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エルフで菜食主義だったら駄目なのかよ

恩師のシーフードガンボ・予想外の再会添え

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色々とあったが無事にシーフードガンボは出来上がった。

マカロニとライスも準備したし、酒も用意したから不満は出るまい。

一応サイドにカリカリベーコンとエビフライも作っておいたが……まあ全員残さず食うだろ。

「母さんと食事をするのも久しぶりだねぇ」

「ヒャッヒャッヒャ、サーマは忙しくて滅多に里帰りせんからのう……仕方あるまいて」

サーマとロリババア……お前等は親子だったのか。

どう見てもサーマの方が母親っぽいが、まあ言わないでおこう。

「そういえば言っておらんかったか、サーマはワシと前の旦那との間に産まれた娘じゃよ」

つまりマレスもロリババア、ひいてはダニエルさんの血筋?

……ダニエルさん、流石に子供とはいかなかったが子孫にバーベキューを教える事は出来たぜ。

しかしそう考えるとマレスの腕前はそれまでの努力によってダニエルさんの遺伝が覚醒したからなのかもしれんな。

「ってかアンカー、前は初対面みたいな反応だったけど面識はなかったのか?」

「フン、生憎サーマはまだしもその娘には会った事がなくてな……本人から娘が産まれたという話は聞いていたが、マレスの何処を見ればサーマの娘だと解るのだ?」

「私も実家に戻ってからママに聞いてビックリしました」

……それもそうか。

別に似てない訳ではないが、サーマはどうしたってその筋肉に目を奪われがちだからなぁ。

そりゃ初見じゃ見抜けんわ。

「よし、仕上がったぜ……こいつをそのマカロニかライスに掛けて食ってくれ」

後学の為にも他の子供について聞きたかったが……後でいいか。

それよりガンボは熱い内に食わないとジョニーさんに殴られちまう。

「ちょっと固めに炊いたご飯がスープを吸って美味しいです!それにマカロニにもよく絡んでますし、強い燻製の香りが食欲をそそって幾らでも食べられます!」

流石はマレスだな、ガンボのいい所を余さず見抜いたか。

だがキャリが相変わらずライスとマカロニを一緒に盛っているな……残さず食うから細かい事は言わんけど。

「おージョニーはん、お誘いありがとなぁ!」

「よう、来たなキョウヤ……話は後にしてまずはガンボを食ってくれ」

誰だあの酔っぱらいは……

「キョウヤは俺にバーボンの作り方を教えてくれた恩人でな、この街に来た時は必ずバーベキューに誘っているんだ」

あ、そういやジョニーさんがこの前ラム酒を作れる可能性がある奴を紹介するとか言ってたな。

バーボンの作り方を知ってるならラム酒も作れる可能性は確かにある、つまりあの酔っぱらいがその……キョウヤ?

黒髪黒眼だから日本人だろうが、キョウヤ……杏矢?

名前だけなら偶然で済んだろう……だがあの大きな涙ほくろは間違い様がねぇ。

「ん?あんさん、どっかでワイに会った事あらへんか?」

「はぁ……ったく、可愛い妹のみならず弟の顔すら覚えてねぇのか兄貴」

「弟?兄貴?……ああ!おまっ、梅夫かいな!」

「え、師匠にお兄さんが居たんですか!?」

「パパのお兄ちゃん?」

「おまっ、既に娘までおったんか!」

まさか兄貴までこの世界に居やがるとは思わなかったぜ。

ってかマレス、確かに俺に兄貴が居るとは言ってなかったがちょっと大げさじゃないか?

とりあえず、夕飯を食いながらキャリは養子だという所から説明するか。




さて、夕飯が終わった所で次は何を話した物か?

「ストロベリーから兄はもう一人居るとは聞いていたが、まさかキョウヤがそうだったとはな……」

「ワイも苺心から外国人にお菓子作りや料理を習っとるとか、梅夫がバーベキューに誘われとるとか聞いとったけど、まさかその相手がジョニーはんやったとはなぁ」

まあ、転移した時点で二度と会えない可能性があったからなぁ……元の世界の身内の事はわざわざ言う必要もないだろ。

しかしアレだな、クソ両親は間違いなく大嫌いだが兄貴に対してはそういった感情がまったくない。

何せ俺が知る限り勉強一筋に生きていやがってまともな会話をした覚えがないからな……好きかと聞かれたら言葉に詰まるが、嫌いかと聞かれても言葉に詰まる。

【自分でもよく解らない】、これが正直な意見だな。

まあ、無難な所から聞いてみるか。

「で、何で兄貴までこの世界に居るんだ?トゥール様の話によればここに来る迷い人は例外なく料理上手らしいんだが……にしても老けたな、それと酒を溢すな」

「確かにワイは料理なんざ出来へんけどな、元々勉強よりも13の頃から隠れて飲むぐらい酒に興味があったんや……まあ院を出た直後から10年はこの世界で過ごしとるさかい、老けるんもしゃあないやろ」

院を出た直後から10年って事は……今の兄貴は34歳か。

俺が最後に見た兄貴は大学に入学する直前の18ぐらいの頃だから……そりゃ老けて見えるわ。

俺が可愛い妹を連れてバーベキューに行こうとしたあの日はまだ院に入ったばかりだった筈だが……後から転移した兄貴の方が早く来ていたとはなぁ。

ってかそんな頃から酒を飲んでいやがったのかよ……知らなかった、だが法律はちゃんと守れや!

「そもそも院まで行ったんはあのロクデナシ共の意識をお前と苺心から離す為や、実際戸籍を分けた時すら何の反応もなかったやろ?」

「確かに連絡すらなかったな……」

まあ来る前にスマホの番号を変更してたんだが。

「念の為、知り合いの弁護士にスムーズに、かつ穏便に済ませられる様に頼んどいたったんやけどな」

そうか、何故か無料で相談に乗ってくれた弁護士は兄貴の知り合いだったのか。

最悪の場合それまでの貯金を奪われる覚悟はしていたんだがそれがなかったのは本当に助かったぜ。

とはいえ何処から兄貴に計画が漏れたのかは気になるが、まあ過ぎた事だしいいや。

「卒業後にとある酒造メーカーの内定が決まっとったさかい、日本に未練がないっちゅーたら嘘になるねんけど……好きなだけ酒を飲めて、好きな酒を作れるこの世界の暮らしは結構気に入っとるんやで」

就職難の時代だったとはいえ大学院を出ておきながら酒造メーカーはどうかと思うが兄貴が転移できたのはその酒造りの知識があるから、か。

だがせめてツマミぐらい作れる様になれや。

「それにこの世界で出会ったカミさんも美人やしな」

「兄貴、結婚していやがったのか!」

「お前もしとるんちゃうんか?ジョニーはんやペグはん、領主はんから弟と同じ名前の迷い人の話を何度か聞いとったけど、間違いなくお前の事やろ?」

何を聞いたのかは気になるが……多分そうだろうな。

まあ聞かれて困る様な事は一切してないし、別に構わんが。

「……パパとおじちゃんって、仲悪いの?」

「おじっ……ってそうか、弟の娘ならまごう事なきワイの姪やもんな」

「仲はどうだろうな……別に悪くはないと思うが良くもないか?」

「ま、仲良しと険悪のちょうど中間って所やろな……そもそもワイがお前や苺心を避けとったんはあのロクデナシ共のせいやし、苺心はまだしもお前を嫌う理由は1つしかないわ」

1つはあるのかよ……この際だから聞いてみるか。

しかし嫌う理由がありながら戸籍を分ける手助けをしてくれたとはなぁ……機会があれば本気のステーキでもおみまいしてやるか。

「梅夫、随分前の話やけどお前……オヤジが隠しとったシャトー・ディケムをパクっとったやろ?」

「ん?ディケム……ああ、苺心が友達と一緒にバーベキューをしたいと言った時か、確かに何たらディ何とかとかいう安酒を1本だけくすねたが」

「ドアホ!あのシャトー・ディケムは1本10万もする高級ワインや!」

「おいボーイ、シャトー・ディケムと言えば俺でも知ってる世界最高峰の白ワインだぜ?それをバーベキューでどう使ったんだ?」

マジか……それは流石に悪い事をしたな。

だがあのクソ親父は小学生時代の俺の給食費を終始払わなかったからな、それでチャラにして貰おう。

代わりに俺だけ弁当持参になってダニエルさん達が色々と用意してくれてたし。

ってかクソオヤジめ、醤油とソースの区別すら付かないほど味が解らない癖に子供の給食費よりもクソ高いワイン買うのを優先しやがるとは……もう20~30本ぐらいくすねておけば良かった。

とりあえず説明はしてみたが……痛ぇ!

「ボーイ、よりによってシャトー・ディケムをパエリヤにしやがったのか……確かに美味いだろうが贅沢にも程があるぜ」

「仕方ないだろ、当時はまだ未成年だったしあのメンバーが好んでいたテキーラやバーボンならまだしもワインには興味がなかったんだ!ってか何で兄貴との話でジョニーさんが殴るんだよ!」

「このパンチは元の世界に居る酒飲み達からの一撃だと思え」

「まあ今更やしもうええねんけど、ワイがそれを飲む機会を永遠に失ったんは根に持ったるからな?」

あくまでもクソオヤジの酒だから兄貴には関係ないと思うが、値段的に細かい事とも言い難いのが何とも言えん。

確かにこれは頭に来るだろうな、俺だったら確実に相手を殴る。

「待てよ……もしかして以前トゥール様がパエリヤの材料として用意してくれた何たらオーブリ何とかとかいうやけに香りが良かった白ワインも」

「白でオーブリ……ディケムと同等の香りっちゅーたらシャトー・オー・ブリオンか?ブリオンの白いうたら軽く18万はするわボケェ!?」

「ボーイ、ガンボの様な煮込みに使うだけだったから安い赤ワインしか教えなかった俺達にも責任はあるんだろうが……せめてシャトーの名ぐらいは知っておけ」

本当にワインの銘柄は欠片も興味がなかったからなぁ……まあ赤ワインならまだしも白ワインの良さは未だに解らんが、これは反省せねば。

次からは予め値段で指定して、もしくは兄貴かジョニーさんに相談して決めよう。




「で、確かラム酒やったな?作れん事はないし熟成はカミさんの魔法で短縮が出来るんやけど……蒸留だけは時間を掛けなあかんから一番早いホワイトでも最低2ヶ月は待って貰うで」

まあ可愛い妹のお菓子に使うならホワイトでも大丈夫だろう。

ラム酒は蒸留してから樽に摘めて、3ヶ月から1年ぐらい熟成させた物をホワイト、2年ぐらいでゴールド、3年経った物がダークと呼ばれる。

お菓子に使うならダーク、カクテルなんかにして飲むならゴールド、そのまま飲むならホワイトがいいと言われているが……まあそこは個人の好みだな。

「ま、身内の依頼やし大まけにまけて……ホワイト1樽で15000バランやな」

高いな……だがサトウキビや樽の用意に蒸留、魔法で熟成までするんだからそれでも赤字だろう。

「解った、それでいい……5樽ぐらい頼む」

「まいど!」

「あ、そうだ……折角なら俺の家族にも会ってみるか?」

「せやなぁ……久しぶりに苺心の顔も見たいし、お前を婿にした勇者がどんなんか気になるから8日後ぐらいに仕事を片付けたらワイのカミさん連れて顔を出しに行ったるわ」

一言余計だが確かにこの酔っぱらいを受け入れて結婚したという嫁は気になる。

可能性があるとしたらカアチャみたいな更に凄い酔っぱらいか、あるいは菩薩の様な寛容さを持ち合わせた天使だろうが……それは当日の楽しみにしておこう。

「って今更だが兄貴、確か俺達は小学校に入った辺りで標準語に矯正されてた筈だが……」

理由は確か標準語の方が一流大学に合格する確率が上がるとか何とか言ってた気がするが……どうでもいい。

俺は英語のが得意になった上に高卒で就職したから意味なかったし、可愛い妹も引きこもりになったしな。

「カミさんはケンタン産まれやさかい、どうせなら同じ訛りのが仲良さそやろ?」

そんな理由かよ!

ま、でも勉強以外の事が出来なかった昔より今の方が生き生きしてる様に見えるな……端から見ればただの酔っぱらいだが。

そして兄妹全員が異世界に転移してクソ両親はざまぁみろだ。

今回はラム酒の件を含めて会えて良かったかもな……あ、帰ったらトゥール様に例のワインを頼んでみるか。

値段的に買えるかどうかが微妙だけど。
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