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第2章 幼馴染

第9話 真顔神と申します

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バイクにひかれた筈なのに、痛みがないまま気を失った。
疑問に思いながら、起き上がると真っ白い空間が広がっている。


(ここはどこ?まだ………生きてる?)

『いえ。貴女は死にました。早羽瞳さん』

「!?」


聞き覚えがある声が、空間に響き渡っている。顔を上げると、白く腰まで伸びた髪をしている、女性が立っていた。
これが絶景の美女と言えばいいのだろうか、頭の中がごちゃごちゃしすぎて表現力が無くなっている。バイクにはねられる前に、声をかけたのは彼女なのかもしれない。


「あなたが、私を……?」

『お察しの通り、声をかけたのは私です。ああ、自己紹介が遅れましたね。私は真顔神・・・と申します』

満面な笑みをしないで会釈をする。

「ま、真顔、神?神様なの?」

『はい。私は、あなた方が居た『地球』ではご存知な神様です。そして、私は転生を管理する一人。貴女の幼馴染、彼ーーー朝日竜亮を担当しました』

「竜くんが!?」


彼女が神様であり、その上竜くんを知っている。ここで分かる事は、私も死んでしまったということ。
真顔神は竜くんと対面した時は、どんな話をしたんだろう?


『本題に入りますが、異世界に転生した彼の所へ行きたいですか?』

「竜くんが居るなら、ね。私も転生するんですよね」

『記憶を持ったままなら、転生しかありません。これは彼にも質問したことですが………貴女はチート・・・を望みますか?』

「チート?貰えるなら、欲しいけど………。いいの?」

『私に聞かれてもお答えできません。これから決める人生ですから、貴女が決めてください。もう一度聞きますけど、チートはお望みですか?』


真顔でペラペラと喋り続ける真顔神さんを見て、格好いいな(クールだな)と思えてしまう。流石は神様と言うだけはある。(神様ですよ)


「はい。チートを私にください!真顔神さん!」

『………わかりました。貴女には、魔法を操るチートをあげましょう』


真顔神は掌を広げると、虹色の炎が出てきた。宙に浮かすと、私の胸に近づける。虹色の炎は胸の中へ吸い込まれていった。


「これは………」

『今、入れた炎は魔法を操る力が詰まった物です。これで魔法を使うことが出来ますよ』

「さっきのが!?流石、神様………」

『ああ。メリットばかりでは、良いことがないのでデメリットも入れときました』

「デメリット?」


パチッと指を鳴らしたと思ったら、私が立っていた地面が無くなり、私は「え!?なんで!」と叫んでしまった。落ちていると、上から真顔神が叫んでいる。


『デメリットはーーー、強力な魔法を操る時にーーー発動しまーす。内容はー、








性別逆転・・・・ですからーー』


「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?そんなの、いやだぁぁぁぁぁ!」


絶叫しながら、暗闇に飲み込まれていく。


『ふふっ。面白くなりましたね……。竜亮さん』







ーーーーーーーーーーーーーーーーー
真顔神様、再登場!

そして、竜亮を追って、転生した瞳。
お気に入り、10人突破!ありがとうございます!


次回に続く!
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