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第3章 二人の冒険
第27話 『リュー編』初めての仕事。
しおりを挟む俺はカードに写っている文章を見て、絶句していた。
俺は自分のステータスを見て、固まった。
こ、これって………あああああ、憧れの、あの、『チート』ですよね。これはきっとJの血を舐めたから、低かったステータスがぐぐんっと上がったと思われる。
感激!チート大歓迎!最恐竜のお陰で、俺のチートライフが始まったんだ!
俺は嬉しくてJに向かって手を合わせると、『なんの儀式だよ』とツッコまれた。
それはいいとして、ギルド登録し終わった俺は、次は何をすればいいのかを聞いた。
「なぁ、登録完了した俺だけどさ。この後はどうする」
「折角登録したんだ。依頼を受けてみてはどうだ?」
「依頼……。クエストみたいな?」
「そうだ。受け付けの横にある看板に依頼表が貼られている。自分のランクにあったクエストをやるのが決まりだ。しかし、リューは初めてだからな………。最初は簡単なCランクのクエストをやってみるか」
看板に貼ってある紙を1枚取ると、受け付けの人に渡した。
「この依頼でよろしいでしょうか?」
「お願いします」
Jとは思えない高い声で答えた。その度に吹き出しそうになる。堪えていると、Jは俺の様子が気になるのか、ガン見している。
「な、なんだよ」
「いや、楽しそうだなと思ってな。そんなに楽しみか?」
楽しいとかそういうレベルじゃない。これは。
「楽しそうならそれでいい。で、どんな依頼にしたんだ」
「内容はギルドカードに登録してあるから、そこから見るといい。あの、お姉さん。この依頼もお願いできますか?」
「はい。………これはBランクですが、貴女のランクはいくつで」
「?普通にSランクだが、それが………。ん?どうした?そんな顔をして」
受け付けの人はSランクと言う言葉に固まった。俺はまだランクの高さがどれくらいか知らない。
Jは自分が言った言葉の意味に気づかず、受け付けの人に話しかける。
「どうしました。マヌケな顔ですよ?」
Jの言葉に反応し、綺麗な女性は慌てずにゆっくり返す。
「あ、すいません。Sランクはあまり聞かない物ですから………」
………そりゃ戸惑いますね。
「ごめんなさいね。前にいた街は当たり前にSランクが歩いてるの」
「は、はい」
Jさんやめてあげて!スタッフの体力が0だから!
依頼を2つ受け、俺達は退場する。連れていく途中、Jは女性に向けて『また来ますね♪』と明るい声で言う。
女性の方はというと、衝撃過ぎる言葉を真に受けてぐったりしていた。お疲れ様です。
依頼は2つまとめると、こういう感じだ。
≪素材を集めてきて!
コカイン草 3個
ゲイル草 5個
報酬 250コル ポーション(小)2個≫
≪モンスターを討伐してきてくれ!
目標、スカッシュゴブリン 3体
ユニコーンラビット 5体
報酬 1000コル 薬草饅頭 5個≫
という感じ。
言い忘れていたが、コルはこの世界のお金。100コルが100円と日本とほぼ変わらない。1円玉は無いが、10円玉から一万円までここも日本と変わらずだ。
この話は置いとくとして、俺は2つツッコみたい事がある。
………スカッシュゴブリンって何だよ!?甘ったるいシュワシュワしてるメロンソーダかっ!メロンスカッシュか、いちごスカッシュかよ!
後、コカインってあれだろ。有名な麻薬だよね?中毒症にはならないのだろうか……不安だわ。
「スカッシュゴブリンは、どんなゴブリンなんだ?普通のゴブリンは知ってるけど、スカッシュは初めて聞いたよ」
「スカッシュゴブリンはその辺りのゴブリンとは違い、金色のボールを複数持つゴブリンだ。歩いていれば普通に出会えるぞ」
「………は?」
今、何て言ったんだこいつ。
「攻撃パターンは、持っている武器でボールを打つ。スカッシュゴブリンは一体一体ボールの数が違うから、見分けがつかない事が多いモンスター。ボールの数が多ければ多いほど、そいつは…………さっきから表情がコロコロ変わってるが、我は変な事でも言ってるか?」
「いえ、ナンデモアリマセン。ハイ」
スカッシュゴブリンに会ったら、即座に逃げようと考えているのは俺だけか?
ゴブリンに会いたくないと、望み続ける俺であった。帰りてぇー。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(’・д・)←こんな顔してます。
次回、スカッシュゴブリンに会いたくないのにフラグが立つ。
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