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図書館と安食堂のスライム騒動
仲間も捕まえました
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巨大カタツムリを始末して、掃除に明け暮れた夜……
思ったよりも時間が掛かったせいで夕飯も炊き出しを振る舞う羽目になって大変でした。
それはさておき、あたしはコカちゃんの調べ物では力になれませんが他の事でサポートしましょう。
特にここ数日はロクに寝てなさそうですし、甘い物を差し入れしますよ。
そんな訳で用意したのはリンゴの絞り汁とアマミズの水、そしてアマミズの粉です。
これらを混ぜて温めて、ゆっくりと冷やせば水飴に……更に煮詰めて冷やせば飴になります。
大量の本と向き合っているなら手が汚れない様に、冷やす前に型に流し入れて……棒を刺しておけばいわゆるペロペロキャンディー、ロリポップもどきになります。
で、それを渡しに行ったのですが……
「あ、キュアちゃん……どうしたの?」
既に調べ物は終わっていたらしく片付けている最中でした。
まあ、折角作ったんだし渡すんですけどね……どうやら気に入ってくれた様です。
チラッと見えた本はスライムの生態やら禁呪やら、やたらと難しそうな物ばかりでしたよ。
「……そういえばコカちゃん、確認したい事があるってあのプロフェッサーの研究所に行きましたけど何か解ったのですか?」
「うん、これ……見てくれる?」
コカちゃんの掌にあったのは白い塊……やけにぷよぷよしてますね。
続けて出したのは真っ白な液体が入った瓶……
「これはね……塩を掛けた、マジックスライム……なんだよ」
……え?
スライムって塩で縮むんですか?
確かに骨を持たない生物が塩で縮む、って言ったのはあたしですけれど。
まさかスライムまで塩で縮むとは……
「この液体……マジックスライムから出た、水分と魔力なの……あ、塩を一杯使ったから……しょっぱいと思うよ」
いや飲まないし、舐めませんし……味見もしませんよ。
料理に使ったりもしませんからね?
「え……使わないの?キュアちゃん……食べられない物まで、美味しく……しちゃうのに?」
いや確かにこの世界では食べられないと思われてた骨とかイノシシとか、内臓まで使って料理しましたけど……
「流石のあたしもスライムを美味しくする自信はないですよ……というかアレ食べたらお腹壊しませんかね?」
見た目で判断すればコラーゲンがタップリ詰まってそうではありますが……
ゲームや例の神話ではほぼ毒持ちでしたし、食べる気にはなれません。
「話を戻して……沢山居たから……何匹かで試したけど、こうなれば……ほら、刃物でも倒せるの」
だからって実演しなくても……ってまだ沢山あるし!
しかし……非力なコカちゃんでも物理で倒せるとなると塩さえあればスライムを、毒や魔法がなくても倒せると。
これ、何気に凄い発見なのでは?
「これなら……あの黒いスライムも、倒さずに無力化出来る……と思う」
まさか……ここに来たがっていたのは、あのイケボスライムの対策を調べる為に?
「それとね……あのスライムが使ってた、【キャンセル】も……対策が出来ると思う……これはほんの、ついでだけど」
キャンセルって確かあのイケボスライムが使っていた、神でなきゃ無闇に使えないという禁呪……
あたしはクティと戦う以上、イケボスライムはコカちゃん1人で戦う必要がありますからね……
以前はあたしとコカちゃんが魔力を使い切ってようやく無力化させられた様な相手……それしか出来ないとか言ってましたが強敵には変わりありません。
スライムの癖に。
「ボク、キュアちゃんの足は……引っ張りたくないから、出来る事は……全力で、頑張るよ」
「……コカちゃんは足を引っ張ったりなんて、今まで1度もしていませんよ」
むしろあたしが助けられていたぐらいですから。
「コカお姉ちゃーん、お風呂空いたよー!」
……いい雰囲気でしたが水を差されてしまいましたね。
ナクアちゃんが相手では怒れませんけど。
コカちゃんの調べ物は終わったので出立までは食堂を手伝ってくれて、護衛の必要がなくなったロウはアプさんの屋台を手伝っています。
やはりコカちゃんが居るだけで料理の効率が上がりますね。
まあ、ウィラコさんは昨日の内に料理が出来るメイドさんを何人か新しく雇った様で、仕事を教えるのにかかりっきりだから忙しい事に変わりないんですけど。
最終日までにはレシピを教えておきたいので頑張って覚えて下さい。
「キュアちゃん、唐揚げ10皿と串カツ7皿追加だよ!」
……本当に、早く仕事を覚えて下さいね!
あたしが過労死する前に!
「キュアちゃん、串カツは……ボクがやるね」
「お願いします!」
さて、営業も夕飯も終わって後はお風呂に入って寝るだけなのですが……
ここ数日間ずっと唐揚げに串カツばかり作ってて、鍛練がおろそかになってたのでちょっと走り込みでもしますかね。
とはいえ明日も仕事がありますから軽く町1周……約2キロに留めておきますけれど。
「キュア、何処か行くのか?」
「ロウですか……ちょっと走り込みしてきます」
「走り込みか……なら俺も行くよ」
思わぬ形でロウと2人きりになれました。
相変わらずロウの頭にはトウカが居ますけど。
「この所屋台の他はずっとトウカと意識を繋げる特訓ばかりで体が鈍ってたからな……」
「トウカ、たまには自分の足で走らないんですか?」
「ミャ?」
「何で、と言ってる」
死ぬまでロウの頭に居座る気ですか!
……ん?
「今日、ようやくナクアの【疎通】を使える様になったんだ……といってもまだトウカの言葉しか解らないけどな」
ああ、そういえば前に幻獣の技能を使える様になれれば……とか言っていましたね。
ようやく実現したのですか。
「今の所使えるのは【疎通】と【水縛】の2つだけだが……慣れればもう少し増えるって言ってたな」
「ミャア」
「……余計なお世話だ」
今のは何と言ったのやら……大方【覚えるのが遅い】とか言ったんでしょう。
おっと、早くも折り返し地点ですね。
「おい、あそこ……明らかにプロフェッサーらしい奴等が居ないか?」
「4人で……何やら密談してる様ですが気になりますか?」
「……トウカ、ちょっとあいつ等に近づいてくれ」
「ミャッ!」
こういう時は自分で歩くんですね……
「よし、【共有:聴覚】」
あ、プロフェッサー達がトウカに気付いて……スルーしましたか。
まあ見た目はただの子猫ですからね……
「……あいつ等は昨日のプロフェッサーの仲間らしい、目的は魔術ギルドと……混じり者の排除とか言ってるな」
混じり者……確かコカちゃんの様なハーフの侮称でしたね。
奴等はあたしの敵という事は解りました。
「で、どうする?」
「当然、ぶちのめします」
あ、その前にウィラコさんとアプさんにテレパスを送っておきましょう。
【キノウノプロフェッサーノナカマヲハッケン、コウセンシマス】っと。
「走り込みだから弓矢を置いてきちまったが……まあ何とかなるか」
「あたしも手甲を置いてきてしまいましたが……まあ何とかなるでしょう」
次からは料理とお風呂と寝る時以外は装着しておきます。
「よしトウカ、【水縛】!」
「ミャッ!」
「な、何だ貴様等は!」
惜しい、1人だけ外れてしまいました。
「安心しろ、逃がさねぇよ」
「がああ!う、腕が折れる!」
運よく水縛を避けたプロフェッサーがロウのアームロックに……
そういえばロウはミラさんに間接技を習っていましたっけ。
さて、尋問はロウが抑えたプロフェッサーにするとして……残りは気絶させておきましょう。
「【雷(中)】!」
「「「ギャアアアア!」」」
やはり水場で使うなら雷が1番です。
たった1発で全体に行き渡りますからね。
あ、でも川で魚取りに使ったりはしませんよ……その場は大漁でも後がなくなってしまいます。
「ミャアア……」
「だな……恐ろしいタッグ技が編み出されてしまった様だ」
そこ、あたしにも解る様に話してくれませんかね?
とりあえずプロフェッサー共はふん縛っておこうと思ってたらアプさんとウィラコさんがやって来たのでお任せします。
あ、その後は走り込む気分でもなかったので帰って寝ましたよ。
思ったよりも時間が掛かったせいで夕飯も炊き出しを振る舞う羽目になって大変でした。
それはさておき、あたしはコカちゃんの調べ物では力になれませんが他の事でサポートしましょう。
特にここ数日はロクに寝てなさそうですし、甘い物を差し入れしますよ。
そんな訳で用意したのはリンゴの絞り汁とアマミズの水、そしてアマミズの粉です。
これらを混ぜて温めて、ゆっくりと冷やせば水飴に……更に煮詰めて冷やせば飴になります。
大量の本と向き合っているなら手が汚れない様に、冷やす前に型に流し入れて……棒を刺しておけばいわゆるペロペロキャンディー、ロリポップもどきになります。
で、それを渡しに行ったのですが……
「あ、キュアちゃん……どうしたの?」
既に調べ物は終わっていたらしく片付けている最中でした。
まあ、折角作ったんだし渡すんですけどね……どうやら気に入ってくれた様です。
チラッと見えた本はスライムの生態やら禁呪やら、やたらと難しそうな物ばかりでしたよ。
「……そういえばコカちゃん、確認したい事があるってあのプロフェッサーの研究所に行きましたけど何か解ったのですか?」
「うん、これ……見てくれる?」
コカちゃんの掌にあったのは白い塊……やけにぷよぷよしてますね。
続けて出したのは真っ白な液体が入った瓶……
「これはね……塩を掛けた、マジックスライム……なんだよ」
……え?
スライムって塩で縮むんですか?
確かに骨を持たない生物が塩で縮む、って言ったのはあたしですけれど。
まさかスライムまで塩で縮むとは……
「この液体……マジックスライムから出た、水分と魔力なの……あ、塩を一杯使ったから……しょっぱいと思うよ」
いや飲まないし、舐めませんし……味見もしませんよ。
料理に使ったりもしませんからね?
「え……使わないの?キュアちゃん……食べられない物まで、美味しく……しちゃうのに?」
いや確かにこの世界では食べられないと思われてた骨とかイノシシとか、内臓まで使って料理しましたけど……
「流石のあたしもスライムを美味しくする自信はないですよ……というかアレ食べたらお腹壊しませんかね?」
見た目で判断すればコラーゲンがタップリ詰まってそうではありますが……
ゲームや例の神話ではほぼ毒持ちでしたし、食べる気にはなれません。
「話を戻して……沢山居たから……何匹かで試したけど、こうなれば……ほら、刃物でも倒せるの」
だからって実演しなくても……ってまだ沢山あるし!
しかし……非力なコカちゃんでも物理で倒せるとなると塩さえあればスライムを、毒や魔法がなくても倒せると。
これ、何気に凄い発見なのでは?
「これなら……あの黒いスライムも、倒さずに無力化出来る……と思う」
まさか……ここに来たがっていたのは、あのイケボスライムの対策を調べる為に?
「それとね……あのスライムが使ってた、【キャンセル】も……対策が出来ると思う……これはほんの、ついでだけど」
キャンセルって確かあのイケボスライムが使っていた、神でなきゃ無闇に使えないという禁呪……
あたしはクティと戦う以上、イケボスライムはコカちゃん1人で戦う必要がありますからね……
以前はあたしとコカちゃんが魔力を使い切ってようやく無力化させられた様な相手……それしか出来ないとか言ってましたが強敵には変わりありません。
スライムの癖に。
「ボク、キュアちゃんの足は……引っ張りたくないから、出来る事は……全力で、頑張るよ」
「……コカちゃんは足を引っ張ったりなんて、今まで1度もしていませんよ」
むしろあたしが助けられていたぐらいですから。
「コカお姉ちゃーん、お風呂空いたよー!」
……いい雰囲気でしたが水を差されてしまいましたね。
ナクアちゃんが相手では怒れませんけど。
コカちゃんの調べ物は終わったので出立までは食堂を手伝ってくれて、護衛の必要がなくなったロウはアプさんの屋台を手伝っています。
やはりコカちゃんが居るだけで料理の効率が上がりますね。
まあ、ウィラコさんは昨日の内に料理が出来るメイドさんを何人か新しく雇った様で、仕事を教えるのにかかりっきりだから忙しい事に変わりないんですけど。
最終日までにはレシピを教えておきたいので頑張って覚えて下さい。
「キュアちゃん、唐揚げ10皿と串カツ7皿追加だよ!」
……本当に、早く仕事を覚えて下さいね!
あたしが過労死する前に!
「キュアちゃん、串カツは……ボクがやるね」
「お願いします!」
さて、営業も夕飯も終わって後はお風呂に入って寝るだけなのですが……
ここ数日間ずっと唐揚げに串カツばかり作ってて、鍛練がおろそかになってたのでちょっと走り込みでもしますかね。
とはいえ明日も仕事がありますから軽く町1周……約2キロに留めておきますけれど。
「キュア、何処か行くのか?」
「ロウですか……ちょっと走り込みしてきます」
「走り込みか……なら俺も行くよ」
思わぬ形でロウと2人きりになれました。
相変わらずロウの頭にはトウカが居ますけど。
「この所屋台の他はずっとトウカと意識を繋げる特訓ばかりで体が鈍ってたからな……」
「トウカ、たまには自分の足で走らないんですか?」
「ミャ?」
「何で、と言ってる」
死ぬまでロウの頭に居座る気ですか!
……ん?
「今日、ようやくナクアの【疎通】を使える様になったんだ……といってもまだトウカの言葉しか解らないけどな」
ああ、そういえば前に幻獣の技能を使える様になれれば……とか言っていましたね。
ようやく実現したのですか。
「今の所使えるのは【疎通】と【水縛】の2つだけだが……慣れればもう少し増えるって言ってたな」
「ミャア」
「……余計なお世話だ」
今のは何と言ったのやら……大方【覚えるのが遅い】とか言ったんでしょう。
おっと、早くも折り返し地点ですね。
「おい、あそこ……明らかにプロフェッサーらしい奴等が居ないか?」
「4人で……何やら密談してる様ですが気になりますか?」
「……トウカ、ちょっとあいつ等に近づいてくれ」
「ミャッ!」
こういう時は自分で歩くんですね……
「よし、【共有:聴覚】」
あ、プロフェッサー達がトウカに気付いて……スルーしましたか。
まあ見た目はただの子猫ですからね……
「……あいつ等は昨日のプロフェッサーの仲間らしい、目的は魔術ギルドと……混じり者の排除とか言ってるな」
混じり者……確かコカちゃんの様なハーフの侮称でしたね。
奴等はあたしの敵という事は解りました。
「で、どうする?」
「当然、ぶちのめします」
あ、その前にウィラコさんとアプさんにテレパスを送っておきましょう。
【キノウノプロフェッサーノナカマヲハッケン、コウセンシマス】っと。
「走り込みだから弓矢を置いてきちまったが……まあ何とかなるか」
「あたしも手甲を置いてきてしまいましたが……まあ何とかなるでしょう」
次からは料理とお風呂と寝る時以外は装着しておきます。
「よしトウカ、【水縛】!」
「ミャッ!」
「な、何だ貴様等は!」
惜しい、1人だけ外れてしまいました。
「安心しろ、逃がさねぇよ」
「がああ!う、腕が折れる!」
運よく水縛を避けたプロフェッサーがロウのアームロックに……
そういえばロウはミラさんに間接技を習っていましたっけ。
さて、尋問はロウが抑えたプロフェッサーにするとして……残りは気絶させておきましょう。
「【雷(中)】!」
「「「ギャアアアア!」」」
やはり水場で使うなら雷が1番です。
たった1発で全体に行き渡りますからね。
あ、でも川で魚取りに使ったりはしませんよ……その場は大漁でも後がなくなってしまいます。
「ミャアア……」
「だな……恐ろしいタッグ技が編み出されてしまった様だ」
そこ、あたしにも解る様に話してくれませんかね?
とりあえずプロフェッサー共はふん縛っておこうと思ってたらアプさんとウィラコさんがやって来たのでお任せします。
あ、その後は走り込む気分でもなかったので帰って寝ましたよ。
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