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どーも野菜狂信者さん、知ってるでしょ?ピットマスターでございます

マルメターノピッツァ・ホットドッグ添え

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遂に脱DTを果たした……そのせいか世界が輝いて見える。

なのに可愛い妹からの視線がやけに怖く、3人で正座させられているのはきっと五月蝿かったせいで寝不足だからだろう。

完全に俺達の配慮が足りなかったのは確かだし、反省せねばなるまい。

「新婚なんだからそういう事をするなとは言わないけど……五月蝿くて眠れないからせめて事前に言うか、声を抑える様に努力して!」

「「「はい、スミマセンでした!」」」

2人も可愛い妹を怒らせたら何よりも怖いと学んだだろう……

俺ですら今、初めて知ったぐらいだからな。

「専用の部屋は壁を厚く、音が漏れない様に設計して貰う」

「あんなん、声抑えるなんて無理やもん……部屋をどうにかする以外あらへんわ」

いや、そんな顔を赤くしながら言わないでくれ……

初めてながら上手く行った様で安心したが、滅茶苦茶恥ずかしい。

「……その所もう少し詳しく聞いていい?お兄ちゃんが居ない所で」

「何故俺をハブる……いや、理由は解るけど」

まあ仕方ない……可愛い妹も年頃だしそういう事に興味もあるだろう。

当の本人がショタコンでは知識を得た所で使い道はなさそうではあるが……これは言うまい。

女性陣は女子会をするらしいから今日は1人でダラタラと……あ、ついでに洗車も済ませておくか。




「ふぅ……洗剤なしでも以外と綺麗になるもんだな」

掃除用の布で砂や埃を拭き取っただけなんだが、見違えたぞ。

洗車した所で苺心は日本に帰る気はないと言ってるし、俺も嫁を2人も貰ったから日本に帰る気がない……だからもう運転する事はないだろう。

だがこの車は中古だが、ダニエルさんが生前に乗っていたのと同じ車種のワゴン車で、初めて会った頃から貯めていた小遣いと高校に入学してすぐに始めたバイトの給料と就職して稼いだ給料等を合わせた400万で買った俺の宝だからな。

というか1日でも早くこの車に乗りたいが為に高卒で就職したんだ、廃車になんて絶対しないぞ。

まあ、可愛い妹や2人の嫁の命とのどちらかしか選べないって状況になったら命を優先するけどな。

「よー兄ちゃん、精が出とるなぁ」

「……また唐突に現れたな女神様、婚姻の時はお世話になりました」

本当に神出鬼没が過ぎる……

にしても野菜狂信者に肉を食わせるのはまだ先だし、タープとの結婚は済ませたばかり……何の用だ?

「いやな、結婚祝い代わりでパシったろ思うてな……例えば兄ちゃん、日本に金を残しとるやろ?」

「まあ……7桁近くの貯金はあったなぁ」

ガチで使う暇がなかったからな……

思い出したらあのアホ上司をぶん殴りたくなってきた。

「ウチの分体を経由して、その金で必要な物買っといたるよ……まあ分体の活動資金に幾らか頂くけど、3日後には届くやろ」

マジか……それは非常に助かる。

どうせもう戻る事はないからプライバシーやら何やらは気にする必要がないし、この世界じゃ日本の金は使えないからな。

確実に必要になる物をリストアップして、それから……

「……俺の大事な本と、可愛い妹の下着の替えを一緒に送って貰うって出来ますか?」

「ああ、例のピットマスターのレシピとやらな……出来るで、それと苺心ちゃんの下着はウチが渡しといたるわ」

良かった……流石に年頃の女の子の下着を俺が手渡す訳には行かないしな。

一度だけ、突然の雨で洗濯物を仕舞った際に変態扱いされた事があったが……あれは傷付いた。

雨に気付いたのか後で謝ってはくれたがな。




「ほんならこのメモのもんは揃えて送ったる、楽しみに待っとき」

「宜しくお願いします」

メモに書いたのは残り少ない各種香辛料とマヨネーズ、リボベジが上手く行かなかった時に備えてキャベツとキャベツの種とジャガイモ、大量のアルミホイルに豆腐の作り方が書かれた本、最後に木炭だ。

変換とかいう技能で炭自体は作れたが、やはり日本で売ってるのに比べると火力が弱いからな。

バーベキューは時に高火力で焼き上げねばならない時もある。

「……一気に暇になったな」

チラッと女性陣を見ればお菓子を食いながらまだ何か話しているし……

かといって風呂を沸かすにはまだ早い。

「あーせやった、夕飯はウチも食うから美味いもん頼むで、またあのソーセージ言うんが食いたいわ」

……近い内にまたソーセージでも作ろうと思って塩漬けした腸があるし、肉を挽いて摘めておくか。

どうせ暇だったし、今回はウシとブタの合挽で作ろう。

それに今ならロリババアから大量に貰ったチーズに買い込んだ米もあるからな……アレを作る絶好のチャンスだ。

可愛い妹は絶対に食わないから何か別の物を作る必要はあるが、今回ばかりは妹愛より食欲が勝ってしまった。

という訳で作っていこう。

捻っていないソーセージ10m、炊いて潰した米、大量のチーズとベーコン、余った挽肉、薄切りのタマネギ、カボチャ同様ここの産物であるトマト、バジルはないから乾燥パセリで代用する。

ソーセージはいつかのマルメターノ状態にするが今回は串を刺さず、潰した米でくっ付ける。

中心の穴には余った挽肉を詰めて埋め、焼きながらすりおろしたチーズを満遍なく振り掛けてっと。

このチーズと潰した米が接着剤代わりになって食べやすくなる。

最初のチーズが溶けてきたら上にタマネギとスライスしたトマトを並べ、薄切りしたベーコンをたっぷりと乗せつつ再びチーズと乾燥パセリを振り掛ける。

後はコンロに蓋をしつつじっくりと焼きながら様子を見て、好みでチーズを足しながらみじん切りしたニンニクも足すか。

フフフ、一度はやってみたかったんだよなぁ……このマルメターノピッツァ。

作った所で俺1人じゃ絶対に食い切れないし、可愛い妹は食うのを嫌がるしで諦めていたが今ならタープとマリアが居るからな。

肉とベーコンが大好きなあの2人に女神様まで食うなら残りはしないだろう。

それとマリアはソーセージを食った事がないから通常のソーセージも作った、これは石を積んで作った簡易竈に鉄板を置いて、焼いてコッペパンに挟んで食おう。

いわゆるホットドッグという奴だ。

ソーセージを咥えながら頬張るマリアを見たいが為に20cmと少し長めに作ったが問題はあるまい。

……やはりコンロがもう1つか2つ欲しい。

可愛い妹も使うし、その内また鉄屑を集めて貰って作るか。

でも鉄だけじゃ重くなるから持ち運びが出来ん……どうした物やら。




「そんなら魔鉄っちゅー金属はどや?そっちで言うステンレス程度の重さで加工もしやすい、しかも絶対に錆びないってお買い得な金属や」

夕飯をタカりに来た女神様に聞いたら親切に教えてくれたよ。

そしてソーセージを頬張るタープとマリアと女神様はやはりエロ可愛い……って可愛い妹よ、何で俺に目隠しをするんだ!

折角の貴重なシーンが全く見えん!後見えないから夕飯が掴めないし食えない!

「ただなぁ……この辺りじゃそんな数がある訳でもないんや」

いや、何事もないかの様に続きを話すのは止めてくれ。

そりゃ絶対に錆びない金属なんて剣やら鎧やらで、使い道は幾らでもあるだろうからな。

それに金属は鉱山か炭鉱で採れると相場は決まっているがこの森にあるとは思えん。

「廃業したタコヤキ屋から買い取れば安上がり、あの独特な鉄板は全て魔鉄製だから」

この世界は数が少ない金属をたこ焼きの鉄板に使ってんのかよ!?

それ贅沢ってレベルじゃねぇぞ!

「他の貴重な金属ならミスリルは包丁に、オリハルコンは鍋に使われてる……ウメオが前にシチューを作るのに使ってた鍋もオリハルコン製」

やけに軽くてテカってると思ったらあれオリハルコンの輝きだったのか!

何なの……この世界はモンスターとの戦闘より、日々の料理の方が重要なの?

いや、俺は戦えないから逆に良かったとも言えるしこの世界が平和な証拠とも思えるけど。

たまに野菜狂信者みたいな奴等が湧く事もあるみたいだが……それはそれだ。

次にペスカタ行った時はその鉄板を集めるとするか。

「あの……所でそろそろ目隠し取ってもいいか?」

「「「「駄目」」」」

何故だ!




結局全員が食い終わるまで取れなかった……そして俺の分はほぼ確実にタープに食われ、ついでに夜の営みはお預け喰らったよチクショウ。

だが俺は諦めんぞ……次こそはソーセージを頬張るマリアを目に焼き付けてやる!
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