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第四章 異世界を自由に静かに……生きたい
No.12
しおりを挟むぐわあああぁぁぁぁぁぁ!
と冒頭から何を叫んでいるのかというと……あの臭い派手騎士がいるじゃあ、アーリませんか!
まじ、まじ勘弁してほしい。
アスカたちも臭い臭いとぶつぶつ……。
「……先程はこのものが失礼いたしたでござる。拙者は、ナレルドーナと申す。此奴は拙者の部下でござり……領主様より命じられ歌姫様と天使様をお迎えに上がったのでござるが。
他のものより聞いてなんと謝罪をすれば良いのか……本当に申し訳ないことでござる。
此奴の首で済むのであれば、すぐにでも打首にするでござるがいかがでこざろうか?
もちろん拙者も此奴の上司ゆえ責任を取り、この腹かっさばく所存。
それで、どうか許してはもらえぬであろうか?
領主は、ただ御二方にお会いしたかっただけでござるゆえ。」
……何故にここに侍が?それもござるでござーる。
「えーっと?むかついてはいるけど……別に打首やら切腹やらはいらんよ?」
そんなん見せられる方が嫌だし!
「な、なんと!なんと寛大な!やはり天使様でござる。」
「いや、天使じゃないし。とりあえず、その派手な騎士をうちらに近づけなければいいや。」
「承知したでござる。此奴を引っ立てて、牢にぶち込み反省させるでござる!」
「「はっ!」」
牢にぶち込みもいらないけど……この町から出て行った後に出してもらえるようには伝えてあげよう。
ふっ、武士の情けじゃ!なんてね。
しかし、なんなんだよ……さっきの派手騎士はさ、うーんとなんてーの?中世の聖騎士団?みたいな甲冑なんだけど……キラキラの宝石やら金やらで……成金趣味つーの?で臭いわけ。
かたや、このなんか侍さんは日本の昔の武将かよ!って感じなんだけど……パクってるんだよ。
かの武将直江様を。
兜に愛の文字入れてんだよ……って、日本語!あっ、でも愛の下に雲がない。エセ直江兜やん。
まあ、私も詳しくは知らんが……。
でも、まって?
この世界の文字じゃないよね?
それに……どう見ても侍だけど……髪色……緑やん。
この世界、言ったっけ?割と髪には色んな色がある。もち、天然。
黒髪はどーも少ないらしいんだけどね。サーベルたち以外で見たことないからさ。サーベルも黒に限りなく近い青いらしいんだよね……。
栗色の髪が多いかな?
銀髪、金髪、青髪、茶髪、赤髪……などなどです。
青髪は割と見るけど緑は初めてかもしれない。
綺麗だけどね。
緑の髪した茶色の目のガタイのいい侍……。アニメか?
「では、拙者と領主のもとへ参っていただけるのでござるか?」
「うん、どちらにしろ外出れないじゃん?」
「それは、申し訳ないでござる。拙者は詫びを入れるため、出口に現れたら拙者を呼ぶように伝えたのでござるが……やはり、彼奴は打首に……?」
どーやら、さっきの派手騎士が関わってるみたいだ。
無能……この二文字が浮かぶ……。
「すぐに門を開けもうすが、出来たら領主様にお会いしては、もらえぬでござらんか?」
ん?なんか今言い回し変じゃなかった?
まあ、いいか。
たぶん、エセ武将だろうし。
でも、なんで『武将』が………あっ、すっかり忘れていたけど、もしかして『囚われ人』だっけ?
が関係してるとか?
だとしたら……その時代の人が来ちゃったとかなのかな?
それが代々受け継がれた的な?
「まあ、もう会うために用意しちゃったし。会うだけだからいいよね?」
「俺はかまわん。」
「私も別にいいよ?」
「「臭いのいないからいいよ!」」
臭いのが問題なんだね……ティアたちは。まあ、獣は鼻もきくからしょうがないか。
「じゃ、そーゆーことで。」
「かたじけない。」
とまあ、エセ武将に連れられて馬車に……乗り込む。馬車は中世仕様なんだね。
『我に乗っていくか?』
うーん。それはとても魅力的だけど、街中でサーベルをだすとまずいっしょ?
シャルには悪いけど、大人しくしといて。
『承知した。だが、主に危険が迫れば……。』
わかってるよー。
結構大きな馬車で、全員入るとかすごいな。
ラナンとハロルドは外で警備しながら歩いているけど。
町中だから馬車はゆっくり走ってる。
早歩き程度のスピード。
これなら走ったり空気ローラーのが早い!
でもね、こんなフリフリでんなことできませんよね。
黒猫ファッションで良いのね~。
王様に会うのにだって、こんなん着てないのにさ……。
私は奏歌みたいにドレスには慣れてないのです。
ちなみに奏歌は、美しい!素晴らしい我が娘なのですよ。
シルバーグレイの落ち着いた色合いだけど、この世界にきて茶色の髪は琥珀色っぽくなって……目の色と同じ色に……髪と瞳の色が同じ者は、多大な魔力を持つと言われてる……ってまんまじゃんね。
コレは髪のほうに補正が入ったのかもね。
え?ああ、ロドリヌスはちゃうよ?でも、私も色までは見えないけど魔力を感じることはできる。
ロドリヌスは私より魔力操作に長けているから、隠蔽とかもできるので……最初は強いってことくらいしか、わからなかった。
でも、二人で(アスカとティアとシャルは一緒)過ごすようになって、まず言われたんだ。
『一度、隠蔽を解く……あんまり怖がらんでくれると、嬉しい。』
で、見せてもらったわけさ。
いや、うん。隠蔽するのわかるわ!って。
ああ、魔力総量が私のが上なら、私のが怖いんじゃないか?って?
いや、こればかりはさ……この世界に来てくんないと説明がむずい。
簡単にいうとか質とかかな?
強いて言えば、同じ1kの質量で綿ならふわふわてあんまり投げられても怖くないでしょ?
でも、それが鉄の塊ならどうよ?
それ投げられたら恐怖じゃない?
私は少なくとも怖いな。
つまり、そんな感じ?でわかる。
まあ、すんごい魔力の嵐を感じたわけさ。
ロドリヌス曰く、私の魔力の流れ?は、陽の光に似ているとかなんとか。で、奏歌のは清涼な風?だそうです。
その時、思ったのは……ロドリヌス、ポエマーだなと。
いや、乙女だよね?ロマンチストだと思う。
……悪い女に騙されないでよ?と思ったけど、すでに私に懸想している時点でアウト!かな。うん。
自分でいうのもなんだけど、趣味悪いよ……ロドリヌス。
なーんて、くだらないことを考えているうちにどうやら領主館に着いたもようです。
変な奴なら……どーしようかな?
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