88 / 124
第三章 異世界を満喫する
No.3
しおりを挟むもう、この際だ。
とりあえず、ティアが大きくなっていることは、置いておこう。
この先の変化で考えるしかない。
今から考えたところで仕方がないし、なんならここにティア用のハウスを建ててもらうことも考えよう。
幸いにもここは個人邸宅である………ロドリヌスにお願いすればあの森の中に作れるんじゃないかと思うし、土地は借りることになるけども家を建てるお金は用意するつもりだ。
もしかしたら、今あるお金でもなんとかなるかもしれないしね。
まだ、私サイズであるし。
そうだな、大人サイズを………もちろんこの世界のだ………超えたら考えよう。
魔法を駆使すればきっと何とかなるだろうし。
「まあ、生きた伝説だしね。今日は深く考えるのやめようよ。
せっかくホームが出来たんだもん。
そんな日に成長したんだから一緒にお祝いしようよ。ね、ママ。」
うむ。それもそうだ。
「そうだね。」
「おう、成長するのはいいことだしな。お前もティアみたいにサクサク成長してくれたらいいんだがなあ。」
とロドリヌスにため息をつかれたが私だって早く大きくなりたいさ。
そう娘を身体ごと守れるようにね。
だって、こんな小さな手じゃ守るに守れないもん。
「おおおーい!」
下から呼ぶ声がする。
どうやらしびれを切らしたようだ。
「ごめーん、いまいくよー。ほら、ママ、ロドさん、いくよ!」
「うん、わかった。ティアもいこう。」
『はーい。』
階段を下りる寸前でまた抱っこされてしまった。もちろん、ロドリヌスにだ。
階段は危ないからな。
と言われたが、じゃ、なんで私の部屋を二階にしたんだって話になるんだが……。
「じゃ、なんで二階にしたの?」
「一階も危ないだろ?」
それは外敵という意味か?でも、ロドリヌスの結界石による結界って、国で最高値なんじゃないの?
ほかに危険ってあんのか?と言ったけど、危ないものは危ないんだと……言うだけに終わった。
一体何をもって危険なんだろうか?
「おそかったわねえ?って、ティア!?」
ミリオンがティアを見てびっくりしている。
「そう、なんか育ったみたいだよ。」
奏歌が軽い言葉を返す。
「は…………、もう、なんでもありねえ。」
ミリオンが諦め顔で私をチラチラ見る。って、コレは私のせいじゃないと思うんですけど?
「たしかにな。」
とロドリヌスが言って皆んな頷いていた。
「……なんか、ものすごくごめんなさい………。」
と言わずには、いられなかったよ………。私のせいじゃないのに。大事なことだから、二回ね!
まあ、シャルも出てきてみんなでおしゃべりタイム。最初は、お手伝いに代わる代わるきていたのだけども………はっきり言って邪魔にしかならなかった。ミリオンでさえも………その中で役に立ったのはいがいにもハロルドだった。
意外にも(失礼)器用で、野菜の皮をむいていった。
「ハロルドは料理とかするの?」
「いや?ただなあ、ハリーがつえーけどものスゲー不器用なんだよ。」
ああ、さっきも玉ねぎもどきをむいてもらったのに………どうすればそうなるのかわからないんだけど、手を切っていた。いや、刃物使ってないよね?なんでさ!
ってことで、ヒールをかけた後にキッチンからでていってもらった。あれでナイフ使ったらどうなるの?
出て行ったといってもカウンター式というかアイル式というか………同じ部屋なんですけどね。
「で、魔獣狩って解体させたらぐちゃぐちゃ………買取できなくされて………「おい!」………てわけだ。」
は、バディとしたら切実だったわけだね。ハリーは苦虫を潰した様な顔をしている。
しかし、冒険者って不器用さんたちのあつまりなの?
剣とナイフってそんなに違うのか?
激しく不思議だ!皆んな強いんだよね?
その後、奏歌も手伝いに来たんだけど、誕生日でもあるので座ってもらうことにした。
やっぱ、母としたらね?私が祝ってやりたいし。
それに祝う相手に手伝ってもらうのは気がひけるしね。
ピアノも引いてもらうのに怪我して欲しくない。
でだ、以外にも一番不器用に不器用すぎたのはミリオンなのですよ。
器用に何でもこなしそうなのに……残念だな。
「まあ、ミリさんは、お王子様なんだもん。できなくて当たり前か。」
ああ、……でしたねえ。
でまあ、ロドリヌスも割と使えた(意外だった)……でも、作るそばからつまみ食いをするので、強制終了だ。
ラナン?問題外でした。手を切ったりではなく……素材を握りつぶすこと数度……もったいないのでやめていただいた。
というわけで、現在ハロルドに手伝ってもらいながら着々と料理が出来ているのだ。
ハロルド、マジ使える奴でした!
0
お気に入りに追加
1,411
あなたにおすすめの小説
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
物語のようにはいかない
わらびもち
恋愛
転生したら「お前を愛することはない」と夫に向かって言ってしまった『妻』だった。
そう、言われる方ではなく『言う』方。
しかも言ってしまってから一年は経過している。
そして案の定、夫婦関係はもうキンキンに冷え切っていた。
え? これ、どうやって関係を修復したらいいの?
いや、そもそも修復可能なの?
発言直後ならまだしも、一年も経っているのに今更仲直りとか無理じゃない?
せめて失言『前』に転生していればよかったのに!
自分が言われた側なら、初夜でこんな阿呆な事を言う相手と夫婦関係を続けるなど無理だ。諦めて夫に離婚を申し出たのだが、彼は婚姻継続を望んだ。
夫が望むならと婚姻継続を受け入れたレイチェル。これから少しずつでも仲を改善出来たらいいなと希望を持つのだが、現実はそう上手くいかなかった……。
【完結】王子妃になりたくないと願ったら純潔を散らされました
ユユ
恋愛
毎夜天使が私を犯す。
それは王家から婚約の打診があったときから
始まった。
体の弱い父を領地で支えながら暮らす母。
2人は私の異変に気付くこともない。
こんなこと誰にも言えない。
彼の支配から逃れなくてはならないのに
侯爵家のキングは私を放さない。
* 作り話です
好きな人に振り向いてもらえないのはつらいこと。
しゃーりん
恋愛
学園の卒業パーティーで傷害事件が起こった。
切り付けたのは令嬢。切り付けられたのも令嬢。だが狙われたのは本当は男だった。
狙われた男エドモンドは自分を庇った令嬢リゼルと傷の責任を取って結婚することになる。
エドモンドは愛する婚約者シモーヌと別れることになり、妻になったリゼルに冷たかった。
リゼルは義母や使用人にも嫌われ、しかも浮気したと誤解されて離婚されてしまう。
離婚したエドモンドのところに元婚約者シモーヌがやってきて……というお話です。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?
リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。
誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生!
まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か!
──なんて思っていたのも今は昔。
40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。
このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。
その子が俺のことを「パパ」と呼んで!?
ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。
頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな!
これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。
その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか?
そして本当に勇者の子供なのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる