14 / 69
第2章 幼馴染
第9話 真顔神と申します
しおりを挟むバイクにひかれた筈なのに、痛みがないまま気を失った。
疑問に思いながら、起き上がると真っ白い空間が広がっている。
(ここはどこ?まだ………生きてる?)
『いえ。貴女は死にました。早羽瞳さん』
「!?」
聞き覚えがある声が、空間に響き渡っている。顔を上げると、白く腰まで伸びた髪をしている、女性が立っていた。
これが絶景の美女と言えばいいのだろうか、頭の中がごちゃごちゃしすぎて表現力が無くなっている。バイクにはねられる前に、声をかけたのは彼女なのかもしれない。
「あなたが、私を……?」
『お察しの通り、声をかけたのは私です。ああ、自己紹介が遅れましたね。私は真顔神と申します』
満面な笑みをしないで会釈をする。
「ま、真顔、神?神様なの?」
『はい。私は、あなた方が居た『地球』ではご存知な神様です。そして、私は転生を管理する一人。貴女の幼馴染、彼ーーー朝日竜亮を担当しました』
「竜くんが!?」
彼女が神様であり、その上竜くんを知っている。ここで分かる事は、私も死んでしまったということ。
真顔神は竜くんと対面した時は、どんな話をしたんだろう?
『本題に入りますが、異世界に転生した彼の所へ行きたいですか?』
「竜くんが居るなら、ね。私も転生するんですよね」
『記憶を持ったままなら、転生しかありません。これは彼にも質問したことですが………貴女はチートを望みますか?』
「チート?貰えるなら、欲しいけど………。いいの?」
『私に聞かれてもお答えできません。これから決める人生ですから、貴女が決めてください。もう一度聞きますけど、チートはお望みですか?』
真顔でペラペラと喋り続ける真顔神さんを見て、格好いいな(クールだな)と思えてしまう。流石は神様と言うだけはある。(神様ですよ)
「はい。チートを私にください!真顔神さん!」
『………わかりました。貴女には、魔法を操るチートをあげましょう』
真顔神は掌を広げると、虹色の炎が出てきた。宙に浮かすと、私の胸に近づける。虹色の炎は胸の中へ吸い込まれていった。
「これは………」
『今、入れた炎は魔法を操る力が詰まった物です。これで魔法を使うことが出来ますよ』
「さっきのが!?流石、神様………」
『ああ。メリットばかりでは、良いことがないのでデメリットも入れときました』
「デメリット?」
パチッと指を鳴らしたと思ったら、私が立っていた地面が無くなり、私は「え!?なんで!」と叫んでしまった。落ちていると、上から真顔神が叫んでいる。
『デメリットはーーー、強力な魔法を操る時にーーー発動しまーす。内容はー、
性別逆転ですからーー』
「ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?そんなの、いやだぁぁぁぁぁ!」
絶叫しながら、暗闇に飲み込まれていく。
『ふふっ。面白くなりましたね……。竜亮さん』
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
真顔神様、再登場!
そして、竜亮を追って、転生した瞳。
お気に入り、10人突破!ありがとうございます!
次回に続く!
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
転生領主の領地開拓 -現代の日本の知識は最強でした。-
俺は俺だ
ファンタジー
今年二十歳を迎えた信楽彩生《しんらくかやせ》は突如死んでしまった。
彼は初めての就職にドキドキし過ぎて、横断歩道が赤なことに気がつかず横断歩道を渡ってしまった。
そんな彼を可哀想に思ったのか、創造神は彩生をアルマタナの世界へと転生させた。
彼は、第二の人生を楽しむと心に決めてアルマタナの世界へと旅だった。
※横読み推奨 コメントは読ませてもらっていますが、基本返信はしません。(間が空くと、読めないことがあり、返信が遅れてしまうため。)
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
ガルダ戦記、欲しい世界は俺が作る!
夏カボチャ
ファンタジー
主人公のガルダはある日、弧ギツネのパパに成ることを決意した、一緒に暮らすなかで互いの成長と出会いだが、ガルダ達は新たな戦いの渦に巻き込まれていく。
ガルダは戦いの中にある結論を出すのであった、欲しいものは自分の力で掴み取ると。
ガルダと仲間達を待ち受ける運命が動き出す。
よろしければ見てやってください(〃^ー^〃)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる