。
右手に銅の剣、左手に木の盾。
第三の手が無いので松明は――。
『ワオオォォンッ』
松明を左手に、右手でモグラモンスターを瞬殺していくワオールが居る。
松明の火に照らされ、ワオールの赤茶色の毛並みが、余計に赤々として見えた。
更にその赤がモンスターの返り血のようにも見え……。
「なんかすっごいシュールな光景ね……」
「は、迫力あり過ぎですね」
ワオール……やっぱカッコいいぜ!
よぉし、俺もこの銅の剣で――。
「でも一度装備した物なのに、なんで俺も装備できるんだろう?」
おかげで攻撃力が17から27に急増。ダメージも17から20だったのが、27から32に増えた。
「あぁ、それはにゃんごが売っている物だからですよ」
「NPCが売ってる物はね、アイテムロックが掛からないの。だから使いまわせるのよ」
「へぇ~」
でもドロップ品や製造品は違うらしい。
事実、俺が作った木の盾には「クー専用」と書いてある。作って貰った防具にもだ。
使いまわし出来なくすることで、製造装備の需要を維持するためなんだろうな。
使いまわせたら、ある程度の数が市場に出たらもう必要なくなる。
作り手としてそれは悲しいものがあるからなぁ。
「でもクーさんって、元々の筋力が高いからか、銅の剣でも僕とダメージがそう変わりませんね」
「そうか? ティト君は一発30から35出てるじゃな……あぁ、うん。変わらないね」
自分で言ってみてわかった。
3ぐらいしか変わってない。
ふぅーん。これも物作りの賜物かぁ。
けど俺には攻撃スキルが無い。
二人は――特にリリーチェさんはスキルを多用して攻撃を繰り出している。
炎、氷、風。これらを使い分け、臨機応変な戦いをしていた。
「魔法……カッコいい」
「でっしょー♪ でも魔法スキルって、ゲーム内で取ろうとしたら必要SP多くて大変なの」
「クーさんは攻撃スキル取ってないそうですが、生産系がほとんどなんですか?」
頷く俺。
物作りがしたいから、ほとんどそっちで固めてある。
逃走スキルが役に立っているのか、サッパリわからないぐらいだ。
「でもお兄さんはさ、ワオールちゃん居るじゃない」
「うん。戦闘面で言えばワオールが居れば、全然平気そう」
「俺もそれは思う」
武器を持ってみてわかった。
ワオールの強さは尋常じゃない。
攻撃力は、筋力+武器の攻撃力の合計値だ。
武器を装備した俺の攻撃力は27になった。
武器を装備していないワオールの攻撃力は108ある。
四倍だよ……。
「今はワオールちゃん、すっごく強いけど」
「武器を装備できないとなると、いつかはプレイヤーが追い付くかな~」
「え、そうなのか?」
『クゥーン』
武器の攻撃力が三桁とかになれば、さすがに素手であるワオールも負けるだろうと二人は言う。
その話をワオールは悲しそうに聞いていた。
「でも確か……にゃんごは極一部の武器や防具は装備できるって――あ、実際装備出来ているじゃないか」
『ウォ……ウォウウォウウォウ!』
ワオールも思い出して首からぶら下げた兎の足を指差す。
そうだよ。装備しているじゃないか!
「あれ、それって召喚時にデフォで持ってる物じゃなかったの?」
「え、クーさんが作ったんですか? なんか物凄く一体感あったんで、そういう外見なのかと思ってました」
「心配するなワオール。お前が装備できる武器を、俺が絶対見つけてやるからな」
『ワフゥ』
「私も情報探してあげる」
「うん、僕も」
もしかしたらこのダンジョンで見つけられるかも?
そんな期待を胸に、俺たちはダンジョンの奥へと進んでいった。
暫くモンスターとの戦闘を繰り返しながら、下へと続く坂道を発見。
「これって、地下二階行きかなぁ」
「そもそもここが地下一階なの?」
双子が俺を見る。
いや、俺も知らないから。たまたま穴掘ってここに繋がっただけだし。
「二人とも時間大丈夫? 先に進むとなると帰り道のことも考えないといけないし」
十四歳。ピチピチの中学生を遅くまで連れまわすわけにもいかない。
確か十二時までだってご両親と約束していたはずだし。
二人はスマホを取り出し時間を確認した。
拠点から穴までは駆け足でも二十分は掛かる。それも考えて――。
「お兄さん、まだあっちじゃあ七時ぐらいよ」
「ダンジョンに入って、まだ三十分程ですし大丈夫です」
「ここ、思ったほど広くないのかもね」
「うん。まぁ奥がまだあるから、実は広いのかもしれないけど」
下り坂はあるものの、通路はまだ先へと伸びている。
ここが地下一階と想定しても、まだその地下一階は続いているのだ。
だけど進むとしたら――。
「そか。じゃあ下りてみる?」
「「行く~」」
進むなら下に向かってでしょう!
まずはリリーチェさんがホーリーライトを坂道の向こうに投げ飛ばす。
ワオールの反応も無いし、坂道にモンスターの姿は無かった。
リリーチェさんが再びホーリーライトを使い、その光を俺の剣先にくっつける。
俺とティト君が並んで下りて行って、その後ろにリリーチェさん。
松明を持ったワオールが最後尾だ。
これは後ろからの攻撃を警戒してだけど、ワオールを先頭にするとあっという間にモンスターを駆逐してしまうからでもある。
「パーティーを組んでいると、スキルポイントは順番に分配される方式になっていますけど――」
「スキルレベルなんかは行動しなきゃレベルあがらないし」
「1レベル上げるのに何回って決まっているのかな?」
俺の素朴な疑問に双子は「たぶん」と答える。
その辺りの情報は公式でも出ていないし、このゲームはクローズドベータもオープンベータも無い、稀なVRMMOだったから情報も少ない――と話す。
クローズドとかオープンとか、俺にはよくわからない。
でも確かに情報少ないよな。
そういうこともあり、スキルレベルを上げたい二人にとって、一撃で敵を葬り去るワオールが先頭では困るのだ。
ワオールもそれを理解しているようで、敵の数が少ない時には灯り役に徹してくれている。
「ワオール……お前、ほんっとうに賢くってカッコよくって可愛いやつだな。もふっていいか?」
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