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区画地図。
80×100メートルのセーフティーゾーン内は、四つの区画に分けられていた。
右上、右下、左上、左下。
「壁の外周と、それぞれの区画との間には幅10メートルの道がありますミャ」
「それって絶対条件?」
「はいミャ。あちこち自由に建てて行くと、ある程度の規模になったとき、タウンマップを作成するのに苦労しミャすミャ」
なるほど。後々のことを考えて整地するのか。
とりあえず中央の十字路にはやっぱり――。
「にゃんごの店はここに建てよう。中央って言ったらやっぱり利便性が一番高いし、お店だよな」
「こ、こんな一等地ニャか!?」
「中央部に店舗を持ってくるのは、正解だと思われますミャ。お向かいに武器防具店などあるといいですミャー」
「図書館も欲しいから、住居系は外周に近い所の方がいいだろうな」
ミャーニーもその意見には賛成のようだ。
住民が増え、彼らが畑仕事を始めることを考えると、出入りしやすい場所――がいいんだとか。
出入口、もう一つ作った方がよかったかな。
まぁ追々だ。
にゃんごの店舗は右上区画の中央よりに決定!
「ではここに『雑貨屋』店舗の建設予定地としますミャ」
「お願いしまっす」
『ワフゥ』
ミャーニーが広げた区画地図に『雑貨屋予定地』の記入が入り、他とは違う色に変わる。
「だいたい7×7メートルの敷地面積になりますミャ。それに合わせた店舗設計図の参考はこちらですミャん」
「広いのかどうか、いまいちわからないけど……雑貨屋だとこんなもんなのか?」
見せて貰った図面には、一階建ての家だ。
上下に分断された物で、上が住居スペース、下が店舗スペースと書いてあった。
ご丁寧に寸法まで書かれていて、住居スペースは10.5帖、店舗は7.5帖。建物そのものは546×546センチの正方形だ。
「ニャー。これで十分ニャよ。これなら家の裏手に花壇なんかも作れるニャー」
「そっか。にゃんごが良いならそれでいい。じゃあ建設に取り掛かるか!」
と、その前に――。
きっとまたお金が入用になるだろうから、駒田にメッセージっと。
【クー:テスト】
あ、繋がった。
返事は直ぐに返って来て、ポーション出来たから買い取って欲しいとお願いする。
今は空き瓶代すらないからアレだが、出来ればポーションを買ってくれる知り合いいないかも尋ねてみた。
【マッキー:金策か? 狩りしてんのか?】
【クー:してる。ワオールが。でも素材はなるべく残しておきたいんだ】
それでもお金が足りないから、仕方なく売った素材も多い。
【マッキー:物作り魂か。まぁ仕方ないか。ダンジョンでもあればな】
【マッキー:ダンジョン産ドロップは結構高値で売れる】
【クー:ダンジョンとか見たことない】
【クー:とりあえず今は家建てるため金が欲しい】
【マッキー:本気でいちから町を作る気なんだな……】
【マッキー:まぁいいよ。ポーションなら俺がまとめて買っとく】
【マッキー:代理販売してやるけど、お前から買った20Gそのままで売ると】
【マッキー:他のポーション屋から恨まれるんで】
【マッキー:28Gにするけどいいか?】
安すぎるのもダメなのか。まぁ駒田が恨まれても可哀そうだし、それでいいか。
とりあえず三十本は駒田用に600Gで。残り十本を280Gで買って貰った。
うほー、やりぃ!
【マッキー:冒険者ギルドを建てた方が良いぞ】
【クー:なんで?】
【マッキー:ギルドだとな、代理販売してくれるんだ】
【マッキー:別の町で登録された商品も買えるからさ】
マージーでー!
それいいな。
確か他のお客ニャん――あ、やべ。にゃんごの口調が移ってる――とにかく他にプレイヤーが増えなきゃ建てられない。
でもそうなると俺の夢の王国が……。
まぁにゃんごの家が建てられれば、あとは他のプレイヤーと協力して建設ってのもいいな。
そうして壁を増設して、建物も増やし、いつかは天下一の町にしてみせる!
夢はでっかく広がリング。
ポーションが出来たらまた連絡すると言って駒田とのチャットを終え、ついににゃんごの家建築に着手する!
さて、どんな家にするか。
そりゃあ丸太小屋でしょう!
それともちょっとお洒落に煉瓦の家?
「うーん。にゃんごって煉瓦の家って感じじゃないよな」
「どんな感じニャか?」
「うーん……先端が玉ねぎみたいな形の……」
いかん。アラビアンナイト風が頭から離れない。
あんなの作ろうと思ったら、いったいどんなスキルが必要になるんだ。
それに一軒そんなの建てたら、全部揃えないと景観が悪くなってしまう。
却下だ却下。
全体を考えよう。
「建物の外観は、大工スキルで建設から一覧を見れますミャよ」
「え? 用意された外観から選ぶのか?」
「まぁそもそも建設って、ある程度パターンがありますミャから」
言われてみればその通りだ。
試しにスキルを開いて概観一覧を見ると、丸太や煉瓦の家はもちろん、土壁、板壁、それらをミックスさせたものと、多彩にあった。
ふんふん。イメージが湧いて来たぞ。
にゃんごの家は土台が煉瓦模様で、壁はベージュの土壁。それに木枠なんかをはめ込んだ、ファンタジーらしい外観にしよう。
屋根はくすんだ青がいいな。
そんな妄想に夢を膨らませながら、妄想で終わらせない為にスキルを発動!
まず建物の用途を求められた。
一覧に雑貨屋ってのがある。これを選択すると、次は外観だ。
立体的なホログラム映像が浮かびあがる。
フリックすると次の外観という具合に選択できた。
それを選ぶとカスタマイズに移る。
ホログラムに触れ、壁材の変更も可能だ。
全部の設定が終わると、最後に必要な素材数が出た。
うん。全然足りない。
具体的には煉瓦だ。
実際に煉瓦の壁ではなく、土壁に貼り付ける形のようだ。なので薄っぺらい煉瓦でもいい。
竈でどんどん焼かなきゃな。
やること一覧。
・煉瓦を作る。その為に土を掘り、粘土に錬金しなきゃな。
・木材を大量に作る。これは柱や床板、外観の枠用だ。あぁ、あと屋根。
・顔料を作る。もちろん屋根用だ。青い顔料が材料にあった。顔料と言えば鉱石……だな。
あぁ……ブロック塀用に開けた穴。塞がなきゃな。
そうこうするうちに、ゲーム内では夜が訪れた。
80×100メートルのセーフティーゾーン内は、四つの区画に分けられていた。
右上、右下、左上、左下。
「壁の外周と、それぞれの区画との間には幅10メートルの道がありますミャ」
「それって絶対条件?」
「はいミャ。あちこち自由に建てて行くと、ある程度の規模になったとき、タウンマップを作成するのに苦労しミャすミャ」
なるほど。後々のことを考えて整地するのか。
とりあえず中央の十字路にはやっぱり――。
「にゃんごの店はここに建てよう。中央って言ったらやっぱり利便性が一番高いし、お店だよな」
「こ、こんな一等地ニャか!?」
「中央部に店舗を持ってくるのは、正解だと思われますミャ。お向かいに武器防具店などあるといいですミャー」
「図書館も欲しいから、住居系は外周に近い所の方がいいだろうな」
ミャーニーもその意見には賛成のようだ。
住民が増え、彼らが畑仕事を始めることを考えると、出入りしやすい場所――がいいんだとか。
出入口、もう一つ作った方がよかったかな。
まぁ追々だ。
にゃんごの店舗は右上区画の中央よりに決定!
「ではここに『雑貨屋』店舗の建設予定地としますミャ」
「お願いしまっす」
『ワフゥ』
ミャーニーが広げた区画地図に『雑貨屋予定地』の記入が入り、他とは違う色に変わる。
「だいたい7×7メートルの敷地面積になりますミャ。それに合わせた店舗設計図の参考はこちらですミャん」
「広いのかどうか、いまいちわからないけど……雑貨屋だとこんなもんなのか?」
見せて貰った図面には、一階建ての家だ。
上下に分断された物で、上が住居スペース、下が店舗スペースと書いてあった。
ご丁寧に寸法まで書かれていて、住居スペースは10.5帖、店舗は7.5帖。建物そのものは546×546センチの正方形だ。
「ニャー。これで十分ニャよ。これなら家の裏手に花壇なんかも作れるニャー」
「そっか。にゃんごが良いならそれでいい。じゃあ建設に取り掛かるか!」
と、その前に――。
きっとまたお金が入用になるだろうから、駒田にメッセージっと。
【クー:テスト】
あ、繋がった。
返事は直ぐに返って来て、ポーション出来たから買い取って欲しいとお願いする。
今は空き瓶代すらないからアレだが、出来ればポーションを買ってくれる知り合いいないかも尋ねてみた。
【マッキー:金策か? 狩りしてんのか?】
【クー:してる。ワオールが。でも素材はなるべく残しておきたいんだ】
それでもお金が足りないから、仕方なく売った素材も多い。
【マッキー:物作り魂か。まぁ仕方ないか。ダンジョンでもあればな】
【マッキー:ダンジョン産ドロップは結構高値で売れる】
【クー:ダンジョンとか見たことない】
【クー:とりあえず今は家建てるため金が欲しい】
【マッキー:本気でいちから町を作る気なんだな……】
【マッキー:まぁいいよ。ポーションなら俺がまとめて買っとく】
【マッキー:代理販売してやるけど、お前から買った20Gそのままで売ると】
【マッキー:他のポーション屋から恨まれるんで】
【マッキー:28Gにするけどいいか?】
安すぎるのもダメなのか。まぁ駒田が恨まれても可哀そうだし、それでいいか。
とりあえず三十本は駒田用に600Gで。残り十本を280Gで買って貰った。
うほー、やりぃ!
【マッキー:冒険者ギルドを建てた方が良いぞ】
【クー:なんで?】
【マッキー:ギルドだとな、代理販売してくれるんだ】
【マッキー:別の町で登録された商品も買えるからさ】
マージーでー!
それいいな。
確か他のお客ニャん――あ、やべ。にゃんごの口調が移ってる――とにかく他にプレイヤーが増えなきゃ建てられない。
でもそうなると俺の夢の王国が……。
まぁにゃんごの家が建てられれば、あとは他のプレイヤーと協力して建設ってのもいいな。
そうして壁を増設して、建物も増やし、いつかは天下一の町にしてみせる!
夢はでっかく広がリング。
ポーションが出来たらまた連絡すると言って駒田とのチャットを終え、ついににゃんごの家建築に着手する!
さて、どんな家にするか。
そりゃあ丸太小屋でしょう!
それともちょっとお洒落に煉瓦の家?
「うーん。にゃんごって煉瓦の家って感じじゃないよな」
「どんな感じニャか?」
「うーん……先端が玉ねぎみたいな形の……」
いかん。アラビアンナイト風が頭から離れない。
あんなの作ろうと思ったら、いったいどんなスキルが必要になるんだ。
それに一軒そんなの建てたら、全部揃えないと景観が悪くなってしまう。
却下だ却下。
全体を考えよう。
「建物の外観は、大工スキルで建設から一覧を見れますミャよ」
「え? 用意された外観から選ぶのか?」
「まぁそもそも建設って、ある程度パターンがありますミャから」
言われてみればその通りだ。
試しにスキルを開いて概観一覧を見ると、丸太や煉瓦の家はもちろん、土壁、板壁、それらをミックスさせたものと、多彩にあった。
ふんふん。イメージが湧いて来たぞ。
にゃんごの家は土台が煉瓦模様で、壁はベージュの土壁。それに木枠なんかをはめ込んだ、ファンタジーらしい外観にしよう。
屋根はくすんだ青がいいな。
そんな妄想に夢を膨らませながら、妄想で終わらせない為にスキルを発動!
まず建物の用途を求められた。
一覧に雑貨屋ってのがある。これを選択すると、次は外観だ。
立体的なホログラム映像が浮かびあがる。
フリックすると次の外観という具合に選択できた。
それを選ぶとカスタマイズに移る。
ホログラムに触れ、壁材の変更も可能だ。
全部の設定が終わると、最後に必要な素材数が出た。
うん。全然足りない。
具体的には煉瓦だ。
実際に煉瓦の壁ではなく、土壁に貼り付ける形のようだ。なので薄っぺらい煉瓦でもいい。
竈でどんどん焼かなきゃな。
やること一覧。
・煉瓦を作る。その為に土を掘り、粘土に錬金しなきゃな。
・木材を大量に作る。これは柱や床板、外観の枠用だ。あぁ、あと屋根。
・顔料を作る。もちろん屋根用だ。青い顔料が材料にあった。顔料と言えば鉱石……だな。
あぁ……ブロック塀用に開けた穴。塞がなきゃな。
そうこうするうちに、ゲーム内では夜が訪れた。
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