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第二章 王都でドッキリ!早くない?

ヨンジュウヨン

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ゴニョゴニョゴニョ……おはようございます。」

兄が寝ているので小さな声で、猫たちにご挨拶です。
突撃!寝起きでドッキリ♡なんてしてみたいですが、いつも兄が先に起きているので、なかなか寝顔は見れません。
ですので、寝顔を堪能することにしました。
うーん。見れば見るほどカッコいいです。
妹よ!この超絶イケメンが俺の彼氏で将来の旦那様だ、そして君の未来の義理兄!もしも、この場にいたら……いや、いたらやばいわ。
根掘り葉掘り根掘り葉掘り根掘り葉掘り根掘り葉掘り根掘り葉掘り……聞き続けるやつだ。
そして、俺はなぜだろう?
妹に隠し事ができませんでした。

兄の顎をスリスリすると、ありますね。お髭。
もしもハノエルが春樹に似ている体質なら髭には縁がないだろう。
んー、外人体質にこう期待!って感じかな?
確かにさ、毛がない方が女性にはモテるかもしれないけど……女性より体毛がない男って嫌じゃない?
妹には嫌だわ!って言われたよ?
まあ、エステで脱毛?とかもあるじゃない?彼女が無くしてって言うなら無くせばいいと思う。
男の俺としては多少は体毛がある方がいいなあって、思う。
ニャンコ、ワンコで前世の母が言っていたんだけど(AHTだったんだよね)、あんまり食べない子だと、まず内臓や生きる力に、エネルギーがいっちゃうから毛が薄かったりボソボソなんだってさ。
確かにノラで痩せ細ってるニャンコの毛はボソボソだもんね。
だからさ、ハノエルって、体毛が生えてくるか心配。
せめて、ポークビッツじゃなくなった頃でいいから、薄くてもいいから……せめてソコだけは毛をください!

「こ~ら~、私の顔をいたずらしているのは、だーれーだ?」
「ふふ、ふふふ。おはようございます。兄さっ、わあ!」

くるりと兄に抱き寄せられて、兄の下に捕らえられてしまった。

「可愛い悪戯をしてたのは、ハル、お前だね?お仕置きしちゃうぞ?」
「ふ、ふふ、くすぐったいです、にいっ、ん!んん、ん………。」

はじめは頬やおでこ、首筋にチュッチュしていたんだけど……くすぐったくて笑った瞬間に朝から思いっきりフレンチなキスを受けることになってしまった。
深く口づけられて、中を舌で弄れる。
思わず逃げてしまった舌を絡めとられ吸われる。舌が痺れるくらいになると上顎や下顎、口の中全てが兄の魔力で満たされる。
『鼻で息してごらん。』なんて、ゲームやアニメで言われたけれど、そんな器用にできるか!と反論したい。だって、鼻息荒くなったら興醒めしたりしない?
飲み込みきれないどちらのともわからない唾液が、口の端から流れ落ちるころ、銀の糸をひきながら兄の唇がようやく離れた。
俺は気持ち良くなりすぎて、頭がふわふわしている。
でも、唇をペロリとなめる兄の口元がエロくて目が離せない。
……エロ……//////。

「ふふ、蕩けた可愛い顔……はあ、コレを我慢するのか……。」
「にぃ?」
「かわいい。ハルも子猫みたいだね。」
「「「ニィニニ!」」」
「ああ、お前たちもそう思うの?」
「「「ニイ!」」」
「ふふ、よいお返事だ。ヴァル、ブラン、ノア。ほら、セバスにごはんをもらっておいで?」
「おはようございます。坊っちゃま。」

だから、セバス!いつから?
ねえ、いつから見ていたの?
それに、猫たちまで俺を子猫呼ばわりに頷き?
俺……ずっと末っ子?位置?

「「「みぁあう!」」」

あ、俺をおいて三頭はセバスに美味しいごはんをもらいに行った。
現在時刻は、10時。
確かに遅い朝だ、お腹も空くよね?

「ん、熱はないね。だるくはない?」

なんで、そんなに心配顔?
微熱だったよね?

「ハル、覚えてないのかな?」
「なあに?」
「眠った後にうなされて、熱をみたらかなり高い熱が出ていたんだよ?」
「え?」
「でも、薬が効いたのかな?」
「薬?」
「アズリアから座薬をもらって、使ったんだけど、下がって安心した。今日は部屋でゆっくりだよ?」
「……はい。」

まったく覚えがないけど、やはり高熱が出たのか……記憶にないのがありがたい『座薬』のお世話にまたもやなったのですね……。
俺の場合は、体重も少ないしあまり強い薬も出せないらしく、少量で済む粘膜吸収型……つまり座薬が多いのです。
ま さ か !
コレも腐の呪いじゃないよね?
座薬……嫌です。
だって、自分じゃ入れられないのだもん。
ハノエルの指だと奥まで入らなくて……。
アズリアが浅いところだと吸収率が低いから、奥に入れないとダメだからなって、兄に言ったからさ。
毎回、毎回、必要な時には兄が入れるんだよ(恥)。
抱っこされて入れるのも恥ずかしいけど、兄にお尻を向けて四つん這いも恥ずかしいんだよ。
う、うう。
アズリアには、飲み薬か注射でもいいからっていったのに、ダメだって言うんだもん。
緊急用に強い薬はとっておきたいからとかって……。
俺のことを考えてる二人が座薬が一番って、言うから……はずかしくても我慢する俺なのです。





―――――――――――――


丸一日、ベッドの上で過ごしたせいか、とりあえずはアズリアからオッケーをもらえました。
また、ゆったりと兄やら父やらにもたれながら、今日は王都に向かいます。
本当は砦的な屋敷の冒険をしたかったんだけどな。
いつか、できるといいなって思う。

「ハル、辛くなったら姉様に言ってね。」
「はい、姉様。ありがとうございます。」
「ああ、もう。わたくしは、お嫁に行かないで二人と一緒に暮らしたいわ。」
「うむ、それもよいな。」
「そうですわね。あの子にリオーラをあげたくないですもの。苦労が目に見えてますわ。」
「僕も姉様が一緒がいいです。」

そう、あの王子に姉様はもったいない気がする。
いくら子供の頃とはいえ、性格がそう変わるとは思えない。
なら、君子危うきに近寄らずを実践してもいいんじゃなかろうか?
アレに近寄らなきゃ、ヒロインだって寄ってこないわけで……ヒロインが寄ってこなければ、悪役になんて絶対にならないだろう?

「ふむ、なんとかならないか考えてみよう。もし、本当にリオーラがクリストファー殿下にまったく嫁ぐ気がないなら……父様も考えるがどうするね?」
「お断りできるならしていただきたいですわ。」
「そうか、時間はかかるかもしれないが、なるべく嫁がなくてもよいようにしてみよう。」
「はい。お願いしますわ。」

そう、姉様にはもっといい旦那様がいるとおもうんだ。
姉様が学校に入学して、ゲーム通りに一年遅れてくるなら、あと4年……で、ゲームが開始される。
それまでになるべく、主要人物から離れることができれば……。
平穏無事に暮らせるんじゃなかろうか?
そう、アドレイド公爵家が幸せに暮らせるように。



馬車はそのまま走り、とうとうゲーム舞台の王都に入ったのだった。

ゲーム開始まで4年。
コレをまだ4年あると考えるべきか、もう4年しかないと考えるべきか……それが問題……なーんてね。
なるようになれって気もする。
だって、兄は、公爵じゃないし。
ハノエルという婚約者までいるんだから。
ゲームにどう影響するかわからないもんね。




―――――――――――――

Side リオーラ

こんにちは。私はリオーラ、リオーラ•アドレイドよ。
私の弟は、ハノエルって言うのだけど、ものすごいかわいいのよ。
もう、『天使』って、この子のことを指すんだって実感しているの。
あら、あなたもそう思う?
すごく優しい気配り屋さんでね、体が弱いのにすぐ無理をするの。
だから、あの子は絶対に私が守らなきゃっておもったの。
でもね、兄様にとられてしまったわ。
まあ、ね。ハノエル……ハルが第二種って男性だと知ったのは、あの子と一緒に遊んでいた時だったかしら?
変な男がハルを拐おうとしたの!
私、思いっきりそいつの足に噛み付いたのよ?
そしたら、ハルを落としやがったのよ!あの野郎わ!
あっ、と失礼。
いけない、いけない。つい、興奮してしまったわ。
もちろん、ハルはギャン泣き!
慌ててそいつは逃げていったわ。
私ね、光魔法の属性があって、心からハルを癒したいって、思ったの。そしたら、どうも魔法が発現していたみたいで、ハルの傷はかすり傷になっていたみたい。
よかったって思ったわ。
でも、その時洋服まで剥ぎ取られてしまったハルの背中に羽が見えたの。第二種にあるというアザ。
綺麗だったわ。

そう、でもそれからは私がそばに居ると少しだけ光の魔力が漏れるらしくて、ハルの体に少しだけだけど、良い影響があるみたいなの。
だから、なるべく側にいたわ。
どうもハル限定で庇護よくによる魔力漏れみたい。そんなこともあるのね。
ただ、いろんなことがあって、兄様の魔力でハルが安心するようになって……よかったとも思うけど、ずるいって思ってしまう。
私の可愛いハルなのに。
でも、兄様がハルをすごく愛してるのも知ってる。
私だって、兄様も好きなのだもの。もちろん、恋愛ではなく兄としてね?
兄様じゃなきゃ、絶対にハルはあげないわ。
そう、たとえ王でも神でも。
ハルは絶対に兄様以外にはあげる気ないわ。
あら、そう。
あなたもハルが大事なのね?
じゃあ、私達で大事なハルを守りましょう?
ね?ヴァル、ブラン、ノア。

話を聞いてくれてありがとう。
私の同士たち。

私は猫たちとハノエル親衛隊を結成したの。








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