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第三章 異世界を満喫する

No.7

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そんな感じで、時間は流れ……宴もたけなわってやつです。
歌って、聴いて、おしゃべりして……楽しくのんびりした時間を過ごした。
毎日が濃くて濃くて濃い時間だったけど、今日もある意味濃い時間だったけどもすごく楽しかった。
でも、夜も更けて。そろそろお開きにしようということに。
途中で何度か、料理も追加したのでさすがに腹減り欠食児童はいませんし?
ただ、同居に当たりもう一度宣言だけさせてくれと言われた。

「えーっと、なにを?」
「俺たちのきもちをだ。」
「んーと、答えは変わらないよ?」
「かまわん。なんというか……けじめみたいなもんだな。」
「とりあえず、心にとめておいてほしいのよ。」

としんみり言われたら、聞くしかないよね?

「わかった。」
「よし。」

どうやら、みんなで事前に話し合っていたらしい。

「まずは、成人を迎えたソカへ。」

コホン、と咳ばらいをしてからミリオンがソカに跪いた。

「ソカ。アタシ……。私はあなたが好き。これからもアプローチすることを許してほしいの。もちろん、貴方が嫌がることをする気はないけど。」

ラナンが今度は跪いた。

「つぎは、あたいだ。ソカ、あたいはあんたが好きだ。男も女も関係なくな。だけど、それ以上に守りたいと思ってる。一緒にいてほしい。」

次にハロルドが跪いた。
なに?跪くのは異世界の常識なんですか?

「最後は俺だ。初めて会ったときから好きだと思う。だから、俺のことも見てほしい。」
「あの…。」
「いいの、今は答えはいらないわ。ただ、あなたを好きで守りたいと思ってるってだけ…。」
「……うん、わかった。」

安心できる家が出来たということは、少しは余裕ができることだもの。
奏歌が誰かを好きになる可能性は大いにある。でも、節度あるお付き合いを切に願う。16歳、せめて18歳くらいまでは清いおつきあいを推奨したいのだけど…。
こればかりは、親といえど口出していいものか…。
だって、この世界だと成人してるし、稼ぎもあるし、反対する要素が少ないんだもん。

「でだ、ショウ。」
「え、私も?」
「当たり前だ。というわけで俺からだ。」

やはり、ロドリヌスが跪いたのだった。

「う、うん。」
「前にも言ったな。ショウが好きだ。愛しい。いつか、結婚してほしい。」
「ロドさん…。」
「つぎは、俺だ。」

って、ハリーお前もか。やっぱり跪くのはお約束らしい。

「ハリーさん。」
「俺はショウが好きだ。かわいい。ロドリヌス様と並ぶために英雄も受け継いだ。だから、俺とも考えてほしい。」
「ショウ、我も好きだ。我は雄でも雌でもないがショウが好きだ。主であっても渡したくない!しかし、我にはもう肉の器がない。快楽は与えられるが。故に決めた。我はショウに近づく雄を排除することにする。」
「って、お前は、封印されてーのか!」
「は、無駄なことを?」

って、あのさ……。

「喧嘩?」
「「いや、しないぞ?」」

前に切れたせいか、ロドリヌスとシャルが慌てる。

「ふーん。まあ、いいや。」
「つまり、ママを手に入れるには、父ではなく魔神のシャルを倒さないといけないのか。たいへんだねえ?あれ?でも、シャルってロドさんに負けたんじゃないの?」
「あら、じゃあ、不公平なんじゃないかしら?」
「まあ、恋に障害はつきものだし?不公平なんて当たり前なんじゃないかな?
それに、うちらはまだまだ成長するわけじゃない?」
「だよね?そしたら、世界も広がって出会いも増えるかもだし、ね。」

そうだよね?
出会いなんてわからないもんだしねえ。

「うん、みんなの気持ちはわかったよ。でも、私たちも前に言ったけど……今は二人のことで精一杯。やりたいことも山ほどあるし。もちろんみんなの気持ちを否定する気はない。ソカの気持ちをないがしろにしなければ、ソカのことはソカに任せる。
ただ、私はいくら中身が大人でも今は立派な(?)子供なわけで……ひとまずは、それ相応の年になるまでは待ってほしいと思う。」
「「わかった。」」
「まさか、ショウからそんな言葉を聞けるなんて……。」
「ありがとう、ロドさん、ハリーさん。ミリさん、失礼なこと言うならミリさんだけ反対してもいいんだよ?」
「ふふふ、ごめんなさいね?だって、意外だったんですもの。」
「だって……。」

奏歌が無事に高校生活を送れていたら……彼氏だって出来ていたかもしれないじゃない?
そうしたらさ、ねえ?
相手にも問題がない限り反対なんかできないじゃない?だから、本人に任せる。
うん、それが一番だ。
みんなで納得した後は部屋に戻った。今日のお片づけは自分たちがするといわれ、奏歌と二人部屋へと促された。
お言葉に甘えて、部屋まで来ると。

「えへへ、ママ大好き。いつまでも一緒にいようね。」

奏歌が笑った。

「うん、うん。」

すごくうれしい。もちろん、好きな人が出来れば変わっていくのはわかってる。
でも、いまはそう言ってくれるのはとてもうれしい。

「ママ、お互い好きな人が出来たら……教えっこしようね?絶対だよ?約束ね。」
「うん。」

うん。でもたぶん、わたしは……。

「ソカ、大好き。いつまでもソカは、大切な娘だからね。」
「うん。じゃ、おやすみ。」


こうして、私たちは初めて自分の部屋と呼べる部屋での夜を迎えたのだった。
ちょっとだけ、さみしいって思ったのは内緒だ。



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『いいかげん、メールに気づいてくれないかな…。ぶっちゃけさ、楽しんでたところあるんだけど……、マジで、なんかさ……まずいかもなんだよう……。』


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