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蕎麦粉を求めて
宣戦布告されました
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デュロックさんに弟子入り(?)して早4日……
とりあえず拳に魔力を込めるのは出来ましたが、属性に変換するのが難しくて難航しています。
まあやってみて解りましたが、魔力だけでも威力は上がりますけど……どうせなら属性にしたいですね。
ただ唯一成功した……と言ってもいいのかは疑問ですが、ホーリーライトを打たずに、握って殴ったらそれなりの破壊力になったので何とか他の属性も習得したい所です。
「嬢ちゃんは光属性なら上手く出来るか……いっそそれだけに絞って磨くのもアリだぞ?」
「まだ3日ありますし、ギリギリまで頑張ってみますよ」
あたしはトゥグア様の信者ですし、せめて炎は出せる様になりたいのです。
確か愛も司っていましたから、そのお陰であたしは光属性が使えるのでしょう。
愛って光なのか?とか聞かれても考えてしまいますけれど、そういう事にしておきます。
「そういえば唯一習得したという従者の方はどんな属性を?」
「ああ、確か風と毒……それに水の3つだったな」
ふむ……デュロックさんも使えるのは3属性だけらしいですし、それが人の限界と見て良さそうですね。
というか毒って……機会があれば会ってみたいと思ったのですが、関わらない方がいいのでしょうか?
せめて良識のある人ならいいのですが。
そんなこんなで予選5日目……
初日以降はどなたも似た様な物しか出さなくなり、サーグァ様が飽きたと言うぐらいにマンネリ化してましたが……
「このソバマンジューというのはすごくおいしーぞ!」
まさかこんな所で小豆の餡子が食べられるとは……
生地は蕎麦粉のみで作っていますし、意外と美味しいのは確かですね。
「なら今回は満場一致でよいな?」
「意義はありませんよ」
「じゃあソバマンジューをだしたクティ、よせんつーかだぞ!」
ってヲイ!?
今クティとか言いましたかプラトーちゃん!
「まさか本当にキュアさんが審査をしていらしたとは」
「何でクティがこのイベントに参加しているのですか?」
チラッと見た程度ですけど、クティの腕前はあたしとほぼ同等だと思うのですが?
「実はわたくし……蕎麦が好物なのですわ」
ああ、それで……確かに今はまだ値段が高いですからね。
参加者には試作の分を含めた蕎麦粉が支給されますし、料理が出来るんなら参加しない手はありませんね。
「それにキュアさんのレシピにも興味がありますし」
聞いてくれれば幾らでも教えますけど……味方になるならば。
まあ、クティに教える時があるなら地の女神の企みを潰した後になりますね。
とりあえず場所を変えて、蕎麦クレープを食べつつ話をしようと誘ったらアッサリ乗ってくれました。
……意外とチョロいですねクティ。
「そういえばクティ、貴方はハイドラ様の娘だそうですね?」
「ああ、翡翠から聞きましたのね……間違ってはいませんわ」
教えてくれたのはロウなのですが……まあ些細な事ですから修正する必要はないですね。
「一応言っておきますが、キュアさんのテレパスは妨害させて頂きましたわよ……今は翡翠に知られる訳にはいきませんので」
チョロいと思ったら抜け目ないですね……流石は地の女神の眷属という事ですか。
「それはそうと、アトラとナクアは元気にしているのですか?」
「アトラさんは別行動中なので解りませんが、ナクアちゃんは元気ですよ」
むしろ有り余っているぐらいです。
「というか2人をモンスターにしておきながら気になるのですか?」
「アルラ様の下した判断ですもの……わたくしには逆らう事が出来ませんわ」
サーグァ様もトゥグア様にだけは逆らえないと言ってましたから……眷属とはそういう存在であると思って間違いなさそうですね。
あたしもトゥグア様に逆らう気は一切ありませんけれど。
「……ナクアの【疎通】はもう知っていますわね?アトラの技能は【暴走】、3分間だけですがバーサーカーの解放の様な効果がありますわ」
……ゑ?
「そしてアトラとナクアが揃った時にのみ使える技能が【融合】、こちらは5分間だけ本来の姿に戻れますわよ」
そういえば2人を作ったのがクティですから、知っていてもおかしくはないですが……
「何故それをあたしに?」
「仮に教えなくても合流した時にロウさんが気付くでしょう?早いか遅いかの違いですわ」
という事はロウが幻獣使いだと知っているのですね……
「ああそうでしたわ、幻獣使いはアルラ様の計画の妨げになりますので……およそ3ヶ月後にロウさんを殺しますわよ?」
……今、何て言いました?
幻獣使いを……ロウを殺す?
「……あたしがそれを許すとでも?」
「勿論、思っていませんわ……だからこその宣戦布告ですのよ」
ふむ……嫌なら止めてみろ、という事ですか。
そもそも単にロウを殺したいだけなら態々言わずに暗殺でもしていますよね……もしかしたらクティも悩んでいるのでしょうか?
「その時はわたくし達が持つ全ての戦力で伺いますが……キュアさんのお相手はこのわたくしが努めさせて頂きます」
つまり3ヶ月後が事実上の最終決戦……ってあたしの相手はクティ!?
何で向こうでは1番強いであろうクティが、パーティー内では下から数えた方が早いあたしに?
「キュアさんはプリーストになったそうですし、公平に戦う為に教えておきますわ……わたくしの職業は従者ですが」
従者にしてはやけに強い様な……というか教えてくれるとは随分と親切ですね。
って……クティの右拳から風?紫色の霧?それに水が……まさか?
「とある縁があって、デュロック様から指導を頂きまして……魔拳も使えますの」
デュロックさんが言っていた、唯一習得したという従者って……クティだったんですか!?
……まあ考えてみれば納得ではありますけど。
非戦闘職の従者なのに強い人がそう居る筈がありませんし。
そして成程、以前あたしのスカートをめくり上げたのはその風の魔拳ですか!?
「キュアさんもデュロック様の指導を受けていらっしゃるそうですわね……3ヶ月後を楽しみにしていますわ」
消えた?目的は果たした、という事ですか。
ともあれ光以外の属性を何としても習得する必要が出来ましたね。
って、クティが帰ってしまいましたが……コンテストはいいのでしょうか?
とりあえず本戦に居なかったら急病の為に辞退したと言っておきましょう。
~クティ視点~
「あ……コンテストの最中だって事をすっかり忘れていましたわ!」
何の為にレンに向かったのですかわたくしは!?
……でも今から戻ったら格好が付きませんし、翡翠に見つかる可能性が!
仕方ありません、蕎麦粉とキュアさんのレシピは諦めるしかありませんわね……グスン。
とりあえず拳に魔力を込めるのは出来ましたが、属性に変換するのが難しくて難航しています。
まあやってみて解りましたが、魔力だけでも威力は上がりますけど……どうせなら属性にしたいですね。
ただ唯一成功した……と言ってもいいのかは疑問ですが、ホーリーライトを打たずに、握って殴ったらそれなりの破壊力になったので何とか他の属性も習得したい所です。
「嬢ちゃんは光属性なら上手く出来るか……いっそそれだけに絞って磨くのもアリだぞ?」
「まだ3日ありますし、ギリギリまで頑張ってみますよ」
あたしはトゥグア様の信者ですし、せめて炎は出せる様になりたいのです。
確か愛も司っていましたから、そのお陰であたしは光属性が使えるのでしょう。
愛って光なのか?とか聞かれても考えてしまいますけれど、そういう事にしておきます。
「そういえば唯一習得したという従者の方はどんな属性を?」
「ああ、確か風と毒……それに水の3つだったな」
ふむ……デュロックさんも使えるのは3属性だけらしいですし、それが人の限界と見て良さそうですね。
というか毒って……機会があれば会ってみたいと思ったのですが、関わらない方がいいのでしょうか?
せめて良識のある人ならいいのですが。
そんなこんなで予選5日目……
初日以降はどなたも似た様な物しか出さなくなり、サーグァ様が飽きたと言うぐらいにマンネリ化してましたが……
「このソバマンジューというのはすごくおいしーぞ!」
まさかこんな所で小豆の餡子が食べられるとは……
生地は蕎麦粉のみで作っていますし、意外と美味しいのは確かですね。
「なら今回は満場一致でよいな?」
「意義はありませんよ」
「じゃあソバマンジューをだしたクティ、よせんつーかだぞ!」
ってヲイ!?
今クティとか言いましたかプラトーちゃん!
「まさか本当にキュアさんが審査をしていらしたとは」
「何でクティがこのイベントに参加しているのですか?」
チラッと見た程度ですけど、クティの腕前はあたしとほぼ同等だと思うのですが?
「実はわたくし……蕎麦が好物なのですわ」
ああ、それで……確かに今はまだ値段が高いですからね。
参加者には試作の分を含めた蕎麦粉が支給されますし、料理が出来るんなら参加しない手はありませんね。
「それにキュアさんのレシピにも興味がありますし」
聞いてくれれば幾らでも教えますけど……味方になるならば。
まあ、クティに教える時があるなら地の女神の企みを潰した後になりますね。
とりあえず場所を変えて、蕎麦クレープを食べつつ話をしようと誘ったらアッサリ乗ってくれました。
……意外とチョロいですねクティ。
「そういえばクティ、貴方はハイドラ様の娘だそうですね?」
「ああ、翡翠から聞きましたのね……間違ってはいませんわ」
教えてくれたのはロウなのですが……まあ些細な事ですから修正する必要はないですね。
「一応言っておきますが、キュアさんのテレパスは妨害させて頂きましたわよ……今は翡翠に知られる訳にはいきませんので」
チョロいと思ったら抜け目ないですね……流石は地の女神の眷属という事ですか。
「それはそうと、アトラとナクアは元気にしているのですか?」
「アトラさんは別行動中なので解りませんが、ナクアちゃんは元気ですよ」
むしろ有り余っているぐらいです。
「というか2人をモンスターにしておきながら気になるのですか?」
「アルラ様の下した判断ですもの……わたくしには逆らう事が出来ませんわ」
サーグァ様もトゥグア様にだけは逆らえないと言ってましたから……眷属とはそういう存在であると思って間違いなさそうですね。
あたしもトゥグア様に逆らう気は一切ありませんけれど。
「……ナクアの【疎通】はもう知っていますわね?アトラの技能は【暴走】、3分間だけですがバーサーカーの解放の様な効果がありますわ」
……ゑ?
「そしてアトラとナクアが揃った時にのみ使える技能が【融合】、こちらは5分間だけ本来の姿に戻れますわよ」
そういえば2人を作ったのがクティですから、知っていてもおかしくはないですが……
「何故それをあたしに?」
「仮に教えなくても合流した時にロウさんが気付くでしょう?早いか遅いかの違いですわ」
という事はロウが幻獣使いだと知っているのですね……
「ああそうでしたわ、幻獣使いはアルラ様の計画の妨げになりますので……およそ3ヶ月後にロウさんを殺しますわよ?」
……今、何て言いました?
幻獣使いを……ロウを殺す?
「……あたしがそれを許すとでも?」
「勿論、思っていませんわ……だからこその宣戦布告ですのよ」
ふむ……嫌なら止めてみろ、という事ですか。
そもそも単にロウを殺したいだけなら態々言わずに暗殺でもしていますよね……もしかしたらクティも悩んでいるのでしょうか?
「その時はわたくし達が持つ全ての戦力で伺いますが……キュアさんのお相手はこのわたくしが努めさせて頂きます」
つまり3ヶ月後が事実上の最終決戦……ってあたしの相手はクティ!?
何で向こうでは1番強いであろうクティが、パーティー内では下から数えた方が早いあたしに?
「キュアさんはプリーストになったそうですし、公平に戦う為に教えておきますわ……わたくしの職業は従者ですが」
従者にしてはやけに強い様な……というか教えてくれるとは随分と親切ですね。
って……クティの右拳から風?紫色の霧?それに水が……まさか?
「とある縁があって、デュロック様から指導を頂きまして……魔拳も使えますの」
デュロックさんが言っていた、唯一習得したという従者って……クティだったんですか!?
……まあ考えてみれば納得ではありますけど。
非戦闘職の従者なのに強い人がそう居る筈がありませんし。
そして成程、以前あたしのスカートをめくり上げたのはその風の魔拳ですか!?
「キュアさんもデュロック様の指導を受けていらっしゃるそうですわね……3ヶ月後を楽しみにしていますわ」
消えた?目的は果たした、という事ですか。
ともあれ光以外の属性を何としても習得する必要が出来ましたね。
って、クティが帰ってしまいましたが……コンテストはいいのでしょうか?
とりあえず本戦に居なかったら急病の為に辞退したと言っておきましょう。
~クティ視点~
「あ……コンテストの最中だって事をすっかり忘れていましたわ!」
何の為にレンに向かったのですかわたくしは!?
……でも今から戻ったら格好が付きませんし、翡翠に見つかる可能性が!
仕方ありません、蕎麦粉とキュアさんのレシピは諦めるしかありませんわね……グスン。
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