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存在値1000を超えているバケモノ

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 問われて、特にこの中の代表と言う訳でもないのだが、なんとなく、平熱マンが口火を切った(こんな状況で誰が最初に口を開くか……というルールはない。『流石にそこまで想定していない』という訳ではなく、こんな状況は『ありえなさすぎて、むしろ設定されていなかった』という意味)。




「間違いなく。……で、あなたは誰ですか?」




 肯定からの、流れるような問いかけを受けたアダムは、誇らしげに、その大きな胸をプルンと張って、口角を若干上げて、




「このたび、もったいなくも、偉大なる絶対唯一神の側仕えに任命されたアダムという者だ」




 ハッキリとそう言った。




 自信満々、優越感たっぷりに、続けて、




「これから、ここにいる全員の上司という事になる。異論があるなら聞こう。なんなら、まとめて相手してやっても構わない。一時間以内に全員殺してやる。……ただ、私の言葉に反するは、主上様に対する反逆、その尊き御意志に逆らう事だと知れ」




「ふぁっふぁ。別に、ぬしが上司で構わんよ。どうやら、事実、余を超える高みにあるみたいじゃしのう」




 がんとして好々爺を貫いて、柔らかな口調を通してはいるが、実のところ、それは、上位者としての建前というか見栄でしかない。

 背後にいる配下(直属の九華)たちの手前、絶対にみっともない姿を見せる訳にはいかないから、『別に動揺とかしてませんけど?』感を出しているだけであって、実は、心の中ではかなりメラっときている。




 外面を気にせず自由に本音を口に出せる立場であったなら、今頃、顔を真っ赤にして、

『ちょ、おまっ、ふざけっ……なんじゃ、その強さ! ふざけんな! 余より遥かに強いとか、どんだけっ!』

 と叫んでいる事だろう。







 ゾメガと違い、『強さ』にさほど価値を感じていないミシャは、心から、




「そのようね。とてつもない強さだわ……『神に成った』という訳でも『壊れ堕ちた』という訳でもなく、存在値1000の壁を超えている者がいるなんて、驚いたわね」




 対照的な二人の『ちょうど中間』とも言うべきフラット過ぎない態度で、平熱マンが続く。




「一度、手合わせを願いたいところですね。素晴らしい武をお持ちだ。ほれぼれします」




 三名の意見を聞いたアダムは、満足げな顔でうなずいて、




「話が早くて助かる。……ふむ、なるほど。三名とも、気品があり、落ちついている。内心はともかく、それをおくびにも出さない胆力は、ただただ見事。それぞれの武もなかなか……流石は、主上様の系譜に連なる者たちだ。……しかし」




 そこで、アダムは、ゾメガたちの後ろに立つ者に視線を向けて、










「シモベの方は……少し質が低いようだな。嘆かわしい」










 ボソっとそう言いながら、値踏みを続けるアダム。

 ふと、アダムの目が、




「……ん」




 ジャミをとらえる。




「一匹だけ、小マシなのが混じっているようだが、ソレでも、主上様のシモベに相応しいかと問われれば、即答で否。まったくもって鍛錬が足りん。……もしかして、貴様ら、己が、どれほどの御方の下にいるのか、よく分かっていないのではないか? いや、分かっていないのだろうな。でなければ、そんな無能のままではいられまい……まったく」




 アダムに睨まれて『委縮する者』などはいない。

 しかし、覇気で返せる者もいなかった。




 アダムの暴言に、イラっとしなかったかと言われれば否定はできない。

 しかし、アダムの強さがハンパなさすぎて、誰も言葉をかえせない。







 ジャミ(神の側仕えアダム……なるほど。素晴らしい。その『天元突破した美しさ』すら霞む、輝くような武の極み……この者の目から見れば、私ですらゴミ……反論の余地もない。だが、越えられないとは思わない。私はまだ若い。いつか必ず三名の至天帝陛下を超え、そして、あのアダムなる者をも越えてみせる)




 パメラノ(ゾメガ様よりも圧倒的に強い者か。『神』以外では、はじめて見たかもしれんのう。ひひひっ。長生きしてみるもんじゃのう。世界は本当に面白い)




 サトロワス(はっはー、何も言い返せないねぇ。正直、懐疑的だったんだが……どうやら、神帝陛下は、本当に、聖剣至天帝陛下を超えているらしい。ふっふっ……「最強」は聖剣至天帝陛下で、神帝陛下は、あくまでも「象徴」かと思っていたのだが、どうやら間違いだったようだ。……単なる従者の一人が、『勇者の神であらせられる平熱マン様』をも遥かに上回るとは……笑える話じゃないか。いやはや、世界ってのはほんとうに広いらしい。己の視野の狭さを恥じるばかりだねぇ)




 アルキントゥ(けた違いの身のこなし……気を抜けば失神しかねない怒涛の覇気。おそらく……いえ、確実に、わたくしが百人いても勝てませんわね。1000人いてやっと……といったところでしょうか。本当に、お見事ですわ。……もっとも、やり方次第では、一泡吹かせる事くらいなら出来るかもしれませんが……ふふふ)




 バロール(と、と、とてつもない強さ……あれこそが『世界最強』じゃないのか? いや、最強だ! マチガイナイ! あれより上ってどんなんだ?! く……ぅ……ほ、ほんとうに、神帝陛下は……ぁ、あれほどの力をも超えているというのか……? あり、えなぃ……っ……そ、それは、いったい、ど、どれほどの高みだというのだ……)




 テリーヌ(アダム……か。凄いな。何をしたら、あれほどの高みに至れるのだろうか……やはり、神の手ほどきを受けているからか? しかし、それならば、ミシャンド/ラ様も同じ……うぅ、む……)







 誰もが、アダムの強さに感嘆する。

 三至天帝ですら届かぬ高み。







 ――アダムは強すぎる。
















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 九華十傑まとめ




 第一席「ジャミ・ラストローズ・B・アトラー(若いイケメン、チート野郎:魔人)」

 第二席「パメラノ・コット・N・ロッド(威厳のある背の低い老婆:スプリガンの進化種)」

 第三席「サトロワス(イイ感じのオッサン)」

 ――世界が消滅しているため、欠番――

 第五席「アルキントゥ(上品で艶っぽい熟女:魔人)」

 第六席「ブナッティ・バロール(大柄猿顔の偉丈夫:鋼猿の進化種)」

 第七席「???」

 第八席「ロックロック・テリーヌ(長身ゴリラ顔の美人)」

 第九席「???」




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