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百万文字の世界final
24.
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✴︎
絞めていた人は,そこで意識を失った。
しかし,その先もう目覚めることは、ない。
だから,最後に言っておく。
そのノートは,書く人が見る人の寿命を奪うものだ。
死のノートと言っても過言では,ない。
私は,そのノートをもう一度、師匠に持っていく予定だったのに。
その約束,果たせそうにない。
そこで,絞めていた人の意識は,失った。
【残りこのノートを知る人物、三名】
✴︎
「ちょっと姉さんいいですか?」
「どうしたんだい?美月」
ノートの切れ端があります。
「いえ,なんでもないです。見間違えだと思います」
「あ、そう。なら,いいんだけどよ」
私は,咄嗟の反応で嘘をついた。
ノートの切れ端があったことを言えなかった。
なんだか,ダメなもののようなものに見える。
私は,そのノートを見ていて、死んだ。
いや,正確には,そのノートの夢を見た。
人形に殺される夢。
人形になる夢。
そして,姉さんが言ったことは,なんだ。
夢じゃない。
現実逃避だ。
じゃ,今は,何になってるんだ。
そのノートは,人を……。
その先は,紡げない。
私は,その先を紡いでは,いけない気がした。
絞めていた人は,そこで意識を失った。
しかし,その先もう目覚めることは、ない。
だから,最後に言っておく。
そのノートは,書く人が見る人の寿命を奪うものだ。
死のノートと言っても過言では,ない。
私は,そのノートをもう一度、師匠に持っていく予定だったのに。
その約束,果たせそうにない。
そこで,絞めていた人の意識は,失った。
【残りこのノートを知る人物、三名】
✴︎
「ちょっと姉さんいいですか?」
「どうしたんだい?美月」
ノートの切れ端があります。
「いえ,なんでもないです。見間違えだと思います」
「あ、そう。なら,いいんだけどよ」
私は,咄嗟の反応で嘘をついた。
ノートの切れ端があったことを言えなかった。
なんだか,ダメなもののようなものに見える。
私は,そのノートを見ていて、死んだ。
いや,正確には,そのノートの夢を見た。
人形に殺される夢。
人形になる夢。
そして,姉さんが言ったことは,なんだ。
夢じゃない。
現実逃避だ。
じゃ,今は,何になってるんだ。
そのノートは,人を……。
その先は,紡げない。
私は,その先を紡いでは,いけない気がした。
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