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 神帝陛下についての認識度合い

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 ※ ここらで、ゼノリカの『主に対する認識度合い』について、少しだけ。




 ゼノリカの天上に属する者でも、『神がどれほどの高み』にいるか、具体的には知らない。

 というか、一ミリも知らないと言っても過言ではない。

 主に最も近い三至天帝ですら、




 ――おそらく、師の存在値は……我々の三倍近く

   ……いや、さすがにそれはないか? しかし、師ならばありうる――




 と、その程度にしか思っていない。






















 まさか、主の力が『現時点のMAXで17兆だ』などと夢にも思ってはいない。

























 しかし、それも、当たり前の話。

 彼らの認識では、三至天帝の領域――『存在値999』で、神より強い、生命の限界に達した領域。

 噂に聞く、『超神』や『究極超神』と呼ばれる超々々々高次生命ともなれば、間違いなく1000を超えているだろうとは思っている。




 が、それでも自分たちの『1・5倍』か、

 もっとぶっとびでズバ抜けていたとしても『2倍』くらいだろう。




 それが、現世における認識の限界。




『3倍はさすがに言い過ぎだろうな……しかし、倍以上は確実。我らの倍とはなんと凄まじい力……神という領域は、やはりハンパではない』




 それが、彼らの『常識の範囲内で予想できる領域』の限界。




 三至天帝は、何度か現世で、センと闘った事がある。

 その時に感じた存在値を、仮に数値化すると自分達の2倍か2・5倍、もしそれより上だったとしても3倍まで。

 その程度の判断が限界であり、そして、その認識は、一応、事実でもある。

 弟子と組手する際に神化するほど、センはイカれていない。













 Q 今まで、センは、自分の存在値を言わなかったの?

 A 言って、ナニになんの?

   現世では『3000』も『17兆』も、

   『誰も相手にならない』という意味で同じなのに。




   それなのに、知ってもらいたいってだけの理由で、必死に証明する?

   まず、どうやって証明するのって話もある。




   アリに、ゴリラと幼女の握力の違いを正確に理解させられる?




   概念レベルで理解不可能という時点で、知性のあるなしはほとんど関係ない。

   もちろん、センならば可能。

   いくつかの手段を用いて、己の力を証明する事は可能。

   けれど、それは、すなわち、こういうこと。




   『ほらほら、俺の力、17兆だよ? 見て見て。

    5000とか、10000とか、530000とかでも、

    もう、わけわかんない領域で、たいがいブッチギリなのに、

    それよりも、遥かに上で、

    1億とか、10億とか、100億とかでもなく『兆』の領域だよ?

    お前らが超えられない1000という壁を超えて、かつそれの1億倍、

    それよりもっともっと上の、17兆だよ?

    よくわかんない? ちょっとまって、こうした方が分かりやすいかな。

    え? まだわからない? めんどいなぁ、じゃあ、これならどうだ!

    ほら、ね? 俺、強いでしょ?

    その気になれば、全宇宙をワンパンだよ?

    俺、すごくね? ねぇ、すごくね?』



















   ……凶悪にダサくね?







 ――センは、特に理由もないのに現世で神化するDQNでもなければ、自己顕示欲の塊(いかに自分が強いか必死に説明するクソダサ野郎)でもない――







 ――ゆえに、ゼノリカの天上、その『最上層』であっても、

                 センの正確な実力は把握できていない――







 『神という超次の存在が実在する事』くらいなら当然、『天下』の者でも知っている(認知レベルに差はあれど)し、『天上の何名か』は、実は、『実際にセン以外の神にも会った事がある』のだが、当然、神々は、コスモゾーンによる概念制御を受けているため、仮に、




「神の存在値は、『数百万』とかが当たり前だよ」

 と言われても、

「じゃあ、その力を見せてみろや。ありえねぇだろ」




 と言われて、セン以外の者では証明出来なくて終わり。










 ――だった。

 今までは。

 しかし、ここからは違う。










 三至天帝は、輝き始める。

 神の領域。

 長く超えられなかった壁、存在値1000を遥かに超越した『神の領域』に足を踏み入れる。







 そして、ゆえに、だからこそ、『知る』事になる。







 自分たちの師が、想像を遥かに超える高みにあるということ。




 理解しているつもりだったが、

 『勘違い』すら出来ていなかったと言う、

 そのトチ狂ったような事実に、




 ゼノリカの者達は、

 これから、徐々に、気付いていく。



















 ――そして、ゼノリカは、

 センにとって、より面倒くさい、狂信者の集団になっていくのだったとさ。













 めでたし、めでたし。




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