102 / 110
64
しおりを挟む
ひとまず山を下り、北の国境の町へとやって来た。
ダンジョンで暮らすと言ってしまったが、問題はいろいろある。
まず、俺に建築知識も技能もないこと。ほったて小屋程度なら建てられるけど、あれならテントの方がまだマシだ。
せっかくならちゃんとした家を建てたいところだが……大工を連れてくるのはなぁ。
……いや、それ以前に問題があるじゃないか。
「アレス。あのダンジョンって……やっぱり王国の管理下に置かれるのか?」
そう。ダンジョンの所有権は、生成された土地の領主に与えられる。
あの森は王国の所有する土地だったから、ダンジョンは王国の管理下ということになっていた。
森のダンジョンから繋がったあそこは、王国所有ってことになるのか?
「結論から言えば、どの国も管理できないだろう。北の山脈アブソルトマウンテンは、大昔からどの国も所有権を主張していない未開の地だからね」
少しお高い宿の部屋には、俺とアレス、あとデンがいる。セシリアは別の部屋を取らせているが、今は長風呂の時間だ。
「あの山、アブソルトマウンテンっていうのか」
「あぁ。あの山は人が行き来するには険しく、そして大きすぎる。山を挟んだ向こう側の国に行くにしても、迂回したほうが圧倒的に安全だし、時間も掛からないだろう」
そのうえモンスターも多すぎる。開拓するのにどれだけの犠牲を出さなきゃならないか考えると、どの国も手を出したがらないって訳だ。
「それもあって、多くの亜人種があの山には暮らしているようだ」
「亜人種が……」
「彼らにとってあの山は、安全な土地なんだろう。モンスターよりも人間のほうが、彼ら亜人にとっては危険な存在だろう」
モンスターより人間のほうが恐ろしい、か。
モンスターには縄張りがある。それを侵しさえしなければ襲って来ないし、入ったとしてもしつこく追いかけてくることは少ない。
だが人間は違う。国境はあるが、それすら侵して戦争をすることだってある。自分の欲望のためにだ。
山が険しくてよかった、というべきなんだろうな。
「あのダンジョンの事だけど、私自身はどこにあるのか分からない。それにここまでは転移の指輪で来ただろう?」
「まぁ俺も詳しい位置は分からないけど」
「そうだ。どこにあるのか分からないダンジョンなど、どこの国が管理できるという?」
「だけどあの森のダンジョンと繋がってるだろ?」
『それなら心配はないだろう。ダンジョン同士が繋がるのは、双方のダンジョンが未攻略であることが条件だからな』
森のダンジョンと山のダンジョン。確かに俺たちが落ちた時点では、どっちも未攻略だった。
そして山のダンジョンは今、攻略済みに。
「じゃあもう繋がらなくなったと?」
『今誰かがあの穴に落ちれば、森のダンジョンのどこかの階層に落下して死ぬだけだな』
「そういえば、迷宮神も言ってたな。楽して最下層に侵入出来る裏技はもう使えないとかなんとか」
位置を把握しているのは、ある意味セシリアひとりだけ。
王国領にあるダンジョンではないし、他の国のものでもない。険しい山奥にあるダンジョンなんて、人を送り込む方がデメリットが大きすぎる。そうアレスは言う。
「それにリヴァ。今大事なことは他にもあるんだ」
「大事なこと?」
「そう。私が生きているということだ」
「アレスが生きている……あ……俺たちを奈落に突き落とした、あの野郎ども」
あんのクソ兄弟。
のっぴきならない事情がない限り、冒険者は冒険者の命を奪ってはならない。
そのルールを無視して、身勝手な理由で俺たちを抹殺しようとしやがった。
しかも王国の第五皇子まで巻き込んでしまったんだ。ただじゃ済まないだろう。
自分たちが突き落とした男が皇子だと知ったら、どんな顔するだろうな。
いや、既に胴と首が繋がってないかもしれない。
「正直に言えば分からない」
「分からない?」
「んー、なんの話か全然分かんないんだけど」
「あー……」
長風呂お嬢様が戻って来て、久しぶりの野菜を満喫した後これからのことを話し合う。
アレスと話した内容をかいつまんでセシリアに伝えた。
「んー、悪いことしたんだから怒られるのは当たり前よね?」
「普通はそうだ。だけど……兄上が庇護すれば……」
皇子の兄上ってことは、皇子だよなぁ。
アレスが第三なら、第二か第一皇子か。
「で、どっちの兄上なんだ?」
「二番目だ。ラインフェルト兄さん、王妃の子だ」
「王妃の子が二番目なのか」
「といってもほんの半年の差だけどね」
王妃が懐妊する前に、側室の方が先に身籠った。ただそれだけだ。
基本、王位ってのは先に生まれた順に位が決まるもんだろう。でもそうなると……。
「王妃も第二皇子も面白くないよな」
「その通り。第一皇子のクリフィトンの生母は伯爵家の生まれなんだ。それ故に許せないのだろう、我が子より王位継承権が上だということが」
「あの兄弟の父親は、第二皇子派?」
その問いにアレスは頷く。
第一皇子は誠実で、権力を振りかざすタイプではない。爵位が上だからと、たったそれだけの理由でふんぞり返る貴族には冷たいようだ。
第二皇子は真逆の人間で、自分の出生を誇示することに執着している。同じように爵位こそが全てだと言う上流貴族には、人気があるようだ。
「上流貴族がみなクリフィトン兄さんを毛嫌いしている訳じゃないんだ。ちゃんと領地を治め、国に貢献する者も多いからね」
「私欲を肥やす奴らには厳しいってことか」
「クリフィトン兄さんが即位すれば、立場が危うくなる貴族は確実にいる。そういった者たちはラインフェルト兄さんを推しているのさ」
そのひとりが、あの馬鹿兄弟の親ってことだ。
自分の支持者には恩を売っておきたい。
もしあの馬鹿兄弟が第三皇子を穴に突き落として殺害しようとしたのがバレれば、当然打ち首確定だ。
皇子だとは知らなかった──では済まされない。そもそも冒険者だからって、殺人を許容されている訳じゃないからな。
「キャロンとディアンの無事を確認しなければ。あの兄弟が私が誰であるか気づいていなければ、ラインフェルト兄さんに庇護されることもないだろうが……」
「冒険者殺しの口封じをする可能性もあるしな」
「あぁ。ひとまず大聖堂に向かおう。なるべく急ぎたいところだが、王都までは遠いな」
「それなら、私が途中まで飛んで行って、転移の指輪で飛べるようにしようか?」
「その方が早いだろうな」
だけど王都までは流石に遠いし、ひとりで行かせるのは心配だ。
人目に付きにくい森や山を選んで、半日ごとに転移用の位置情報の上書きする。
その都度合流するのがいいだろう。
「今夜はここでゆっくり休んで疲れを取ろう。移動は明日だ。アレスもそれでいいよな?」
「もちろんだ。さすがに今日はベッドで休みたいよ」
「じゃあ明日、頑張って飛ぶね」
王家のごたごたに巻き込まれたくはないが、あの兄弟はぎゃふんと言わせておきたい。
それにキャロンやディアンは仲間だ。
仲間の無事は確認しておきたい。
まずは迷宮都市を目指そう。
神父が心配しているかもしれないしな。
ダンジョンで暮らすと言ってしまったが、問題はいろいろある。
まず、俺に建築知識も技能もないこと。ほったて小屋程度なら建てられるけど、あれならテントの方がまだマシだ。
せっかくならちゃんとした家を建てたいところだが……大工を連れてくるのはなぁ。
……いや、それ以前に問題があるじゃないか。
「アレス。あのダンジョンって……やっぱり王国の管理下に置かれるのか?」
そう。ダンジョンの所有権は、生成された土地の領主に与えられる。
あの森は王国の所有する土地だったから、ダンジョンは王国の管理下ということになっていた。
森のダンジョンから繋がったあそこは、王国所有ってことになるのか?
「結論から言えば、どの国も管理できないだろう。北の山脈アブソルトマウンテンは、大昔からどの国も所有権を主張していない未開の地だからね」
少しお高い宿の部屋には、俺とアレス、あとデンがいる。セシリアは別の部屋を取らせているが、今は長風呂の時間だ。
「あの山、アブソルトマウンテンっていうのか」
「あぁ。あの山は人が行き来するには険しく、そして大きすぎる。山を挟んだ向こう側の国に行くにしても、迂回したほうが圧倒的に安全だし、時間も掛からないだろう」
そのうえモンスターも多すぎる。開拓するのにどれだけの犠牲を出さなきゃならないか考えると、どの国も手を出したがらないって訳だ。
「それもあって、多くの亜人種があの山には暮らしているようだ」
「亜人種が……」
「彼らにとってあの山は、安全な土地なんだろう。モンスターよりも人間のほうが、彼ら亜人にとっては危険な存在だろう」
モンスターより人間のほうが恐ろしい、か。
モンスターには縄張りがある。それを侵しさえしなければ襲って来ないし、入ったとしてもしつこく追いかけてくることは少ない。
だが人間は違う。国境はあるが、それすら侵して戦争をすることだってある。自分の欲望のためにだ。
山が険しくてよかった、というべきなんだろうな。
「あのダンジョンの事だけど、私自身はどこにあるのか分からない。それにここまでは転移の指輪で来ただろう?」
「まぁ俺も詳しい位置は分からないけど」
「そうだ。どこにあるのか分からないダンジョンなど、どこの国が管理できるという?」
「だけどあの森のダンジョンと繋がってるだろ?」
『それなら心配はないだろう。ダンジョン同士が繋がるのは、双方のダンジョンが未攻略であることが条件だからな』
森のダンジョンと山のダンジョン。確かに俺たちが落ちた時点では、どっちも未攻略だった。
そして山のダンジョンは今、攻略済みに。
「じゃあもう繋がらなくなったと?」
『今誰かがあの穴に落ちれば、森のダンジョンのどこかの階層に落下して死ぬだけだな』
「そういえば、迷宮神も言ってたな。楽して最下層に侵入出来る裏技はもう使えないとかなんとか」
位置を把握しているのは、ある意味セシリアひとりだけ。
王国領にあるダンジョンではないし、他の国のものでもない。険しい山奥にあるダンジョンなんて、人を送り込む方がデメリットが大きすぎる。そうアレスは言う。
「それにリヴァ。今大事なことは他にもあるんだ」
「大事なこと?」
「そう。私が生きているということだ」
「アレスが生きている……あ……俺たちを奈落に突き落とした、あの野郎ども」
あんのクソ兄弟。
のっぴきならない事情がない限り、冒険者は冒険者の命を奪ってはならない。
そのルールを無視して、身勝手な理由で俺たちを抹殺しようとしやがった。
しかも王国の第五皇子まで巻き込んでしまったんだ。ただじゃ済まないだろう。
自分たちが突き落とした男が皇子だと知ったら、どんな顔するだろうな。
いや、既に胴と首が繋がってないかもしれない。
「正直に言えば分からない」
「分からない?」
「んー、なんの話か全然分かんないんだけど」
「あー……」
長風呂お嬢様が戻って来て、久しぶりの野菜を満喫した後これからのことを話し合う。
アレスと話した内容をかいつまんでセシリアに伝えた。
「んー、悪いことしたんだから怒られるのは当たり前よね?」
「普通はそうだ。だけど……兄上が庇護すれば……」
皇子の兄上ってことは、皇子だよなぁ。
アレスが第三なら、第二か第一皇子か。
「で、どっちの兄上なんだ?」
「二番目だ。ラインフェルト兄さん、王妃の子だ」
「王妃の子が二番目なのか」
「といってもほんの半年の差だけどね」
王妃が懐妊する前に、側室の方が先に身籠った。ただそれだけだ。
基本、王位ってのは先に生まれた順に位が決まるもんだろう。でもそうなると……。
「王妃も第二皇子も面白くないよな」
「その通り。第一皇子のクリフィトンの生母は伯爵家の生まれなんだ。それ故に許せないのだろう、我が子より王位継承権が上だということが」
「あの兄弟の父親は、第二皇子派?」
その問いにアレスは頷く。
第一皇子は誠実で、権力を振りかざすタイプではない。爵位が上だからと、たったそれだけの理由でふんぞり返る貴族には冷たいようだ。
第二皇子は真逆の人間で、自分の出生を誇示することに執着している。同じように爵位こそが全てだと言う上流貴族には、人気があるようだ。
「上流貴族がみなクリフィトン兄さんを毛嫌いしている訳じゃないんだ。ちゃんと領地を治め、国に貢献する者も多いからね」
「私欲を肥やす奴らには厳しいってことか」
「クリフィトン兄さんが即位すれば、立場が危うくなる貴族は確実にいる。そういった者たちはラインフェルト兄さんを推しているのさ」
そのひとりが、あの馬鹿兄弟の親ってことだ。
自分の支持者には恩を売っておきたい。
もしあの馬鹿兄弟が第三皇子を穴に突き落として殺害しようとしたのがバレれば、当然打ち首確定だ。
皇子だとは知らなかった──では済まされない。そもそも冒険者だからって、殺人を許容されている訳じゃないからな。
「キャロンとディアンの無事を確認しなければ。あの兄弟が私が誰であるか気づいていなければ、ラインフェルト兄さんに庇護されることもないだろうが……」
「冒険者殺しの口封じをする可能性もあるしな」
「あぁ。ひとまず大聖堂に向かおう。なるべく急ぎたいところだが、王都までは遠いな」
「それなら、私が途中まで飛んで行って、転移の指輪で飛べるようにしようか?」
「その方が早いだろうな」
だけど王都までは流石に遠いし、ひとりで行かせるのは心配だ。
人目に付きにくい森や山を選んで、半日ごとに転移用の位置情報の上書きする。
その都度合流するのがいいだろう。
「今夜はここでゆっくり休んで疲れを取ろう。移動は明日だ。アレスもそれでいいよな?」
「もちろんだ。さすがに今日はベッドで休みたいよ」
「じゃあ明日、頑張って飛ぶね」
王家のごたごたに巻き込まれたくはないが、あの兄弟はぎゃふんと言わせておきたい。
それにキャロンやディアンは仲間だ。
仲間の無事は確認しておきたい。
まずは迷宮都市を目指そう。
神父が心配しているかもしれないしな。
1
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
【完結】何度時(とき)が戻っても、私を殺し続けた家族へ贈る言葉「みんな死んでください」
リオール
恋愛
「リリア、お前は要らない子だ」
「リリア、可愛いミリスの為に死んでくれ」
「リリア、お前が死んでも誰も悲しまないさ」
リリア
リリア
リリア
何度も名前を呼ばれた。
何度呼ばれても、けして目が合うことは無かった。
何度話しかけられても、彼らが見つめる視線の先はただ一人。
血の繋がらない、義理の妹ミリス。
父も母も兄も弟も。
誰も彼もが彼女を愛した。
実の娘である、妹である私ではなく。
真っ赤な他人のミリスを。
そして私は彼女の身代わりに死ぬのだ。
何度も何度も何度だって。苦しめられて殺されて。
そして、何度死んでも過去に戻る。繰り返される苦しみ、死の恐怖。私はけしてそこから逃れられない。
だけど、もういい、と思うの。
どうせ繰り返すならば、同じように生きなくて良いと思うの。
どうして貴方達だけ好き勝手生きてるの? どうして幸せになることが許されるの?
そんなこと、許さない。私が許さない。
もう何度目か数える事もしなかった時間の戻りを経て──私はようやく家族に告げる事が出来た。
最初で最後の贈り物。私から贈る、大切な言葉。
「お父様、お母様、兄弟にミリス」
みんなみんな
「死んでください」
どうぞ受け取ってくださいませ。
※ダークシリアス基本に途中明るかったりもします
※他サイトにも掲載してます
本物の恋、見つけましたⅡ ~今の私は地味だけど素敵な彼に夢中です~
日之影ソラ
恋愛
本物の恋を見つけたエミリアは、ゆっくり時間をかけユートと心を通わていく。
そうして念願が叶い、ユートと相思相愛になることが出来た。
ユートからプロポーズされ浮かれるエミリアだったが、二人にはまだまだ超えなくてはならない壁がたくさんある。
身分の違い、生きてきた環境の違い、価値観の違い。
様々な違いを抱えながら、一歩ずつ幸せに向かって前進していく。
何があっても関係ありません!
私とユートの恋は本物だってことを証明してみせます!
『本物の恋、見つけました』の続編です。
二章から読んでも楽しめるようになっています。
婚約者が継母や妹に陥れられそうになっているので、それを利用して継母たちを陥れることにした
柚木ゆず
恋愛
母フルールの病死による父ドナルドの再婚により、伯爵令嬢アレットは現在継母であるカロル、半分血の繋がらない妹クラリスと共に生活をしていました。
そんなカロルとクラリスはアレットに逆恨みをしていて様々な形で嫌がらせを行い、父ドナルドは二人を溺愛しているため咎めることはありません。それどころかいつもカロル達の味方をして、アレットは理不尽だらけの毎日を過ごしていました。
そしてついにカロル達は、『トドメ』となる悪巧みを計画。アレットの悪事を複数個捏造し、アレットを屋敷から追い出そうとし始めるのですが――。カロル、クラリス、ドナルドも、まだ知りません。
様々な事情により、手出しできずにいたアレットの婚約者オーバン。彼にその行動を利用され、まもなく人生が一変してしまうことを。
※申し訳ございません。タイトルを再変更させていただきました。
動く死体
ozuanna
現代文学
⎯⎯ それはまるで真夜中の火事 ⎯⎯
夏の日、僕の部屋に現れたのは、『加納沙詠の死体』だった。 夏休みのほんの数日、まるで真夜中の火事のように、誰にも気付かれずに燃え尽きたものは何だったのだろう。ただ、彼は覚えている。忘れることはできないから。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる