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一章
閑話 1−14 それぞれの思惑
しおりを挟む女王陛下視点
なんなのじゃ?あの強さは!
報告は受けていたがそれよりも圧倒的に強いではないか!
クズ共は腐っても貴族の子息で剣術の腕は並よりは上のはず………
名ばかりではあるが一応近衛騎士を取り繕える強さはあったはずじゃ。
それが一撃でガルマンを除いた全員を倒したじゃと!
なに?何故大剣を突き刺し手放した?
素手じゃと?あやつはなにを考えておる?
一方的じゃな………そこまで恨んでおるか………
さもあらんことよ………
あれはポーションか?随分と情け深いこと?
また始めおったぞ!流石に妾も見るに堪えんぞ。
あっ!死んだのう。これで終わりじゃ。
「誰か!蘇生魔法を!誰か!まだだ まだ足りん!」
なんなのじゃ!久々に心の底から恐怖を感じる。
そんな伝説の魔法など我が宮廷魔導師長でも無理な話じゃよ………
バカ貴族共もこれでわかったであろう。例え平民であっても理不尽に虐げれば牙を剥き襲ってくることに。その牙は届くということに。
しかしバンとリタか、あの実力………
首輪を、いや手綱をつけるべきであろうよ。
「騎士団長よ」
「はっ! しょっ勝者 バンとリタ」
よし終わった。いや終わらせたというべきか…
「お主は勝てるか?」
ふと、疑問に思い小声で近衛騎士団長に訪ねてみる。
「正直わかりません。彼は最早ゴールドランカーには収まる強さでは無いかと
ただ陛下を守り逃がすことは近衛騎士団全員の命に変えてもしてみせます」
「そうか 魔法師団長よ鑑定結果は?」
この戦闘でバンとリタの鑑定を裏で魔法師団長にさせていた。さてさてどんな…
「陛下申し訳ございません 無効化されました」
「なんじゃと?」
「多分リタ殿ですね 私が鑑定魔法を唱えるとバン殿とリタ殿、お二人の周囲魔力が乱れ魔法が届きません
しかもその後、影に隠れ詠唱破棄で唱えたにも関わらず阻害された瞬間、確認の為除くとリタ殿がこちらを見て目が合いました」(ゾクッ)
「そうか…御苦労………」
「はっ」
バンはミスリルランカーの騎士団長と互角かそれ以上と、リタは宮廷魔導師長より上か、 扱いを間違えれば危険極まりないが………
「今夜の予定は後日に回せ 妾達夫婦と勝者2人だけでの食事会をする 頼むぞ宰相」
「ぎょ!御意………その前に至急の案件が5件ございますのでよろしくお願いいたします」
「うっ………うむ」
くそっ怯え呆けていたからどうにか仕事をサボれると思ったが宰相め、隙がないのう。
しかし仕事が手につかんぞ、あの決闘を観た後ではな………
///
西の公爵視点
なんなのだ!あの冒険者2人は…
そうか…あの時のギルマス殺しか…
くそっ どうにかあの事件は金で解決させ、上手くもみ消したはずが何故ガルマンは大人しくしておらん。バカめ…
女王にも話をつけたはずがここまで来ると流石に儂でも庇いきれん。
しかしこれで我が家は降爵は逃れられない。我が派閥がこれで何処まで力を失うか、どれだけ被害を少なくするかを考えなければならん。
あちらへの報告もしなければならんし…
くそっ くそっ くそっ くそっ くそっ………
///
とある貴族視点
公爵様は激怒しておられる。
親バカというかバカ親というか………
ああもクズに育てられたのは公爵様でしょうに。
まぁそのおかげで言いくるめるのは容易かったですがね。ふふふ♪
しかし制御の効かないバカは本当に困ったものです。北西にある冒険者ギルドを影で掌握し、それなりに稼げた迄は良かったが、まさか私の知らない処で御子息と領主が下らないことを計画実行していたとは…
私もまだまだですね、はぁ~本当に迷惑な…
それが原因でバレてしまいここまで大事になるとは思いもしませんでしたが、さてさてボスへ早急に報告しなければなりません。
私もそろそろ危なそうなので姿を消す準備をしなければ…
さてさてどちらに逃げましょうかね~。
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