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エルフで菜食主義だったら駄目なのかよ
ほうれん草グラタン・ほうれん草ホットサンド添え
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何やかんやあったが再び兄貴がやって来た。
そして今度こそ酢にするカルヴァドスをトゥール様に頼んだホップと交換……これでビールが飲める様になるな。
ビールは風呂上がりに飲むと美味いし、煮込み料理にも使える上に肉を柔らかくする効果もある……更にビールで捏ねた小麦粉で作るバンズは奥深い味わいになる。
まさにビールは人類が発明した最高傑作と呼んでも過言ではあるまい。
「ビールは早くても40日は掛かるんやが、カミはんの魔法があれば2週間あれば出来るやろ……まあその前にこのホップを栽培して増やさなアカンけどな」
「となると1ヶ月は見た方がいいな……時期的にあんこうが来る辺りか」
「せやな、来月あたりに出来たビールを用意しとくさかい……ジョニーはんも呼んで試飲しようやないか、ついでにお前のカミさん用のアルコールがないビールも作ったるわ」
「出来るのか!?」
「酒造メーカーの内定が決まった時に色々調べたからなぁ、ちょいと面倒やけどやれない事はないわ」
スゲェな兄貴……
今、産まれて初めて兄貴を尊敬したかもしれん。
「ああせや、来月あんこうを料理すんなら鍋もやろうや……作り方は流石に解るやろ?」
「鍋はいいが大根や白菜、長ネギがないのは寂しくないか?」
「アホウ、どうせならあんこうだけの鍋にするんや……肝を炒めながら脂を出して、そこに身を入れて、味噌で味付けりゃビールに合うんやで」
「よし、料理は任せ……いや、物が魚ならマレスの方が美味くなるな」
あんこうの解体ぐらいはやるけど、確実にマレスに任せた方が美味くなるからな。
後はピストルとかいう魚だが……兄貴はペスカタに住んでるから知ってる可能性があるな、聞いてみよう。
「そういや兄貴はピストルとかいう魚を知ってるか?」
「あのハリセンボンみたいなフグやろ?アレは確かに酒に合うんやが捌く為に試験が必要で、捕まえるのも命懸けらしいからなぁ」
試験が必要なのは想定済だが、ハリセンボンみたいなフグと来たか……
まあシーバスが空を飛んだりタコが巨大化する様な世界だからな。
敵の気配を察知してハリを跳ばすとか、セバスさんみたいに瞬間移動するとか、何ならストレスを与えると爆発するとか言われたって驚かんぞ。
「因みにペスカタで資格を持っとるんはペグはんとシェラフとかいうプリーストにノースっちゅーウチのお得意様だけやな」
ペグさんは納得だがシェラフの奴、意外な特技を持っていやがるな。
それにノースって確かあの酒屋のオッサン……まあ兄貴は酒造を仕事にしてるし、接点があってもおかしくはないか。
「因みにピストルを捌く為の試験は成人しとれば誰でも受けられるで、梅夫もやってみるか?」
「いや、俺は魚より肉が得意だからな……止めておく」
その辺りはマレスに一任させて貰おう。
マレスが資格を得るには後4年は掛かるが、あの腕前なら確実に合格はする筈だ。
「あ、お兄さん……これローズマリーのクッキー、バコアさんに渡してあげて」
「はいよ」
バコアさんは可愛い妹のスイーツをえらく気に入ったらしいし、妙に仲良くなったみたいだからな。
因みにローズマリーのクッキーはポテチに並ぶキャリの好きなオヤツとなって、可愛い妹が週に一度は焼いている。
ローズマリーは本当によく育ちやがるからな、だが無駄にならないのは良い事だ。
「ではペスカタに向かう皆様はこの円の中にお入り下さいまし、その後の案内はキョウヤさんにお任せしますわ」
「スマンが頼んだ」
「はいよ、ほな来月待っとるで」
ふぅ、これで領主の依頼も片付いたし一段落だな。
後は国王の無茶振りのスモークチキンをニワ1000羽分、燻して贈ればいい。
……妊娠中のマリアは勿論ペスカタに居るマレスも頼れんし、可愛い妹には作ってる間の飯を頼みたいからなぁ。
ジョニーさんもこういう時は手伝っちゃくれんし。
まあ仕方ない、マリアが言うにはむね肉だけで注文するなら丸ごとより安く済むらしいし、ベーコンのストックは充分貯まってるから地道に頑張るか。
「ニワのむね肉は注文した、けど数が数だから、到着は4日後になる」
むしろあの数が4日で揃うのか……
まあいい、どの道肝心の肉がなければ作業も出来ん。
という訳で先にオヤッサンに頼まれた、カアチャにも作れるほうれん草を使った美味い物を作ろう。
オヤッサンとカアチャは勿論として引き取られた子供達8人にミディまで居るから大量に作らねばならんが、ほうれん草は製菓材料にもなるから可愛い妹も腕を振るってくれる。
だが流石にカアチャは菓子やスイーツは作れんだろうな。
「……所でさ、何でミディさんはペスカタに行かなかったの?」
「ペスカタに行ってもウメオさんの料理より美味しい物がある保証はありませんし……ホウレンソウの栽培が凄く楽しくて」
マレスなら俺に負けないぐらい美味い物を作れるんだがな……先に教えてやれば良かったか?
だがほうれん草の栽培が楽しいというのも本音だろうし、オヤッサンも常に人手を募集しているからミディの手があるのは助かるだろ。
「それにカアチャさんがウチの子にならへんか?って言ってくれましたし」
「ウメオはんのお陰で栽培がおっつかへんぐらい好調やからなぁ……人手はあればあるだけ有難いねん」
それについては申し訳なさもあるが、オヤッサンのお陰でウチも助かってるし……お詫びはベーコンで払う。
「私はほうれん草で菓子パンを作るからダッチオーブンを借りるよ」
可愛い妹は菓子パンか……材料を見る限りだと中身はほうれん草のペーストを混ぜたホイップクリーム辺りだな。
となれば俺は……よし、グラタンにしよう。
本来ならオーブンか竈で焼いて作る料理だが、バーベキューで作るのも中々だ。
人数が人数だからマカロニサラダも作ろうと思って、ほうれん草のペーストを練り込んだベンネを用意してあるからな……まあ妊婦のタープとマリアはチーズが食えないからどの道作るんだが。
後はいつぞやのローストポテトとBLTサンドで凌ごう。
耐熱性のある深皿かスキレットがあれば良かったんだが人数分は用意できん、よって魔鉄を加工してコンロにキッチリと収まる巨大皿を作った。
これに大量のバターを塗って、ベンネを敷き詰めたらホワイトソースを入れて、湯がいたほうれん草と賽の目に切ったベーコン、薄切りのタマネギとトマト、最後におろしたチーズと砕いたポテチを混ぜた物で覆ったらパン粉を振り掛けて焼けばいい。
「あ、お兄ちゃん……私、BLTサンドじゃなくてほうれん草のサンドイッチが食べたいんだけど」
「ああ、試験前によく作ってやってたアレか……よし解った」
日本では食パンで作っていたがこの世界にはないし作り方も知らんからコッペパンで作るが……そこは許せ。
まあ本当に単純な物だぞ、バターで炒めたほうれん草と煎り卵に薄切りのトマトを挟んで潰しながら焼くホットサンドだし。
ホットサンドメーカーがあればより簡単なんだがバーベキューなら鉄板を2枚使えば済む。
一番の問題は1個で12バランもする卵を用意しなきゃならんからマリアの機嫌が悪くなる事なんだが……国王の無茶振りで幾らか収入があるだろうし許してくれよ。
「このグラタンっちゅーもん、中々イケるやないか……子供達も夢中で食っとるわ」
グラタンはファミレスでもハンバーグに並ぶ子供が喜ぶメニューの定番だからな。
しかも砕いたポテチを入れているし、夢中にもなるだろう。
……タープとマリアは子供が無事に産まれたらちゃんと作ってやるからそんな目で子供達を見るんじゃない。
「下拵えは面倒そうやけどホンマ簡単やったなぁ……ウメオはん、ウチ用にこれと同じ入れ物作ってくれへんか?」
「お安い御用だ」
「この熱々のサンドイッチも美味しいです!」
「これを夜中に食べると勉強する気力が沸いてくるんだよね……流石に今回はベーコン入れなかったんだ?」
いやだって前にベーコン入りを作ったら不機嫌になって3日も口を聞いてくれなかったじゃないか。
それに今日の分のベーコンはマカロニサラダにグラタンと子供達のBLTサンドで使い切っていたしな。
なお、キャリを除いた子供達はグラタンと可愛い妹の菓子パンを夢中で食ってて終始喋りはしなかった。
意外と教育が行き届いていやがるな……ウチも見習うべきだろうか?
そして今度こそ酢にするカルヴァドスをトゥール様に頼んだホップと交換……これでビールが飲める様になるな。
ビールは風呂上がりに飲むと美味いし、煮込み料理にも使える上に肉を柔らかくする効果もある……更にビールで捏ねた小麦粉で作るバンズは奥深い味わいになる。
まさにビールは人類が発明した最高傑作と呼んでも過言ではあるまい。
「ビールは早くても40日は掛かるんやが、カミはんの魔法があれば2週間あれば出来るやろ……まあその前にこのホップを栽培して増やさなアカンけどな」
「となると1ヶ月は見た方がいいな……時期的にあんこうが来る辺りか」
「せやな、来月あたりに出来たビールを用意しとくさかい……ジョニーはんも呼んで試飲しようやないか、ついでにお前のカミさん用のアルコールがないビールも作ったるわ」
「出来るのか!?」
「酒造メーカーの内定が決まった時に色々調べたからなぁ、ちょいと面倒やけどやれない事はないわ」
スゲェな兄貴……
今、産まれて初めて兄貴を尊敬したかもしれん。
「ああせや、来月あんこうを料理すんなら鍋もやろうや……作り方は流石に解るやろ?」
「鍋はいいが大根や白菜、長ネギがないのは寂しくないか?」
「アホウ、どうせならあんこうだけの鍋にするんや……肝を炒めながら脂を出して、そこに身を入れて、味噌で味付けりゃビールに合うんやで」
「よし、料理は任せ……いや、物が魚ならマレスの方が美味くなるな」
あんこうの解体ぐらいはやるけど、確実にマレスに任せた方が美味くなるからな。
後はピストルとかいう魚だが……兄貴はペスカタに住んでるから知ってる可能性があるな、聞いてみよう。
「そういや兄貴はピストルとかいう魚を知ってるか?」
「あのハリセンボンみたいなフグやろ?アレは確かに酒に合うんやが捌く為に試験が必要で、捕まえるのも命懸けらしいからなぁ」
試験が必要なのは想定済だが、ハリセンボンみたいなフグと来たか……
まあシーバスが空を飛んだりタコが巨大化する様な世界だからな。
敵の気配を察知してハリを跳ばすとか、セバスさんみたいに瞬間移動するとか、何ならストレスを与えると爆発するとか言われたって驚かんぞ。
「因みにペスカタで資格を持っとるんはペグはんとシェラフとかいうプリーストにノースっちゅーウチのお得意様だけやな」
ペグさんは納得だがシェラフの奴、意外な特技を持っていやがるな。
それにノースって確かあの酒屋のオッサン……まあ兄貴は酒造を仕事にしてるし、接点があってもおかしくはないか。
「因みにピストルを捌く為の試験は成人しとれば誰でも受けられるで、梅夫もやってみるか?」
「いや、俺は魚より肉が得意だからな……止めておく」
その辺りはマレスに一任させて貰おう。
マレスが資格を得るには後4年は掛かるが、あの腕前なら確実に合格はする筈だ。
「あ、お兄さん……これローズマリーのクッキー、バコアさんに渡してあげて」
「はいよ」
バコアさんは可愛い妹のスイーツをえらく気に入ったらしいし、妙に仲良くなったみたいだからな。
因みにローズマリーのクッキーはポテチに並ぶキャリの好きなオヤツとなって、可愛い妹が週に一度は焼いている。
ローズマリーは本当によく育ちやがるからな、だが無駄にならないのは良い事だ。
「ではペスカタに向かう皆様はこの円の中にお入り下さいまし、その後の案内はキョウヤさんにお任せしますわ」
「スマンが頼んだ」
「はいよ、ほな来月待っとるで」
ふぅ、これで領主の依頼も片付いたし一段落だな。
後は国王の無茶振りのスモークチキンをニワ1000羽分、燻して贈ればいい。
……妊娠中のマリアは勿論ペスカタに居るマレスも頼れんし、可愛い妹には作ってる間の飯を頼みたいからなぁ。
ジョニーさんもこういう時は手伝っちゃくれんし。
まあ仕方ない、マリアが言うにはむね肉だけで注文するなら丸ごとより安く済むらしいし、ベーコンのストックは充分貯まってるから地道に頑張るか。
「ニワのむね肉は注文した、けど数が数だから、到着は4日後になる」
むしろあの数が4日で揃うのか……
まあいい、どの道肝心の肉がなければ作業も出来ん。
という訳で先にオヤッサンに頼まれた、カアチャにも作れるほうれん草を使った美味い物を作ろう。
オヤッサンとカアチャは勿論として引き取られた子供達8人にミディまで居るから大量に作らねばならんが、ほうれん草は製菓材料にもなるから可愛い妹も腕を振るってくれる。
だが流石にカアチャは菓子やスイーツは作れんだろうな。
「……所でさ、何でミディさんはペスカタに行かなかったの?」
「ペスカタに行ってもウメオさんの料理より美味しい物がある保証はありませんし……ホウレンソウの栽培が凄く楽しくて」
マレスなら俺に負けないぐらい美味い物を作れるんだがな……先に教えてやれば良かったか?
だがほうれん草の栽培が楽しいというのも本音だろうし、オヤッサンも常に人手を募集しているからミディの手があるのは助かるだろ。
「それにカアチャさんがウチの子にならへんか?って言ってくれましたし」
「ウメオはんのお陰で栽培がおっつかへんぐらい好調やからなぁ……人手はあればあるだけ有難いねん」
それについては申し訳なさもあるが、オヤッサンのお陰でウチも助かってるし……お詫びはベーコンで払う。
「私はほうれん草で菓子パンを作るからダッチオーブンを借りるよ」
可愛い妹は菓子パンか……材料を見る限りだと中身はほうれん草のペーストを混ぜたホイップクリーム辺りだな。
となれば俺は……よし、グラタンにしよう。
本来ならオーブンか竈で焼いて作る料理だが、バーベキューで作るのも中々だ。
人数が人数だからマカロニサラダも作ろうと思って、ほうれん草のペーストを練り込んだベンネを用意してあるからな……まあ妊婦のタープとマリアはチーズが食えないからどの道作るんだが。
後はいつぞやのローストポテトとBLTサンドで凌ごう。
耐熱性のある深皿かスキレットがあれば良かったんだが人数分は用意できん、よって魔鉄を加工してコンロにキッチリと収まる巨大皿を作った。
これに大量のバターを塗って、ベンネを敷き詰めたらホワイトソースを入れて、湯がいたほうれん草と賽の目に切ったベーコン、薄切りのタマネギとトマト、最後におろしたチーズと砕いたポテチを混ぜた物で覆ったらパン粉を振り掛けて焼けばいい。
「あ、お兄ちゃん……私、BLTサンドじゃなくてほうれん草のサンドイッチが食べたいんだけど」
「ああ、試験前によく作ってやってたアレか……よし解った」
日本では食パンで作っていたがこの世界にはないし作り方も知らんからコッペパンで作るが……そこは許せ。
まあ本当に単純な物だぞ、バターで炒めたほうれん草と煎り卵に薄切りのトマトを挟んで潰しながら焼くホットサンドだし。
ホットサンドメーカーがあればより簡単なんだがバーベキューなら鉄板を2枚使えば済む。
一番の問題は1個で12バランもする卵を用意しなきゃならんからマリアの機嫌が悪くなる事なんだが……国王の無茶振りで幾らか収入があるだろうし許してくれよ。
「このグラタンっちゅーもん、中々イケるやないか……子供達も夢中で食っとるわ」
グラタンはファミレスでもハンバーグに並ぶ子供が喜ぶメニューの定番だからな。
しかも砕いたポテチを入れているし、夢中にもなるだろう。
……タープとマリアは子供が無事に産まれたらちゃんと作ってやるからそんな目で子供達を見るんじゃない。
「下拵えは面倒そうやけどホンマ簡単やったなぁ……ウメオはん、ウチ用にこれと同じ入れ物作ってくれへんか?」
「お安い御用だ」
「この熱々のサンドイッチも美味しいです!」
「これを夜中に食べると勉強する気力が沸いてくるんだよね……流石に今回はベーコン入れなかったんだ?」
いやだって前にベーコン入りを作ったら不機嫌になって3日も口を聞いてくれなかったじゃないか。
それに今日の分のベーコンはマカロニサラダにグラタンと子供達のBLTサンドで使い切っていたしな。
なお、キャリを除いた子供達はグラタンと可愛い妹の菓子パンを夢中で食ってて終始喋りはしなかった。
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