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レポ1〜明成と異世界〜
ああ、思ったねえ。そんなだったら笑笑って。
しおりを挟むたぶん?
死んだはずだった……。
ふわふわゆらゆら……なぜか、しろーい、ひろーい空間に漂う俺。
あれ?なんで?
これがあの世?
うーん。不思議な感覚。
『あの、すみませーん。』
ん?声?
『えっと、清水明成さん35歳であってます?』
「はい。」
『よかった、見つかった。』
「みつかった?」
『はい。もー、あなたねえ。死んでから50年も探しました。』
「は?俺、今死んだ気が……。」
『ああ、その体は時間の概念から外れるんで……。』
そうなのか……俺はフレッシュ死にたて気分なのに、実際には中古品のような状態なのか……人は死ぬといつのまにか中古扱い……悲しい。
ってか、いつのまにか、85歳とかっ!いやだわ!
マジで?
いやー!
『あのっ!魂に時間の概念ないからっ!第一、普通は皆フレッシュの魂のままで迎えと会うからっ!』
あれ?俺、声出した?
『出しても出さなくても、同じ。』
そうなんだー。楽ー。
『……能天気さに磨きがかかってる気がするんですが……。』
そう?もともと、能天気だよ。
『まあ、いいです。で!あなた、50年も見つからないと思ったら……こんなありえない所で!
はあ……この中で魂のままでいられるなんて……普通じゃない!』
はい?
『……とりあえず、無事でよかったですが、まずは、移動しますよ?』
移動?
と疑問に思った瞬間、グイッと引っ張られて、気がついたらちゃぶ台と座布団と何故かブラウン管テレビがあるthe昭和的な部屋にいた。
で、さらにわけがわからないことに、俺の大好きなカップラーメン『スー◯ーカップ』味噌があった。
だが、名前はパクリで『スパークラーメン』と書いてある。
やはり、著作権の問題なんだろう……か?
それが目の前を浮いているじゃあないか……何故?
そして……。
ピー!とヤカンのお湯が沸く音……。
すると、ラーメンカップの蓋が半分開き中から美少女……ではなく、ナルトを顔にしたキ◯ローの◯父のような小人が出てきた。
……ラーメンに浸かってるけど。
『ねえ?君の神様のイメージって!なんなわけ!』
いやいやいやいやいや………………あっ⁉︎あー、前に食べた時、ちらっと思ったわ。うん、そうそう。
こっからナルト小人が[やあ、神様だよ?筋肉は好きかい?]って出てきたら、笑えるーって思った気がします!
『……きみ、神様舐めてる?』
ナルトだから、食べたいかな?
『か、神様を喰う気⁉︎』
いや、食わんけどさ。
で?とりあえず、神様?落ち着いて?
『なんで、さあ、きみの方に主導権があるの?
……でも、話も進まないから、とりあえず座って。』
イエッサー!
スタンっとジャンピング正座してみた。気分だけ。だって、わかんないが魂だけみたいだしぃ?
神様?にため息つかれたけど、キニシナーイ。
『で、まあ、きみが死んでから魂のままで50年も行方不明になったので……現代の地球には転生できないんだよ。』
ふーん。そうなんだ。
しかし、なんか初めと喋り方変わってない?
雑になった気がする~。
『いや、きみね……。きみもね、大概だからね?だから、もう、体裁を整えるのやめたよ。
で、まあ。まず、説明するよ?
実はさ…………。』
と話を聞くと、まあつまりなんだ。
俺、殺されず助かる
↓
本当は加害者が死ぬはずだった
↓
でも俺が死んだ
↓
加害者は、助かる→警察へ
↓
急に変更で魂が行方不明に
↓
神様筆頭に捜索
↓
↓50年の年が流れ…神…諦めムード
↓
魂の反応がまだあることに気づく
↓
神様、魂発見機完成!
↓
やっと俺見つかる!
という話で、俺が漂っていたのは……全ての物質を『魔素』に変えてしまう『魔素空間』とかいうらしく、全ての『魔法世界』を支える魔力の源なんだとか。
俺がいた世界にはパイプがないので、『魔法』はなく『科学力』が発展するらしい。ここだけの話、科学力を力に変換できる超能力者は、存在するらしい。それがいわゆる『伝説の魔法使い』として伝記的に残っている……らしい。
で、本来なら神ですら一年持つかわからない『魔素空間』に50年……すでに魂は、変質してしまっているらしい。
腐って発酵したってことなのかねえ。
『……あのさ、少しは「びっくりー!」とか「どうしよう!」とか、思わないの?』
え?なんで?思わないよ?
だって、俺が興味あるの筋肉だもの。
神様にはないよね?筋肉。だから、興奮もしないよー。
『筋肉、筋肉、筋肉、筋肉って!そんなに筋肉が大事?ねえ?きみ、自分より筋肉が大事なの?』
うん。そう。
人はねえ、食べて寝てってだけで生きていけるよ?
でもね、『何か』がないと心が死んじゃうよ。
それは、『もふもふ』だったり『恋人』だったり『家族』だったり『仕事』だったり『癒し』だったり……ただ生きているだけなんて……惰性でしかないよ。
『まあ、わかるけど。でも、一つだけ、違う気がする……?』
もふもふは正義だよ!
まあ、俺は『もふもふ』の中の『筋肉』が好きだけどね?でももふもふもふもふ、サワサワサワサワしたいなあ。と手をワキワキさせた。……気分だけ。
『……筋肉フェチ……。』
なんとでも?どうとでも言って。
で?
『あっ、もう!きみと話してると、混乱してしまうよ!
話が進まないったらっ!』
え?俺のせい?ちがうよね?
で?神様のなるちゃん、俺をどうしたいの?
あっ、ちなみに俺に筋肉はないよ?ってか、筋肉がついて見えないんだよね?なんでよ!俺にあれば、たくさん愛でであげるのに!
筋肉に目覚めた日から、ずっと筋トレと柔軟は、欠かしてないのに……な。
『……だから、話進まないからっ!』
はい!
『はあぁぁぁ。で、ね?きみは魂が変質して、もう輪廻の輪に戻れないんだよね。』
ホーホー。
『だから、新しい器を作るから別世界に行ってくれる?
魔法のある世界に。』
ホーホー。
『もう、科学力世界はもう無理。だって、きみ。どこ行っても[魔法使い]になっちゃうんだから。』
ホーホー。
『だからさ、テラに行って。』
ホーホー。
『……ねえ?聞いてる?それともバカにしてるの?
フクロウじゃないんだからさっ!』
ホーー、ヘキシッ。はー、やっとくしゃみでた。
『……もう……やだ……。』
ごめんなさい。泣かないでください。
聞いてますからっ!ちょっと、小さい子いじめてるみたいで、罪悪感沸くから、泣かんでください。
『泣いてないもっ!』
うん。ラーメン、しょっぱくなるからね?
神様だから、泣いてるかわからないけども。塩味増し増しのナルトラーメンになるよ?味噌なのに。
でも、ちゃんと真面目にするから!ね?
だってつまり、俺自身、どこ行っても魔法使えるから『魔法の世界』に転生してってことなんでしょ?
じゃあ、一つだけお願いがあります。
『うん、素直に行ってくれんなら、チートをたくさんつけるよ。よくある転生みたいに!
でもまあ、つけなくても……きみ自身、魔法に関してはチート以上で……大神様でもさ、全く想像つかない存在になってるらしいんだけどさ。
で、なあに?剣術とか?スピードとか?あっ、今時のやつでスマホ持ってたいとか?
一応、三つはなんでもお願いを叶える約束なんだよ!大神様から言われてるんだ!』
ふーん、三つか。
じゃ、記憶は消して欲しくないかなあ。
だって、今まで勉強してきたものや技が消えちゃうのはやだわ。それは俺の努力だもの。
あとねー。
最後は、もう絶対のお願い!
『理想の筋肉』のある世界へ!
これは譲れないんだ。ぜーったいに!譲れない。っていうか!他のを無視してもこれと記憶は欲しい!記憶なければ筋肉のありがたみわからないし!
それに俺、いつか出会える!はずなの~♪って思える世界じゃないと生きていけない!もん!
『……わかった。でも、そうすると……女性少ないか、いないかに……なるよ?あと一つは、こっちで適当につけていいか?』
別に?いいよ。女性が少ないのは、結婚はいらないから構わない。
ただ、美しい筋肉が見て触れたらそれでいい。
あと一つは、浮かばないからいいや。
『わかった……。』
と言った後、目の前に大きな扉が現れた。すげー、さすがナルトでも神様だあ!
『では、清水明成よ、汝、魔法の世界『テラ』への転生を命ずる。
彼の地での幸多からんことを願う!』
神様が盛大な神様らしい言葉を発すると、音もなく扉が開いた。前に滑り台が。
え?何故?
なんで緊急避難用滑り台が!
何故に滑り台よ。
『きみの現世への道……変だよ。きみの想像力って、マジでなんなん?もう、やだ。僕はラーメンに乗ったナルトだし……下っ端でも神様なのに。
現世に戻る手段は、滑り台だし……。
ねえ?あんまり世界を混乱させないでよ?』
へーい。すいませんね?でも、なんだ俺の想像なんだね。なら、わかる気がする。だって、小さい頃の避難訓練や滑り台してる時、思ったもんね!これで違う世界に落ちたらどーしよーって!俺って、子供の時か夢にあふれていたみたい(笑笑)。
ではテンプレみたいだが、異世界転生らしい!
チートの上、理想の筋肉があるかもしれない世界に!
やったね、明成!
くたびれてない筋肉の世界にいざ参る!
そして俺は!異世界で筋肉の王に俺はなーる!
そう断言して、俺は滑り台に座った。
レッツゴー!
ヒャッホーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーィーーーーー………。
小さな神様のつぶやきは、俺には聴こえてこなかった。
________________________________
『やれやれ……。性格良いんじゃないの?別の意味でイイ性格してんじゃんよ!
まあ、もしかして魂が変質したからかな?……でもあんなとこで、50年も無事なんてありえないじゃん?大神様ですら、目を疑ったんだよ?
そ れ に!
僕をこんな姿にして!100年戻れないのに!……大神様からの罰であの子が想像した神の姿で100年なのに。ちくしょー!
このまま?麺に使ったまま?
……明成くんにちょっとくらい嫌がらせしてもいいよね?
いいとも!
って、わけで頑張ってね?明成くん。
男と女の割合が9対1の世界で、きみは10歳の子供で大人の姿は元の世界のまままでしか成長なくて……あの世界じゃ、苦労すると思う!
だって、きみはあの世界じゃあ……ふふふふふふふふふ、なんだもーんね?
それに、あの空間に浸りすぎて……多分、寿命もわからないんだよね……。でも、きみの大好きな『筋肉』だけはたくさんある世界だから…ね?』
くふ、クフフフフフ。
僕の50年とこの後の100年を無駄にした罰だよ?
ただ……罰になるかはわからないけどねえ……あの性格じゃあなあ。
とりあえず、任務終了。
彼を監視するって理由で引きこもろう……100年間!
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