38 / 140
(野菜狂信者の)口を割って食わそう
野菜狂信者の伝承・雑談添え
しおりを挟む
祭りが終わって3日……特に何事もなくケンタンに帰って来たぞ。
例の奴とは酒場で一人飲みした際に話す機会があったんだが、マジでマッチョがトラウマになっていたらしく孤児院に何かをする事はないだろう。
まあ孤児院にはシェラフが居るし、最悪の場合は貞操の危機も感じるだろうがな。
それとあの時は大金を出して手に入れたソースが口に合わなかっただけで失格にされたのが頭に来ただけらしい……
なのであのロリババアはともかく、俺に恨みはないそうだ。
ついでにあのルールの追加は外部の参加者が増え過ぎた故のやむを得ない措置、だと言ってたな。
考えてみれば審査はあの領主が1人でやってたからな、タープやマリアじゃあるまいし大量には食えんか。
まあ、マリアが苦手意識を持っているのは変わらんから特に対応を代えたりはしないが蟠りは溶けたから次から酒を買わせて貰うぞ。
それとロジーだが、マレスやキャリと同様に料理の才能があったらしく……2年後に孤児院を巣立ったらここへ修行する為に来ると言っていた。
俺の元だとロクな給料は出せんが、立派なピットマスターにはしてやろう。
それにロジーは可愛い妹の婚約者候補だから特に厳しく指導してやる。
「お兄ちゃん、ロジーくんをピットマスターにする必要ってあるの?」
「最重要に決まっているだろう」
可愛い妹を嫁にしたいならば尚更だ。
異論は絶対に認めんぞ。
ついでに言っておくとキャリを嫁にしたいならば、俺が尊敬するダニエルさんと同等の腕がなければ認めん!
「「「親バカ」」」
否定はしない!
「……ふぅ、売り物のベーコンはこれで全部か?」
「うん、後はサーマが取りに来るのを待つだけ」
マリアから聞いた話だと前回サーマに渡したベーコンは既に完売したらしい……
そんな訳で今回は倍の600塊ものベーコンを用意したんだが、本当に売れるのか?
買うと言うなら用意はするけど。
「よう兄ちゃん、またどっか行くんか?」
「ようオヤッサン、こいつは今から来る客に渡す商品だよ」
「はぁー、えらい気前のええ客やなぁ……羨ましいわ」
本当だよ、マリアの幼馴染だとは言ってたが随分と溜め込んでるのは間違いない。
それに俺がマレスに教えたミネストローネやエビフライ、ピクルスなんかも売れてるだろうし……
下手したらマリアよりも稼いでいる可能性が高いな。
今後とも御贔屓に、って言った方がいいだろうか?
「お兄ちゃん、今しがた手紙が来たんだけど……タープさんは手が離せないからマリアさん読んで」
「解った」
相変わらず複数のウナギが絡まっている様にしか見えん文字だな。
何で言葉は通じるのに文字がサッパリなんだ?
それにしても最近はよく手形が来るな……そりゃ電話なんてないだろうけど。
「モモちゃんが転生した世界の文字は全部カタカナらしいのに……何でこの世界の文字は読めないんだろ?」
「それはそれで読み辛そうではあるな……」
因みにタープはキャリを含めた子供達に読み書きと簡単な計算を教えている。
日本なら学校で教える事だが、この世界だと教会で教えるのが普通らしい。
それも月に2回程度でいいとか何とか……毎日勉強しなくていいのは羨ましいな。
「手紙はマットさんから、例のヴィガン族が色々と吐いたらしい」
おっと、ようやく進展しそうだな。
今回は可愛い妹が友達に会うのは勿論、俺があいつに会う為に野菜狂信者共に美味い肉か魚を食わせてやらねばならん。
もっとも俺の家族……タープにマリア、可愛い妹と娘に手を出したなら顎が外れるぐらい固い料理をおみまいしてやるけどな。
「ヴィガン族に伝わる話だと、【黄金の獣と炎の獣、異界の金属に宿り神を打つ剣となり 白銀の甲羅と水の魔物、異界の祭壇に宿り神を封じる楔となる】、と言われている……らしい」
なんじゃそりゃ……
誰か日本語に訳してくれないか?って無理か。
「多分、黄金の獣はウメオが美味しく料理した例のブタの事……だと思う」
「となると……白銀の甲羅ってあのカニか?」
確かにあのイノブタは金色に輝いてたし、カニは白銀だったが……
「あ、もしかしてだけど炎の獣ってあのシカじゃない?それでお兄ちゃんのナイフの切れ味が上がったんじゃ」
「確かにあのシカの角は燃えていたが、この世界なら普通の事じゃないのか?」
「ウメオ、シカの角は乾燥させれば着火材に使えるけど、生きてる時に燃えたりはしない……というか燃えるなら、角より先に全身が火だるまになってる」
言われてみればそうだよな、異世界だからって理由で納得してしまったが今後は注意しよう。
しかしそうか……先にあのシカを仕留めていたから俺自身ではなく聖剣がパワーアップしたんだな。
その2匹を美味しく料理した聖剣なら異界の金属って条件を満たしているし、きっとそうに違いない。
つまり先にあのイノブタから料理していれば俺の筋肉がパンプアップされていた可能性がある?
まあ過ぎた事は仕方ない、俺の筋肉は地道に鍛えるとして……
「じゃあ残りの異界の祭壇と水の魔物って何だ?」
「どっちも解らない、でも水の魔物についてはサーマが知っている可能性がある」
サーマなら今日ベーコンを取りに来るし、聞いてみよう。
仮に知らなくてもまた海に行く理由にはなるからな……その時はキャリに泳ぎ方を教えてやるか。
「……お兄ちゃん、確かカナヅチじゃなかった?」
「……忘れてた」
仕方ない、泳ぎを教えるのは可愛い妹に任せよう。
例の奴とは酒場で一人飲みした際に話す機会があったんだが、マジでマッチョがトラウマになっていたらしく孤児院に何かをする事はないだろう。
まあ孤児院にはシェラフが居るし、最悪の場合は貞操の危機も感じるだろうがな。
それとあの時は大金を出して手に入れたソースが口に合わなかっただけで失格にされたのが頭に来ただけらしい……
なのであのロリババアはともかく、俺に恨みはないそうだ。
ついでにあのルールの追加は外部の参加者が増え過ぎた故のやむを得ない措置、だと言ってたな。
考えてみれば審査はあの領主が1人でやってたからな、タープやマリアじゃあるまいし大量には食えんか。
まあ、マリアが苦手意識を持っているのは変わらんから特に対応を代えたりはしないが蟠りは溶けたから次から酒を買わせて貰うぞ。
それとロジーだが、マレスやキャリと同様に料理の才能があったらしく……2年後に孤児院を巣立ったらここへ修行する為に来ると言っていた。
俺の元だとロクな給料は出せんが、立派なピットマスターにはしてやろう。
それにロジーは可愛い妹の婚約者候補だから特に厳しく指導してやる。
「お兄ちゃん、ロジーくんをピットマスターにする必要ってあるの?」
「最重要に決まっているだろう」
可愛い妹を嫁にしたいならば尚更だ。
異論は絶対に認めんぞ。
ついでに言っておくとキャリを嫁にしたいならば、俺が尊敬するダニエルさんと同等の腕がなければ認めん!
「「「親バカ」」」
否定はしない!
「……ふぅ、売り物のベーコンはこれで全部か?」
「うん、後はサーマが取りに来るのを待つだけ」
マリアから聞いた話だと前回サーマに渡したベーコンは既に完売したらしい……
そんな訳で今回は倍の600塊ものベーコンを用意したんだが、本当に売れるのか?
買うと言うなら用意はするけど。
「よう兄ちゃん、またどっか行くんか?」
「ようオヤッサン、こいつは今から来る客に渡す商品だよ」
「はぁー、えらい気前のええ客やなぁ……羨ましいわ」
本当だよ、マリアの幼馴染だとは言ってたが随分と溜め込んでるのは間違いない。
それに俺がマレスに教えたミネストローネやエビフライ、ピクルスなんかも売れてるだろうし……
下手したらマリアよりも稼いでいる可能性が高いな。
今後とも御贔屓に、って言った方がいいだろうか?
「お兄ちゃん、今しがた手紙が来たんだけど……タープさんは手が離せないからマリアさん読んで」
「解った」
相変わらず複数のウナギが絡まっている様にしか見えん文字だな。
何で言葉は通じるのに文字がサッパリなんだ?
それにしても最近はよく手形が来るな……そりゃ電話なんてないだろうけど。
「モモちゃんが転生した世界の文字は全部カタカナらしいのに……何でこの世界の文字は読めないんだろ?」
「それはそれで読み辛そうではあるな……」
因みにタープはキャリを含めた子供達に読み書きと簡単な計算を教えている。
日本なら学校で教える事だが、この世界だと教会で教えるのが普通らしい。
それも月に2回程度でいいとか何とか……毎日勉強しなくていいのは羨ましいな。
「手紙はマットさんから、例のヴィガン族が色々と吐いたらしい」
おっと、ようやく進展しそうだな。
今回は可愛い妹が友達に会うのは勿論、俺があいつに会う為に野菜狂信者共に美味い肉か魚を食わせてやらねばならん。
もっとも俺の家族……タープにマリア、可愛い妹と娘に手を出したなら顎が外れるぐらい固い料理をおみまいしてやるけどな。
「ヴィガン族に伝わる話だと、【黄金の獣と炎の獣、異界の金属に宿り神を打つ剣となり 白銀の甲羅と水の魔物、異界の祭壇に宿り神を封じる楔となる】、と言われている……らしい」
なんじゃそりゃ……
誰か日本語に訳してくれないか?って無理か。
「多分、黄金の獣はウメオが美味しく料理した例のブタの事……だと思う」
「となると……白銀の甲羅ってあのカニか?」
確かにあのイノブタは金色に輝いてたし、カニは白銀だったが……
「あ、もしかしてだけど炎の獣ってあのシカじゃない?それでお兄ちゃんのナイフの切れ味が上がったんじゃ」
「確かにあのシカの角は燃えていたが、この世界なら普通の事じゃないのか?」
「ウメオ、シカの角は乾燥させれば着火材に使えるけど、生きてる時に燃えたりはしない……というか燃えるなら、角より先に全身が火だるまになってる」
言われてみればそうだよな、異世界だからって理由で納得してしまったが今後は注意しよう。
しかしそうか……先にあのシカを仕留めていたから俺自身ではなく聖剣がパワーアップしたんだな。
その2匹を美味しく料理した聖剣なら異界の金属って条件を満たしているし、きっとそうに違いない。
つまり先にあのイノブタから料理していれば俺の筋肉がパンプアップされていた可能性がある?
まあ過ぎた事は仕方ない、俺の筋肉は地道に鍛えるとして……
「じゃあ残りの異界の祭壇と水の魔物って何だ?」
「どっちも解らない、でも水の魔物についてはサーマが知っている可能性がある」
サーマなら今日ベーコンを取りに来るし、聞いてみよう。
仮に知らなくてもまた海に行く理由にはなるからな……その時はキャリに泳ぎ方を教えてやるか。
「……お兄ちゃん、確かカナヅチじゃなかった?」
「……忘れてた」
仕方ない、泳ぎを教えるのは可愛い妹に任せよう。
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
幼馴染に振られたので薬学魔法士目指す
MIRICO
恋愛
オレリアは幼馴染に失恋したのを機に、薬学魔法士になるため、都の学院に通うことにした。
卒院の単位取得のために王宮の薬学研究所で働くことになったが、幼馴染が騎士として働いていた。しかも、幼馴染の恋人も侍女として王宮にいる。
二人が一緒にいるのを見るのはつらい。しかし、幼馴染はオレリアをやたら構ってくる。そのせいか、恋人同士を邪魔する嫌な女と噂された。その上、オレリアが案内した植物園で、相手の子が怪我をしてしまい、殺そうとしたまで言われてしまう。
私は何もしていないのに。
そんなオレリアを助けてくれたのは、ボサボサ頭と髭面の、薬学研究所の局長。実は王の甥で、第二継承権を持った、美丈夫で、女性たちから大人気と言われる人だった。
ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。
お返事ネタバレになりそうなので、申し訳ありませんが控えさせていただきます。
ちゃんと読んでおります。ありがとうございます。
輪廻の花〜運命からは逃れられない〜
スズキアカネ
恋愛
私は同じ生を繰り返している。
先に待ち受ける悲劇を食い止めようと頑張っても、待ち構えているのは死。この世は私に非情で優しくない。私はただ、人並みの幸せが欲しかっただけなのに。
──ただこの先に待つのが地獄だと決まっているなら、いっそこの手で。
(全5話)
明治・大正時代の雰囲気で描いています。
■□■
無断転載等は禁止しております。Do not repost.
僕はあなたに捨てられる日が来ることを知っていながらそれでもあなたに恋してた
いちみやりょう
BL
▲ オメガバース の設定をお借りしている & おそらく勝手に付け足したかもしれない設定もあるかも 設定書くの難しすぎたのでオメガバース知ってる方は1話目は流し読み推奨です▲
捨てられたΩの末路は悲惨だ。
Ωはαに捨てられないように必死に生きなきゃいけない。
僕が結婚する相手には好きな人がいる。僕のことが気に食わない彼を、それでも僕は愛してる。
いつか捨てられるその日が来るまでは、そばに居てもいいですか。
木漏れ日の中で…
きりか
BL
春の桜のような花びらが舞う下で、
その花の美しさに見惚れて佇んでいたところ、
ここは、カラーの名の付く物語の中に転生したことに俺は気づいた。
その時、目の前を故郷の辺境領の雪のような美しい白銀の髪の持ち主が現れ恋をする。
しかし、その人は第二王子の婚約者。決して許されるものではなく…。
攻視点と受け視点が交互になります。
他サイトにあげたのを、書き直してこちらであげさしていただきました。
よろしくお願いします。
あたたかな鳥籠を君に、優しい口づけをあなたに
サイ
BL
完結しました。
読んでくださった方々、本当にありがとうございました!!
古くからの伯爵家に生まれたユリアは13の時、両親は断罪され、平民となった。姉の残した1歳の甥と共に、地獄のような生活を送り心に深い傷を負う。
やがてたどり着いた公爵領で、ユリアは公爵ヘルマンに仕え、あたたかく見守られながら成長する。
過去の傷を抱えながらも希望を失わず、懸命にヘルマンに仕えるユリア。
自分の中にある欲求を嫌悪し愛を諦めていたヘルマン――。
強いドミナント(支配欲求)、心に傷を持つサブミッシブ(服従欲求)の二人のはなし。
D/sであってSMではないので、痛くはないと思います。
第一章:不幸のどん底〜両思いまで。完結しました!
第二章:溺愛・イチャコラします
第三章:真相解明
ユリアの過去だけ強い虐待がありますので、苦手な方は(過去)を飛ばして読んでください。
(※)にも無理やりありますので、ご注意ください。
とびきりのクズに一目惚れし人生が変わった俺のこと
未瑠
BL
端正な容姿と圧倒的なオーラをもつタクトに一目惚れしたミコト。ただタクトは金にも女にも男にもだらしがないクズだった。それでも惹かれてしまうタクトに唐突に「付き合おう」と言われたミコト。付き合い出してもタクトはクズのまま。そして付き合って初めての誕生日にミコトは冷たい言葉で振られてしまう。
それなのにどうして連絡してくるの……?
悩ましき騎士団長のひとりごと
きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。
ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。
『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。
ムーンライト様にも掲載しております。
よろしくお願いします。
とある文官のひとりごと
きりか
BL
貧乏な弱小子爵家出身のノア・マキシム。
アシュリー王国の花形騎士団の文官として、日々頑張っているが、学生の頃からやたらと絡んでくるイケメン部隊長であるアベル・エメを大の苦手というか、天敵認定をしていた。しかし、ある日、父の借金が判明して…。
基本コメディで、少しだけシリアス?
エチシーンところか、チュッどまりで申し訳ございません(土下座)
ムーンライト様でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる