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どーも野菜狂信者さん、知ってるでしょ?ピットマスターでございます
最初の接触・怒髪天添え
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いよいよ野菜狂信者……ヴィガン族の元へ行く時が来た。
食わせる料理は既に決めているが、いざとなるとやはり緊張するな。
「ヴィガン族の領土には街と村と集落がある、でも私が案内出来るのは集落だけ……街や村は交易も親交もないから情報がない」
行商人のマリアでも行った事のない場所か……まあそこは後回しでいいだろ。
「因みにタープさんは行った事あるの?」
「多分ウチが知っとる場所はマリアの知っとる集落と一緒やね、ヴィガン族は偏屈屋ばっかしやさかい」
「ヴィガン族の大半はハイエルフ以外の種族を見下す傾向が強い、それに他人の発言の挙げ足ばかり取って会話が成立しない」
どうしてこう野菜狂信者って奴等はどうでもいい様な事で敵ばかり作りたがるんだ?
やはりカルシウムとか心の栄養が足りてないんだろうな、肉と魚を食え。
俺が食わせてやるから。
「今から行く集落はそんなハイエルフの中でも話の通じる者達……というより、何も知らない子供達が集まる場所」
「それと身体に障害持っとる子供も大勢おるんよ、ウメオやイチゴなら心配はいらん思うけど……優しくしたってな」
障害か……日本にもかなりの人数居るからな、接し方は多少心得がある。
そもそも勤めてたブラック企業が車椅子を始めとした介護用品の開発と販売が中心だったし。
クソ上司は骨折した同僚が松葉杖を使うだけで欠陥品扱いしていやがったけどな……何で介護用品の会社に入ったんだろうか?
まあその日の内に階段で転ばせて同僚と同じ目に合わせてやったが。
「……着いた」
こりゃまた……予想以上に酷い所だな。
畑らしき場所には雑草しか生えていないし、建物は家として機能してなさそうだ。
住民は金髪青眼のエルフで頭に妙なサークレットを着けている……あれがハイエルフの特徴って奴なんだろう。
だが目に布を巻いた子供、顔の半分が焼けた子供、片腕が欠けた子供……って子供ばっかり?
よく見ても大人が1人すら居ないな。
「ここな、街や村から捨てられた子供達の集まる場所なんよ……」
「理由は解らないけど、ハイエルフの子供の大半は生まれつき盲目だったり、手や足が無かったりと欠陥が多い……」
生まれつきの欠陥……何か引っ掛かるな、何処かで聞いた事がある様な気がするんだが。
「ただでさえ他のエルフや人間を見下してるのに、その上障害持ちの子供まで捨てるなんて……そんな事してたらいずれ絶滅しちゃうんじゃないの?」
「ハイエルフにとって大事なのは血を薄めずに子孫を残す事、だからこんな事を平気でやる」
血を薄めず……成程、そういう事か。
何処で聞いたのかと思ったらあのブラック企業で強制参加させられた研修だったわ。
仕事なのに受けてる間は給料発生しないとかで、しかも肝心の仕事には全く役に立たない内容だったからスッカリ忘れてた。
「つまりハイエルフは子孫を残す為なら近親婚でも平気でやるって事か」
「それ、何か関係あるんか?」
「まあ難しい理屈は知らんけど、親子や兄妹で子供を作ると病弱だったり障害持ちだったりする可能性が高いらしい……」
近しい遺伝子同士では云々かんぬんって説明は一応された……と思うが理解出来なかったから寝てた。
どうせ給料にならん時間だったんだから構わんだろ。
今になって必要になるとか、誰が想像できる?
「ウメオの居た世界の知識……それなら信用出来る」
「何にせよ放ってはおけんな……すぐに食える物を作るか」
「あ、手伝うね」
とりあえず可愛い妹の作ったカボチャのタルトで飢えを凌いで貰って、と。
タルトの土台はバターを使っているんだが全員普通に食っているな。
しかし誰1人お礼すら言わないのはどうした事だ?
「よう知らんけど、ウチもこの子等が喋る所は見た事ないんや」
「言葉が解らない訳ではない筈、でも喋ろうとはしない」
成程、解らん。
「あ、この子……サークレットの下から血が出てる」
「ホンマや、ならちょちょいと治したるからサークレットは取って……あれ?」
どうしたんだ?
見た所簡単に取れそうな造りだが……
「このサークレット、変な力で貼り付いてて取れない」
「ウメオの金属加工で何とかならんか?」
ふむ、良く解らんけどやってみるか。
サークレットは金属の玉にするイメージで……お、出来た。
ついでに他全員のも金属加工してやるか。
「ほい、ヒール……これで大丈夫や」
「あ……あり、がと」
お、喋った。
もしかしてあのサークレットのせいで喋れなかった……って、そんな訳ないか。
「兄ちゃん、それをはよ手放した方がええで?」
「……本当に突然現れますね女神様」
まあ他ならぬ美人な女神様のお言葉だからな……素直に従っておこう。
「ほなこれは……ぽいっとな」
……何やら海が広がる場所が見えてそこに放り投げた?
って爆発!?
「ああ、あそこはウチの同僚が作った世界の海やからこっちに影響はあらへんよ」
いやそうじゃなくて……
それはそれで問題だと思うが何で爆発したのかを聞かせて下さい。
「アレな、外したら爆発するっちゅー仕組みらしいねん……ウチも理屈は知らへんけど、そーゆーモンやと思っとき」
過激にも程があるだろ野菜狂信者共!?
というか何で子供にそんなもん付けてんだよ!
「多分やけど、今回みたいに子供達を助けよ思うた他種族を巻き込む為やろな……」
何て胸糞の悪い手段を……
「落ち着いてお兄ちゃん!そんな顔したら子供達が……」
……いかんな、怒りで我を忘れる所だった。
こんなに頭に来たのはあのクズ上司に仕事を押し付けられて以来だ。
それがほぼ毎日だったけどな。
「タープ、マリア、それに苺心、この子達を連れて一旦戻らないか?」
今の状態で野菜狂信者共のツラを見たら……俺自身が何をするか解らない。
冷静になるには戻って出直すしかないだろう。
「それはかまへんけど……」
「異存はない」
「でもこの子達もハイエルフなんだよね?迫害とかされたりしない?」
「それなら安心しぃ、元々ケンタンは闇鍋状態やし種族の壁はあらへんよ」
良かった……なら後は生活基盤を整えるだけだな。
それと……
「女神様、戻ったら話したい事があるんだが?」
「……ええで、聞いたるわ」
そんな訳で一旦戻って……
暫くは子供達の面倒を見つつ予定を練り直す事にする。
幸い教会には空き部屋が幾つかあるし、寝泊まりするには充分だろう。
飯なら幾らでも作ってやれるけど着る物だけは他の皆さんに頼むしかないな。
「で、ウチに話って何や?」
「子供達の中には手や足が欠けている子が居るが……女神様の力で何とかならないか?」
義足や義手の作り方なら多少頭に入っているが、あくまでも多少だ。
造りが複雑過ぎる上に必要な金属はこの世界にはない、とてもじゃないが自立させるには至らないだろう。
「出来るか否かゆーたらそら出来るわ……でもな、女神も慈善事業って訳やないんやで?」
まあそうだろうな……世の中はそんなに甘くはない。
だがそれは織り込み済だ。
「仮にウチが子供達の手足や他の障害を何とかしたとして、兄ちゃんはウチに何を差し出せるんや?」
「俺に差し出せるのはバーベキューの腕だけだ……俺の魂とやらが消滅するその時まで、女神様に忠誠を誓う」
「ふぅん……つまり兄ちゃんはウチの眷属になるっちゅー事やね?」
一か八かの賭けではあるが、女神様は以前俺のバーベキューの腕を気に入っていると言っていた。
どの道他に差し出せる物なんてないし、この世界は女神様が作ったなら希少価値なんかは意味がないだろう。
だからこそ俺の腕を差し出す以外にない……後は女神様次第だ。
「……次からウチを女神様やのうてトゥールって呼びぃや、それで商談成立や」
「あ、ありがとうございます、めが……じゃない、トゥール様」
翌朝……子供達は自分の身体に戸惑いながらも泣いて喜んでいた。
やはり子供は笑顔が一番だ、死後の就職先を決めた甲斐があったな。
だが……
「パパー、キャリと遊ぼ!」
最初にあのサークレットを取ってやった子供……キャリが俺をパパと呼ぶ様になってしまった。
……なしてや!?
「タープママと、マリアママと、イチゴお姉ちゃんも一緒に遊ぼ!」
「お兄ちゃん……気持ちは解らなくもないけど諦めよ?」
「キャリ、おとんを困らせたらアカンよ」
「いい子だから、少しだけ待ってあげて」
「はーい!」
既に嫁2人は崩落されているし、可愛い妹も受け入れていやがった!
いや、確かに可愛いんだけどな……俺はまだキャリみたいな大きい子供が居る歳じゃないんだぞ?
食わせる料理は既に決めているが、いざとなるとやはり緊張するな。
「ヴィガン族の領土には街と村と集落がある、でも私が案内出来るのは集落だけ……街や村は交易も親交もないから情報がない」
行商人のマリアでも行った事のない場所か……まあそこは後回しでいいだろ。
「因みにタープさんは行った事あるの?」
「多分ウチが知っとる場所はマリアの知っとる集落と一緒やね、ヴィガン族は偏屈屋ばっかしやさかい」
「ヴィガン族の大半はハイエルフ以外の種族を見下す傾向が強い、それに他人の発言の挙げ足ばかり取って会話が成立しない」
どうしてこう野菜狂信者って奴等はどうでもいい様な事で敵ばかり作りたがるんだ?
やはりカルシウムとか心の栄養が足りてないんだろうな、肉と魚を食え。
俺が食わせてやるから。
「今から行く集落はそんなハイエルフの中でも話の通じる者達……というより、何も知らない子供達が集まる場所」
「それと身体に障害持っとる子供も大勢おるんよ、ウメオやイチゴなら心配はいらん思うけど……優しくしたってな」
障害か……日本にもかなりの人数居るからな、接し方は多少心得がある。
そもそも勤めてたブラック企業が車椅子を始めとした介護用品の開発と販売が中心だったし。
クソ上司は骨折した同僚が松葉杖を使うだけで欠陥品扱いしていやがったけどな……何で介護用品の会社に入ったんだろうか?
まあその日の内に階段で転ばせて同僚と同じ目に合わせてやったが。
「……着いた」
こりゃまた……予想以上に酷い所だな。
畑らしき場所には雑草しか生えていないし、建物は家として機能してなさそうだ。
住民は金髪青眼のエルフで頭に妙なサークレットを着けている……あれがハイエルフの特徴って奴なんだろう。
だが目に布を巻いた子供、顔の半分が焼けた子供、片腕が欠けた子供……って子供ばっかり?
よく見ても大人が1人すら居ないな。
「ここな、街や村から捨てられた子供達の集まる場所なんよ……」
「理由は解らないけど、ハイエルフの子供の大半は生まれつき盲目だったり、手や足が無かったりと欠陥が多い……」
生まれつきの欠陥……何か引っ掛かるな、何処かで聞いた事がある様な気がするんだが。
「ただでさえ他のエルフや人間を見下してるのに、その上障害持ちの子供まで捨てるなんて……そんな事してたらいずれ絶滅しちゃうんじゃないの?」
「ハイエルフにとって大事なのは血を薄めずに子孫を残す事、だからこんな事を平気でやる」
血を薄めず……成程、そういう事か。
何処で聞いたのかと思ったらあのブラック企業で強制参加させられた研修だったわ。
仕事なのに受けてる間は給料発生しないとかで、しかも肝心の仕事には全く役に立たない内容だったからスッカリ忘れてた。
「つまりハイエルフは子孫を残す為なら近親婚でも平気でやるって事か」
「それ、何か関係あるんか?」
「まあ難しい理屈は知らんけど、親子や兄妹で子供を作ると病弱だったり障害持ちだったりする可能性が高いらしい……」
近しい遺伝子同士では云々かんぬんって説明は一応された……と思うが理解出来なかったから寝てた。
どうせ給料にならん時間だったんだから構わんだろ。
今になって必要になるとか、誰が想像できる?
「ウメオの居た世界の知識……それなら信用出来る」
「何にせよ放ってはおけんな……すぐに食える物を作るか」
「あ、手伝うね」
とりあえず可愛い妹の作ったカボチャのタルトで飢えを凌いで貰って、と。
タルトの土台はバターを使っているんだが全員普通に食っているな。
しかし誰1人お礼すら言わないのはどうした事だ?
「よう知らんけど、ウチもこの子等が喋る所は見た事ないんや」
「言葉が解らない訳ではない筈、でも喋ろうとはしない」
成程、解らん。
「あ、この子……サークレットの下から血が出てる」
「ホンマや、ならちょちょいと治したるからサークレットは取って……あれ?」
どうしたんだ?
見た所簡単に取れそうな造りだが……
「このサークレット、変な力で貼り付いてて取れない」
「ウメオの金属加工で何とかならんか?」
ふむ、良く解らんけどやってみるか。
サークレットは金属の玉にするイメージで……お、出来た。
ついでに他全員のも金属加工してやるか。
「ほい、ヒール……これで大丈夫や」
「あ……あり、がと」
お、喋った。
もしかしてあのサークレットのせいで喋れなかった……って、そんな訳ないか。
「兄ちゃん、それをはよ手放した方がええで?」
「……本当に突然現れますね女神様」
まあ他ならぬ美人な女神様のお言葉だからな……素直に従っておこう。
「ほなこれは……ぽいっとな」
……何やら海が広がる場所が見えてそこに放り投げた?
って爆発!?
「ああ、あそこはウチの同僚が作った世界の海やからこっちに影響はあらへんよ」
いやそうじゃなくて……
それはそれで問題だと思うが何で爆発したのかを聞かせて下さい。
「アレな、外したら爆発するっちゅー仕組みらしいねん……ウチも理屈は知らへんけど、そーゆーモンやと思っとき」
過激にも程があるだろ野菜狂信者共!?
というか何で子供にそんなもん付けてんだよ!
「多分やけど、今回みたいに子供達を助けよ思うた他種族を巻き込む為やろな……」
何て胸糞の悪い手段を……
「落ち着いてお兄ちゃん!そんな顔したら子供達が……」
……いかんな、怒りで我を忘れる所だった。
こんなに頭に来たのはあのクズ上司に仕事を押し付けられて以来だ。
それがほぼ毎日だったけどな。
「タープ、マリア、それに苺心、この子達を連れて一旦戻らないか?」
今の状態で野菜狂信者共のツラを見たら……俺自身が何をするか解らない。
冷静になるには戻って出直すしかないだろう。
「それはかまへんけど……」
「異存はない」
「でもこの子達もハイエルフなんだよね?迫害とかされたりしない?」
「それなら安心しぃ、元々ケンタンは闇鍋状態やし種族の壁はあらへんよ」
良かった……なら後は生活基盤を整えるだけだな。
それと……
「女神様、戻ったら話したい事があるんだが?」
「……ええで、聞いたるわ」
そんな訳で一旦戻って……
暫くは子供達の面倒を見つつ予定を練り直す事にする。
幸い教会には空き部屋が幾つかあるし、寝泊まりするには充分だろう。
飯なら幾らでも作ってやれるけど着る物だけは他の皆さんに頼むしかないな。
「で、ウチに話って何や?」
「子供達の中には手や足が欠けている子が居るが……女神様の力で何とかならないか?」
義足や義手の作り方なら多少頭に入っているが、あくまでも多少だ。
造りが複雑過ぎる上に必要な金属はこの世界にはない、とてもじゃないが自立させるには至らないだろう。
「出来るか否かゆーたらそら出来るわ……でもな、女神も慈善事業って訳やないんやで?」
まあそうだろうな……世の中はそんなに甘くはない。
だがそれは織り込み済だ。
「仮にウチが子供達の手足や他の障害を何とかしたとして、兄ちゃんはウチに何を差し出せるんや?」
「俺に差し出せるのはバーベキューの腕だけだ……俺の魂とやらが消滅するその時まで、女神様に忠誠を誓う」
「ふぅん……つまり兄ちゃんはウチの眷属になるっちゅー事やね?」
一か八かの賭けではあるが、女神様は以前俺のバーベキューの腕を気に入っていると言っていた。
どの道他に差し出せる物なんてないし、この世界は女神様が作ったなら希少価値なんかは意味がないだろう。
だからこそ俺の腕を差し出す以外にない……後は女神様次第だ。
「……次からウチを女神様やのうてトゥールって呼びぃや、それで商談成立や」
「あ、ありがとうございます、めが……じゃない、トゥール様」
翌朝……子供達は自分の身体に戸惑いながらも泣いて喜んでいた。
やはり子供は笑顔が一番だ、死後の就職先を決めた甲斐があったな。
だが……
「パパー、キャリと遊ぼ!」
最初にあのサークレットを取ってやった子供……キャリが俺をパパと呼ぶ様になってしまった。
……なしてや!?
「タープママと、マリアママと、イチゴお姉ちゃんも一緒に遊ぼ!」
「お兄ちゃん……気持ちは解らなくもないけど諦めよ?」
「キャリ、おとんを困らせたらアカンよ」
「いい子だから、少しだけ待ってあげて」
「はーい!」
既に嫁2人は崩落されているし、可愛い妹も受け入れていやがった!
いや、確かに可愛いんだけどな……俺はまだキャリみたいな大きい子供が居る歳じゃないんだぞ?
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