愛させてよΩ様

なかた

文字の大きさ
上 下
2 / 2
1章

 1

しおりを挟む
僕の学校での目標は
一つ、運命の番を見つける。
二つ、貴族のお友達を作ること。
三つ、学校で優秀な成績を収めること。
この三つだ。
まずは、二つ目の貴族のお友達を作る。
すでにいる友達は三大公爵家の残りの公爵家のロイとルークこの二人は腐れ縁だ。
でも、二人じゃ寂しいしもう少し友達が欲しい。
残りの二つは卒業までに出来ればいいのでお友達を作るのが最優先だ。
学校は明日からで今から緊張する。
寝ないといけないのに心臓がうるさすぎて寝れる自信がない。
でも、僕にはロイとルークがいるし最悪殿下がいる。
クラスは学力順で決まってるし、別々になることもないだろう。
殿下は首席で僕が二位だからだ。
王族と同じ教育を受けてるからまあ当たり前だ。
殿下と一緒だと番探しが上手く行きそうにないけど、殿下の婚約者として勉強は出来ないと家の印象が悪くなるし出来るだけ試験を頑張る他なかったのだ。
ロイとルイも三十位以内に居たし、同じクラスだろう。
だから、心配する必要はない。
大丈夫。
そう思いながら眠りに着いた。

「リオン様、朝でございます。起きてください」
執事のその声で起きた。
なんだか寝た気がしないし、緊張も昨日より断然大きい。
朝ご飯なんて食べれそうに無い。
「兄様、殿下が迎えにくるんだからゆっくりしてられないよ」
...殿下が迎え?
「迎えに来るの?なんで?」
「それは兄様が婚約者だからじゃないの?これから毎日一緒に登校するんでしょ」
「そんな話...」
...したね。
手紙で学校に一緒に行こうって書いてあったんだった。
完璧に忘れてた。緊張しすぎて記憶の彼方に飛んで行ってた。
え?どうするのこれ...心の準備とか出来てないけど。
本当に来るの?
まあ、殿下とは初めて会う訳じゃないし大丈夫......本当に大丈夫かな。
手紙でさえ書くことを絞り出してるのに。
会って話すだなんてまともに出来るだろうか。
とりあえず、天気の話でもしとけば五分は保つはず...。
学校までは馬車で20~30分だから、後もう少し話題を作れば大丈夫...。
「リオン様、もうそろそろ王太子殿下がお見えになるそうです」
「え?もう?」
天気の話で30分いけるかな...いや、やるしかない。
殿下を待たせるわけにはいかないから、早く外で待ってないと。
外に出て余裕があったら、また話題を考えよう。
執事から鞄を受け取って正門前にある噴水前で待つ。
天気は晴れ...晴れなら話すこと沢山ある。
後は......今日は入学式で緊張するとか?
殿下は緊張しないか。
あ、でも殿下は首席だから入学式の代表挨拶があるはず、その話題もいけるのでは...。
後もう少し話題があれば完璧だ。
ガラガラ___。
馬車の音が聞こえた。
後、一個でいいんだ。後一個...。
そう思えば思うほどに何も出てこない。
どうしよう...どうしよう。
もう、目の前に馬車の扉が来ている。
「おはよう。リオ」
「おはようございます。アルベルト殿下」
あぁ...結局思いつかなかった。
そう思いながら、差し伸べられた手を取り馬車に乗った。
殿下の手が前より大きく感じてなんだか少し緊張した。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

生粋のオメガ嫌いがオメガになったので隠しながら詰んだ人生を歩んでいる

はかまる
BL
オメガ嫌いのアルファの両親に育てられたオメガの高校生、白雪。そんな白雪に執着する問題児で言動がチャラついている都筑にとある出来事をきっかけにオメガだとバレてしまう話。

主人公は俺狙い?!

suzu
BL
生まれた時から前世の記憶が朧げにある公爵令息、アイオライト=オブシディアン。 容姿は美麗、頭脳も完璧、気遣いもできる、ただ人への態度が冷たい冷血なイメージだったため彼は「細雪な貴公子」そう呼ばれた。氷のように硬いイメージはないが水のように優しいイメージもない。 だが、アイオライトはそんなイメージとは反対に単純で鈍かったり焦ってきつい言葉を言ってしまう。 朧げであるがために時間が経つと記憶はほとんど無くなっていた。 15歳になると学園に通うのがこの世界の義務。 学園で「インカローズ」を見た時、主人公(?!)と直感で感じた。 彼は、白銀の髪に淡いピンク色の瞳を持つ愛らしい容姿をしており、BLゲームとかの主人公みたいだと、そう考える他なかった。 そして自分も攻略対象や悪役なのではないかと考えた。地位も高いし、色々凄いところがあるし、見た目も黒髪と青紫の瞳を持っていて整っているし、 面倒事、それもBL(多分)とか無理!! そう考え近づかないようにしていた。 そんなアイオライトだったがインカローズや絶対攻略対象だろっ、という人と嫌でも鉢合わせしてしまう。 ハプニングだらけの学園生活! BL作品中の可愛い主人公×ハチャメチャ悪役令息 ※文章うるさいです ※背後注意

どうも。チートαの運命の番、やらせてもらってます。

Q.➽
BL
アラフォーおっさんΩの一人語りで話が進みます。 典型的、屑には天誅話。 突発的な手慰みショートショート。

ある日、木から落ちたらしい。どういう状況だったのだろうか。

水鳴諒
BL
 目を覚ますとズキリと頭部が痛んだ俺は、自分が記憶喪失だと気づいた。そして風紀委員長に面倒を見てもらうことになった。(風紀委員長攻めです)

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

王道学園なのに会長だけなんか違くない?

ばなな
BL
※更新遅め この学園。柵野下学園の生徒会はよくある王道的なも のだった。 …だが会長は違ったーー この作品は王道の俺様会長では無い面倒くさがりな主人公とその周りの話です。 ちなみに会長総受け…になる予定?です。

嘘の日の言葉を信じてはいけない

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
嘘の日--それは一年に一度だけユイさんに会える日。ユイさんは毎年僕を選んでくれるけど、毎回首筋を噛んでもらえずに施設に返される。それでも去り際に彼が「来年も選ぶから」と言ってくれるからその言葉を信じてまた一年待ち続ける。待ったところで選ばれる保証はどこにもない。オメガは相手を選べない。アルファに選んでもらうしかない。今年もモニター越しにユイさんの姿を見つけ、選んで欲しい気持ちでアピールをするけれど……。

花婿候補は冴えないαでした

BL
バース性がわからないまま育った凪咲は、20歳の年に待ちに待った判定を受けた。会社を経営する父の一人息子として育てられるなか結果はΩ。 父親を困らせることになってしまう。このまま親に従って、政略結婚を進めて行こうとするが、それでいいのかと自分の今後を考え始める。そして、偶然同じ部署にいた25歳の秘書の孝景と出会った。 本番なしなのもたまにはと思って書いてみました! ※pixivに同様の作品を掲載しています

処理中です...