上 下
85 / 178
第三章 え?本当?迷惑少女は突然に?

ハチジュウゴ

しおりを挟む

「ご機嫌よう、レンミリオン様。」
「ハル。会ってくれてありがとう。ずっと直接あって……あやまりたかったんだよ?」
「……兄の方こそ、暴力を振るってしまったとか、申し訳ありません。……ですので、そのことは、もう、結構ですよ?」

噛んで言い含めるように。
暗にもう来なくていいよーって、意味で行ってみたが通じるかなあ。
なにせ、クリストファー殿下には通じなかったから!

「怒ってなくて安心しました。」

怒るとかおこならないとかじゃなく、もう会いたくないんだよ!

「……ご機嫌よう、レンミリオン様。ハルに一体なんのようですの?」
「ご機嫌よう、リオーラ様。いつもお美しいですね。
王都で起こった怪事件のために主だった貴族が呼ばれているようですよ?私の父も呼ばれまたのです。
なので、私も父と一緒にまいりました。」

ニコニコと答えるレンミリオン……長い。
もう、脳内はレオンでいいかな?
でも、直接はレオンなんて愛称では呼ばないよ?

でも会話が成り立ってないねえ。
うん、やっぱりどっかの王子様とおんなじだー。
自分のことしか考えていない。

「で、何か御用なのですか?」

用事があるならちゃっちゃと言って帰ってほしい。
時間は有限なんだから。
俺的には苦手な人とより大好きな兄や姉と楽しい時間を過ごしたいわけです。
それが正しい時間の過ごし方!

「用はそれだけなんだけど……。ハル、今度遊びに行かない?」

遊びにねえ……。
行けるものなら兄と行きたい。
行けるものなら家族で行きたい。
だけど、いけるわけがない。

「セバス、レンミリオン様がお帰りですわ!」

冷たい笑顔で姉が帰れという。
マッケンシーくんと違い、あの領地にいたなら知っているはずだ。

『アドレイド公爵家次男は体が弱い』と。
同じ年だとしても?
まあ、ちょっとお出かけもできないくらいとは思っていないのだろうけど。
まして婚約発表会で倒れたことも知っているし。
それなのに、出かける?
無理にきまってるじゃないか!ねえ?

「君は、私の婚約者になんと言ったのかな?
君も伯爵家の子だ、知らないとは言わせないよ?
婚約者がいるものに、遊びに行こうだなんて……許されると思っているのかな?」

あ、そっち系でもアウトか!
ハノエルが男だから忘れてました。
確かに婚約者がいる身で異性として見られる関係ですもん、そりゃあ不敬だよ。
まして、身分の高い者の婚約者様ですよ?

そしてなにげに、兄様『氷の闇公爵』降臨ですか?
確かにこの世界というか、貴族社会は婚約者のいる者を誘うことは、相手の婚約者に対して下に見ているということ。
そして、この場合は兄がレンミリオンに決闘を申し込んでも許されるという。だって、誓いまでしてるんだから。ピアスで。
そう、だから国王に父は怒っているんだ。
上から目線で兄から俺を奪い取ろうとしているから。

「……ですが、ハルは同性です。同じ性別で遊びにいくのは……。」
「確かに、ハルの性別を知らなければね?だが、君はしっているよね?
ハルが第二種だということを。
同じ年で学園の同期になるだろうから……我慢しようかと思ったが、やはり、君にハルを『ハル』と呼んで欲しくはないなあ。
婚約者として、許可しないことにしよう。よいね?ハル。」
「はい。兄様の良いように。」

だって、兄様が嫌なら呼んで欲しくない。
マッケンくんは友達。きっとは親友だもの。
だから、兄も許してくれてる。

「そんな……。ハルはそれでいいというの?」

ん?返事したのきいたよね?
だって、俺、レオンの声聞くのやだし。
出来たら迷惑少女ヒロインに攻略されに行ってください!

「はい。僕は兄のものですから。」
「ふふ、良い子。でも私もハルのものだよ。」
「はい。兄様。」
「ふふ、そうゆうことですわ。ですから、ハルにはもう寄らないでくださる?
体が弱いのを知っているくせに、外に連れ出そうなんて……紳士の風上にも置けませんわ。」

姉は、案に好きな子のことも知らないで、みたいな?感じなんだとおもう。
ほら、情報が欠かせないのが貴族社会だからさ。
たぶん、姉は思慮に欠けるって言いたいんだよね。
まあ、そんなこと普通は10歳には無理だけどさ。
俺からすると、入院してる子に『お前退院しないの?』と『学校行かないの?』ってきいてるようなものだからさ。

「そんな。私はただ……。」
「ただ?たった数時間のパーティーにも耐えられず倒れてしまうのよ?それをみていたはずよね?
それに、婚約者がいるハルを勝手な思い込みで抱き上げましたわよね?わたくし、はっきり申し上げて、許せませんの。
あのあと、ハルが落ち着くまで苦しんだのですからっ!」

あれ?もしかしてあのパーティーのをかなり姉様は怒っていたらしい。
激おこだったみたい。

「姉様、それはもういいのです。でも、僕はあの時から兄様と婚約しているのです。ご存知ですよね?
だから、レンミリオン様とは出かける気はありません。
兄様が不快なら僕の名も、普通にハノエルとお呼びください。」
「……好きなんだ。」

はい?

「好きなんだ!だから!なあ、ハノエルは第二種だから無理やり、兄弟の結婚なんだろう?
だから、俺が……私と結婚しないか?もし、無理やりならっ!」

はいい?

「俺が守るし!父も兄も、お爺さまも賛成だって、言ってくれた!
喜んで迎えるって。みんなで、幸せにするって。大事にって!」

血走った目を向けられて、背中がゾクリと震える。
知らず、兄の手にしがみつく。
……それって。

たぶん、『第二種男の悲劇』的なやつだよね?
『性的玩具』にするための結婚だよね?
レオンはそのつもりがなくても、絶対に家族は違うともう。

「だって、第二種男は家中の男の宝なんだろう?兄に聞いたら『好きもの』ってやつなんだろう?
だから、俺のになればいいよ。みんなで可愛がってあげれるんだから。」

うん、前言撤回。
こいつはわかっていってる。
兄が、姉が震えだす。
怒りに震えているのが、わかる。
……ゲームでのレオンってこんなだったか?
……ああ、こいつとの絡みムービーは……。
ああ、確かに15歳のレオンは『ゲス』だったかもしれない。

でも!

俺は、ハノエル第二種男は、『性的玩具』になんかなりたくない!
絶対にだ!

まあ、結局は友達なんかじゃないよね!







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

モブ男子ですが、生徒会長の一軍イケメンに捕まったもんで

天災
BL
 モブ男子なのに…

イケメン教師陵辱調教

リリーブルー
BL
生徒に、校長に、調教師に、日夜犯されるイケメン教師。彼には人に言えない秘密があった。大人のBL 今後の更新予定 2024年9月14日〜年内は毎週更新❣️ 土曜夜21:10 連載8周年ありがとうございます✨ ・公開後も適宜推敲(増量)しています。 ★special thanks★ ◆ミヤセ様@3388se 表紙イラスト・挿絵(2021)◆ ◆枯無様 1頁漫画化(生徒編)(2021)◆ ◆さやいんげん様 現在プロの漫画家さんになられました! 1頁漫画化(2017/12/10)◆ ◆奏陽様 小坂先生のSS(2018)◆ とりあえずエ.....エロイです.....////ドMで気弱な小坂さん最高です!!!!プライドは高いのに身体はエロイとかやばいっす!!!!(コタツ様) /えむっけのイケメンってだけでも萌えるのに、妻子ある校長先生っていうキャラとあの話し方、 素晴らしいです!! (sethna様) /耽美/切ない/シリアス/官能/羞恥/スカトロ/ドS/年の差/教師受け/淫乱受け/SM/高校/学校/過去あり/溺愛/執着/総受け/R18/エロ/ML/ヤンデレ/禁断/輪姦/玩具/女装/言葉責め/生徒会/モブ攻め/モブレ/総受け/小スカ/大スカ/自慰/撮影/ 【登場人物】 小坂 愛出人(こさか おでと)高校教師 2年2組担任 27歳 神崎 総一郎(かんざき そういちろう)校長 麓戸 遥斗(ろくと はると)調教師 村田 悪照(むらた おてる)高2 2組 宮本 桜児(みやもと おうじ)高2 2組級長 水瀬 慈育(みなせ じいく)生徒会長 高3 伊東 不離(いとう ふり)風紀委員長 高3 池井 櫂(いけい かい)他校の先輩教師。研修会で小坂を世話。 池井 慶(いけい けい)麓戸の高校時代の後輩 ★フリー素材写真 一部挿絵・写真加工/リリーブルー (以前の表紙Cover photo by S. Hermann & F. Richter) エックス @lilymetroblue twitter.com/lilymetroblue 主人公総受け。生徒会長と級長は襲い受けなので先生が攻め。 受け攻め度↓ 校長>調教師麓戸>不良村田>風紀委員長>先輩教師池井>主人公イケメン教師小坂先生>生徒会長>級長宮本 ※本作品はフィクションであり実在する団体・組織等とは関係ありません。

僕のお兄様がヤンデレなんて聞いてない

ふわりんしず。
BL
『僕…攻略対象者の弟だ』 気付いた時には犯されていました。 あなたはこの世界を攻略 ▷する  しない hotランキング 8/17→63位!!!から48位獲得!! 8/18→41位!!→33位から28位! 8/19→26位 人気ランキング 8/17→157位!!!から141位獲得しました! 8/18→127位!!!から117位獲得

勇者パーティーの僧侶は牢屋に捕らわれセックス漬けの毎日を送る

霧乃ふー  短編
BL
「ーーどこにいるんだ!」 勇者パーティーの僧侶が単独行動を取り行方不明になった。 勇者達は必死に仲間を探し回っていたのだが、それでもなかなか見つからない。 見つからないのは当然で魔王の配下に捕まり牢屋に閉じ込められていたのだ。 牢屋に入れられ怯える僧侶に興が乗った魔族の牢番は僧侶を、、、♡ 魔族の牢番×勇者パーティーの僧侶

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

俺が総受けって何かの間違いですよね?

彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。 17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。 ここで俺は青春と愛情を感じてみたい! ひっそりと平和な日常を送ります。 待って!俺ってモブだよね…?? 女神様が言ってた話では… このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!? 俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!! 平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣) 女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね? モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。

元会計には首輪がついている

笹坂寧
BL
 【帝華学園】の生徒会会計を務め、無事卒業した俺。  こんな恐ろしい学園とっとと離れてやる、とばかりに一般入試を受けて遠く遠くの公立高校に入学し、無事、魔の学園から逃げ果すことが出来た。  卒業式から入学式前日まで、誘拐やらなんやらされて無理くり連れ戻されでもしないか戦々恐々としながら前後左右全ての気配を探って生き抜いた毎日が今では懐かしい。  俺は無事高校に入学を果たし、無事毎日登学して講義を受け、無事部活に入って友人を作り、無事彼女まで手に入れることが出来たのだ。    なのに。 「逃げられると思ったか?颯夏」 「ーーな、んで」  目の前に立つ恐ろしい男を前にして、こうも身体が動かないなんて。

普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ
BL
「君は死にました」 「…はい?」 「死にました。テンプレのトラックばーんで死にました」 「…てんぷれ」 「てことで転生させます」 「どこも『てことで』じゃないと思います。…誰ですか」 BLは軽い…と思います。というかあんまりわかんないので年齢制限のどこまで攻めるか…。

処理中です...