上 下
32 / 69
第3章 二人の冒険

第27話 『リュー編』初めての仕事。

しおりを挟む





俺はカードに写っている文章を見て、絶句していた。

俺は自分のステータスを見て、固まった。
こ、これって………あああああ、憧れの、あの、『チート』ですよね。これはきっとJの血を舐めたから、低かったステータスがぐぐんっと上がったと思われる。
感激!チート大歓迎!最恐竜のお陰で、俺のチートライフが始まったんだ!
俺は嬉しくてJに向かって手を合わせると、『なんの儀式だよ』とツッコまれた。

それはいいとして、ギルド登録し終わった俺は、次は何をすればいいのかを聞いた。


「なぁ、登録完了した俺だけどさ。この後はどうする」

「折角登録したんだ。依頼を受けてみてはどうだ?」

「依頼……。クエストみたいな?」

「そうだ。受け付けの横にある看板に依頼表が貼られている。自分のランクにあったクエストをやるのが決まりだ。しかし、リューは初めてだからな………。最初は簡単なCランクのクエストをやってみるか」


看板に貼ってある紙を1枚取ると、受け付けの人に渡した。


「この依頼でよろしいでしょうか?」

「お願いします」


Jとは思えない高い声で答えた。その度に吹き出しそうになる。堪えていると、Jは俺の様子が気になるのか、ガン見している。


「な、なんだよ」

「いや、楽しそうだなと思ってな。そんなに楽しみか?」


楽しいとかそういうレベルじゃない。これは。


「楽しそうならそれでいい。で、どんな依頼にしたんだ」

「内容はギルドカードに登録してあるから、そこから見るといい。あの、お姉さん。この依頼もお願いできますか?」

「はい。………これはBランクですが、貴女のランクはいくつで」

「?普通にSランク・・・・だが、それが………。ん?どうした?そんな顔をして」


受け付けの人はSランクと言う言葉に固まった。俺はまだランクの高さがどれくらいか知らない。
Jは自分が言った言葉の意味に気づかず、受け付けの人に話しかける。


「どうしました。マヌケな顔ですよ?」


Jの言葉に反応し、綺麗な女性は慌てずにゆっくり返す。


「あ、すいません。Sランクはあまり聞かない物ですから………」


………そりゃ戸惑いますね。


「ごめんなさいね。前にいた街は当たり前にSランクが歩いてるの」

「は、はい」


Jさんやめてあげて!スタッフの体力が0だから!




依頼を2つ受け、俺達は退場する。連れていく途中、Jは女性に向けて『また来ますね♪』と明るい声で言う。
女性の方はというと、衝撃過ぎる言葉を真に受けてぐったりしていた。お疲れ様です。


依頼は2つまとめると、こういう感じだ。



≪素材を集めてきて!


コカイン草  3個

ゲイル草  5個


報酬  250コル  ポーション(小)2個≫


≪モンスターを討伐してきてくれ!


目標、スカッシュゴブリン  3体

ユニコーンラビット  5体



報酬  1000コル  薬草饅頭まんじゅう  5個≫




という感じ。


言い忘れていたが、コルはこの世界のお金。100コルが100円と日本とほぼ変わらない。1円玉は無いが、10円玉から一万円までここも日本と変わらずだ。


この話は置いとくとして、俺は2つツッコみたい事がある。
………スカッシュゴブリンって何だよ!?甘ったるいシュワシュワしてるメロンソーダかっ!メロンスカッシュか、いちごスカッシュかよ!
後、コカインってあれだろ。有名な麻薬だよね?中毒症にはならないのだろうか……不安だわ。


「スカッシュゴブリンは、どんなゴブリンなんだ?普通のゴブリンは知ってるけど、スカッシュは初めて聞いたよ」

「スカッシュゴブリンはその辺りのゴブリンとは違い、金色・・のボールを複数持つゴブリンだ。歩いていれば普通に出会えるぞ」

「………は?」


今、何て言ったんだこいつ。


「攻撃パターンは、持っている武器でボールを打つ。スカッシュゴブリンは一体一体ボールの数が違うから、見分けがつかない事が多いモンスター。ボールの数が多ければ多いほど、そいつは…………さっきから表情がコロコロ変わってるが、我は変な事でも言ってるか?」

「いえ、ナンデモアリマセン。ハイ」


スカッシュゴブリンに会ったら、即座に逃げようと考えているのは俺だけか?
ゴブリンに会いたくないと、望み続ける俺であった。帰りてぇー。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(’・д・)←こんな顔してます。




次回、スカッシュゴブリンに会いたくないのにフラグが立つ。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。 魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。 だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。 見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。 「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

転生調理令嬢は諦めることを知らない

eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。 それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。 子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。 最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。 八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。 それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。 また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。 オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。 同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。 それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。 弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。  主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。  追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。  2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。

処理中です...