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プロローグ

ランプ肉ベーコン包みのホイル焼き・じゃがバター添え

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鹿みたいな謎生物を解体していたら夕方になってしまった……

相変わらずスマホは圏外のままだし、帰り道が解らずに動くのも危険と判断しこの場で一泊する事にしたがテントがないしどうした物かと思ったが……

よく考えたら車で来たんだから車で寝ればいいか……幸い大きめなワゴン車だし、後部座席を倒せば大人3人までなら寝れる。

そうと決まれば夕飯の準備をしなくては。

「お兄ちゃん、あのエルフみたいな人が目を覚ましたよ」

おっと、それなら先にあの人に何か食べさせないとな。

……本当にエルフだとしたら、何を食べさせればいいんだ?




関西弁を話してたし、言葉は通じるのは解っていたから何か食べられない物があるか聞いてみたが……

オクトパス以外なら何でも食べれるそうだから適当に焼いた野菜や肉をくれてやったが物凄い勢いで食ってやがる。

っていうか関西弁を喋る癖にタコ食えないのかよ!

いや、もしかしたらだがアレルギーという可能性もあるか……余り触れない様にしよう。

「いやー助かったわぁ……ホンマおーきに!あ、ウチはタープいうんや、よろしゅーな」

「まあいいけど……俺の質問には答えてくれよ?何であんな所で倒れそうになってたんだ?」

「いや、先にここが何処なのか聞こうよ……」

「まー兄ちゃん等は命の恩人やからな、ウチの知っとる事なら何でも答えたるよ」

話によるとここは風の女神が創造した世界で、アルデバラン王国のナニワ領にある森、通称エルフの里という……

うん、これ間違いなく異世界だわ……日本にアルデバランなんて地名はないし、エルフなんて居ないもんな。

何で一部の名前が大阪っぽいのかは疑問だがタープは関西弁だったしなぁ……女神が大阪出身だったと思っておこう。

「あー、兄ちゃん等は迷い人やったんか……そら知らんでもしゃあないわ」

迷い人について聞いてみれば、ごく希に異なる世界から入って来てしまう人間を呼ぶ際に使う現地人のスラング的な呼称らしい……

成程、俺と可愛い妹は何かしらの偶然が重なってこの世界に来てしまった様だ。

「帰らせる方法は女神はんしか知らへんけど、呼ぶ方法はウチが知っとるけぇ……あんま悲観せんときや」

こういう異世界物って二度と帰れないのがテフォだと思っていたんだが……

まあ帰るかどうかは後でいい、どうせ仕事はクビになったし可愛い妹は引きこもっていたからな……急ぐ必要はないだろ。



で、次はタープの身の上話な訳だが……

エルフには4つの部族があり、現在その内3つの部族が抗争状態にあるらしい。

・肉や魚を一切口にしないというヴィガン族……主にハイエルフが多い。

・肉と野菜を好んで食べるカーニズ族……此方はダークエルフが多い。

・魚と野菜を好んで食べるペスカタ族……普通の人間とも交流していてエルフとハーフエルフが多数居るらしい。

因みにこの行き倒れ寸前だったタープはケンタン族という、肉も魚も野菜も美味しく頂く唯一の中立部族……種族はエルフや人間の他にも複数が闇鍋状態で把握しきれないらしい。

因みにタープはノーマルなエルフだそうだ。

話を戻して、中立といってもカーニズ族やペスカタ族とは交流があるらしく抗争もヴィガン族が他2つの部族に喧嘩を吹っ掛けているのが実情みたいだが。

「……私、エルフは薬草や木の実しか食べないと思ってた」

「そんなんヴィガン族だけやで……野菜も美味いけどそれしか食えへんなんて寒気がするやん」

「もしかしてだが……そのヴィガン族とやらは肉や魚を食ってる最中に皿をひっくり返したり、料理してる最中の鍋の中身をぶちまけたり、狩りや漁の邪魔をしたり、飼育している家畜を逃がしたりするのか?」

「よー解ったなぁ、その通りや」

マジか……やっぱりどの世界でも肉や魚を食わない奴の心は狭いな。

そういえばゲームでもエルフは人間嫌いという設定が多かった様な気がするけど……野菜しか食わないせいで心が狭いから、と考えれば納得だ。

「でな、ここはウチ等ケンタン族の領土なんやけど……先日ヴィガン族の奴等がいきなり攻めて来てな、辺りを焼いてしもうたんや」

あの惨状はガチで燃え尽きた跡だったのかよ……

野菜しか食わない連中がハンバーガーショップの前でデモ活動した、なんてニュースを聞いた事ならあったが……それより酷いな!

戦略的に考えると補給を担う可能性がある中立から潰すというのは有効ではあるが非道が過ぎるぞ。

「幸か不幸か、他の連中は肉を買う為にカーニズ族の領土へ行っとったし、女子供はペスカタ族の領土でやっとる祭に行っとったから無事なんやけど……」

森で生きるなら金に使い道がないんじゃないかと思ったがそんな事はないらしい。

まあ、ペスカタ族は人間と交流してるみたいだしな……その内行ってみるか。

「タープさんは行かなかったの?」

「ウチは教会でシスターやっとってなぁ……そもそも全員で行く訳にもいかへんから留守番しとったんよ」

こいつシスターだったのかよ……似合わねぇな。

なら何が似合うんだ、って話になると言葉につまるが。

「まあ、こんな話を聞いた以上放っておく訳にはいかんな……どうせ元の世界に帰ってもやる事がないし」

「お兄ちゃん人が良すぎだよ、私も賛成だけど」

とりあえずタープの生活が安定するまでは協力して、その後はその時に考えよう……

俺に出来る事なんて料理ぐらいしかないが、何かの役には立つだろ。

「兄ちゃん等……おーきに!」

っていきなり抱き付くな!

平べったいのに何故か柔らかい胸部が顔に当たってすげーいい匂いがして照れ臭いぞ!

というか、この感触と匂いはDTの精神にはキツい!

俺の理性と股関の聖剣ブッチャーナイフが暴走するぅーっ!




ふぅ……危うく性欲モンスターになってしまう所だったが可愛い妹が引き剥がしてくれて助かった。

「あ、そういや名乗ってなかったな……俺の事は梅夫と呼べ」

「私は苺心、よろしく」

「ウメオにイチゴやな、りょーかいや」

さて、明日からの方針が決まった所で夕飯にしよう。

解体した鹿みたいな謎生物の肉を塩水に漬けて血抜きしているが……まだ食えそうにない。

水は土の色をした川の水をアウトドア浄水器(税込7千円)に通して沸騰させたから安全に使えるし飲める……持ってきておいて良かったぜ。

話を聞く限りだと川の水も燃えた木や草に土砂、動物の死骸なんかが混ざってそうだし……炭だけなら浄化作用があるんだけどな。

どうやらこの世界の野菜狂信者は動物にも優しくないらしい。

一応タープに鹿もどきの皮や角なんかを見て貰ったが、あれはシカと呼ばれていて主にカーニズ族が干し肉や塩漬け肉にして食べているそうなので毒の心配はないだろ。

因みに皮は衣服になって角は着火材として使えるらしい……そういやあの鹿の角って燃えてたな、今は消えてるけど。

タープは裁縫が得意らしいのでこの皮を俺の上着にして貰おう……流石に寒くなってきた。

とりあえず夕飯は昼に焼かなかった残りのランプ肉を使うとする。

とはいえ2食続けてステーキという訳にもいかんし、簡単に作れるホイル焼きにするか。

昼に作った付け合わせもホイル焼きだったがあれは肉を入れてなかったからセーフだろ。

昼と同様にホイルで容器を作ってバターを塗って、底にベーコンを敷いたらタップリと薄切りのタマネギを入れて、と。

ランプ肉を一口大に切ったらベーコンで包んで乗せて、塩コショウ、少量の醤油で味付けしたらベーコンで蓋をして包み、じっくりと焼けば出来上がりだ。

同時にジャガイモの皮を向いて、タップリのバターと一緒にホイルで包んで焼くジャガバターも作っておこう。

ジャガイモも炭水化物だから米やパンの代わりになる。

ついでに浄水器に通した水を沸騰させて、ステーキの時に切り落とした肉の切れ端といくつかの野菜を煮込んで、味噌で味を付けた味噌汁も出す。

……今更だが俺は何を考えてこんな大量の野菜や調味料を持って来たんだろうな?

確かに思いっきり贅沢してやろうとは考えていたが、どう見ても二人分の量じゃないぞこれ。

今回はそのお陰で助かったが……どうせなら米も持って来れば良かったな。

「なあウメオ、何で鍋の中身をナイフで混ぜとるん?」

「バーベキュースタイルという奴だ」




よし、出来たから食うか。

同時に上着も完成した様だから早速着ておこう。

「捌きたての皮やったから3日は生臭いやろうけど、そこは堪忍な」

まあ着られるだけでも有難いからな、文句は言わん。

「またこんな沢山のベーコンとバターを……」

「ベーコンは調味料だから大丈夫だ」

「いや、どう見ても肉でしょ」

何を言うか、見た目が肉なだけで立派な調味料なんだぞ?

俺が尊敬しているピットマスター(故人)もそう言っているから間違いない。

「美味いなぁ、イモやスープもええ味やけどこの肉で包んだ肉が美味いわぁ」

ほう、タープは中々に味が解る様だ。

「んー……これ塩コショウと一緒にショウユで味付けしたんか?」

まさかこの世界にも醤油があるのか?

意外な共通点があったもんだな……

「それと……塩とショウユの他にも、肉の脂と混じった塩っぽい風味があるなぁ、これがベーコンっちゅー調味料なんか?」

「凄いなタープ……正解だ」

とりあえず軽く炙ったベーコンを出して見せてみよう……どんな反応をするのか興味が出た。

因みにこのベーコンは俺が作った自家製で市販のベーコンより塩分を低くしている。

「はぇー……まさか肉を調味料にするなんて考えつかんかったわぁ、しかもこのまんま食うても美味いやん」

何だろう……タープは黙ってれば凄い美人なのに、今では人懐っこいのに躾がなってない子犬としか思えん。

俺は猫派なんだけど……でも美人なんだよなぁ。

あー……うん、多少残念な所はあるが美人なら許せるな、こんな嫁が心底欲しい。




「お兄ちゃん、急いで食べたと思ったら何をしてるの?」

「ああ、ジャガイモの芽を埋めておこうと思ってな……運が良ければそのまま栽培できるだろ」

ジャガイモは生命力が強いし、炭水化物としても優秀な上オヤツにもなる、大人から子供にも愛される芋だからな。

栄養もあるからいざという時の非常食としても使えてしかも美味い。

「栽培って緑を使ってパーっと終わらすもんやろ?そんな急いでする事ないやんか」

「え……?」

「あ、ウメオとイチゴは迷い人やから知らんのか……森の外におるモンスターを狩ると稀に水晶が落ちる時があってなぁ、緑色のを種や芽と一緒に植えるとすぐに成長するんよ」

何か凄い事を聞いてる気がするんだが今一つ理解出来ないのは俺がバカだから……じゃないよな?

「ちゅーてもモンスターは雑魚やないし、ウチは回復魔法しか使えんしで倒し様がなくってなぁ」

成程なぁ……要約するとゲームで倒した敵が金や宝箱を落とす様な物だな。

つまり森を元通りにするならその緑色の水晶を集めればいい、と。

「なら明日はその緑色の水晶を集めるとするか」

「ほんなら朝になったら教会に行かへんか?上手く行けば戦いに有利な技能が貰えるし、運が良ければ女神はんとお話も出来るで」

まあ現状だとこの聖剣ブッチャーナイフを振り回すぐらいしか出来ないからな……

相手が食材になるならまだしも食えないモンスターには使いたくないし、そうするか。

あ、昼の鹿はって?

可愛い妹のピンチだったんだから仕方ないだろ、それにちゃんと食うから大丈夫だ。

「何か、いよいよもってゲームの中に入った気分……」

「まあ滅多に出来ない経験だ、どうせなら楽しんだ方がいいだろ」
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